- 浅尾慶一郎
国連腐敗防止条約の考え方については基本的に賛成でありますけれども、この条約で定められております責務について、国内法の整備がなされてない部分もあるというような気もいたしますので、その点について伺っていきまして、場合によっては、答弁が不十分であればかなり委員会の中で厳しくやらせていただくことを冒頭申し上げさせていただきたいと思います。
なぜそういうことを申し上げますかというと、この国連腐敗防止条約は、国際的な組織犯罪の防止に関する国連条約とセットのところもあるわけでありますが、その後者の国際的な組織犯罪の防止条約というのは、今、国会で話題になっております共謀罪と連携しておると。共謀罪の方は、当該国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の定める条文、条約で定められていることを忠実にやっていこうということで日本の法整備をやっていると。一方で、この国連腐敗防止条約で規定されていることについては国内の法整備が不十分であるというのは平仄が合わないのではないかということで質問をさせていただきたいと思いますが。
具体的に伺いますと、この条約の第六条には、第六条を私の方で読み上げさせていただきますと、「締約国は、自国の法制の基本原則に従い、次の方法により腐敗行為を防止する機関を適宜一又は二以上設ける。」ということになっております。第七条以下で公的部門について規定がされておりまして、第十二条で民間部門について規定がなされておりますが、まず、公的部門におきますこの第六条で定めます機関というのはどういうものを想定されておりますでしょうか。
- 委員長(舛添要一氏)
答弁はどなたがなさいますか。
金田外務副大臣。
- 副大臣(金田勝年氏)
条約第六条の腐敗行為の防止のための機関ということで、「腐敗行為を防止する機関を適宜一又は二以上設ける。」と、今、浅尾委員から読んでいただいたとおりの規定となっておりますが、我が国につきましては、国家公務員との関連において人事院及び国家公務員倫理審査会がこの機関に該当すると、このように考えております。
- 浅尾慶一郎
今、公的部門については人事院、国家公務員倫理審査会、地方自治体については人事委員会等ということになるわけですが、公的部門についてはそういう組織が存在するということであります。それを充てると。
ちなみに、民間部門も当然この第十二条で規定されておりまして、民間部門で今第六条で規定する機関というのはどういうものがあるんでしょうか。
- 副大臣(金田勝年氏)
条約第十二条におきましては、締約国に対し、民間部門に係る腐敗行為を防止し、民間部門における会計基準の強化等のための措置をとるように求めております。
我が国におきましては、関係法令による規制、民間企業の職員についての行動規範の策定を促す指針等の公表、民間部門における会計基準の設定等を通じて、従来から様々な機関等が民間部門も含む腐敗行為の防止のために取り組んできているところであります。
また、第六条一の規定につきましては、本条約の起草過程において、必ずしも新たな腐敗防止機関を設置することを求めるものではなく、各国の状況に応じて幾つかの機関がそれぞれの任務に応じて活動することでも本条の趣旨を満たすものである旨が確認されております。
我が国におきましては、民間部門の腐敗行為の防止を専門とする機関はありませんが、今述べましたとおり、人事院等のほか様々な機関が総体として公的部門及び民間部門の腐敗行為の防止のために取り組むことによりまして、条約第六条の規定の趣旨を十分に満たすものと考えております。
- 浅尾慶一郎
いえ、私の質問は、今正に副大臣御答弁されたように、公的部門については人事院その他が対応する機関として存在していると。条約においては、そういう機関をつくらなければいけないと。民間部門をカバーする機関がなければ、これはそれができていないと。ですから、おかしいんではないですかということであります。
- 副大臣(金田勝年氏)
民間企業の例えば職員の行動規範の策定の促進という見地から、外国公務員贈賄防止指針、これは経済産業省から出ておりますし、また預金等受入金融機関に係る検査マニュアル、金融庁からも出ております。それから、消費者に信頼される事業者となるために、自主行動基準の指針といったもの、これは消費者に信頼される事業者になるための指針であります。それから、民間企業の会計基準、商法等法令における規定のほか、企業会計審議会、これは金融庁であります。こういうものが設置されておりますし、監査基準の改訂に関する意見書、中間監査基準の改訂に関する意見書といったものが公表されているものとしてあります。
- 浅尾慶一郎
