- 浅尾 慶一郎
民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。
きょうは、ペイオフの延期等も踏まえて、あと数年間で日本の金融をきれいにするという観点から、実際の執行の部分を中心に質問をさせていただきたいというふうに思っております。
まず、日本の金融システムをきれいにするに当たっては、やはり何といっても、透明性ということが私はキーワードになるんではないかなというふうに思っております。その透明性は、やはり法律の上でも担保されている部分というのがかなり多くあるんではないかなというふうに考えております。
そこで、まず冒頭伺わせていただきたいんですが、朝銀信用組合の問題であります。総額で1兆円を超える公的資金が預金者保護という観点から使われるということが言われております。それは法律上そういうことなんだと思いますが、同時に金融再生法では、金融整理管財人を置くことができる、あるいは破綻した金融機関にそれを置かなければいけないというふうに書いてありますし、先日の当委員会における谷垣金融再生委員長の御答弁でも、そのように御答弁をいただいたというふうに理解をいたしております。
まず第一に、その朝銀信用組合の現在破綻が認定されているものについて金融整理管財人をまだ置いていないと思いますが、これはなぜ置いていないのかということ。それから、今後破綻したものについては、都道府県の監督からすべてこれは金融庁に、金融監督庁から金融庁に移行してくるわけでございますから、当然金融再生委員会のもとですべて金融整理管財人を置いた方がいいんではないかと思いますが、まず第一問、後段の方はまだお答えいただかなくて結構ですから、破綻が認定されているものについて、なぜ金融整理管財人を置いていないんでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
朝銀信用組合について、破綻をしたものが今まで13ございまして、そしてそれが地域ブロックごとに4つの信組への事業譲渡を行うよう当事者で準備が進められている。そのことは当然私どもも承知しているところでありますが、そこから先はまだ個別の破綻処理に関することなのでお答えは差し控えたいと思うんです。
それで、一般論として申し上げますと、確かに、委員が御指摘のように金融整理管財人を派遣しているわけではございません。そして、これはそういう例えば資金援助に係る適格性を認定したりあるいは金融整理管財人の選任をした場合には直ちにこれを公表することにしておりますが、それまでの間においては預金の急激な移動など不測の事態を避けるために個別の事項についてはお答えを差し控えさせていただいておりまして、それから今総計1兆円の公的資金がつぎ込まれると言われているとおっしゃいましたけれども、そういうことを仮に決定いたしますときには、当然のことながら法令に従って厳正に対処していかなければならないことでございます。
- 浅尾 慶一郎
引き続いての質問で恐縮でございますが、金融再生法の第3条に再生法の目的がるる書いてあるんですが、「破綻した金融機関の不良債権等の財務内容その他の経営の状況を開示すること」、「経営の健全性の確保が困難な金融機関を存続させないものとすること」、「破綻した金融機関の株主及び経営者等の責任を明確にするものとすること」と書いてあるんですね。あるいは金融整理管財人は刑事告発の義務を負っておるということも金融再生法の中には書いてあります。
私は別にそのことが事実か事実でないかということを申し上げているわけではないんですが、そのことというのは今から申し上げますが、朝銀信用組合が経営に穴をあけた理由の1つとして、これが事実かどうかは別として言われておって、またこれは大変な国民的、国家的な問題になると私は思っておりますが、不正送金が行われていたということが言われています。事実かどうかということを申し上げているわけじゃありません。
だとすれば、先ほど冒頭申し上げましたように、透明性を確保するためには、金融整理管財人を置いて、そしてそのことを明らかにした上で一般の善意の預金者を保護した方が私は結果として金融行政に対する信頼も高まると思いますし、また外交的にも日本として言うべきことは言っていくということは大事な問題だと思いますので、やった方がいいんではないかということで申し上げたわけであります。
重ねた質問で恐縮でございますが、置かないとするならば、なぜ金融整理管財人を置かないんでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
これも先ほど申し上げたような理由で、個別の場合になぜ置かないかということはちょっと差し控えさせていただきたいんですが、一般論として申し上げますと、金融再生法の8条1項には金融整理管財人を置く場合の規定がございまして、運営が著しく不適切な場合あるいは受け皿が見つからない場合、こういう場合に金融整理管財人を置くという、こういう規定になっておりまして、それに基づいて置くか置かないかというのを決めるということでございます。
- 浅尾 慶一郎
今の再生委員長の御答弁、大変重要な部分がありまして、運営が著しく不適切な場合には置く、そして受け皿が決まっていない場合にはやはり置くと。
ところが、ここは非常に微妙な問題になってくるんですが、受け皿が決まっているわけです。それは、先般同僚の海野議員が質問いたしましたが、朝銀信用組合は各県にあるけれども一体性があると言われております。例えば私の地元の神奈川県の信用組合の融資部長が宮城県の理事長になったといったようなことも言われておりますが、普通の信用組合であれば都道府県を越えて融資部長が理事長になるということはなかなか考えられないと思うんですね。
一体性があるということは、当然一体性があるから受け皿があるということになるわけで、だとすると、そちらのルートに行ってしまうと、先ほど私が申し上げております透明性ということがなかなか担保できないんではないかというふうに思うわけであります。だからこそ、そこは厳正に、前段の不正があると思われるのであれば、金融整理管財人を置いて適切に処理をすべきではないかというふうに思うわけでありますが、委員長の御所見をお願いしたいと思います。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
先ほど、あるいは委員は回りくどいと思われたかもしれませんが、法の規定を挙げまして、こういう場合には置けることになっていると申し上げました。それ以上、置くか置かないかというような話は、これは個別の中をどう見ているかということになりまして、したがいまして、その点はこれ以上のお答えは差し控えさせていただきたい、こう思っております。
- 浅尾 慶一郎
では、一般論で伺わせていただきますが、冒頭谷垣委員長も同意していただいたんですが、透明性は必要だということはもちろんであるわけでありますが、仮に犯罪があったとして、金融整理管財人を置かない場合にどうやってその透明性を確保されるか、一般論で結構でございますけれども、どうですか。
それで、きょうは実は、事前にも申し上げましたが、所見を伺うつもりでございますので、委員長にお願いしたいと思います。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
金融整理管財人を送った場合は金融整理管財人が職務として今委員がおっしゃったようなことを遂行するということでございますが、置かない場合は預金保険法上の扱いをするわけであります。この場合は、資金援助の適用を受けた破綻金融機関の経営陣の責任につきましては、これまでも経営者が退任したり、あるいは不正や法令違反が明らかとなった場合には経営者の刑事、民事上の責任追及が行われてきたところでございます。
- 浅尾 慶一郎
また、今の委員長の御答弁大変重要だと思うんですが、実際に幾つか統合された中に、かつてあるところの信用組合の理事をされていた方が統合された信用組合で再び理事になっている、すなわち経営者がそのまま引き続いているケースが幾つか現にあるんではないでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
個別のコメントは、残念ながら差し控えさせていただきたいと思います。
- 真鍋 賢二氏(委員長)
速記をとめてください。
〔速記中止〕
- 真鍋 賢二氏(委員長)
速記を起こしてください。
谷垣委員長に申し上げます。一般論で述べていただいておるわけでありますから、その質疑を続けていただきたいと思います。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
今の委員のお尋ねは経営陣の異動についてお尋ねでしたので、これはちょっと個別のことになるかなと、こう思ったわけでございます。
それで、私どもは、今の仕組みでございますと、どこで判定をするかということになりますと、実際にいわゆる穴埋めをするということになって資金贈与をするということになりますと、適格性の認定というものをしなければならないわけでございまして、その適格性の認定の判断の中で今委員がおっしゃったような問題も判断していかなければならないわけでございます。これはあくまで一般論でございます。
ただ、現在まで、私ども金融再生委員会に具体的にそういう問題が上がってきているわけではございません。
- 浅尾 慶一郎
それでは、適格性の判断というときにはいろいろな基準があるんだろうと。不適格ということは当然経営に責任があったということになってくると思いますし、さらにそこの部分を突き詰めていけば、いろいろな不正経理があった可能性もあるということになってくるんだと思います。
先般、質問させていただいたときの大臣の御答弁は、国家公務員法上は確かに犯罪があった場合に国家公務員として告発の義務は負っておるわけでございますが、ただし金融検査で得た情報は、御答弁をそのまま理解しますと、それはそのまま使うわけにはいかないといったようなことを言われたんだと思います。
