- 浅尾 慶一郎
民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。角田委員に続きまして、質問をさせていただきたいと思います。
大変重大な御指摘を角田委員の方からされたものと、私も今の審議を聞いておってつくづく思いました。そういう中において、やはりどんな組織でもいろいろな問題があるんではないかなという観点から、チェック・アンド・バランスということが大事になってくるんではないか。そういうことを考えますと、今回の警察法の中ではやはり公安委員会というものが大変重要になってくるんではないかなと。
そこで伺いますが、公安委員会というものが一体だれに対して本当に責任を負っているのかということが大事になってくるんではないかなと。現在の警察法あるいは改正後の警察法においてもなかなか公安委員会、きょうは国家公安委員長は御出席いただいておりますが、国家公安委員、5人おられる中で、私は残念ながら公安委員長以外の公安委員の方を国会の席でまだお見かけしたことはございません。やはり国会の場にそれぞれが来ていただいて、質問に対して真摯に答えていただくということが大事なんじゃないかなと、こういうふうに思っています。
それで、最初の質問でありますが、今度、警察法改正に当たって公安委員会が警察を管理するということでありますが、今までの警察法の中における管理という言葉と、改正後の管理という言葉について、簡潔で結構でございますが、解釈上違いはありますか、ありませんか。
- 石川 重明氏(政府参考人)
公安委員会の行う管理の意味、内容でございますけれども、警察行政の大綱方針を定めて、警察行政の運営がその大綱方針に即して行われるよう、警察庁または都道府県警察に対して事前事後の監督を行うものというふうに解されておるわけでございます。
そして、今回の改正で監察に関する個別的、具体的指示というところが入るわけでございますけれども、この点につきましても、管理形態の一態様として、この法解釈のもとで大綱方針に反したことが行われているような疑いがある場合に、それをきちっと是正するための措置を行う前提としての監察のための個別具体的指示を管理の一形態として行うということを法律上明確にした、こういう関係になります。
- 浅尾 慶一郎
それでは、例えば角田委員が今御指摘になったような事案があって、今度の改正後の警察法であれば、都道府県の公安委員会に文書で申し入れをすれば当然それに対して答える責務はあるわけでありますが、そういったことは答えていただけるという解釈でいいんですか。それとも、今のお答えですと、大綱方針に関係ない部分については答えないということになってしまうと余り改正の意義が得られないんではないかなと思いますが、そこは答えていただけるという理解でよろしゅうございますね。
- 石川 重明氏(政府参考人)
これは、管理という観点から答えるか答えないかというようなことよりも、今回の改正で警察職員の職務執行に関する苦情処理制度というものが創設されることになるわけでございます。その状況下において、警察職員の職務執行について苦情があるという形で公安委員会に文書で申し立てがあった場合には、公安委員会はそれに対して文書で処理をした上で回答をする、こういうことになると思います。
- 浅尾 慶一郎
管理ということではなくて、考え方を分けてお答えになっているというふうに御答弁を聞いたわけでありますが、ただ現実の側面においてはなかなか管理の部分と苦情処理の部分というのが分けられないんではないかなというふうに思うわけであります。
そうだとすると、私自身はむしろ積極的に、今までの解釈というのは、個別の事案についてはなかなか管理が及ばないというのが警察庁の官房が書いた警察法のコメンタールにたしかそういうふうに書いてあったと思いますが、今度、苦情処理ということが入ることによって、むしろ個別の事案についても管理、あるいはそれは苦情というふうにお答えになるのかもしれませんが、管理できるようになったというふうに解釈できると思うんですが、その点、再度のお尋ねで恐縮ですが、お答えいただけますか。
- 石川 重明氏(政府参考人)