ですから、今御答弁なされたのは機関ではなくて、指針その他の規則でありまして、それを監督する機関というのがないと。第六条に、「自国の法制の基本原則に従い、次の方法により腐敗行為を防止する機関を適宜一又は二以上設ける。」と。一と、「一又は二以上」と言っているのは公的部門は確かにありますと。民間部門をカバーするものはありませんねと。そこは条約で定められている法律になっていない、法整備ができていないんじゃないかということで、その点について伺っているわけであります。
- 副大臣(金田勝年氏)
民間部門につきましても十分に担保されているというふうに考えております。それは、本条の趣旨を満たすという旨の、第六条一の規定によります、本条約の起草過程においての、新たな腐敗防止機関を設置することを必ずしも求めるものではなく、各国の状況に応じて幾つかの機関がそれぞれの任務に応じて活動をするということで確認されているものと思います。
それから、民間部門の腐敗行為の防止を専門とする機関はありませんが、様々な先ほど申し上げました機関等によりまして、総体として公的部門及び民間部門の腐敗行為の防止のために取り組むことによりまして、条約第六条の規定の趣旨は満たされているものと、したがって民間部門についても担保されているものと、このように考えております。
- 浅尾慶一郎
ですから、今おっしゃったように民間部門についてはないんです。
条約においては、英文が、和訳の方はこれ、適宜設けると、設置すると書いてあるんですが、適宜のところ、本当はアズ・アプロープリエートと書いてありまして、これは適宜というよりか適切に設けるというふうに訳す方が正しいわけでありまして、何を申し上げたいかというと、民間部門についてこういう新たな機関をつくるのが大変だからその指針でもって対応していこうというのは、その解釈における逸脱ではないかと。冒頭申し上げましたように、一方の共謀罪に対応するところはかなり条約に基づいて厳しくやっているにもかかわらず、こちらの方においては民間部門の組織をつくらないというのは、全くその平仄が合ってないというふうに思うわけでありますけれども、その点について、そういうのは起草過程においてつくらなくてもいいということであれば、そこはしっかりと条約に書いておかなければいけないわけでありますし、場合によっては条約の留保ということを主張すべきだと思いますけれども、そういうことをせずに大丈夫なんだというのは説明になっていないと思います。
- 副大臣(金田勝年氏)
外国の、例えば中国、オーストラリア、フランス、イギリスといったような、そういう、国連腐敗防止条約第六条の規定に従い設ける機関について調査しました結果も、これも、例えば中国ですと、中華人民共和国の監察部、国家公務員等に関する監察を実施する、そういうところですね。それからオーストラリアにつきましても、オンブズマン、連邦警察、連邦犯罪対策局、国税庁、連邦競争消費者委員会、連邦証券投資委員会、連邦公務員委員会といったような機関が該当するということになっております。また、フランスにおきましては、どの機関を指定するか、現在フランス政府内で慎重に検討中であると、こういったような状況にあります。いずれにしましても、第六条の規定は十分に担保できているものと、このように考えております。
我が国につきましては、繰り返しになりますが、関係法令等による規制、それから審議会等によります会計基準の設定等、民間部門に係る腐敗行為の防止のために様々な機関等が取組を行ってきているということで、第六条第一項の規定の趣旨は十分に担保されているというふうに考えておる次第であります。
- 委員長(舛添要一氏)
この際、政府に御注意申し上げます。
質問者の質問の意を体して的確な御答弁を願います。もっと具体的に言いますと、六条と十二条の違いがどこにあるのか。起草過程においてそれがちゃんと違いが明確になっているのか、日本国政府の解釈によって変わったのかと、そういう点の質問があったと思います。私の手元に条約の原文がございますけれども、それを精査すれば答弁はできると思いますんで、的確な答弁をお願いいたします。
- 副大臣(金田勝年氏)
第六条第一項につきまして、この……
- 委員長(舛添要一氏)
速記を止めてください。
〔速記中止〕
- 委員長(舛添要一氏)
速記を起こしてください。
- 副大臣(金田勝年氏)
平成十四年の起草過程におきます第六条の一の規定に、第六条一の規定に関しまして、既に国内の腐敗防止機関を有している国が新たな機関の設置を義務付けられないことで一致したということで議長から総括をされておりまして、私どももその点についてはそういう認識をしっかりと確認をしているつもりであります。
- 浅尾慶一郎
今の答弁は、公的部門については、先ほど、人事院等既にそういう機関があるわけです。しかし、民間部門には副大臣が言われたようにそういう機関がない。ですから、それでは起草過程の議論というのは当てはまらないということになります。
