金融経済特別委員会 会議録
平成12年4月26日
浅尾 慶一郎

民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。

まず、破綻金融機関の問題に入る前に、現在いろいろと商工ローンの問題が言われておりまして、先般も当院において証人喚問をいたしました。商工ファンドの社長さんを証人喚問した次第でございますが、その商工ファンドについても、違法性があるということで強制捜査に着手したわけでございます。

そこで、実はその商工ローンに限らないわけでありますけれども、谷垣新大臣が就任される以前に越智大臣の答弁の中で越智大臣が約束をされた件でございますけれども、谷垣大臣も元弁護士ということでございまして、非常に社会正義に明るいということだと思いますので、きっと同意いただけるのではないかと思いますけれども。

いわゆる利息制限法と出資法との間の制限金利の違いがある。しかも、利息制限法は百万円を超える部分は御案内のとおり15%以上は払う必要はないと書いてあるわけでございますが、その利息制限法に基づいて仮に年率30%とかいう契約を結んだ場合でもこれは払わなくても、払う意思がないということになった場合にはこれは商工ローン側もあるいはいわゆるサラ金業者側もそれを請求しないということが巷間行われておりますし、また近時の判例でもそのようなことが言われておるという次第であります。

そこで、実は越智大臣がお約束されたのは、当院においても議論がなされましたいわゆるノンバンク社債法案の附帯決議の中で、消費者教育というものがあって、その消費者教育を徹底して行いますということが附帯決議の中に記されておるわけでございますけれども、この消費者教育にのっとって、利息制限法を超える金利の部分についてはこれは任意に払わない限りは弁済する必要がないですよという消費者教育をやるということはお約束をいただいたわけでございます。どういう形でやるかというのは、例えば貸金業者の中でそういうポスターを張るとか、いろいろなやり方があるでしょうし、あるいは政府広報を使ってそういったようなことを周知徹底することもできるわけだと思います。

私は、いずれにしても15%と30%なら30%の間の大きな違いというのがあるということがまず大きな問題だと思いますし、知っていることと知らないことによって利益不利益があるというのはこれはかなり問題なのではないかなというふうに思っておりますので、ぜひ谷垣金融再生委員長に、その後どういう形でこの利息制限法を超える部分については任意に払わない限りは払う必要がないですよという教育をされておるかということを伺いたいと思います。

村井 仁氏(政務次官)

ただいま浅尾先生から御指摘のございました点は、昨年の12月の10日でございましたか、越智前金融再生委員長が御答弁の中で、結論的には勉強させていただきますというようなおっしゃり方で御答弁申し上げた点でございますが、これにつきまして改めて申し上げさせていただきますと、貸金業規制法第43条のみなし弁済規定でございますけれども、これは利息制限法の超過利息を任意に支払った場合、一定の要件のもとで有効な利息の債務の弁済とみなすものとして利息制限法の特則をなしている。このことを考えると、その特則について触れずに超過利息が無効であることのみを契約者に周知徹底することを義務づけるというのは、これまたちょっと貸金業法の第43条が設けられている立法趣旨とあわせ考えますと、慎重に考えられるべきものだと考えられる。

それで、貸金業者に対しまして超過利息が無効であることを契約者に周知徹底させることを義務づける。そうしますと、民事訴訟を念頭に置く場合に、契約者は超過利息が無効であると知りながら任意に支払ったと貸金業者が主張するのを容易にするという問題点もあるわけでございまして、かえって契約者の不利に働くおそれもある。そういうことを指摘しつつ、貸金業規制法の行為規制の観点から検討すべき事項というより消費者行政の問題として観念するべきものと、このような趣旨の答弁で勉強させていただきたいと、このようにおっしゃったと私は理解をしております。

それで、この点につきましては、いずれにいたしましても消費者行政の観点からの取り組みというのは私どもだけでやれませんので、今後、同法の施行後の状況等を見きわめつつ、この趣旨を踏まえながら、先生の御趣旨を踏まえながらさらに勉強をしていきたい、このように考えているところでございます。

いずれにいたしましても、経済企画庁がどちらかというとこういう問題につきましては主務官庁でございますので、よく相談もしてまいりたい、こんなふうに考えているところでございまして、さような意味での連携作業を現在いろいろ工夫をしているところでございます。

浅尾 慶一郎

今の政務次官の御答弁は実は昨年の委員会でも同じような御答弁があったわけでございまして、私が伺っておるのは、昨年の12月から現在の間に勉強がどういう形で進んだのか、全く行われていないのか、その点だけなんです。

村井 仁氏(政務次官)

今ちょっと御説明申し上げましたけれども、やっぱりなかなか法律論としても難しい点がございまして、率直に申しまして、今すぐそういうことでこの問題について明示的に払わなくていいんだぞということを公示しろというところまでやれるかという話になりますと、なお私どもちょっとまだ関係省庁との間で議論が煮詰まっていないと、こういうふうに御理解をいただきたいと存じます。

浅尾 慶一郎

私が伺ったのは議論されましたかどうかということでございます。

村井 仁氏(政務次官)

もとより国会であれだけの御議論のあったことでございますし、それから越智前委員長が勉強させていただきたいと申し上げたことでございますから、私どもとしてもきちんと議論をさせていただいていることをはっきり申し上げたいと存じます。