冒頭に御答弁申しましたように、管理という観点から今回の御審議をお願いしておる警察法の改正案でございますけれども、これは、公安委員会がいろいろな情報によってこれは監察をすべきだということがあれば、これは一般論でございますけれども、この案件と直接の関係を持たせて御答弁申し上げているわけではございませんけれども、この点についてはしっかりこういう形で調べるようにという個別具体的な指示を出すことができる、それが管理権の行使の一態様になる、こういうことでございます。
- 浅尾 慶一郎
では、お尋ねを引き続いてさせていただきたいと思いますが、公安委員会、国家公安委員会も都道府県の公安委員会も管理すべき対象というものが非常に膨大にあるんではないかなというふうに思っております。
先ほど冒頭に申し上げましたように、公安委員会がより有効な警察の管理ということを考えた場合に、まず公安委員会そのものが国会なり都道府県の議会に対して報告をし、その管理の形態について質疑に応じるということが必要であるということで、後ほどこれは質問させていただきたいと思いますが、その前に、管理をするということになってくるとどうしても、抽象的な大綱に対してどうかということだけではなくて、ある一定の管理のための指標というものを設けて、そしてそれに対してどうなっているかということを考えていくことが必要なんではないかなというふうに思うわけであります。
まずお伺いいたしますが、現在の警察業務の管理指標についてそれぞれ、例えば刑事関係、警備関係、あるいは交通関係、さらには生活安全関係について具体的にどのような指標を持って管理をされているのか、これは警察庁長官にお伺いしたいと思います。
- 田中 節夫氏(政府参考人)
警察のいわゆる政策評価という問題に多分なろうかと思いますけれども、それは国民に対する説明責任の徹底、あるいは国民本意の効率的で質の高い行政の実現、そういうことを図ることを目的といたしまして、必要性、効率性あるいは有効性の観点から実施いたしまして、評価の結果については原則としてこれから国民に対して公表していかなければいけないと思っております。
ただ、現実に具体的な数値を持ってやっておるかと言われますと、これは今後政策評価ということがこの法律の中に含まれますと、そういうことにつきまして今必ずしも明確に基準を持っておりませんので、そういうような数値に基づいた管理、警察の仕事というのは大変なかなかそういう面では難しい問題があろうかと思いますけれども、でき得る限りそういうものを導入して管理をしていくということが従来以上に必要になろうかというふうに思っておるところでございます。
- 浅尾 慶一郎
そうすると、今の御答弁ですと、現段階では数値による管理というものは一切行っていないということですか。
- 石川 重明氏(政府参考人)
私ども、国家公安委員会の管理を受けて仕事をしているわけでございますけれども、その公安委員会の管理に内在するものといたしまして、いろいろの警察事象がどういう形で今起きておるか、それに対してどういう対応をとっているかということの御報告を申し上げることになるわけであります。そのときにおきまして、従来から、例えば犯罪の発生状況はどうなっているか、あるいは検挙の状況がどうなっているか、あるいは交通事故の発生状況がどうなっているかといったようなことを数値というものを用いまして御報告し、そしてそれに対する対応策につきまして御指導いただいているわけでございます。
個別具体的なものを申しますと、例えば特定交通安全施設を整備するときに、その整備の実施前と実施後の交通事故の発生状況がどのように変わったかといったようなことにつきまして定量的な評価を行うといったようなこともあるわけでございます。そうしたようなことが、政府全体としてこういう政策評価というものについて、先ほど長官が御答弁申しましたように、いろいろな形でしっかり評価の結果というものをその後の施策に生かしていく必要があるということでございます。
今までも数値目標というものを、そのものはございませんけれども、いろいろな数値を用いていろいろ御説明し、政策の施行等に生かしてきたということはあったというふうに思います。
- 浅尾 慶一郎
では、具体的に伺いますが、今まで数値を用いて説明をされてきたその具体的な数値の中身、中身というのは、例えば交通部局であれば交通事故の数とか、先ほど申し上げましたそれぞれの刑事、警備、交通、生活安全の具体的な数値の項目についてお答えいただけますか。
- 石川 重明氏(政府参考人)