私が、ここで申し上げたいのは、非常に透明性、例えばこれは外国の例で恐縮でございますが、アメリカでも不正を行った金融機関の経営者は厳罰に、もちろん法に照らしてですが、厳罰に遭っておるわけでございますから、もし不正があるとするならば当然国家公務員法上のルートでいっても告発をするんだという決意が先日の御答弁からは聞こえなかったんですが、その点再度答弁を求めます。
- 村井 仁氏(政務次官)
私どもがやっております金融検査というのは犯罪捜査の目的で認められているものではない、こういう理解でございますから、その限りで直ちに告発という話にはならないということだろうと思います。
ただ、そうはいいながら、もちろんそこで得ました情報に基づきまして総合的に判断をいたしまして、どうしてもこれはやらなきゃいけないというようなことになりました場合には、国家公務員法に基づく告発という選択もあり得るのだろうと思います。このあたり、立法論としまして、検査の目的というものはあくまで犯罪捜査のために認められたものではないというところが私どもには重くかかっているということをもう一度申し上げておきたいと思います。
- 浅尾 慶一郎
私が申し上げているのは、犯罪があるという予見に基づいて検査をしなさいということを申し上げておるわけではなくて、当然ある金融機関が破綻をして多くの税金をそこに入れるということにはそれなりの理由があるんだと思うんです。
1つの理由は、もちろん経営判断を過ってということはあると思いますが、いろいろな今までの金融機関の破綻の場合、告発をされておるケースがかなり多くあるんじゃないかな。具体的に言いますと、例えば長銀にしても旧経営者は告発をされております。私は、長銀の経営が必ずしも刑事上100%全部悪かったというふうには思えない部分もあろうかと思います。悪い部分もあったんだと思いますが、問題でない部分もあったんじゃないかなと。
今申し上げております朝銀信用組合の方は、事実かどうかは別として、いろいろな横領ですとかそういったようなことで既に民事上の訴訟も起こされておるわけでございますから、それについてもし金融検査でそういう情報が、検査をしていけば何が原因だったかというのは当然明らかになるわけですから、明らかになった場合に、なぜするかしないかをその段階で判断するのかということを伺いたい。明らかになったら当然するという決意がないと、透明性ということには欠けるのではないでしょうか。
- 村井 仁氏(政務次官)
私どもが所管しております法律に基づきまして、法律に違反するということがございました場合には、私どもきちんと、何といいましょうか、いわゆる命令を出していくというような形で処理をいたしますし、逆にそういうことをしないということは、法令に違反するというところまでの認識に至らないということだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
ですから、刑法に違反をしたことが理由で経営に穴をあけたということが検査の結果明らかになったという場合に、なぜストレートに告発するというふうにおっしゃらないんですかということを聞いているんです。
- 真鍋 賢二氏(委員長)
速記をとめてください。
〔速記中止〕
- 真鍋 賢二氏(委員長)
速記を起こしてください。
- 村井 仁氏(政務次官)
大変失礼いたしました。
結局、私どもといたしましては、金融関連の法規に基づきます事項につきまして違法の事実がありましたときには、私どもの権限に基づきまして処分をいたします。しかしながら、例えば商法に違反するというようなことが出てきました場合に、確かに刑事訴訟法に基づきまして国家公務員の義務として違法の事実があったときにはこれを告発しなければならない、こういう規定があることは承知しておりますが、問題は商法に違反するかどうかということを私どもの認識として確定することはなかなか困難である、さような意味で告発というのがなかなか難しいということになるのではないかと思います。
- 浅尾 慶一郎
今の御答弁はちょっと私理解できないんです。
繰り返しになりますけれども、経営に穴があいた、原因はこうだというところまでは検査で恐らくわかると思うんです。そこに商法に違反する原因があった場合に、それはそれが理由で破綻認定なりなんなりをされるわけですから、そこでまず判断をしているわけですね、原因については少なくとも判断をされている。一方の破綻した原因、理由について判断が下せないというのは理屈として合わないんじゃないでしょうか。
- 村井 仁氏(政務次官)
破綻を認定するにせよ何にせよ、私どもが検査でやりますことは、その現にある事実といいますか実態の把握ということでございまして、その原因まで全部究明できるというわけでは必ずしもないと思います。
そういう意味で、今浅尾委員御指摘になりましたのは、こういう理由で商法に違反するこのような行為があったから、したがってこういう破綻が起きたんだというような因果関係が明確になったというようなことでしたら、今のような御議論が出てくるのかとも思いますけれども、そこまでのところは私ども必ずしも検査のプロセスで明確にし得ない場合があるわけでございまして、そうなりますと、例えば商法違反というようなことについて明確な判断をするところにまではなかなか至らないということが多いと。したがいまして、私どもとしましては、金融関連の法規につきまして違反の事実がありましたらこれはきちんと処分をする、そこまでははっきり申し上げることができるということでございます。
- 浅尾 慶一郎
今の答弁と先ほどのなぜ金融整理管財人を置かないのかということをつなげて理解させていただきますと、金融整理管財人を置いた場合には、金融関連に限らず犯罪があった場合には、これを告発していかなければいけない、あるいは責任を明らかにしていかなければいけないということが書いてあるわけです、法律の条文上。そうじゃないやり方でいった場合には、自分たちの権限が及ばないから、あるいは解釈でもしかして間違ってしまうかもしれないからということで、極論すればそこは告発をしないで逃げることができるというふうに聞こえるわけでございます。
だとすれば、そこで谷垣委員長に伺いたいんですが、冒頭申し上げましたように、透明性ということを考えたならば、整理管財人は常に置くことができるわけでありますから、なぜ置かないんですかということでございます。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
常に置くことができるというわけではございませんで、先ほど申し上げましたように、8条1項に要件が書いてある2つの場合であれば置くことができるわけでございまして、そういう認定に至った場合には8条の規定が使える、こういうことでございます。
- 浅尾 慶一郎
今までいろいろな金融機関が破綻をしてまいりました。大きいところの破綻の場合には、きょうの新聞でも東京相和の増資に関して違法な増資だということでこれまた司法の手が入ると。長銀から、ずっと大きいところはすべてそうでしょうし、幾つかの信用組合でも、木津信用組合でも確かにもう既に司直の手が入っております。
私がるる申し上げておりますのは、非常に国民的な関心もあり、関心があるからやるということにならないかもしれませんが、かつ多額の税金を使う可能性があるものに関して、極論すれば何を恐れておられるんですかということです。法律上できないという、どうも法律上できるかできないのか、私が聞いている限りは、判断は裁判所がやるわけですから、告発することはできるんじゃないかと思うんですが、なぜそれでもあえてそこに踏み込むということをしないのかということを伺いたいと思います。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
恐れているとかいないとかいうことではございませんで、先ほどの法の要件に照らして、法の要件が認められて必要性があるということになれば置けるわけでございます。そうすれば、先ほど申しましたように、金融整理管財人は当然法上の義務を負ってまいりますからやりますね。
それで、今おっしゃったのはなぜ置かないのかということをおっしゃっているんだろうと思いますが、置く置かないというのはやはり先ほどの要件を判定するに至ったか至らないかということがあるわけでございます。
- 浅尾 慶一郎
じゃ、置かない場合も、今度は国家公務員法上の告発の義務というのがあって、それは認めておられるわけでございます。村井政務次官がおっしゃっているのは、ただ、監督官庁として商法の違反があったかどうかの判断ができない。それは当然です。最終的な判断は司法が、裁判所がやるわけでありますし、また検察がやるわけでありますので。それをなぜ、判断をするところまで私は国家公務員法上で求められているわけではないんだと思うんです。判断をするのは検察なり司法なんだと思うんです。それを、今の御答弁だと判断を自分たちでするから必ずしも確定的なことが言えないということなんで、そこのところは納得できないんですが、もう一度答弁を求めます。
- 村井 仁氏(政務次官)
告発をするということをいたしますのには、私ども一方で金融機関等に対する検査の権限につきまして制約が設けられているところから若干のちゅうちょがあるわけでございますけれども、しかしながら現実の問題といたしましては、これは警察当局等々といろいろな意味での情報交流などは当然のことでございますがいたしているということは申し上げておきます。
- 浅尾 慶一郎
情報を捜査当局に流せば国家公務員法上の義務が免除されるとは私は思えないんです。認定をある面するんだと思うんです。認定をしたけれども、ここから先の判断は自分たちがして、犯罪とまで言い切れるか言い切れないかということで、もう相当そこで既に判断をしているんだと思うんですね、認定をしていながら告発はしないということになれば。そこのところをもう一度御答弁をお願いしたいんです。
- 村井 仁氏(政務次官)
私ども、金融機関の検査を行いまして、現にある実態、実情というところまではそれは把握できます。ただ、それに至った原因ということで、例えば商法違反という例を先ほど申しましたけれども、商法に違反してこのような行為があったというところの違法性、そこの判断はいたしかねる。そういう意味で告発はしない、告発というところまではいかないということをさっき申し上げたわけでございます。