浅尾 慶一郎

私は法律論の話ももちろんあると思いますが、判例でもう既に、裁判を起こした場合は必ず今の判例では15%を超える部分は返されておるという現実があるわけです。

それで、私が申し上げたいのは、そのことを知っている人は裁判を起こすか、あるいは先方も負けることはわかっているわけですから、裁判に行かないまでも、その場でもう、じゃそれ以上はいいですよということになっておるわけでございますから、知っているか知らないかによって大きな利益、不利益があるということが社会正義に照らしてどうかということを申し上げておるわけでございまして、それについて、再生委員長は弁護士であり社会正義についても大変熱心に取り組まれておられるということなので、御所見を伺いたい次第でございます。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

私、昔弁護士をやっておりましたころ、この利息制限法違反の問題は随分やったことがございまして、今、浅尾委員がおっしゃいましたように、判例もいろいろ、私も昔のことでございますから最近のものまでフォローしておりませんが、いろいろな判例がございまして、例えば内容証明一本出すことによって追及がぽんととまってしまうとか、いろんなことがあったと思います。

それで、今総括政務次官が御答弁申し上げましたように、消費者行政の観点もあるでしょうし、あるいは弁護士や法廷でどう対応していくかという問題、多角的に取り組まなければ、やはり一種の金を借りる者のニーズがあり、そこに弱い立場と強い立場があってこういう問題が起きてくるわけでございますから、多角的な取り組みは必要だろうと思います。

ただ、多角的な取り組みが必要だからといって、我々のやるところを、これは経済企画庁が主管でありますと申し上げてはいけないと思いまして、私どもでできることは何があるかと検討していきたいと思っております。

浅尾 慶一郎

ぜひ引き続き主管となる部分もあるかもしれません経済企画庁と密に連携をとっていただいて、できる限り社会正義の実現に努めていただきたいということを申し上げさせていただきます。

それでは、問題を移させていただきたいと思いますが、長銀がリップルウッド社が組成しましたニュー・LTCB・パートナーズ・CVというところに売却をされました。

ここに株式売買契約書の本文だけあるんですが、まず再生委員長、これ読まれましたか。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

一応目を通しております。

浅尾 慶一郎

きょうは預金保険機構の松田理事長にもお越しいただいておりますが、松田理事長はこれにサインされているわけでございますから当然読まれたと思いますが。

松田 昇氏(参考人)

読んでおります。

浅尾 慶一郎

谷垣委員長も松田理事長もそれぞれ法曹の御出身ということでございますが、私まず一目これを大急ぎで読んで感じたのは、ちょっと日本の契約書、日本語でもちろん書いてあるし裁判管轄は日本の東京地方裁判所となっていますが、日本の契約書というよりは、かなりこれはアメリカのあるいは渉外弁護士が入ってつくった契約書だと思いますが、まず再生委員会側でどなたか渉外に強い弁護士事務所は雇われましたか。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

当時のいろいろな経緯につきましては私も十分まだフォローできていない面があろうかと思いますので、事務局から御答弁をさせたいと存じます。

森 昭治氏(政府参考人)

本件につきましては、一方の交渉、国側の交渉を担当していますのは再生委員会、預金保険機構でございますが、預金保険機構において渉外弁護士を雇っております。

浅尾 慶一郎

その渉外弁護士がどこかということを聞くつもりはありませんけれども、非常に買い手に有利な契約になっているのではないかなというふうに思います。

具体的に述べさせていただきますが、まず定性的に申し上げれば、預金保険機構、長銀の義務がはっきりと書いてあるのに対して、買い手側の義務は限定的に書かれておるということだと思います。

具体的な例で申し上げさせていただきますと、例えば何かここで書いてあることにうそがあった場合、不正があった場合は、預金保険機構が50億を超える部分については損害賠償に応じましょうとなっておるんですが、一方で、ニュー・LTCB・パートナーズにもそういう条項は入っておりますけれども、このニュー・LTCB・パートナーズというのは、いわゆる有限会社で、しかもリミテッドパートナーということで、ほとんど何か実態があるのかないのかわからないわけでありまして、本来であればそのニュー・LTCBに出資をしているそれぞれの出資者に対してそのことを保証させることを要求するべきなんだと思いますが、これを読む限りにおいては一切そういったようなことはなくて、あくまでもニュー・LTCB・パートナーズでその責任が切られてしまっているような形になっておりますが、この点まず間違いがないかどうか伺いたいと思います。

森 昭治氏(政府参考人)

表明あるいは補償につきまして両方の当事者がどういう義務を負っているかという先生の御指摘かと思います。

パートナーズ社側の義務ということにおきましては、あくまでニュー・LTCB・パートナーズ・CVの義務としてあるわけでございまして、先生のおっしゃるとおり、その背後にある投資家まではかかっておりません。

浅尾 慶一郎

ちなみに、50億を超える、まあ100億円損失があった場合に、ニュー・LTCB・パートナーズはオランダ法人であります、すぐ多分倒産もできるんだと思いますが、本当に百億請求できるんでしょうか。

森 昭治氏(政府参考人)

当方といたしましては、契約に従いまして、仮に先方の方にそのような補償の対象となる事柄が起きたとするならば、契約に従いまして請求をするというふうに考えております。

浅尾 慶一郎

再生委員長に伺います。

預金保険機構、いわば国と、ニュー・LTCB・パートナーズ、リミテッドパートナーズと、信用力はどちらが大きいですか。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