- 副大臣(金田勝年氏)
先ほど申し上げました趣旨は、既存の機関でいいということを確認を、総括されて確認をしているということで受け止めております。
- 浅尾慶一郎
伺いますが、ですから、私が申し上げましたように、既存の機関は公的部門にはあります、人事院とか。民間部門に既存の機関というのは何が該当しますか。
- 委員長(舛添要一氏)
速記を止めてください。
〔速記中止〕
- 委員長(舛添要一氏)
速記を起こしてください。
- 副大臣(金田勝年氏)
この点につきましては、既存の機関が必ずしも民間の部門に存在するという必要はないという考え方であると認識しております。
- 浅尾慶一郎
それは答弁が異なります。先ほど、起草過程において、既存の機関があればそれを新たに設置する必要性がないということだったのが了解されたということですから、先ほど御答弁されたのは、起草過程において、既存の機関があればそれを新たに機関を設置する必要性がないというのが了承されたということでありまして、今おっしゃったように、民間部門に既存の機関がないということになれば矛盾するということではありませんか。
- 副大臣(金田勝年氏)
いや、申し上げましたのは、民間企業の職員の行動規範の策定が行われていると、あるいは民間企業の会計基準と、こういったようなものが存在している状況の下では、その対応で今回の総括というものが認められているということで考えております。
- 浅尾慶一郎
行動規範、会計基準というのは機関ではありません。したがって、機関があるということにはならないわけであります。ここで言っているのは、そういった指針その他、規則をしっかりと守らせる機関をつくらなければいけないというのが第六条の規定でありまして、現存する機関がその規則を守らせるという例として人事院を挙げられますが、民間の場合ではそういうのがないんではないかと。
もう少し、大分、副大臣、御答弁に苦労されているようですから、例えばの助け船を出してあげますと、証券取引法には証券等監視委員会がありますから、それがその機関の一つだというのであればまだ納得できますけれども、証券取引法だけしかカバーできないとなればそれでは不十分ではないかということになります。
- 副大臣(金田勝年氏)
私が申し上げておりますのは、例えば贈賄防止指針、あるいは検査マニュアル、あるいはその審議会、そういったものはそれぞれ経済産業省、金融庁という機関によって行われているということで、そういう組織のそういう存在がそういうもの、対象となっているというふうに考えておるわけであります。
- 委員長(舛添要一氏)
再度政府に御注意申し上げます。
質問者の質問内容の意を体するような形で明確な答弁をお願いいたします。
- 副大臣(金田勝年氏)
そういう、繰り返しになっているというふうに思いますが、そういう指針や規定等を作っております組織としては、経済産業省や金融庁がその機関ということになると考えております。
- 浅尾慶一郎
それはもう、大変恐縮ですが、とんでもない答弁でありまして、経済産業省というのは必要な独立性が付与されている機関ではないわけです。この第六条に、その機関は必要な独立性が付与されてなければいけないということも書いてありますから、当然対象にならないと。それでは答弁になっていません。
- 副大臣(金田勝年氏)
関係法令等によります規制あるいは審議会等によります会計基準の設定等、こういうものは民間部門に係る腐敗行為の防止のための様々な機関として取組を行ってきておるということを申し上げているつもりであります。
- 浅尾慶一郎
いや、答弁になってないということでありますので、ちょっと止めてください。
- 委員長(舛添要一氏)
速記を止めてください。
〔速記中止〕
- 委員長(舛添要一氏)
速記を起こしてください。
- 副大臣(金田勝年氏)
要するに、私が申し上げておりますのは、金融庁におきます企業会計審議会、そういった組織が設置されております。そういった組織において、民間部門に係る腐敗行為の防止のためのそういう様々な基準というものを、きっちりその組織において取組が行われていると。したがって、そういう理解でありますし、また同時に、先ほど申し上げましたように、ほかの国の例を見ましても、中国、オーストラリア、その他の国々においても同じような考え方で行われているということを御説明を申し上げておるつもりであります。
- 浅尾慶一郎
今おっしゃったのは、企業会計審査会ですか、がその機関に当たるということでよろしいんですか。
- 委員長(舛添要一氏)
速記を止めてください。
〔速記中止〕
- 委員長(舛添要一氏)
速記を起こしてください。
- 副大臣(金田勝年氏)