そういう前提で考えますと、そういうことでやってまいりますと告発ということにはならないということを申し上げたわけでございまして、ただ、そうは言いながら現実問題としまして、その違法性、もちろん違法であるかどうかというようなことの最終的な判断は私どもでやるわけじゃございませんから、そういう意味ではしかるべき当局との間の情報交流などは当然ある程度いたしているということを申し上げたわけであります。
- 浅尾 慶一郎
検査をします。検査をすると現に何億かお金を貸していました。ところが、その貸していたお金がなくなっているというようなことがわかるわけですね。そこまでは事実として認定できる。そのときに、今のお話ですと、なくなった理由までは調べないということですか。
- 村井 仁氏(政務次官)
ケース・バイ・ケースによると思いますけれども、ある程度もちろんいろいろなことが検査のプロセスでわかってくるわけでありますけれども、今委員御指摘のような、すべての経過がその検査のプロセスで明確になってくるということには必ずしもならない。そのあたりのところは、いわゆる強制捜査の権限を持っております警察当局の捜査と、それから私どもの金融検査のやり方、そこのあたりに当然のことながら相当な差があるということは認めざるを得ないと思っております。
- 浅尾 慶一郎
すべてのプロセスが明らかにならないというのはそうかもしれませんが、金融検査である程度のことがまず明らかになるんだと思うんです。あるいはその検査に臨むに当たってのやり方というのは当然あって、冒頭申し上げておりますように透明性を高めるということは、なぜそうなったのかということをしっかりと検査の上でもやっていかなければいけないんだと思うんです。そこの部分の責任を放棄するあるいは少ししかさわらないということであれば、お金があってそれがなくなった事実だけはわかるかもしれないけれども、なくなった理由までは調べないということは言えるんだと思うんですが、私はそれは金融監督当局の検査に臨む方針の問題だと思うんです。
なくなった原因まで調べますよということになれば、当然なぜなくなったかという原因も明らかになるんだと思うんですが、今の御答弁をもう少し突き詰めていくと、なくなった原因までは方針として調べなくてもいいというふうに聞こえるわけです。だとすると、透明性と反するんじゃないかなというふうに思います、あるいは金融監督に対する信頼性に反するんじゃないかなと思いますが、その点はいかがでしょうか。
- 村井 仁氏(政務次官)
金融検査の目的というのは、あくまで金融機関の健全性を確保するというところが第一義でございまして、それでそういう意味で、それからもう1つの点は、金融検査の陣容でございます、人員の数でございますね。この点でもやはり限界がございまして、委員今私どもが意図的にそういうところを調べないようにしているというふうに受け取られるというような感じの御発言がございましたけれども、私どもとしましてはできるだけのことを解明するように努力はしているわけでございますが、そこにはおのずから限度がありまして、やっぱり今の状態というのはある程度わかりましても、それに至る経過まで全部調べ尽くすというようなわけにはなかなかいかないということを申し上げたわけでございます。
- 浅尾 慶一郎
2つあると思います。
1つ、まず検査の結果偶然でもわかった場合。先ほどの御答弁だとそれでも告発しないというふうに聞こえたんです。そこはいかがですか、その判断ができないというふうに聞こえたんですが。
- 村井 仁氏(政務次官)
金融関係の法令に関する判断というのは私どもの権限でございますから、これはきちんといたします。しかし、私どもの所管に属しない法律につきましては、今委員は仮に事態が明確になったらと、このように仰せになりましたけれども、明確になったらという、明確になるということが私どもなかなか判断できないのではないだろうかと思います。
- 浅尾 慶一郎
今の御答弁では、犯罪があるかどうかの判断を放棄しているというふうに聞こえると思うんです。犯罪があるかどうかの判断を放棄しているというふうに聞こえるわけです。それは国家公務員法上の義務に違反するんじゃないですか。
- 村井 仁氏(政務次官)
先ほどもちょっと申し上げましたけれども、私どもとしましては、刑事訴訟法上の国家公務員に課せられた義務、違法の事実を知ったときはこれを告発しなければならないということでございますけれども、これにつきましては、それを直ちに行使することはできないまでも、明確な違法の判断というものがなければそれは大変なことでございますから、そこで私どもとしましては、しかるべき当局、具体的には警察等々との情報交流などをいろいろやるという形で処理をしているということでございます。
- 浅尾 慶一郎
違法の事実を知ったときに告発をしなければいけないと書いてあるわけですよね、刑訴法に。
それで、それは知ったけれども違法かどうかわからないから告発しないということですか。
- 村井 仁氏(政務次官)
違法の事実ということでございますね。ですから、違法ということが言えなければ告発ということにならないわけでございますから、したがって私どもにはそこまでの判断ができないケースが多いと、一般論として申し上げればそういうことでございます。
- 浅尾 慶一郎
いや、そうじゃなくて、違法だということが明らかになる場合もあると思うんですよ。その場合どうされるんですかということです。
- 村井 仁氏(政務次官)
違法の事実が明らかになる場合があったらどうするかというお話でございますけれども、これはちょっと私どもも余りそういう例が実際問題としてあるわけではございませんで、率直に申しまして、そういう仮定のお話にお答えするのはちょっと控えさせていただきたいと存じます。
- 真鍋 賢二氏(委員長)
速記をとめて。
〔速記中止〕
- 真鍋 賢二氏(委員長)
速記を起こしてください。
- 村井 仁氏(政務次官)
失礼いたしました。
違法の事実が明白になった場合、その場合にはそれは告発するということになります。
- 浅尾 慶一郎
それで、先ほど来議論しておりますのは、透明性ということを高める、あるいは犯罪があった場合には厳正に対処するということが求められているということはお認めになっておるということだと思います。
検査に臨むに当たって、なぜ違法の事実があるかどうかというか、あるいは詳しく特に問題になりそうなすべての銀行あるいは金融機関に関して細かくやれということではなくて、まさに破綻しているあるいは破綻したところに関してなぜそこまで踏み込んだ検査をしようという姿勢を見せないのかということを伺っているわけです。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
より大きな観点からいいますと、ちょっと私は具体的な条文自体は覚えておりませんが、銀行法は、監査は犯罪捜査目的でやってはならないと書いてございます。それで、問題はその趣旨は何なのかということになってくるんだろうと思うんですね。
それで、確かに金融監督庁は金融検査という権限を持っているわけでございますが、委員が先ほどからおっしゃっているように、これは透明なものでなければならないというのはおっしゃるとおりだろうと思います。他方、これは大変な権力でございますから、その権力が乱用されるようなことはあってはならないし、やっぱり本来の目的以外のものに使われてはならないということはあるんだろうと思います。その意味におきまして、銀行法においては検査というのは犯罪捜査目的のために使われてはならないと書いてあるんだろうと思うんですね。それで、事実検査の陣容もあくまで金融機関の健全性を判断するための陣容でございまして、犯罪を摘発するための陣容にはなっていない、そういう訓練も必ずしも十分ではないということはそれはあるだろうと思います。
しかし、先ほどから総括政務次官がお答えしているように、そこの検査の過程で犯罪事実、違法事実というものが明確になった場合にはそれは告発をしなければならないということでございまして、もともとそういうことを本来の目的として入っていくべきものではないのではないか、こういうふうに思っております。
- 浅尾 慶一郎
金融再生法では犯罪を告発する義務が負わされております。そして、そうでないやり方でいった場合には、もともとの監督権限が、私もそれはある予見を持って臨めということではないということはそのとおりだろうと思いますが、そこまでないからやるかどうかはわからないということなんだと思うんですが、金融再生法を読みますと、当該金融機関の業務の運営が著しく不適切であるということを再生委員会が判断をして金融整理管財人を置くことができるわけであります。
その権限が、どうやって著しく不適切であるかどうかということを判断されるんですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
著しく不適切である場合の判断は、これはいろんな場合があり得ると思いますから一概に申し上げにくいですが、例えば破綻したときに、これはどうも著しく乱脈であったようだというようなことは、通常の場合は事前の検査等でその情報を把握し判断するということになるのではないかな、こういうふうに思います。
- 浅尾 慶一郎
今、大変重要な御答弁をいただきました。事前の検査等でそこを判断されるということであると思いますが、仮に、著しく不適切ではないという判断だったがために金融整理管財人を置かなかったけれども、結果として大変大きな公的資金が使われたということになった場合には、これはその事前の検査がうまくいかなかったということにつながるんじゃないですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
それはいろんな場合があろうかと思いますから、ケース・バイ・ケースというふうにお答えするしか仕方がないんだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
著しく不適切である場合には置くとなっております。著しく不適切であるからこそ大量の公的資金が結果として預金者保護のために使われる必要が出てくるわけです。それで、著しく不適切でないから置かないわけであって、したがって結果としてそんなに公的資金も使われないということになるんだと思うんです。