大変お答えが難しい御質問ですが、それは一般論といたしまして、日本のようなこれは大きな国でございますから、日本の方が信用が低いなんということは、大臣をしております者として、お答えができないわけでございます。

浅尾 慶一郎

逆に、言葉をかえて伺いますが、ニュー・LTCB・パートナーズ、リミテッドパートナーズですから、例えがいいかどうかわかりませんが、いわゆる有限会社であります。しかも、最近組成されたばかりの有限会社であります。その有限会社が、例えば急に百億の債務を背負ったとして、本当に払えると思われますか。どうもこのニュー・LTCB・パートナーズは、余り資本金も大きくないような、しかもこの買収のためだけにつくられた会社でありますので、私はこれは書いてあっても意味のない、極論すれば意味のない条文なのではないかなというふうに思いますが、何かあればお答えいただきたいと思います。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

先ほど国とこのLTCB・パートナーズとどちらが信用力が上かというお問いかけでございましたけれども、一般に民間企業と国と比べますと、それは国の方がうんと信用がある。それで、民間企業も信用はいろいろでございますが、こういう金融機関をもう一回どういうところに売っていくかというような場合に、それぞれが組合をつくったりあるいは何とかリミテッドというのをつくったりするのは私はよくある手法だろうと思いまして、これをふさいでしまいますとなかなか買い手が見つかりにくいということだろうと思います。

浅尾 慶一郎

私が実は申し上げたかったのは、リミテッドパートナーがいけないということではなくて、リミテッドパートナーシップに出資しているいろいろな大きな会社があるわけです。そこからちゃんとレター・オブ・ギャランティーなり、あるいはその機関がそれでも本当に信用があるのかないのかわからないということであれば、信用力のある例えば銀行に保証を入れさせるというのがこうした取引の場合の通例だということだと思いますが、これをされておられないのは、そこを見落とされたのか、それとも先ほど伺いましたようにそれは一体だれの責任なんですかということなんです。

恐らくこれは金融再生委員会の、一義的にはサインをされております預金保険機構の責任になるのかもしれませんが、先ほど預金保険機構の方に伺ったら、これは逐次法律にのっとってすべて再生委員会と相談をして決めておられるということですから、少なくともこの契約の条文に関しては再生委員会の責任ということで間違いないかどうか。再生委員会の責任で間違いがないかどうかだけお答えいただきたいと思います。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

そうでございます。

浅尾 慶一郎

それでは、引き続き再生委員会の方に伺ってまいりたいと思います。

今、実態がないような契約になっているんじゃないかということを一つ申し上げさせていただきましたが、ほかにもいろいろと例がありまして、例えて申し上げますと、これは日本の契約ではなかなかないんじゃないかなと私が個人的に思ったことなんですが、例えば長銀の持っておる土地で何らかの環境問題が発生した場合その責任はすべて国がかぶりますよといったような条文も別に入っておるんですが、これは環境問題に対してかなり先進的な、土壌汚染とかに関する隠れた瑕疵ということに対して先進的なアメリカの考え方が入っているんではないかなと思いますが、その例だということだけ申し述べさせていただきます。

それからもう一つ大きな、国にとって明らかな損失だなと私が個人的に感じておりますことを申し上げさせていただきますと、恐らく私が読む限りにおきましては、税が追加的に発生した場合はこれは預金保険機構なり国が過去のものについて新生長銀に払いますよということが書いてあるんですが、逆に過去払った税において税効果が発生した場合はこれは恐らくどうぞお取りくださいというふうになっているんだと思うんですが、この点間違いないでしょうか。

森 昭治氏(政府参考人)

お答え申し上げます。

税につきましての表明、補償についての御指摘かと思いますけれども、特別公的管理銀行に移った後に、11年3月の納税期に、もちろん赤字決算でございますので税金を実際に納めたということはないんですが、繰欠額も含めまして納税申告書を提出しております。

問題は、その11年3月期の納税申告書が正しかったかどうか、後に税務当局からの調査によって仮にも増差が発生するとかそういうことによって税が徴収される場合は、そういう場合は国の公的管理になった後での納税申告でございますので、我々は保証をいたしまして、そういう場合は払いますということを表明しておるわけでございます。

浅尾 慶一郎

私が申し上げていることはそういうことではなくて、過去に長銀が有税で償却をしたものについて、将来、当該企業が無税に該当しますよと国税が認定した場合、当然税金は戻ってくるわけです。これはニュー・LTCB・パートナーズに帰属する財産ですねと。間違いないですね。

森 昭治氏(政府参考人)

大変失礼いたしました。先生のその御質問を答弁の途中で失念してしまったわけでございますけれども、税効果につきましては、いろいろな議論がございました。ただ、資産、負債の差のロスを預金保険機構によって3.6兆円埋めたという状況のもとで先方に引き渡したわけでございますけれども、そういう資産、負債がバランスしている状況の銀行に税効果があるかということの最終的にはそういう議論になりまして、結論的に申し上げれば、繰り延べ税金資産というものは計上いたしませんでございました。

そういうことで、将来につきましても、それは税効果は資本金勘定をつくった後で税効果が出てくるものでございますので、その税効果については新生長銀の方に帰属するということかと思います。