十二条におきまして民間部門の腐敗行為の防止ということを求めているわけですが、この点につきましては、先ほど申し上げました金融庁における企業会計審議会あるいはそういった組織、あるいは様々な行動規範というものが経済産業省並びに金融庁にありまして、そうしたことによりまして、第六条の規定によります必ずしも新たな腐敗防止機関を設置することを求めるものではないと。各国の状況に応じて幾つかの機関がそれぞれの任務に応じて活動をするということを満たすということで、十二条と六条を我々のこの申し上げてまいりました対応で、各国の状況に応じて幾つかの機関がそれぞれの任務に応じて活動することでも本条の趣旨を満たすものであるということが確認されてきているということに基づいて民間部門の腐敗行為の防止のためにも取り組むことができると、このように考えている次第であります。
- 浅尾慶一郎
十二条は、民間部門の腐敗を防止するために必要な措置をとるということが十二条に規定されております。今おっしゃった会社法とかその他証券取引法等の法律あるいは規則というのは必要な措置に当たるものでありまして、第六条で言っているのは、そうした腐敗を防止するための政策の実施について監督し、及び調整する、そうした機関を設けなければいけないと。
公的部門について、先ほど御答弁いただいたように、公的部門においては人事院がそれに該当するとか、あるいは国家公務員倫理審査会が該当するということでありますけれども、十二条では、今おっしゃったように、いろんな規則は、規範はそれに当たりますが、機関がないんではないかと。具体的な機関というのは、民間部門の機関というのは何ですかというのが私の質問でありまして、それに対しては、ないというのが今までの御答弁ですけれども、どうも答弁がくるくる変わるようなので、ちょっと整理して答えていただきたいと思います。
- 副大臣(金田勝年氏)
一貫して申し上げているつもりですが、改めて申し上げます。
民間部門の腐敗行為の防止のための機関を設置しないという点についての御質問だというふうに受け止めておりますが、第六条第一項の趣旨というものは、本条約の起草過程におきまして、各国の状況に応じて幾つかの既存の機関がそれぞれの任務に応じて活動することでも満たされるということが確認されておることは申し上げたとおりであります。
我が国につきましては、これまで関係法令等によります規制、審議会等によります会計基準の設定といった民間部門に係る腐敗行為の防止のための様々な機関等が取組を行ってきておるわけであります。こうした取組によりまして、六条第一項の規定の趣旨というものも十分に担保されると、こういうように考えておるわけであります。
- 浅尾慶一郎
確認しますけれども、そうすると、その六条で定められている機関というのは審議会というのが御答弁ですが、その具体的な機関の名称を言ってください。
- 副大臣(金田勝年氏)
その機関等としては、企業会計審議会、あるいは先ほど申し上げました外国公務員贈賄防止指針、それから、指針を持つ経済産業省、それから預金等受入れ金融機関に係る検査マニュアルを持ちます金融庁、こういったものがその対象となると、行動規範を持つそういう組織、そういうものがこの対象となると考えております。
- 浅尾慶一郎
省庁が、省庁も含めて機関になると、省庁というのは経済産業省、金融庁も含めて機関になるという、そういう御答弁でよろしいんですか、本当に。条約に書いていることと違いますよ、それは。
- 副大臣(金田勝年氏)
例えば公的部門ですと人事院等があります。これも機関でありますが、国の機関でありますが機関であります。そういうことで、私が申し上げたその線で私はよろしいと思います。
- 浅尾慶一郎
人事院がそれはなぜ機関に当たるかというのは、人事院は必要な独立性を法的に担保されているからその機関に該当するということであります。ですから、経済産業省というのは正にその必要な独立性は担保されているというふうにはみなされないということでありますから、独立性を満たしている機関があるんならそれを答えていただければまだ理解できますが、経済産業省とか金融庁という役所をその場で言われるのが納得できる答弁ではないということを申し上げて、ちょっと、ちゃんと納得できる答弁ができるまで質問できませんので。
- 委員長(舛添要一氏)
速記を止めてください。
〔速記中止〕
- 委員長(舛添要一氏)
速記を起こしてください。
暫時休憩いたします。
午前十時五十分休憩
─────・─────
午前十時五十七分開会
- 委員長(舛添要一氏)
ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
委員の方は御着席願います。
休憩前に引き続き、腐敗の防止に関する国際連合条約の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
- 浅尾慶一郎