ですから、そこの判断を間違えたという行政責任はあるんじゃないですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
そこは委員のおっしゃったようにストレートに結びつくものとは必ずしも言えないと思うんです。まさに結びつく場合もないとは、もちろんあるだろうと思いますが、ストレートに結びつくわけでは必ずしもないと思っております。
- 浅尾 慶一郎
私は、ある資産を持っている金融機関があって、その資産に対して使われる公的資金の額がかなりの額になった場合には、どう考えてもこれは運営が著しく不適切であったとしか考えられないんですが、その点いかがですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
今のこれはいろんな場合を想定しながらの判断になると思います。一概に、今のも確かに結果として欠損がうんと出ているというのがそれに当たる場合、不適切だったと当たる場合もそれは私はかなりあるだろうと思います。でも、それでそれがすべてであるというふうにはまだ今断言できないのではないかと思っています。
- 浅尾 慶一郎
欠損が大きくてなおかつ著しく不適切でない場合というのは、私は理論的に考えられないんじゃないかと思うんですが。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
あらゆる場合を場合分けして今お答えする自信はございませんが、委員のおっしゃるようなことがかなりの蓋然性ではあるんだろうなと思う一方、そこだけで断言してよいのかなという気持ちも持っております。
- 浅尾 慶一郎
冒頭申し上げておりますように、私が今申し上げたいのは、非常に透明性とそして行ったことに対する責任の追及ということがまさに金融監督当局、検査当局に求められているということなんだと思います。そのことに対する責任を果たすためには、結果論として、結果論になるかもしれません、欠損が出るのは後ですから。長銀にしても、当初の発表ではそんなに欠損がないと言っていたのが、最終的には4兆円ぐらいの穴があいていたということになるわけですから、結果論として大きな穴があくということはあり得るんだと思うんですが、現にそれだけの大きな穴があいたということは、やはりどう考えても著しくその運営が不適切であったという判定を下すのがこの法律から見た判断なのではないかと思いますが。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
著しく不適切というのにいろんな場合があると思うんですが、主として考えているのはやはり違法事実だろうと思うんですね。違法というのは、背任であるとかそういうことによって著しいさっき委員がおっしゃったような欠損が出てきたと、例えばタコ配を行っているとか、そういうようなことが一番典型的な事例として恐らく考えられているんだろうというふうに思っております。
- 浅尾 慶一郎
それは先ほどの答弁と違うんじゃないかと思うんです。原因はわかっているわけですから、告発しないということにはつながらないと思うんですが。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
だから、先ほど申し上げましたように、事前の検査等によってかなりその疑いがあるとか、それは明確に認定するのはなかなか難しいと思いますが、そういうようなことをかなり想定しているんだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
よく御答弁がわからないんですけれども。
著しく不適切である場合には金融整理管財人を置くとなっておるわけでございますから、じゃどういう、その著しく不適切であったという要件は非常に裁量権の広いものなのですか、それとも、私はこれは検査結果で客観的に、裁量権ではなくて客観的に出てくるものだと思うんですが、それはどちらでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
もう1つ申し上げますと、著しく不適切である場合に必ず置かなければならないとは書いてございません。著しく不適切な場合に置くことができると書いてありまして、確かにここには裁量の余地があるわけでございます。
したがいまして、そういう書きようになっておって、それから著しく不適切の場合にも、私はまだどういう場合が著しく不適切なのか十分自分の頭を正直申し上げて整理していないんですが、中核的なのは、先ほどのような違法の疑い、違法によってタコ配をしたとか背任をしたとかいうような疑いが多い場合が一番中心だろうと思っておりますが、さらにどういう場合が考え得るかについては私たちもよく検討しておかなければならないと思っております。
- 浅尾 慶一郎
それでは、違法があった場合には置くわけですね、タコ配があったり。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
それは1つの適用のかなり重要な要件だろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
そうすると、きょう伺っておりますことと大分ずれてくるんだと思うんですが。違法の事実があった場合には置くということを断言していただければ結構ですけれども。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
まず、先ほどから私もここは少し慎重に答えておるんですが、違法の事実があるかどうかの認定も、今までの検査結果で全部つかめているかどうかということがございます。あくまで疑いの段階にとどまる場合もございます。いろんな場合がございますが、そういう違法が相当蓋然性が高いというような場合が置く場合の1つの典型的な事例ではないか、こう思っております。
- 浅尾 慶一郎
余りずっと時間を使ってもあれでございますが、私が今日申し上げておりますのは、繰り返しになりますけれども、透明性と結果に対する責任。透明性と結果に対する責任がより明らかになるのは、金融再生法に従ってその金融機関の破綻処理をするルートであって、そうでないルートよりもこれはいろいろなことがはっきりと書いてありますから、それは多分委員長もお認めになるんだと思います。
だとするならば、今、しかもその要件の1つに違法な事実があったと、これは最終的な判断をするのは申すまでもありませんが裁判所でありますから、そう推定をするわけでございましょうから、その推定をした段階で置くというふうな決意を示すだけでも、これは一般論ですから全く何の影響もないんだと思うんですが、なぜそこは余りはっきりと断言をされないんですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
それはまだ、これは仮定の事実になりますので、それは具体的な場合でないと、個々の具体的な事案に当たりませんとこれが違法のかなりの蓋然性があるのかないのか、そういうことも言えないわけでございまして、ここでいろいろな場合を分けて、こういう場合はこうである、こういう場合はこうであるというようなことはなかなか実はお答えしにくいんでございます。
- 浅尾 慶一郎
仮定の場合というふうにおっしゃるので、いろいろお聞きしてもなかなか御答弁いただけないかもしれませんので、それでは具体的なケースに沿って質問を変えさせていただきたいと思います。
これは政府が出しておられます長銀株式の売買契約であります。これは具体的にこの契約がここにあるわけですから、これに沿って質問をさせていただきたいと思います。
先般も、私は、この契約は大変売り手である国、国民の税金が危険にさらされている、あるいは国にとって損な契約なのではないか、不利な契約なのではないかということを申し上げさせていただいたわけでありますが、幾つかその例を指摘させていただきたいと思います。
きょうは日本たばこからもお越しいただいておりますが、日本たばこさんは、実はちょっとこれは回り道になるかもしれませんが聞いていただきたいと思いますけれども、RJRというところが持っておったたばこの米国以外の事業を、昨年だったと思いますが、買収をされました。そのとき私は日本たばこさんに、将来その買収をしたたばこ会社が過去に売ったたばこによる訴訟というものが起こされた場合、その責任はどちらにあるんですかと聞いたら、それは日本たばこ側が負いますというふうにおっしゃいました。そして、現にカナダでその訴訟が提起をされました。
まず、その事実だけお答えいただきたいと思います。
- 水野 勝氏(参考人)
事実関係につきまして申し上げますと、カナダのオンタリオの州政府が、本年3月1日付でアメリカのニューヨーク州連邦地裁に、喫煙に起因する健康被害の拡大によって州の健康管理支出が増大したといたしまして、当社を含みます世界の主要なたばこメーカーを相手取って損害賠償を提起したということを私ども報道で承知はいたしております。
しかしながら、まだ本件につきまして訴状が送達されておりませんので、詳細についてはまだ明らかではない状況でございます。
- 浅尾 慶一郎
それでは、昨年の財政・金融委員会での御答弁を繰り返していただきたいんですが、海外でかつてRJRが売っていたブランド、キャメルとかいろいろあると思いますが、を喫煙したことによる健康損害による訴訟が起きた場合、その責めは売買契約上すべて日本たばこが引き継ぐという御答弁をいただいておりますが、その理解で間違いございませんね。
- 水野 勝氏(参考人)
私どもの買収の時点以前に起因して、そしてそこの時点で起こされておるそうしたものにつきましては、買収の契約時点でお互いに誠意を持ってディスクローズいたしまして処理をいたしておるわけで、そうしたものにつきましては売却側が責任を持つことといたしておるわけでございますが、その後に提起されますものにつきまして、アメリカ以外の地域での事業に起因するものは私どもでもって処理をすると、そのような契約になっておるわけでございます。
- 浅尾 慶一郎
ありがとうございました。どうぞ、お忙しいでしょうから結構でございますので。