浅尾 慶一郎

私が申し上げたいのは、国が何かした行為によって偶発的に発生した税についてはすべて責任を持ちますよと、ところが、将来発生するかしないかわからないからこれは左に置いておいて、仮に言葉は悪いですがもうかった場合にはどうぞお取りくださいというのは、契約書のつくり方としてはおかしいんじゃないですかということなんです。

契約書をつくるとしたら、国が表明して、将来税について損失が発生した場合については、仮に税効果で別途益が出ているがそこだけは相殺しますよと書くのが恐らく対等な契約のつくり方なんだと思うんですが、その点について、もし何かあれば御意見をいただきたいと思います。

森 昭治氏(政府参考人)

お答え申します。

大変申しわけございません。先生の御指摘に対する理解が不足しているのかもしれませんけれども、我々としては、クロージングで先方に引き渡した時点におきましては、将来の収益というものは何も保証されているものでございませんので、繰り延べ税金資産というものは計上できないわけでございます。

一方におきまして、国が表明、補償しているものにつきましては、当然我々としては納税申告書が正しいものということでしておりますので、仮にも何かあった場合には補償するとしたわけでございます。

浅尾 慶一郎

質問に答えていただいていないんですが。私が申し上げているのは、あるかないかじゃなくて、あった場合はこれも同様に扱うべきだということを申し上げているわけであって、扱っていないのは契約書に不備があるんではないかということであります。

次に行きます。

もう一つ契約書に不備がある例を申し上げさせていただきますが、先ほどのニュー・LTCB・パートナーズというのは、有限会社であって、新しく組成した特別な会社ですから、過去の実績もありません。この会社が10億円で買いますと、それから新規で株を1,200億円ですか資本注入すると書いてあるんですが、繰り返しになりますけれども、ニュー・LTCB・パートナーズなるものは本来は信用がビジネスの実業の世界においてはないとみなすのが私は通常の扱いだと思うんです。

であるとするならば、ニュー・LTCB・パートナーズの後ろにある株主が、私が出資するから安心してくださいよという文書を出すんだと思うんですね。その株主が例えば世界の大企業であればまあまあその当該会社の表明でいいでしょうということになるでしょうけれども、そうじゃない会社もいっぱい、いろんなファンドもくっついていますから、入っているんだと思うんです。

そうじゃない会社ないしはファンドについては、本当にこの人で大丈夫かどうかのチェック、検査をするのが通例なんだと思いますが、これはなされていませんし、少なくともこの契約書を読む限りにおいては、ニュー・LTCB・パートナーズの後ろにいる株主がしっかり払いますよということを証明するものも出てきませんし、あるいはそれを補足するような銀行の保証書というようなものもないんだと思うんです。

これも、片や国が国としてやっていることの抱えている信用力と比べると大変な格差があるんじゃないかなと思いまして、もし今私が指摘していることが違うとするならば御意見をいただきたいと思います。そうじゃないなら次に行きますけれども。

森 昭治氏(政府参考人)

一言お答えさせていただきます。

ニュー・LTCB・パートナーズ社は、もちろんいろいろな外銀も含めた出資者から成っているわけですけれども、1,200億円を合計出資したわけでございますけれども、その出資の確認及び入金の確認は当委員会においてしております。

浅尾 慶一郎

それは、出資の確認というのは、現に銀行に入ったということをその特殊なエスクロアカウントか何かで確認されているんですか、それとも単に文書で出資しますよという約束状ですか。

森 昭治氏(政府参考人)

当方において長銀の口座に入金されていることを確認しております。

浅尾 慶一郎

ただ、私がおかしいなと思うのは、売買の実行がされる日と出資がされる日が契約書のもとでは同日になっているんですが、本当にそれは確認ができていますか。

森 昭治氏(政府参考人)

1,200億円の見返りに24億株を先方に手交したわけですけれども、手交するときに入金の確認をさせていただきました。

浅尾 慶一郎

そうすると、技術的な話になりますけれども、24億株というのは実は長銀が発行するわけでありまして、そのときにというのは、それがなかった場合にはこの取引自体が失敗してしまった可能性があるんだと思うんですね。私が申し上げたいのは、本来はちゃんと契約書を結んでいく段階でしっかりと担保となるような別途保証書をつけておくのが通例なんじゃないかなということを申し上げさせていただきます。

さらに、この契約のちょっとおかしいなと思う点を指摘させていただきたいと思います。

ニュー・LTCB・パートナーズに出資をされたいろんな企業があります。通常は彼らはそこはリスクを負っているわけなので、うまく株が上がればもうかりますということなんだと思うんですが、何がおかしいかといいますと、この契約書だけを見ると、長銀からニュー・LTCB・パートナーズの後ろにいる株主に対して融資の制限が一切ないんです。ということはどういうことが起きるかといいますと、しかも今の新しい金融技術を使えば、新生長銀がつぶれたときはこの融資を返さなくてもいいですよという金融派生商品というものをつくれるわけなんです、デリバティブで。

仮に、私が例えば300億円出資しましたということにして、私の会社に新生長銀から300億円、どこか海外の、どこでもいいんです、ケイマンか何かを通して融資をした場合には、しかも金融派生商品をかませた場合には、全くリスクなく取引ができるようになっているんだと思うんですが、その点間違いないですね。

森 昭治氏(政府参考人)