前の質問に繰り返しになりますけれども、第六条で定める公的部門の機関は人事院その他で担保されているというふうに理解をいたします。
しかし、民間部門の機関について答弁が混乱をしているようでございますので、それがないということであるならばないということを御答弁いただきたいと思いますし、あるならば具体的にどういうものが当たるかということを御答弁いただきたいと思います。
- 副大臣(金田勝年氏)
先ほどから申し上げてまいりました点をもう一度きちっと整理しまして申し上げますと、そもそも第六条の一、第六条一で、新たな機関の設置は義務として求められて、求めているものではないということであります。そして、我が国としては既に腐敗行為を防止する機関として人事院等があるということを申し上げております。そして、十二条におきましては、民間部分の措置を求めているもの、求めているものでありまして、機関の設置を求めている規定ではありません。そういう中で、措置といたしましては、なお民間部分のその関係機関として、措置といたしましてこの企業会計審議会等があるということを申し上げた次第であります。そして、海外の例も御説明をいたしました。
その上で、我が国につきましては、関係法令等による規制、審議会等による会計基準の設定等、民間部門に係る腐敗行為の防止のために様々な機関等が取組を行ってきておるということを申し上げて、第六条第一項の規定の趣旨は十分に担保されていると考えていることを申し上げたと、こういう次第であります。
- 浅尾慶一郎
私の質問をもうちょっと、もう一度聞いていただきたいんですけれども、十二条は措置を求めている、そのとおりです。第六条はその十二条、あるいは公的部門については第七条以下でその措置が求められているわけでありますから、第七条以下で定めている公的部門の措置を監視する機関として人事院等があると。しかし、十二条で定める民間部門の措置を推進する機関は何ですかと、それはないというんならないと端的にお答えいただきたい。
- 副大臣(金田勝年氏)
端的にお答えします。
その機関はありません。
- 浅尾慶一郎
ない。ないということになると、第六条の機関で定めるものは、これは第六条をそのまま読みますと、「締約国は、自国の法制の基本原則に従い、次の方法により腐敗行為を防止する機関を適宜一又は二以上設ける。」ということで、民間部門については設けていないということですけれども、それは条約違反になるんではないかということですけれども、それはならない理由も端的にお答えいただきたいと思います。
- 副大臣(金田勝年氏)
ならないと考えております。
- 浅尾慶一郎
いや、理由を伺っているんです。
- 副大臣(金田勝年氏)
先ほど、この再開後に申し上げましたが、我が国におきましては、関係法令等によります規制、そして審議会等によります会計基準の設定等、民間部門に係ります腐敗行為防止のために取組を行ってきておるという、措置をとって行ってきておるということをその理由と考えております。
- 浅尾慶一郎
措置は十二条で定めるところでありまして、十二条に従って措置をとるのは、当然、民間部門の措置については十二条で定められていると。公的部門については七条以下で措置が定められているということでありまして、第六条はそれぞれの措置に対して対応する機関を求めているわけでありますけれども、今の御答弁では多分正確ではないと思いますので、ちょっと時間の関係もありますので委員長に申し上げますが、政府として民間部門に対応する機関がない理由についての正確な答弁を求めたいと、後日で結構ですから、求めたいと思います。
- 委員長(舛添要一氏)
ただいまの件につきましては、後刻理事会においてその取扱いを協議いたしたいと思います。
- 浅尾慶一郎
時間の関係がありますんで、次の質問に入らせていただきたいと思います。
今日は、額賀防衛庁長官もお越しでございます。米軍再編についてかなり質問を出させていただいておりますが、本則のところから伺わしていただきたいと思いますが、そもそも論ということで、今回の米軍再編は、米国側からすると全世界の中で部隊の効率的な運用ということがそもそもの観点なのかなというふうに思っております。
そういう中で、軍事費の増大にいかに歯止めを掛けながら新たな脅威に対応していくかということがその問題点だということだと思いますけれども、そういうふうに考えますと、本土に部隊を戻していくというのは自国を守るためというふうに考えてもいいんではないかなというふうに思います。
特に、海兵隊のグアムへの移転ということに関していいますと、グアムの方が新たな脅威に対する距離感でいうと近い場合もあり得ると。南西アジア等への距離は、グアムの方からの方が沖縄からのよりも近いということもあり得るので、そういうふうに考えていくと、必ずしも日本が沖縄から移転してくれと頼んだから出ていったんではないんではないかというふうに思いますが、その点についての防衛庁長官の理解を伺いたいと思います。