ということは、偶発的に買収後に発生した債務については日本たばこ側がその責めを負うということなんだと思うんです。
それは昨年の御答弁でも、宮澤大臣もたしかこの件に関して御答弁いただいたと思いますけれども、それはM&Aの慣習上仕方がないだろうという御答弁をいただいたわけでございますが、そういったリスクがあるということは社長には申し上げたけれども、それは判断だからしようがないというような趣旨の御答弁をいただいたと思いますが、大臣、それで間違いございませんですね。
- 宮沢 喜一氏(国務大臣)
非常に具体的なケースについて御答弁をいたした記憶がございませんけれども、社長としては十分いろいろなことをお考えの上で契約を専門家を煩わせてつくられたものと思うと、こう申し上げました。
- 浅尾 慶一郎
専門家がそれでいいと判断をしたということなんだと思います。
それで、翻りまして、長銀の契約を読んでみますと、売却後今のような訴訟が起こされた場合は50億円超は青天井で国が責任を負うというふうな形で読めるんですが、間違いございませんね。
場所を申し上げさせていただきますと、たしか表明の中に出ておりますけれども、補償ということでそういったような記述があったと思いますが、間違いございませんでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
今委員の御指摘になりましたのは「偶発債務等の補償」というところで、「長銀において、実行日において存在又は係属しているか、又は実行日前に」、これは要するに移転する日でございますが、「発生又は存在していた行為又は状況によって生じたあらゆる潜在的、未実現又は偶発的な債務が実現した場合」は、当該債務に関連してこれは売り手側が責任を負う、こういう規定になっております。
- 浅尾 慶一郎
そうすると、日本が買い手であった日本たばこの場合は、株のかなりの部分を国がまだ持っておるわけですから、ある面半分ぐらい日本国というふうに言えると思います。買い手であった場合には、そういった偶発債務は日本国側がいろいろな専門家のアドバイスを得て引き継ぐのが適当だということであり、今度は日本が売り手の場合は逆になっているというのはどういうふうに考えたらいいんでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
これはいろんな売買契約というものがあろうかと思います。たばこの場合どうするかということは私必ずしも一般例をよく知っているわけではありませんが、これは要するに、実行日前に存在していたあるいは係属していた偶発的な債務が実現した場合の損害について、売り手側である預金保険機構が買い主である長銀等に対して補償する旨の規定ですけれども、これは特別公的管理期間中つまり国有化中に生じたかまたはその原因が存在した損害について売り手側がその責めを負うべきだという考えに立って規定されたわけでありまして、こういう取り決めがこういう取引で一般的なものではないかというふうに私は考えております。
- 浅尾 慶一郎
一般的だとすると、あれですか、日本たばこの方は一般的ではなかったということですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
たばこ会社の売買の場合にどういうことを御判断になって、あるいは何が一般であるのかは必ずしも私は存じませんが、先ほど水野社長がああいう御答弁をされまして、たばこ会社においてはああいう例があるいはあるのかもしれません。その辺は私もつまびらかにいたしておりません。
- 浅尾 慶一郎
私が申し上げたいのは、今国際化、グローバライゼーションと言われている社会の中で、アメリカを中心としたアングロサクソン型の社会というのは契約に基づく社会なんであります。彼らは契約書に書いてあることがまず絶対ということになっておるわけでありまして、一方で日本の社会は、先般の委員長の御答弁にありましたけれども、契約書には書いてないけれども、自分たちは監督権限を持っているんだからそんなことはしないだろうという、どちらかというとそういった社会なんではないかなと思います。
その日本の社会とアメリカの社会の人たちが契約を結ぶ。これは両方、売り手と買い手が逆になっていますが、まさに契約を結んだ場合に、なれていないために日本にとって不利な条項がかなり入っているんじゃないかなというふうに思っているわけです。片方では偶発債務はすべて引き継ぐ、こちらでは偶発債務は全部国側が持つというのは、恐らく契約というものに余りなれていない、あるいはこういったビジネスをやってこられなかったからということが私は原因なんではないかなというふうに思っておるわけであります。
先般来るる申し上げておりますのは、そのことは一義的にはもちろん、金融再生委員長はお認めになりましたけれども、金融再生委員会のこの契約に関しては責任であるということは間違いないわけでありますが、同時にそれになれてないからこそいろいろな専門家というものを雇ったということで、例えばゴールドマン・サックスを雇ったわけであります。彼らはいろんなケースをやっているわけですから何が一般的かということをよく知っておるんだと思うんですが、この辺についてそういうおかしいんじゃないかというアドバイスはなかったでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
おかしいというアドバイスがあったというふうには聞いておりません。
- 浅尾 慶一郎
それではもう1つ、大変この契約が思想的にも金融再生委員会が今までやってきたことと異なるんではないかという話をさせていただきたいと思います。
金融再生法は、破綻した特別公的管理になった銀行の中で、本来の趣旨は、きれいな正常先債権のみを引き継ぐと。それを若干拡大して要注意先と言われるもののうちの一部は引き継げるように多分されております。要注意先Aというものを引き継ぐというのが再生委員会の取り決めでやられておったというふうに思います。
それに対して、本当にそのとおりでやれるんですかということをかつて柳沢金融再生委員長に質問させていただいたことがありますが、柳沢委員長はそれに対して、確かに金融再生法はコストを最小にしろということは書いてあるけれども、同時に社会的なコストも小さくしなければいけませんということをおっしゃっておられました。そのことの意味することは、いろいろな今経営危機に瀕している会社、経営危機と言えるかどうかわかりません、経営上難しい状態にある会社に対する融資が引き継がれないから、もしそれを整理回収機構にそこの部分の債権を移転してしまったら引き継がれないからというふうに私は理解をしたんですが、その点はまず事実関係として、したがって社会的コストを最小にする、あるいはそもそもの趣旨として、金融再生委員会が持っていた思想として、社会的コストを最小にするために多少グレーゾーンにあるものも多目に引き継いだということは事実としてお認めになられるでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
思想としてとおっしゃいますと幾つか基準があったんだろうと思いますが、第一は委員がおっしゃったようなコストを最小にしていくというのが中心の考え方であったと思います。
それで、今柳沢大臣の御答弁を引用されておっしゃった点は、金融再生法に基づく資産判定基準の概要というのを発表しておりますが、その中に、「当該金融機関が債務者の特殊事情(特許や保証など)に基づき将来の収益や債務履行の確保を見込んできており、これが合理的と認められる場合は、その事情を考慮。」すると、こう書いてございます。これは具体的にはどういうことかといいますと、例えばそれの中心である金融機関などがしっかり支援を約束している場合とか、そういうような場合を想定に置いている取り決めでありまして、やはりその地域でその企業を支えようというような場合にはある程度それは残していこうというような事情がここの1行に若干入っているということは言えると思います。
- 浅尾 慶一郎
今、大変重要な御答弁をいただきました。地域でその企業を支えていこうという場合には若干柔軟に運用していきましょうという御答弁ですね。間違いないですね。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
もちろん、支えていこうと言っているからすぐ認められるというようなものではございません。何らかの形での保証なり裏づけというものが必要であることはもちろんでございます。
- 浅尾 慶一郎
いずれにしても、そういうものも認めますということなんだと思いますが。
私、実はこの契約書を読んでおりまして、42ページ以降に「解除」ということが書いてありまして、これは瑕疵担保ということで新しく導入された概念なんだと思いますが、そこで1つ非常に重要な部分というのを見つけました。
それは何かというと、債権放棄にどこかの銀行が応じた場合には瑕疵担保ということが使えなくなりますよということが書いてあるんです。これはそもそもの思想と矛盾するわけです。なぜかというと、債権放棄というのは企業を再建するための1つの大きな手段であるわけでありまして、それを契約上認めていないということは、そもそもの再生委員会の思想がこの契約に生かされてないということになるんじゃないですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
今、委員がおっしゃったのは、債権放棄を認めた場合には瑕疵担保の解除権がないというのはおかしいではないかと、こうおっしゃっているわけですね。
確かに、確かにと言うとあれですが、融資を受けている者を徹底的に保護していこうという考えに立つんだったら、委員のようなお考え方も1つの解決法だったかもしれないと私思わないではないんです。ただ、仮に債権放棄に応じた場合でも、瑕疵担保条項による譲渡資産の解除を認めるということにしますと、新生長銀は何らの負担を負うことなく債権放棄に応じることができるということになりまして、やはり一定の歯どめというものがなきゃこれはいかぬということから、債権放棄に応じた場合には解除権を制約すると、こういう考えに立っているわけでありまして、債権放棄を行って解除権を失ったとしても、債務者に係る債権は引き続き長銀が有するわけでありますから、債権放棄に伴う解除権の制約について債務者保護の趣旨と矛盾するということはないんではないかというふうに考えております。