先生の御指摘、そういう仮定の議論をすればそういうことになろうかと思いますけれども、それは銀行監督上の問題でございまして、大口融資規制とアームズ・レングス規制で通常の銀行と同じような規制でやっていくという考え方かと思います。

浅尾 慶一郎

事務局長もよくこの契約書を読まれたんだと思いますけれども、明らかにこれは日本側に不利、アメリカ側は細かいところまですべて規定がされておるんですね。通常であれば、今申し上げたようなことも日本側が書いて、こういう融資はだめよと二重にかけてもいいわけですよ、こういう契約書の場合の規制は。それをしていないというのはおかしいなというふうに思います。

ところで、長銀がこの売却をするに当たってゴールドマン・サックスをファイナンシャルアドバイザーで雇っていますよね。当然ゴールドマン・サックスは、何回も以前から御説明のとおりこういうM&Aの取引をやっているわけですから、こういうことは気づいているはずだと思うんですが、何で指摘されなかったんですか。

森 昭治氏(政府参考人)

先生御指摘のとおり、フィナンシャルアドバイザーとしてゴールドマン・サックスにいろいろな助言を求めているわけでございまして、そういうゴールドマン・サックスのチェック、さらに預保の雇っている渉外弁護士のチェック、さらに最終的には再生委員会のチェックということで、当該契約書が最終的に承認されたということを御理解いただきたいと思います。

浅尾 慶一郎

私が申し上げたいのは、そのアドバイザーがアドバイザーとして果たすべき機能を明らかにこの契約を読むと果たしていないんではないかなということであります。それに対して、チェックをしたというふうにおっしゃるんでしょうけれども、今るる申し上げたようなことがあるので、チェックが足りないということだと思います。

ところで、この契約書でサインをされておりますJ・クリストファー・フラワーズという方がいます。買い手側でサインされています、ちなみにJ・クリストファー・フラワーズさんは。このフラワーズという人物は、ゴールドマン・サックスにいたんじゃないですか、あるいはつい最近までいたんではないですか。

森 昭治氏(政府参考人)

お答え申し上げます。

我々の理解では、11年4月ごろまでゴールドマン・サックスに在籍したというふうに理解しております。

浅尾 慶一郎

ということは、攻め手と守り手というか、売り手と買い手は両方とも仲のいい人たちが後ろにいるということなんじゃないかなというふうに思います。

そのゴールドマン・サックス、いろいろ仕事をされているということなんですが、私が見る限り、こういう契約書を結ぶということに関して、いろいろと政府側、国民側にとって不利なことが明らかにあるわけですから、本当にその機能を果たしているのかなということが疑問になります。

ちなみに、今月発売されております月刊文芸春秋の記事によりますと、ゴールドマン・サックス社の、本件10億円で国が売ったわけです、10億円で売ったものについて彼らが得た収入は、国の側に立ってアドバイスしているわけですよ、10億円で売ったものについて彼らが得た収入というのは7億円と書いてあります。

ということは、国庫に入るのは10億じゃなくて3億しか入らない。しかも、その3億の中には今までゴールドマンがやったようないろいろなサービスについて月次で払っているものがあるでしょうから、ほとんど入らないという理解でいいですか。

森 昭治氏(政府参考人)

お答え申し上げます。

先生にも前にも御答弁させていただきましたとおり、ゴールドマン・サックス社とのFA契約の内容につきましては、先方がかたくその開示を拒否しております関係で、申し上げるわけにはいきません。したがいまして、成功報酬が幾らであったかということにつきましてもお答えを控えさせていただきます。

浅尾 慶一郎

今の御発言は大変重大な問題があると私は思います。その重大性について入りますが、その前に、今先方が拒否しているということでございましたが、日債銀についてはモルガン・スタンレーがFAになっていますが、モルガン・スタンレー社は拒否をしておりません。したがって、日債銀のFA契約についてはぜひ開示をしていただきたいと思いますが、再生委員長お願いします。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

やはり取引上の観点からそういう契約の個別の内容、ゴールドマン・サックスなりモルガン・スタンレーなりが拒んでいる限りは、我々としては…。

浅尾 慶一郎

モルガンは拒んでないですよ。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

いやいや、我々としてはお出しするわけにいかないわけでございますが、以前のこの当委員会、浅尾委員との御議論の中で、モルガン・スタンレーはOKをしていると、出すことに対して異議はないというお話があったと聞いております。

私どもも、それだけでああそうですかというわけにはまいりませんので、当委員会の事務局においてその点は確認したけれども、やはり出してもらっては困るということであったというふうに報告を受けております。

浅尾 慶一郎

じゃ、確認しますが、ゴールドマン・サックスと長銀との契約には守秘義務条項が入っていますが、モルガン・スタンレーと日債銀との契約の間には守秘義務条項は入っていませんね。

森 昭治氏(政府参考人)

守秘義務に関しましては、長銀とゴールドマン・サックスとの契約、それから日債銀とモルガン・スタンレーの契約、守秘義務については同様と認識しております。

浅尾 慶一郎

以前の当委員会におきます御答弁ではそうではなくて、モルガン・スタンレーとの契約には守秘義務がないということが書いてあります。

なぜこの契約の開示が大事かということを今から申し上げさせていただきたいと思います。

そもそもこの株式売買契約書を読まれれば、明らかに日本側にとって不利だということがわかるわけでありまして、果たしてそれにずっと携わっておった機関が本当にその機能を果たしているのかなということを調べていかなければいけない。そのためにはどういう契約になっていたかということを見ないと議論ができないわけでありまして、ぜひその開示をしていただきたいと思いますし、以前の当委員会の柳沢委員長の答弁では、しかるべき時期が来れば開示をするということも御答弁をいただいておるわけであります。