- 国務大臣(額賀福志郎氏)
もう浅尾委員がおっしゃるように、テロだとか大量破壊兵器、あるいはまたミサイル防衛等々の新しい脅威にどう対応していくか、あるいはまた冷戦後の安全保障環境の変化で、従来どおり、かつてのように同盟国、至るところに固定的に米軍のプレゼンスを置いてその安全保障の抑止力を維持するということを考えるよりも、言ってみれば、技術の進歩等々によりまして、これは精密誘導兵器とか輸送力の向上とか、そういうことを総合的に考えて、本土にいても十分に対応できる、そして重点的に配備をすることによって全体的な安全保障環境に備えるという形で米軍の再編が行われているものと思っておりますし、当然我が国も、我が国の主体的な考え方の下で統合運用とかミサイル防衛だとか、新しい環境にどう備えるかということで自衛隊の変革を行っている。
その中で、今度の米軍再編に伴う同盟の在り方あるいは自衛隊の在り方等々を考えたときに、やっぱり日本の場合はアメリカと違って、基地の負担をできるだけ抑止力を維持しながら軽減をしていこうということはやっぱり最大の目標でございますから、これは従来からアメリカに対して、特に沖縄においては海兵隊の県外移転とかそういうことを要求されておりましたので、アメリカに対してはそういう要求をしてきたことも確かでありますし、実際に協議の場でそういうことを言ってきたわけであります。
そういう我が国の要求にこたえてグアムに移転したというふうに我々は考えておりますし、と同時にアメリカは、抑止力の維持をしながら、あるいは世界全体の安全保障環境、新しい安全保障環境にどうこたえるかということも踏まえた上でということも当然要素としてはあると思いますけれども、第一義的には我々の海兵隊の移転、負担の軽減という要求に同盟国としてこたえてくれたものと思っております。
- 浅尾慶一郎
海兵隊という部隊については、むしろその抑止力の中身が沖縄ないしは日本を守る性格というよりかは、前方に展開をしていくというのが海兵隊の性質だと思いますので、冒頭申し上げましたように、グアムの方が場合によっては新たな脅威が存在する地域に近いということを考えると、必ずしも日本がお願いしたから出ていったというよりかは、むしろ米軍全体の戦略の中でそう動いたというふうにとらえるのが正しいんじゃないかなと思います。
そのことについて伺おうと思いましたが、ちょっと時間が余りありませんので、地元負担という観点から幾つか、今日は総務副大臣あるいは財務副大臣も来られていますんで伺っていきたいと思いますが、今回の閣議決定の中で、地元負担が残るところについては地域振興というものが出されております。地域振興ということでいうと多少お金の関係のところも出てくるわけでありますが、特に基地交付金というものは、これは固定資産税に見合った額になっていません。
まず、事実で伺いますが、固定資産税に見合った額とするべきではないかなというふうに思いますけれども、総務副大臣、せっかくお越しでございますんで、例えば固定資産税であったらどれぐらい多く基地交付金がなるか、その辺の数字をもしお分かりであればいただきたいと思います。
- 副大臣(山崎力氏)
固定資産税、そもそもの話をした方がよろしいかと思うんですが、固定資産税だけでこの基地交付金が算定されているわけではないと。いわゆる固定資産税の代替的性格はもちろんあるわけで、それは基本としておりますけれども、その基地のある市町村の財政需要に対応するための財政補給金的な性格も持っていると、こういうところで、元々いわゆる固定資産税と対等、そのままイコールであるかどうかということの議論はもちろんあるわけでございますけれども、そういった中で勘案したときに、いわゆる基地の資産をどういうふうに固定資産税的に課税するかと、こういうふうになりますと、固定資産用の土地に係る課税標準の特例措置がどうなっているかとか、あるいは負担調整措置というものがどのように適用されるべきなのかと、されているかという不明な点がございますものですから、そこのところをきれいな形でどの程度の中身かということになると、これは極めてお答えするのが困難だと申し上げるしかない状況にございます。
- 浅尾慶一郎
総務省としてなかなか答えづらいということでしょうけれども、例えば現に基地を抱えております横須賀市、あるいは幾つか、神奈川でも座間とか相模原とかありますが、そういうところがその分の土地が仮に民間地、要するに国有地だから固定資産税評価額がゼロであって、したがって固定資産税が掛からないという理屈は、国としては払う金額は少なくて済みますけれども、そこの市町村からするとそこが民間地になっていればかなり固定資産税が入ってくるというふうに考えて基地交付金の算定をした方がその地域に対する振興には役に立つんではないかということで、この質問をさせていただきました。
