177-衆-内閣委員会-4号 平成23年03月25日
○浅尾委員 冒頭、私からも、このたびの東北太平洋沖地震の被災者の皆様方に心から、亡くなられた方には御冥福をお祈りいたしまして、また、お見舞いを申し上げて、質問を始めさせていただきたいと思います。
まず初めに、今回の内閣府設置法の一部を改正する法律案につきまして、もう既にさまざま議論がありますが、簡単に総務大臣に、一括交付金と地方交付税あるいは税源移譲、この三つの地方自治体にとって使い勝手が比較的幅広いお金の種類というのがあるわけでありますけれども、総務大臣の理解で、そのメリット、デメリットを整理していただきたいと思います。特に税源移譲については、税源の偏在性というのがありますから、そこの部分は後ほど細かく議論させていただきますので、それを除いて、その三点のメリット、デメリットを整理していただけるとありがたいと思います。
○片山国務大臣 メリット、デメリットは、置かれた立場といいますか地域によって異なると思います。
例えば、地方交付税をふやすことのメリット、デメリットでいいますと、私は鳥取県の知事をやっておりましたから、地方交付税がふえますと大きなメリットがあります。しかし、これは東京都にとっては何のメリットもありません。
それから、税源移譲は、さっきちょっと申しましたけれども、税源の多いところは税収が多いという結果をもたらしますけれども、税源の乏しいところは税源移譲が幾らあっても税収が乏しい。したがって、本来は税が一番自由度が高いんですけれども、元手、元金が非常に乏しくなる、こういう問題があります。
それから、一括交付金の場合には、これは一定程度の国の意思が働く。それは、ある一定の枠の範囲内の投資的事業をこれだけ確保したい、全国で確保したい、こういう国の意思がある程度実現できる。自治体にとっては必ずしも自由度は一〇〇%ではありません。ソフトには基本的には使えないとか、そういう問題はありますけれども、かなりの程度の自由度が得られる。
ざっと概観すれば、そんなところかと思います。
○浅尾委員 ありがとうございます。
確かに、税源移譲については、先ほどもお話がございましたように、税源が比較的薄いというふうに申し上げた方がいいかもしれませんが、そういうところには移譲されてもなかなか難しいというのは、そのとおりかもしれません。
しかしながら、例えば、既存の制度のもとでも、偏在性が比較的少ない税というものがあるわけでありまして、一番少ないものの代表的なものを二つ挙げますと、一つは恐らく消費税、もう一つは所得税の一番低い部分の税率。つまりは、東京都には収入の多い人も住んでおられますけれども、そうでない人もいる。その中で、収入がある程度ある人は最低限一〇%の税率の部分は払うだろうということなので、まずはその低い部分の税率を地方自治体に振るのか、あるいは消費税を地方自治体に渡していくのかという考え方もあるのではないかと思います。
もっと言えば、共同税的な考え方を取り入れて、各自治体で税源は偏在がある、その一定割合を自動的に国に戻す形を取り入れて、そしてそれを、余りいろいろな要件を入れますと不公平とかなんとかという議論があるでしょうから、人口ぐらい、あるいは人口に面積ぐらいの要件で機械的に割り振るというのが多分、税源移譲をする場合に、もしそこに偏在性があるということであれば、そういう要件を入れるべきだというふうに思います。
そういった人口と面積というような形で、そしてそれを共同税という形で、例えば、消費税を全額地方に渡すけれども、その一定部分については国にプールをし、そして人口と面積割りで税の均衡を図るという考え方もとれるのではないかと思いますが、そういった考え方について、片山大臣のお考えを伺いたいと思います。
○片山国務大臣 これは、税制を考える場合の非常に本質的な問題だと思います。偏在性がより少ない、これは地方税を考える場合に非常に重要な観点であります。できるだけ偏在度の小さいもので地方税は構成すべきだということであります。
今、現実には、一番偏在度の小さいのは消費税でありますが、わけても、消費課税の中でもたばこ消費税が一番偏在性が少ないということになっております。消費税の場合は実はちょっと特別でありまして、国で取ってそれを分けるというわけでありますから、できるだけ偏在性がないように分けているだけのことであって、消費税については、偏在があるなしは実は論ぜられないわけです。