したがって、もう既に長銀については売却が終わっているわけですから、しかもよくよくこの株式売買契約書を読んでみると、これはもう反論の余地がないと思うんですね。日本側にとって公正でない、ちょっと条件が不公平である、あるいは相手側については非常に細かいところまで契約書上で保護がされているにもかかわらず、日本側は保護が弱いということは争う余地がないところだと思います。

そのような契約に対してアドバイザーとして重要な役割を果たしたゴールドマン・サックスの果たした機能について検証することが私は本当に必要だというふうに思いますので、再度早急に契約書の開示を求めたいと思います。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

浅尾委員は明らかにこれは日本側に不利であるというふうに断定をされるわけでありますけれども、これは私も渉外取引というようなことはよく存じないわけでございますが、この長銀買収に係る補償とか表明とかいろんな条項が通常の企業買収の場合に比して著しく不利なものかどうかということになりますと、今、FAとしてゴールドマン・サックスを使っていたわけでございますけれども、それだけではなくて、預金保険機構が依頼していた渉外弁護士といいますか、そういうところにもいろいろ意見を聞いて、著しく不利なものではないということを確認しているというふうに報告を受けております。

浅尾 慶一郎

再生委員長、本当に読まれてこれは公平だと思われますか。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

私自身読みまして、これはいろんな過程もあったと思いますが、特段これでもって著しく不平等なものであるというふうには認識しておりません。

浅尾 慶一郎

先ほど来申し上げておるようなことは、ニュー・LTCB・パートナーズの信用力を補完するようなことについては、当然その契約の中に組み込んでおくということが通例としてあるわけです。これは、場合によっては渉外弁護士は彼らの仕事の範疇ではないかもしれませんが、ゴールドマンというファイナンシャルアドバイザーはまさにそのことは知っているわけでありまして、その彼らがやっていないのは、真実がどうかということは別にして、例えば先ほど申し上げましたようにこのクリストファー・フラワーズという人間がもともとゴールドマンにいたからそういうことなんじゃないかなということが疑われても仕方がないんではないかなというふうに思います。

それから、もう一つその例を申し上げたいと思いますが、日債銀の売却について、今度は攻め手、攻守を変えて買い手に名乗りを上げておりますソフトバンク連合のアドバイザーにゴールドマン・サックスがなっています。このことはさすがのゴールドマンも本当にいいかどうか事前に金融再生委員会にお伺いを立てたと。そうしたら、我が金融再生委員会は結構ですと言ったということなんですが、本当にそれでいいんですか。

私は、売る方というのはなるたけ高く、なるたけ売り手に有利な条件をつけるというのが売る方の務めなんだと思うんですね。買う方はなるたけ安く、なるたけ買い手に有利なような条件をつけるというのが買い手の特にアドバイザーの務めであるわけであります。

なぜ、売る方のアドバイスをしていた人が今度買い手のアドバイザーになる、しかもお伺いを立てたらどうぞと答えられたんでしょうか。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

これが問題じゃないかという御指摘ですが、ゴールドマン・サックス社からは去年の秋ごろソフトバンクグループのフィナンシャルアドバイザーを受注したいがどうかというお話があったようであります。それで、金融再生委員会としては、ゴールドマン・サックス社が長銀譲渡に関して知り得た情報についてこれは当然のことながら守秘義務を遵守すると、それからまた利益相反の防止を徹底するということでございましたから、これはやむを得ないという言葉で申し上げると思うんですが、やむを得ないと判断したものと聞いております。

浅尾 慶一郎

非常に私は問題があると思います。国益の観点からいえばこれは明らかに問題であるということだけ申し上げさせていただいて、そして委員長にお願いをいたしますが、いろいろとそのゴールドマン・サックスと長銀との契約、あるいは日債銀とモルガン・スタンレーとのフィナンシャルアドバイザリー契約、これは問題がありますので、ぜひ当委員会として資料請求をさせていただきたいと思います。

真鍋 賢二氏(委員長)

後刻理事会において協議いたします。

浅尾 慶一郎

それでは、もう一点だけこの長銀の売却について伺わせていただきますが、先ほど、通常の金融監督行政のもとにおいて、海外における融資で出資者に迂回でお金が回らないようにするというふうに森事務局長は御答弁いただいたわけでございますが、実際に本当に今の日本の監督行政のもとでそれが100%できると確約できますか。

森 昭治氏(政府参考人)

私が先ほど申し上げましたのは、ニュー・LTCB・パートナーズの出資者、外銀あるいは外証があるわけでございますけれども、そういうところへの融資の問題という御指摘でございますが、それは通常の、同じように日本の銀行であれ、日本の銀行もいろんな事業会社等を株主に持っておるわけでございまして、それと同列で監督上の配慮がなされるのではないかと、このように申し上げた次第でございます。

浅尾 慶一郎

今の御答弁を伺っておりますと、仮に本当に性悪説に立った場合には防げないということなんではないかなと思います。それは間違いないですね、御答弁を。

森 昭治氏(政府参考人)