例えば、今一つ、特定交通安全施設の整備事業の整備効果の評価の点について申し上げたわけでございますが、このほかに、例えば運転免許証の更新制度の評価というようなものがございます。これは、更新者の更新前後の事故の状況がどうなっているか、あるいは更新申請者の適性検査の状況が事故とどういう関連性があるのか、あるいは更新時における処分未執行者の発見の状況等について調査を行いまして、これは数字が出るわけでございます。この更新制度と事故の関係をいろいろ分析いたしまして、更新制度の効果というものがどのぐらいあるのかといったようなことを例えば測定し評価を行う。
また、科学警察研究所というところで研究を行っているわけでございますが、この研究評価といたしましていろいろな研究開発課題を対象といたしまして、一定の課題については外部の評価委員会による評価も導入しながら、研究開発の目的の決定とかあるいは期待される成果とか、波及効果の予測、研究開発計画の妥当性といったものをその時々に判断していくと。
こういったようなことを行っているわけでございまして、個別具体的にこうしたものを必要に応じて公安委員会に報告をする、こういうことで来ておるわけでございます。
- 浅尾 慶一郎
ですから、例えば刑事関係ではどういう数値を言っているんですか。
- 石川 重明氏(政府参考人)
刑事関係でいえば、例えば刑法犯の認知、発生状況というものを一つの数字としてとらえて、それに対していろいろな対策をとっていくといったことがあると思います。
- 浅尾 慶一郎
それでは、警備公安関係ではいかがですか。
- 石川 重明氏(政府参考人)
警備警察の関係につきましては、今まで極左暴力集団に対するいろいろな警察措置といったようなことで情報の収集分析を行って警備計画の策定をするといったような活動を行っておりますし、また機動隊が災害警備に出動していろいろな活動を行う、こういったようなことでありまして、必ずしも検挙件数とか情報収集の件数といったような数値目標的な評価というものには直接結びついてこないといったような部分が多かろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
国家公安委員長に伺いますが、国家公安委員会、5名ということで警察庁を管理するということなんだと思いますが、国家公安委員会として今のいろいろな管理の数値、指標といった議論があるわけでありますが、能動的に主体性を持って警察を数値の上からも管理していこうということで何らかの提言をされたことはありますか。
- 西田 司氏(国務大臣)
国家公安委員会が警察庁を管理するに当たりましても、客観的な評価結果を活用することでより合理的な管理を行うことが可能となるものと考えておりまして、そのことを、私、国家公安委員会としても強く警察庁に指示をしておるところでございます。
- 浅尾 慶一郎
ちょっとよく御答弁が聞けなかったんですが、客観的な数値を国家公安委員会としても出していくことが必要ということで、公安委員会として数値の、例えばこういった項目というのを出されたことはあるんですか。
- 西田 司氏(国務大臣)
現在まではそういうことはありませんけれども、今後、新しいスタートに当たってそういうことにも最大限留意をしてやっていきたいと、こう思っております。
- 浅尾 慶一郎
では実際、今後その管理数値というものを国家公安委員会の方が主体性を持ってつくっていく、導入していくということを考えられるに当たって、現在の5人の体制、あるいは今後補佐官というものが導入されますが、それだけで、要は、情報は全部警察側にあるわけでありますから、主体性を持って出していくことが可能かどうか、その点についてお答えいただきたいというふうに思うわけであります。
例えば今のこの委員会の様子を見ても、西田公安委員長が御自分で考えてというよりは、大変恐縮でございますが、後ろからメモが来るわけでありますから、なかなか御自分でというわけではないんだと思いますが、そういう中で、現在の体制あるいは補佐官ができてもそれで十分できるかどうか、お答えいただければと思います。
- 西田 司氏(国務大臣)
警察の政策につきましては、犯罪の捜査、鎮圧のための施策のように、具体的な数値目標の設定にはなじみにくい分野や施策と効果の因果関係が明確でない分野も多く、こうした分野についてはどのような評価方法が適切か、どのように評価結果を予算要求等へ反映させるべきかなどについて、今後鋭意研究、検討、開発を進めていくこととしておるわけであります。