- 浅尾 慶一郎
私は、今大変重大な御答弁なんだろうなと思っております。
私は、本来の趣旨に従って問題のある債権はすべてこれは整理回収機構の方に移行をしてきれいにしていれば、そもそもそんなに大きな穴があかなかったということは恐らく事実としてあるんではないかなと思いますが、それをあえて、そこはいろいろ社会的な問題があるからそれは引き継いでもらいましょうということで引き継いでもらったということなんだと思うんです。
しかし、一方で債権放棄という再建のための1つの手段の手足を縛ってしまうというのは、どう考えても理屈が立たないと思うんです。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
社会的な影響ということをおっしゃったわけで、それで先ほど私は資産判定のときの1つの文書を引きましたが、それもあくまで先ほど申しましたように一定のやはり何らかの裏づけがある場合ということがまず前提でございます。
それから、もう1つ我々再生委員会としては当時判断材料としてあったというふうに考えますのは、本来ならきれいにしてRCCへ売るはずのものを抱えたというふうに今おっしゃったと思うんですが、RCCで売るのと、たとえ引き当てを積んでも引き継いでもらうのと、どっちがコストがかかるかという判断はあったと思っております。
今のコストというのは、社会的コストという意味ではありませんで、債権債務の回収とか、そういう意味でのもう少し技術的なコストのことでございます。
- 浅尾 慶一郎
実は、先日の当委員会において谷垣委員長も冒頭述べていただいておりましたけれども、長銀に関して大変悲しい事件がありました。余り申し上げたくないんですが、副社長が自殺をされたと。それは、債権放棄ということがもう新聞で言われておる。ところが、その債権放棄がうまくまとまらない、できないということで、相当な心労をされたと思うんです。
私は、この契約書を読むと、それはできないのは当たり前なんだと思うんです。なぜそういう契約書にしたのかということを伺いたいと思います。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
できないのが当たり前という、ちょっとそこのところをもう少し敷衍して言っていただけないでしょうか。
- 浅尾 慶一郎
できないのが当たり前と申したのは、債権放棄をした場合には、ローンパーティシペーション、瑕疵担保責任による解除は認められない、すなわち新生長銀がその損はかぶりますということが契約書上明らかになっておるということなんだと思います。だから、新生長銀が純粋な資本主義の、しかもこの契約書を読むと片方は米系の投資家が入っていますから、純粋な資本主義の論理でやってきますから、それは債権放棄に応じないでおいて、一方でこれが倒れれば全額返ってくるわけですから、応じないというのが一番経済合理性に合っている。だから、今後同じような事例が次から次と出てくる可能性があるんじゃないかなと。だから、私はそこは重大な欠陥なんじゃないかということを申し上げたんです。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
債権放棄をやはり認めるか認めないかというのは、求める方もあるいは求められる方もぎりぎりの経営判断を求められることじゃないかと思います。したがいまして、極めて右から左にさっさと物を移すように簡単に債権放棄というのはできるものではないんではないかというふうに私思っておりまして、そういう状況の中で一種の歯どめなくできるというのはやっぱり、先ほどの答弁の繰り返しになりますが、我々としてはとり得ないところであったというふうにお答えをさせていただきたいと思います。
- 浅尾 慶一郎
私が申し上げたいのは、1つの思想に従って行政をやっていると。社会的コストを最小にしよう。そのためには、新しい経営者に引き継いでもらって、長期的な観点に立って例えば長銀なら長銀を経営してもらおうという観点で譲渡をされましたと。長期的な観点ということは、債権放棄をすることによって長期的に新しい銀行が収益があればそれに応じられるような仕組みにしておかないといけない。
ところが、今これを素直に読むと、債権放棄に応じると自分たちに戻ってくるものが戻ってこなくなります。ところが、その会社が例えば会社更生法の適用を受けたり、あるいはいろいろな形で、別の要件で何カ月間か利息の不払いをすれば全額戻ってくる。それは、経済合理性から考えれば当然そっちに行くのが当たり前だと思いますし、ましてや買い手が海外の投資ファンドに売られたわけですから、そういうことになるんだと思うんです。
なぜそこのところを縛られなかったんですかと。それは、そこのところをよく再生委員会で議論がなかったのか、あるいはまたアドバイスをする人がしっかりとそこまで見なかったのか。それはどちらなんですか、あるいはその組み合わせなんですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
その当時、実は私はおりませんで、具体的な議論については承知しておりませんので、よろしければ当時の事務局長に答弁をいたさせます。
- 真鍋 賢二氏(委員長)
登録がございませんが、自己紹介で。(「ちょっととめていただけませんか」と発言する者あり)
速記をとめてください。
〔速記中止〕
- 真鍋 賢二氏(委員長)
速記を起こしてください。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
そこで今聞きまして、そういう議論は当時なかったということでございます。
- 浅尾 慶一郎
どう考えてもこれは本当に重大なミスとしか思えないんです。これが重大なミスでないとするならば、なぜ、その思想に反するわけです。
繰り返しになりますけれども、だとするならば、そうでないやり方をとるとするならば、もしこのやり方でやるならば、血も涙もある回収をすると言っている整理回収機構の方に回せば、それじゃ逆に、別にそこだけは回収することにならなかったんじゃないかと思います。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
思想が分裂しているというふうにおっしゃりたいんだと思うんですが、確かに費用最小の原則というものもございます。それから、先ほど1行申し上げたような社会的な影響というものを考慮しようという思想もございました。
やはり生き物を相手にしておりますから、1つの思想だけで全部きれいにまとめ上げるということはあるいはできていないのかもしれませんが、私どもはやはり最終的には公費というもので仕事をしておりますので、債務免除というようなものがやはり無際限にできるというような道は選ばなかったと、選べなかったということだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
確かに、別に無制限に債務免除をしなさいということを言っているわけじゃないし、可能性として債権放棄というものが当然新生長銀が引き継いだ企業の中から出てくるでしょうと。出てきたときに、この契約では対応ができないんです。その点はお認めになりますか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
それは今の新生長銀の経営陣がどう判断されるかということ、第一義的にはそうでございますから、私ができるできないというようなことを申し上げるのは差し控えさせていただきますが、私は、全くできないという趣旨のことを委員が今おっしゃいましたけれども、そのようには受け取っておりません。
- 浅尾 慶一郎
別に、もちろん新生長銀が自分で損をかぶるつもりになればできるわけでありますが、先ほど来るる申し上げておりますように、それは資本主義の原則に場合によっては反すると。しかも、会社更生法なりいろいろなほかの要件に合致すれば100%戻ってくるわけですから、債権放棄に応じる合理的な理由にはならないんじゃないですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
今の点は、これはまた経営判断でございますけれども、長銀の出しております経営健全化計画の中にも債権放棄を認められる場合というのが書いてございます。その中の1つに、やはり全体の債権回収等から見て合理性のある場合ということが書いてございますが、全体として一番被害を少なくして回収をしていく場合には債権放棄に応じた方がよいという判断に立つ場合もあり得るだろうと思っております。
- 浅尾 慶一郎
今の御答弁によりますと、じゃ、この契約には書いていないけれども、経営健全化計画に基づいて瑕疵担保責任が発生するということですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
いえ、そういうことではございません。経営健全化計画に書いてあるのは、資本注入を受けた長銀がどういう場合に債務免除を認められるかという、できるかということで書いてあるわけでございますが、当然その可能性がゼロに近いというような表現で今おっしゃったと思いますが、長銀としても経営全体の上から見て資金回収その他合理性があるとすれば債務免除を認めるという場合があり得るだろうと、こう思っております。
- 浅尾 慶一郎
瑕疵として認められる場合として、元本または利息の3カ月以上の延滞というものがあります。これは認められます。この場合は解除権が行使できます。それから、債務者について支払いの停止または破産、和議開始、会社更生手続・会社整理開始、これは瑕疵として認められると書いてあるわけであります。
ところが、長銀が主体的に債権放棄に応じた場合には瑕疵として認められないということもはっきりと書いてあるわけでありますから、だとすると、合理的な判断に立つ人は、債権放棄の要請があるところは黙っていればそのうち延滞があるでしょうと。そうなれば瑕疵として認められて、その部分は整理回収機構に移した方が自分は損失がないという判断になるんじゃないですかということを伺っておるわけであります。