先生の御想定がどういうものかということについて明確に把握してないのかもしれませんけれども、銀行監督上は大口融資規制とアームズ・レングス・ルールと、やっぱりこの2つを柱に監督していくということしかないかと思います。

浅尾 慶一郎

それは答えになっていないわけで、例を申し上げますと、ニュー・LTCB・パートナーズに出資をしたある企業、例えば200億円出資した企業に新しい長銀がどこかから融資をする。それは別にいろんな子会社を使ってもできるでしょうけれども、そうした場合に、それを本当に100%今の監督行政で防げるかどうかということです。

森 昭治氏(政府参考人)

通常の銀行が、株主にいろいろな事業会社もあるわけでございますけれども、そういうところの融資と同じことでございまして、全く100%融資してはいけない、一切融資してはいけないというルールはないんではないかと考えております。

浅尾 慶一郎

ということは、できるということでよろしいわけですね。

乾 文男氏(政府参考人)

先ほど森事務局長がお答えしておりますけれども、大口融資規制ないしはアームズ・レングス・ルールというのがございますけれども、それに反しない場合、通常の融資というのはそれは当然可能だろうというふうに考えております。

浅尾 慶一郎

そこで、できるということになると、先ほど来申し上げておりますように、そういう融資をすれば、仮に新生長銀がもう1回つぶれても全く損はしないように取引を仕組むことができるわけなんです。本来はこの契約の中でそれができないように書いておくのが通例だと思いますし、仮に再生委員会が気づかれなかったとしたら、再生委員会が雇われたゴールドマン・サックスがそこに気づくのが普通のプロフェッショナルなサービスを提供する人の当たり前なことだということだと思います。だから私は、どういう契約になっていたのか出していただきたいということを請求をさせていただいた次第であります。

余りこの議論をしても多分水かけ論になってしまいますので、次に移らせていただきます。他の破綻金融機関について話を伺いたいと思います。

なみはや銀行が破綻をいたしました。前身は何銀行ですか。

村井 仁氏(政務次官)

福徳銀行となにわ銀行でございます。

浅尾 慶一郎

その銀行は破綻をしたことはありませんか、その前に。

村井 仁氏(政務次官)

いずれにいたしましても、福徳につきましては御案内の、もう先生十分御承知のとおりでございますけれども、破綻をいたしまして、それで福徳となにわを一緒にいたしまして、なみはやということにしたわけでございます。

浅尾 慶一郎

一緒にされるときに、本来であれば、問題のある債権を別にして、本当にきれいな形にしてなみはや銀行というのをつくられるのが私は筋なんではないかなと。ところが、それをされなかったがために、もう1回合併してつくった銀行がまた破綻してしまったということなんだと思いますが、その点についての行政の責任はどういうふうに考えられますか。

村井 仁氏(政務次官)

申しわけございません。私ちょっと勘違いいたしまして、福徳銀行、なにわ銀行、いずれもまだ破綻をしたわけではなくて、特定合併という形で処理をしたということでございます。

浅尾 慶一郎

その特定合併というのは言葉のあやで、危ないから特定合併をさせて支援をしたんだと思いますが、それにもかかわらず破綻した責任というのは行政としてどういうふうにとられるかということです。

村井 仁氏(政務次官)

福徳銀行それからなにわ銀行に対しまして、それぞれ当時の大蔵省におきまして検査をしておりまして、それに基づきましてそれぞれ債務超過ではないということを認めまして特定合併を行ったわけでございますけれども、しかしながらその特定合併制度というのは現在のようなセーフティーネット制度というものが存在していない時期に金融システム危機の中で行われた制度でございまして、その時点では、実施計画の承認あるいは合併の認可というような行政行為そのものでございますけれども、それぞれの法令にのっとりまして適切に行われたものと私どもは理解しているわけでございまして、ただ、結果としてなみはや銀行の再建が実現できなかったということは非常に残念なことだと思っておりますけれども、なみはや銀行の設立に至る過程というものは、これは金融システムの不安あるいは危機が我が国経済を覆っていた平成9年から10年の秋にかけてのことでございまして、金融再生法等はそういうことを1つの教訓といたしましてつくられたということだろうと思っておりまして、その時点においては私は法令にのっとりまして最善を尽くしたものだと思っております。

浅尾 慶一郎

その時点で最善を尽くされたとおっしゃいますが、検査をして、不良債権があったらそこの部分に対して十分な資金を預金保険機構から特定合併に際して贈与すると。贈与した金額あるいはその不良債権として認定した債権額が少なかったんじゃないかということを伺っているんです。

乾 文男氏(政府参考人)

先生御案内のように、この特定合併の制度は、両行が合併をいたしましたときに、新設合併でございますけれども、合併をいたしましたときに、贈与ということではございませんで、預金保険機構が不良資産を買い取るということでございます。

その買い取るための前提としての必要な検査というのは行ったわけでございますけれども、検査を行いました結果をもとにいたしまして、両行及びその監査法人が10年3月期の決算というものを固めたわけでございますが、その決算によりますと、両行とも債務超過ということではございませんでした。