そのほかの税でいいますと、おっしゃるとおり、個人住民税の一定税率部分、今は一定税率になっていますから、その基礎部分、これも偏在性は比較的少ない。あとは固定資産税の家屋とか、そういうものであります。地方税はできるだけそういうもので構成をすべきであるということは確かであります。
そうはいっても、それでもやはり偏在はあります。その際にどうするかということで、そこで消費税というものが着目されて、これを地方消費税としてできるだけ偏在性のないような形で清算したらいいのではないかというのが現行の仕組みで、この割合をもっと高めたらどうかというのは議論として出てきます。
それからもう一つは、共同税というような、水平調整といいますけれども、地方税自体を地方間で客観基準で分けたらどうかということはあります。
これは、財政調整という面では非常に有効なんですけれども、私は実は、税については、かつて国税の税務署長をやっていた経験もあるものですから、その点で申しますと、やはり税というのは、人の懐に手を突っ込んで取るという、権力の契機というのもあります。したがって、その段階で住民の皆さんとの緊張感、納税者の皆さんとの緊張感が出てきて、そこで、無駄遣いをしてはいけない、より有効に使わなければいけないという観念が実は課税庁には生まれるわけであります。そこは非常に私は重要だと思います。
これを、地方消費税で全部配ってしまう、分けてしまうとか、共同税で、自分で取らなくてもだれかが取ってくれて、もらえるということになりますと、納税者との間の緊張感がだんだんだんだん薄れてしまって、財政の規律がなかなか行き届かなくなるということがあるものですから、こっちの方も実は重要なんです。
税源の偏在を少なくしてなるべく偏在性の少ない税財政の体系にしなければいけないという要請と、しかし、税の本質である権力の契機はやはり失ってはいけない、納税者との緊張関係というのを保ちながら、そのバランスをどう考えるかということだろうと思います。
○浅尾委員 おっしゃるように、本質的には、税を集めた自治体が税を使うというのが一番緊張関係も出ますし、責任が明確になるということだというふうに思いますので、目指すべき方向性としてはそういうことだと思いますが、すぐには、要するに、税源が豊かなところとそうでないところがあるというのが多分その議論の中でのボトルネックになるんだろうと。
だとすると、一定期間を区切って、共同税的なことをして段階的に減らしていく、その間に各自治体が努力をしていくというのが多分折衷案として出てくるのではないかなというふうには思っておりますが、この期間をどれぐらいにするかというのはなかなか難しいところだろうというふうに思います。
このことについて、もし何か御所見があれば、期間を区切って、その間は共同税的な形で、その期間を何年にするかというのが相当議論になるでしょうけれども、そういう考え方について、もし何か御所見があれば伺いたいと思います。
○片山国務大臣 実は、ある意味では地方交付税が本来の理念はそうなんです。共同税というのは国税で取ってそれを分けるわけですから、共同税とは違いますけれども、交付税が実はそういう財源保障と財源調整の機能を担っているわけです。
私は、当面は地方交付税の改善が必要だろうと思っています。
どういうことかといいますと、今、地方交付税というのは、例えば、財政力が低ければ低いほどたくさん手厚く行くといいますと、できるだけ低い方がいいという、経済学で言う貧困のわなに陥る可能性があるわけです。過疎化が進めば手厚くなるという。これを、徐々に自主性を増して力をつけるような方向に促していくという仕組みに変えるということが私は必要だろうと思っていまして、そういう意味で、何年ということは言えませんけれども、地方交付税が自立促進型にできるだけ変革されるような、そういう制度設計に変えていくべきだろうと思っております。
○浅尾委員 当面、そういうことであれば、ぜひ基準財政需要の計算式も簡素化して、今おっしゃったようなわなにはまらないようなインセンティブを基準財政需要の計算式の中に入れていくべきなんだろうなというふうに思います。
そのことを申し上げて、次の質問に移らせていただきたいと思います。