しかも、現に、先ほど申し上げましたように、大変悲しいことですけれども、私は余りこの話をしたくないんですが、そごうの副社長が自殺をされた。それはしかも、新聞で債権放棄という要請があったということがあって、それがまとまらないと書いてある。この契約を読むと、それは確かに純粋に合理主義の資本のあれに立っていれば、会社更生かあるいは和議か何かで待った方が彼らは100%損がなくて回収ができるんじゃないかということを申し上げておるわけでありまして、だとすれば、その債権放棄は合理的な判断に基づけば恐らくしないでしょうということを申し上げたかったわけであります。
しかも、先ほど伺ったら、その点に関して全く金融再生委員会の中で議論がなかったということは、私別にこれをずっと読んでいたわけじゃないんですが、ちょっと読めば、2回ぐらい読めばわかる話なのにもかかわらず、なぜその思想と反するようなことになったのかということを伺いたかったんです。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
もう一回確認しましたが、もちろん瑕疵担保全体の仕組みに関しては随分議論をしたと聞いておりますが、今の解除権と債権放棄との関係については、今委員のおっしゃるような形で更生した方が合理的ではないかというような議論はなかったと聞いております。
- 浅尾 慶一郎
現実に債権放棄の要請がそごうで出ております。それから先般、長崎屋は会社更生法ですから、長崎屋に対する長銀の債権というのがあるとするならばそれは100%認められる、戻ってきますよ、損はありません、新生長銀にはありませんと。そうすると、新生長銀が抱えておる債務者が仮に今後経営再建という観点で債権放棄を要請してきたと。私はこれは当然あり得る話だと思うんですね。その場合には、同じことで彼らは、その再建計画というのはなかなかうまくいかないんじゃないかなと思うんです。にもかかわらずこれをそのまま引き継いだというのは、私は再生委員会の議論でなぜなかったのか不思議で仕方がないわけであります。
なかったと言われるのであるから、そこを聞いてもあるいは御答弁は余りいただけないかもしれませんが、申し上げたいのは、そのことによって大変いろんな重大な結果が生じてしまっている、あるいは今後も生じる可能性があるんではないか。合理的に考えたら、それは待って、会社更生法なり何なりでいったら100%戻ってくる、債権放棄に応じたら全部自分は損をかぶらなきゃいけないと考えたら、それは応じるはずがないんじゃないかなというふうに思いますということだけ申し上げさせていただきたいと思います。それが私はこの契約書の一番大きなあるいは欠陥なんじゃないかなというふうに思いますが、もし何か御所見がございましたら。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
先ほどからの繰り返しになってしまいますので多くは申し上げませんが、私は、この規定のもとでも債権放棄のなし得る場合があるのではなかろうかと、こう思っておりますし、また、債権放棄そのものがそんなにどんどん行われるのがまたいいことなのか悪いことなのか、その辺のやはりいろいろなぎりぎりの判断というものはあろうかと思います。
それからもう一つは、やはり国民負担という見地もあるのではないか、こんなことを今お話を伺いながら感じました。
- 浅尾 慶一郎
先ほどの経営健全化計画では債権放棄を認められる場合があると。ですから、経営健全化、要するに自分たちが認めた場合には債権放棄に応じてもこの限りにあらずと1行入れれば全部思想的にすっと通るんじゃないですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
委員のおっしゃっている思想に合わせれば、それはそのとおりなんです。
- 浅尾 慶一郎
私の思想じゃないです。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
ただ、これはやはりいろんな、思想も純粋無垢に結晶のようになかなかつくり上げることができませんので、国民負担をどうするかとか、いろんな観点になっておりますので、委員の目からごらんになると少し混濁しているのではないかという御批判があるのだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
私が申し上げているのは、1つの考え方として社会的なコストを最小にしましょうという考え方はありますねと。だとするならば、今申し上げたように、そこを変えればそれはそれで済む話だということなんだと思いますが、次に移らせていただきます。
この株式売買契約、なれていないからということでいろいろなアドバイザーを使っておられるということでゴールドマン・サックス社を雇われたということでありますが、ゴールドマン・サックス社に関しては、先方が困るということで国家公務員法の守秘義務上その契約を開示しないという御答弁をいただいたわけであります。
私先般も申し上げましたが、モルガン・スタンレーの、モルガン・スタンレーというのは日債銀のアドバイザーをやっておりますね、この東京の代表者は、私には、アドバイザリー契約の開示は構わないということをおっしゃいました。
先日の御答弁では、実は契約の開示は困るとモルガン・スタンレー側に確認したら言われたということなんですが、これ同じ人に確認したということなんだと思いますが、どこでどう変わったんでしょうか、それは。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
浅尾議員がおっしゃった、モルガン・スタンレーの東京の社長とおっしゃいましたが、その方に、金融再生委員会の事務局から、モルガン・スタンレーの社員の方に、浅尾議員がこういうことを、つまり開示してもよいということを聞いたようだが、その社長にちょっと真意を聞いてほしいという形で伺ったようであります。
それで、私自身が直接聞いておりますが、報告を聞いておりますが、シカゴに当時おられて、電話をして伺ったところ、確かに自分は契約内容は開示できるという話はしたと。ただ、しかしながら、それがいつかとか、その開示する方法とか、そういうような明確なやりとりはしていないんで、それで自分としては、日本における今後のビジネスに支障を来しかねないから契約内容の開示は現在できるものではないけれども、特別公的管理制度が廃止されてから一定期間経過したような場合など、しかるべきタイミングに要請があればできる、してもよいと、こういう回答であったというふうに聞いております。
- 浅尾 慶一郎
私は、東京支社長テリー・ポルテ氏に直接聞きました。その聞いた経緯というのは、私はその方は存じ上げませんでしたけれども、ある会合で昔からの友人で同社に勤めておる人とたまたま会ったところ、それはほかにも何人かその会合には来ておりましたけれども、実はゴールドマン・サックスと長銀との契約の開示の問題があって、当社、当社というのはモルガン・スタンレーですね、モルガン・スタンレーがアドバイザーに選ばれるのがおくれていると。これはまだ決定する前です。だからその支社長から、現に、浅尾にきょう会うんであれば伝えてくれ、我が社は契約はいつでも開示します、いつでも開示しますということをある会合で私の友人から言われたわけであります。そのことを聞いたんで、翌日私は一応念のためテリー・ポルテ氏に確認をしたら、彼はそのことで間違いがないということを言ったわけでありまして、今の金融再生委員会の御答弁とは違うわけであります。
これは、言った言わないという問題になりますが、そういった経緯もありますから、私としては、これは当委員会でぜひきちんとそれを把握をしていただきたいと思いますし、それからいろいろとどういう機能を果たしているかということもありますので、モルガン・スタンレーのそのテリー・ポルテ氏を当委員会に呼んでいただきたいと思います。
- 真鍋 賢二氏(委員長)
速記をとめて。
〔速記中止〕
- 真鍋 賢二氏(委員長)
速記を始めてください。
後刻理事会におきまして協議いたします。
- 浅尾 慶一郎
4兆円の税金が長銀だけで使われる、そして日債銀も合わせると7兆円使われるということであります。それだけの税金を使っている。その税金を使うことに対して何らかの形でアドバイスをしておる人たちの機能がどうもこの契約書を読む限り十分に果たされてはいないんじゃないかなというふうに思えるわけでありますから、あわせて、ゴールドマン・サックスの担当者であります持田さんを呼んでいただくようにお願いしたいと思います。
- 真鍋 賢二氏(委員長)
これも後刻協議いたします。
- 浅尾 慶一郎
それでは、引き続きこの問題で少しやらさせていただきたいというふうに思います。
先般、同僚の小川委員から質問させていただきましたが、この契約書には株式譲渡制限がございません。これは認めておられるわけでありますが、それについては仕方がないんだというふうに思っておられるんですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
確かに委員のおっしるように、譲渡禁止というものがかけてあるわけではありませんで、前文で、「長期的な視野から投資を行い、成長力のある銀行として長銀を運営する目的で長銀の株式を購入する」と、こういうふうに書いてあるわけです。
この前文の効力がどういうことかということは、これはいろいろ御議論があろうかと思いますが、少なくともこういう経緯でこの契約を締結して、いろいろな個々の契約の解釈をする場合にその背景となって出てくるということはこれは言えるんだろうと思いますし、義務違反があった場合の例えば信義則みたいな内容にも入ってくるのではないかと。これは私最終的にはこれ契約をどう解釈するかあれでございますが、私はそんなふうに思っております。
それで、仕方がないかどうかということになりますと、これは当時いろんなやりとりがあったんだろうと思いますが、全体の契約を一番よい形でまとめるためにこういう規定になっているというふうに報告を聞いております。
- 浅尾 慶一郎