そうしたことから、当時の大蔵省におきまして特定合併のあっせんが行われたわけでございまして、私どもその当時、当時というのは大蔵省当時でありますけれども、不良債権の売却を行ったことによりまして確かに両行の資本基盤というのは薄うございました。通常ならば自己資本が4%を超えているわけでございますけれども、4%を超えるためには今後の収益の強化とかあるいは増資というものが必要であったわけでございますけれども、提出されました計画を慎重に審査いたしますと、今後この特定合併の計画の中で不良債権の処理、それから資本の増強、リストラ計画につきまして抜本的な経営の刷新というものが認められまして、スタート時においては4%を超えているというわけにはこれはまいりませんけれども、その計画期間中にそうしたことが達成されるということ、これはまさに特定合併制度の中のいろんな基準に合致しているということから、これは金融監督庁におきまして特定合併計画の実施計画の承認あるいは合併の承認を行ったものでございます。

ただ、その後1年以内に破綻したことにつきましては先ほど政務次官が申し上げたとおりでございますけれども、私どもは、このなみはや銀行が合併の前後から貸出先についての収益の改善を図ろうとしていろいろな新規の融資ないしは追い貸しを行ったこと、それらが景気、景況の悪化等の中でいわば裏目に出まして、特定合併の前後から急速に資産の悪化を招いて、先ほど御指摘のような破綻の状態になったというふうに認識しているところでございます。

浅尾 慶一郎

不良資産をしっかりとちゃんと移転されていれば、幾ら景気が悪くなったとはいえマイナス成長といったってその当時でせいぜい0.5とか1%ぐらいですよ、1%マイナス成長のときに銀行が1年でつぶれてしまうということはもともと不良債権が相当残っていたとしか思えないんです。残っていたとすればそれは検査が甘かったかその判断が甘かったかどっちかなんですけれども、そうでないと言うのならば、なぜ1年間でつぶれたかもう少しわかりやすく説明していただけませんか。

乾 文男氏(政府参考人)

余りちょっと破綻銀行とは申せ個別の事情に立ち入ることは差し控えたいと思いますけれども、銀行が特定合併のころからいろいろな融資を行ったと。融資を行ったことにつきまして、その後捜査当局によりまして指摘されたことを見ますと、いわばそうした融資自体が特別背任であったというふうに指弾を受けているところでございまして、そうしたことから、銀行の判断というものに誤りがあったというふうに言わざるを得ないのかなと思っているところでございます。

浅尾 慶一郎

私が申し上げたいのは、1年で特別背任に該当するような新規の融資先を見つけるというのは、これは多分相当難しいと思うんですね。もともとあって、いろんな関係があるから、まあここはちょっと経営の状況が悪いけれども貸しましょうということなんじゃないかと思います。

本来は、検査に入って、これはやっぱりどう見ても不良債権、不良資産だから預金保険機構に移しちゃいましょうというのが行政としてとられるべきことだったと思うんですが、それをされてこなかったのは明らかに行政において行政の責任があるのではないかなということであります。

これ以上求めても、結構ですので、次に移らせていただきますが、同じように破綻をしている銀行が幾つもあります。その中で、最近あるいは以前から私が指摘をさせていただいておりますものを一つだけ取り上げさせていただいていきたいと思います。

朝銀信用組合について、横領ですとかいろいろな刑事的な問題も指摘がなされております。

以前、柳沢金融再生委員長の時代に、これについて、金融再生法にのっとれば、新しく整理管財人ないしになった人が犯罪を告発しなければいけない、仮に金融再生法にのっとらない普通の通常の今までのルートで行っても、国家公務員としては犯罪の告発をしなければいけないということを御答弁をいただいておるわけでございます。

いよいよ幾つかその朝銀信用組合が破綻をし合併している中で、ここに公的資金で1兆円を超えるとも言われるお金が使われると言われておりますが、その原因が仮に横領であり、それがまたどこかわからないところに行ってしまっているということであれば、これは当然公務員としてどのルートをとるにしても告発をすべきだと私は思いますが、その点について現在の進行状況を伺いたいと思います。

村井 仁氏(政務次官)

個別のお話でございますので、ちょっと一般論としてお答え申し上げざるを得ないわけでございますけれども、まず公務員の告発の義務の問題でございますけれども、これにつきましては、確かに刑事訴訟法の239条第2項に「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」、このように規定されている、それはそのとおりでございます。

ただ一方、金融検査につきましては、金融機関の業務の健全かつ適切な運営を確保するために実施されるという観点から、犯罪の摘発を主眼に置いているものではないということを御理解いただきたいわけでございまして、その趣旨で、協同組合による金融事業に関する法律いわゆる協金法でございますが、これの第6条第1項におきまして準用される銀行法二十五条四項におきまして、「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」とわざわざ規定がされている、こういうこともございます。

さような意味で私どもは、このようなことを十分に念頭に置きました上で、ただいま委員御指摘のようないろいろな問題につきましても、御案内のとおり信用組合につきましてはこの4月から私ども国の方にその検査監督の権限が移行されたというような背景もございまして、もし違法な事実があるならばこれはきちんと対応させていただくということで御理解をいただきたいと存じます。

浅尾 慶一郎

一言だけいいですか。

真鍋 賢二氏(委員長)

浅尾君、時間が来ておりますが、最後に。

浅尾 慶一郎

最後に一言だけ。

大変重大な問題でありますので、もし一般のルートで行く場合にはできないということであれば、金融再生法は犯罪の告発ということを書いてありますので、ぜひ金融再生法に基づいて処理をするように申し上げさせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。



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