今回の震災で、復興における財源というのが膨大なものになると思いますし、必要額が膨大なものになると思いますが、では、これを地方にどの割合で負担していただくのかというのが大きな議論になるだろうと。最終的に、その地域の皆さんはもちろん震災で被災をされておりますので、大部分は国費で面倒を見るべきだろうというふうに思いますけれども、しかしながら、その先の復興ということを考えた場合に、地域の自主性あるいは責任ということを考えると、一定割合は地方に負担をしてもらわなければいかぬということになるんだろうと思います。
では、負担をするといっても、すぐには払えないということに当然なるわけでしょうから、その点について、まだとてもそういう議論が始まっているわけではないと思いますけれども、方向性について何か考え方があれば伺いたいと思います。
○片山国務大臣 若干の検討は始まっております。
基本から申しますと、災害のときに国と地方がどういう負担割合で復旧をして復興していくかというのは、基本的な考え方は決まっております。それが大きな災害になってダメージが大きいときには、いわゆる激甚災害の指定ということで国の負担割合をぐっと高める、そこまでも決まっております。
ただ、今次の災害は、恐らくそれでも対応できないだろうと予測をしております。
それはなぜかといいますと、ダメージを受けた自治体が、余りにもと言うと失礼ですけれども、総じて財政力の非常に弱いところでありまして、したがって、それに対する配慮が必要だということ。それから、余りにも甚大な被害で、例えば、瓦れきという言葉はよくないかもしれませんが、処理しなければいけない、家の壊れたものでありますとか、いろいろなものが余りにも莫大で、これだけでも相当な額になりまして、こういうこと一つをとっても今までのルールどおりにはなかなかいかないだろうということが言えます。
それからもう一つは、例えば原発の問題で、これは新たな災害でありまして、しかも、これは国が責任を持って処理すべき一種の災害でありますから、従来とは違う。
こんなことを考えますと、今次の災害に対する財政措置というのは、従来の決められた原則、それから激甚の特例だけでは対応できないものだと現時点でも思っております。
○浅尾委員 私どもも、今の大臣と同じように、とても現地だけに、従来の割合で現地に負担させるということを主張するつもりはありませんし、それは無理だと思いますし、そうすべきでないと思います。
その上で、今回被災に遭った自治体の中でも財政力の格差というのがあるでしょうし、東北地方の太平洋側が広範囲に被災されているということでしょうけれども、例えば、県単位ということになりますでしょうけれども、岩手、宮城、福島で、原発の部分を除いて債券の共同発行か何かをして、それに政府が保証をつける、その上で、償還財源については、別途、保証割合に応じて政府の方でつけていくというような新たな発想、つまり、東北のその三県の中でも財政力の差があるでしょうから、そういう新たな発想を入れていかないといけないのではないか。
その入れていく趣旨というのは、地元の住民の意向をできる限り反映させるということは、その反映をさせている割合に応じて、ある意味では地元の責任というのもあるでしょうから、それをすべて求めるというか、しかし、大部分は国が負担するにしても、地元の意向を反映させるという範囲においては、その自治体の広域連携の中で負担をしていただくということも考えなきゃいけないのかなというふうに思っております。
最後に、もし何かその点について御意見があれば伺いたいと思います。
○片山国務大臣 当然、従来よりは国の負担割合はふえるだろうと私も考えておりますけれども、そうは言っても、まだ、自治体が債券を発行することによって資金を調達するということは当然出てまいります。そのときの市場関係者の評価ということが非常に重要になってきますけれども、それは、地方債の発行が滞らないように、円滑にするように、総務省としては、責任を持ってこれに臨みたいと考えております。
その際に、共同発行でありますとか、それから、恐らく政府の保証はなくとも円滑に市場消化できるだろうと踏んでおりますけれども、いずれにしても、円滑な発行については十分心がけたいと思います。
○浅尾委員 終わります。
○荒井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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