時間が少し限られておりますので、もう一点と併せて防衛庁長官に伺わさせていただきたいと思いますが。
今回返還される跡地の中に国有地というものがあります。国有地については、旧軍港四市についてはこれは無償譲与されました、軍港法に基づいて無償譲与された。しかし、今度返還される相模原、座間、そして沖縄のかなり大きな国有地については現地の自治体に、法整備がまだされていないので無償譲与されるというようなことが決まっているわけではありませんので、まとめて防衛庁長官に伺いますが、基地交付金の算定式の変革と総務省に働き掛けるということはこれは地元振興にもなりますし、あるいは返還されます国有地については旧軍港四市と同様に無償譲与するべき、そのための法整備を考えるべきだというふうに思いますが、その点についての防衛庁長官のお考えを伺いたいと思います。
- 国務大臣(額賀福志郎氏)
まず、基地交付金関係についてでありますが、今総務山崎副大臣からお話があったわけでありますが、米軍とか自衛隊の施設が市町村の区域内に大きな面積を占めているわけでありますから、これは市町村の財政に確かに影響を与えているというふうに思います。その点について、固定資産税の代替的な性格を基本としながらも、市町村の財政需要に対処をするための、今話がありましたように、財政補給金的な性格を有する一般財源として交付されているというふうに聞いておりますが、現時点において防衛庁として、これは総務省の所管でありますから、特別に制度の見直し等について申し上げる状況ではないと思っております。
しかし、防衛施設庁としては防衛施設の市町村の理解を得ていかなければならないわけでありますから、今後とも、各基地のある市町村の皆さん方の意見等々があればしっかりと総務省に伝えていかなければならないというふうに思っております。
それから、これから様々な米軍基地の土地が返還されるところがあります。これは浅尾委員も一生懸命努力されたから、結構、相模原補給廠とか返還されてきているわけでありますから、そういうことについて知事とか市町村長さんからいろんな意見を聞かされております。そういうことについては、しっかりと地方自治体が跡地利用が円滑にできるようにするにはどうしたらいいかということについてはいろいろ相談をしていかなければならないというふうに思っております。
閣議決定の中にも、土地の跡地利用については全力投球で取り組みますというふうに、政府を挙げて取り組みますというふうになっておるわけでありますから、いろいろと相談はしていかなければならないというふうに思っております。
- 浅尾慶一郎
時間が参りましたので質問ではなくて意見で申し上げておきたいと思いますが、今申し上げたのは、例えば旧軍港四市については軍港法という新しい法律というか、そういう法律を作って無償譲与をしたということでありますから、そういうことも含めて、防衛庁長官として是非働き掛けをしていくことが地域振興になるということで意見として申し上げさせていただきたいと思います。
財務副大臣には質問の時間がなくなりまして、申し訳ございません。
- 委員長(舛添要一氏)
暫時休憩いたします。
午前十一時三十八分休憩
─────・─────
午前十一時四十四分開会
- 委員長(舛添要一氏)
ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、腐敗の防止に関する国際連合条約の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
この際、外務大臣から浅尾氏の質疑に対する答弁がございます。麻生外務大臣。
- 国務大臣(麻生太郎氏)
第六条の趣旨に関しましては、腐敗行為を防止する機関を設けることを規定しております。これは、各国において自国の法制の基本原則の範囲内で行えばよいとされており、必ずしも新しい組織を設けることを求めてはおりません。この趣旨に沿って、日本では腐敗行為を防止する機関として人事院等がございます。
条約第六条は民間部門に対する措置の責任機関を設けることを求めているわけではありませんが、十二条に従い一定の措置をとることが要請されております。日本につきましては、このような措置は金融庁、経済産業省等の所管の省庁が法令に従い適切に対応しているところでもあり、これからもきちんと対応してまいりたいと存じます。
一言、答弁に当たりまして明瞭でない部分があったことに関してはおわびを申し上げたいと存じます。
基本的には、条約は、国際的な腐敗の防止の取組というものは公的又は民間両部門において進められているというものでありまして、条約の義務は今も申し上げたとおりではありますが、今後とも政府全体として適切な対応を取っていくように努力してまいりたいと存じます。
ありがとうございました。