- 浅尾 慶一郎
私は、公安委員会に求められている機能というものは、まさに今、予算、財政再建の議論もありますし、当委員会においても特に松岡委員等もよく御指摘をされておりますが、財政再建の議論がある中において、限られた資源をいかに有効に活用するかということを警察の外側から数値、指標を用いて指摘していくということなんではないかなというふうに思っておるわけであります。
それで、そういう国家公安委員会ないしは都道府県公安委員会が本当に機能をしていくためには、やはり現状、かなりの部分、情報あるいは事務局についても今度の改正後の警察法においても警察に依存するわけでありますけれども、それは依存するにしても、例えば会社であれば、会社と警察を比較するととんでもないという御意見もあるかもしれませんが、組織という面で聞いていただきたいんですが、会社であれば社外取締役という方がいても、それが機能するかしないかということは、社外取締役が株主に対して責任を負っているという形でそれが機能するかしないかということで分かれてくるんではないかなというふうに考えるわけであります。
そうだとすれば、まず国家公安委員会ないしは都道府県公安委員会が機能するためには、恐縮でありますが、例えば公安委員長のみならず、先ほど来申し上げておりますけれども、各公安委員の皆様方が年に何回かは国会の場に国家公安委員であればお出向きいただいて、そして現状について御報告いただいた上で質疑に答えていただくということが必要なんではないかなというふうに思いました。
先般行われました地方公聴会でお越しいただきました、これは各党で推薦させていただいた4人の公述人の方にその旨をお聞きいたしましたところ、各4人の先生とも、やはりそういったチェックというものは必要だろうというふうにお答えをいただきました。ある先生、これは与党側推薦の先生ですが、頻度について伺ったところ、月に1度ぐらいはというような言葉でお答えをいただいたわけであります。
西田国家公安委員長に伺いますが、いつも西田国家公安委員長だけがお越しいただいておるわけでありますけれども、ほかの国家公安委員の方がこうして国会に来られていろいろな警察にかかわることについて御答弁いただくということについて、西田委員長はどのようにお考えでありますか。
- 西田 司氏(国務大臣)
大変理屈を言うようでございますけれども、国家公安委員会は合議体の機関でありますから、委員長及び委員全員が相互に意見を尽くした上、会議の議決により決した事項については委員会の構成委員として当然これに服していくことであります。
委員長は、警察法上は会務を総理しまして国家公安委員会を代表する立場にあり、国務大臣として国家公安委員会と国会、政府等との連絡の緊密化を果たす役割を持っておるものと考えます。したがいまして、国務大臣たる私が国家公安委員会を代表して国会に対応しなければならない、このように考えておるところでございます。
ただ、今最後にあなたがおっしゃった問題は、時代というか世の中というか、だんだん変わってまいりますから、そういうことで国家公安委員会の役割というものを広げていくことは私も異存はございません。
- 浅尾 慶一郎
積極的にその御答弁をとらえたいと思いますが、ちょっと伺いますけれども、国家公安委員会の審議のときに委員長は採決には通常は加わらないという理解でよろしゅうございますね。
- 西田 司氏(国務大臣)
採決には加わりませんが、私は常に委員会の御議論は拝聴をしております。
- 浅尾 慶一郎
私が各委員の方にお越しいただきたいと申し上げているのは、委員長は採決に加わらないということで、一般質疑ということになってくれば、採決に加われる方の人物、識見というものを国会の場においても御披瀝いただきまして、そして我々も真摯に議論をさせていただいた方が本当の意味で資源、予算も限られている中でよりよい警察をつくっていくことにもなっていくんではないかな、そういう意味で申し上げた次第でございますので、ぜひ最後に御答弁いただきましたことを踏まえて、時代の変化とともに国家公安委員の方々にもより多くの機会に国会の場にお越しいただきまして、今後とも警察一般について御質疑にお答えいただきますようお願い申し上げまして、時間が参りましたので質問を終わります。