もう1つ、先日も議論をさせていただきましたが、いわゆる税効果による戻りの資産は、契約書上これは資本として入れないと書いてあります。繰り延べ税資産というのは認めないと書いてあるんですが、その書き方が、日本で一般的に認められる会計基準を曲げて、ほかの部分は会計基準に従う、ただしその戻りの税効果については契約上で会計基準を曲げてそれは適用しないと書いてあるわけでありますが、これもかなり買い手にとって有利な定義をしたんだと思います。
別に戻った場合にはそれはカウントしますよというふうな書き方ができるわけでありますが、それはしなかったというのも、やはり買い手に相当有利にしたんじゃないでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
これも当時交渉の過程でいろんな議論があったようでございますけれども、税効果は出発時点ではゼロだということで、特に曲げたものではないと、こういうふうに聞いております。
- 浅尾 慶一郎
もし出発時点でゼロだとするならば、一般の日本の会計基準に従うと書いておけばよかったんじゃないですか。
- 真鍋 賢二氏(委員長)
速記をとめてください。
〔速記中止〕
- 真鍋 賢二氏(委員長)
速記を起こして。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
いずれにせよ、日本の会計基準に違った形で規定したものではないというふうに報告を受けております。
- 浅尾 慶一郎
5ページの第2条、2の1(1)のところですね。「2000年3月期に適用される日本において一般に公正妥当と認められる会計の基準(以下「GAAP」という)に準拠し、以下の調整を加えて作成するものとする。」、「(1)繰延税金資産は計上しない。」と。だから、以下の調整を加えたわけです。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
これは日本の会計の基準を変えたものではなく、出発日はゼロだということを確認の意味で書いたと、こういうことでございます。
- 浅尾 慶一郎
何か御答弁いただいていないんですが。
私が申し上げたいのは、出発日はゼロかもしれませんけれども、当然過去に払った税金に対して戻ってくるのが税効果ということであって、それが戻ってきた場合には、その税を払ったのは過去の長銀ですから、売る前の長銀が払ったわけであります、その部分についてそれもただプレゼントで上げたということになろうかと思いますが、そこの部分はプレゼントで上げるにしては大変大きな金額になるんではないかなということだと思います。
余りこの部分で議論してもあれでございますから、次に移ります。
大変多くのお金が使われているということはもう申すまでもありませんが、報道されている以外に9,028億円の貸倒引当金が、4兆円という金額には恐らくその金額というのは入っていないんだと思うんですが、9,028億円の貸倒引当金が積まれておるということなんだと思います。
これは数字を通告させていただいておりますが、今の大手行、例えば東京三菱で結構でございますが、東京三菱銀行の貸出金と貸出金に対応する貸倒引当金の額及びその割合というのは幾らぐらいですか。
- 村井 仁氏(政務次官)
東京三菱の場合でございますと、貸し出しが36兆3943億円に対しまして貸倒引当金が9720億円、比率にいたしまして2.67%、こんなことになっております。
- 浅尾 慶一郎
それでは長銀の方の数字を申し上げさせていただきますと、7兆9,346億円に対して9,028億円、比率にして11.379%。きれいにしたはずにもかかわらず、何でこんなに貸倒引当金が多いんでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
これは会計基準にのっとって当てたわけでありますけれども、ひとつやっぱりそれだけ長銀が資産が劣化していたということだろうと思います。
それで、特にその適という基準日が、ちょっと今日付は正確でございませんが、1年前でございますから、その1年前というのは譲り渡しの1年前ということでございますから、その間に、破綻時、適、不適の認定はそこから先劣化したものがございますので、このような形になったということだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
今の委員長の御答弁、多分私は違うんだと思うんです。
正常かどうかの判定をしたのは破綻の基準日ではなくて、その後に金融再生委員会がつくった基準に従って適とする資産かどうかという区別を行った結果、残す資産と整理回収機構に分ける資産と分けたわけです。これは売却する時期と比べてそんなに差がないわけですね。にもかかわらず、今、東京三菱は30兆円の貸出金がある。それが持っている貸倒引当金と7兆円の貸出金の長銀の貸倒引当金が一緒というのはおかしいんじゃないんでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
今、浅尾議員がおっしゃったのは、金融再生委員会としていろいろ判定の基準みたいなものを出したわけですね。その時点をおっしゃっているんじゃないかと思うんです。
それで、その適、不適の判断の前提となる資料、それは破綻時を基本としているということでございます。破綻時の長銀の内容を基準として判断をしたということでございます。
- 浅尾 慶一郎
その御説明でも私はおかしいなと思うのは、破綻時から2000年の2月29日のこの貸倒引当金を積んだ時点まででそんなに時間もたっていないわけでありますし、経済成長率だってそんな非常に落ち込んだわけではないわけでありまして、そのときに不適としたものは除いてあるのであるとするならば、そんなに東京三菱と比率が変わるのはおかしいんじゃないでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
東京三菱をどう評価するかということにもなると思うんですが、東京三菱とやはり手を上げた長銀とを比較するのは私は少し違うんではないかと思います。
- 浅尾 慶一郎
いや、それは今の委員長の御答弁ちょっと違って、新生長銀においてこういう形なんです。新生長銀というのは悪い部分は全部除いた結果なんです。なぜ、悪い部分を除いたけれども東京三菱とこんなに違うんですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
それは、悪い部分を除いたとおっしゃいますけれども、その引き当てを積んで持たせているというものが確かにあるわけでございます。
- 浅尾 慶一郎
引き当てを積んで持たせている部分があるとおっしゃいましたが、持てるのは正常先と軽微に傷んでいる先という基準をつくっておられるわけでありますから、東京三菱はそうでないものももちろん持っているわけでございますが、にもかかわらず、この金額というのはやはり比率からいっておかしいんじゃないでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
これは現実にきちっと会計基準に照らして引き当てを積んだらこうなったということでございまして、委員のおっしゃるように、何か積み増しをしたとおっしゃっているかどうかわかりませんが、そういう性質のものではございません。
- 浅尾 慶一郎
会計基準に照らして引き当てられたということでございますが、これも質問通告させていただいておりますが、それでは長銀の正常先に対して幾ら積んであるのか、要注意先に対して幾ら積んであるのか、その数字をお答えいただきたいと思います。
- 真鍋 賢二氏(委員長)
速記をとめてください。
〔速記中止〕
- 真鍋 賢二氏(委員長)
それでは、速記を起こして。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
私ども聞いておりましたのは、長銀の貸し出し関連資産について債務者分類ごとの簿価あるいは貸倒引当金の内訳はどうだったかという、何%ということではなく…。
- 浅尾 慶一郎
金額でもいいです。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
実はこれは、長銀が継続保有する貸し出し関連資産の債務者区分ごとの簿価とか引当金の内容は、当該区分に属する債務者が少ないために個別債務者がこれはどこだとわかってしまうというようなことがあるわけです。その結果、無用の憶測とか混乱を来す事態がかなりの蓋然性で想定されますので、これは厳に回避する必要があると、こう思っております。
それから、他の金融機関と競合関係にある長銀が一般の金融機関でも公表していない債務者区分別の件数を明らかにするということは、長銀に取引先との関係で不測の事態を招くおそれがございますので、公表を見合わせることが適当であると、こう考えております。
- 浅尾 慶一郎
私伺っておりますのは、正常先と要注意先に、これは一般の金融機関も公表しているんだと思いますが、したがいましてどれぐらい積んでいるんですかということを伺っているわけであって、個別のどこに貸しているんですかということを伺っているわけでもありませんし、まさか正常先がそんなに少ないとか要注意先がそんなに少ないということでもないでしょうから、その数を公表したからといって不測の事態になるということにはならないと思います。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
国内取引先に関しては、正常先が0.5%、それから要注意先が3.2%、それから要管理先が27.3%、こうなっております。
- 浅尾 慶一郎
そうすると、先ほどの9,028億円と7兆9,800億円というのが大体11%強なんです。今、正常先が0.5、要注意先が3.2とおっしゃいました。にもかかわらず、比率が11.何というのは、相当多くの要管理先がふえちゃったということですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
結果的にその要管理に引っ張られたということだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
要管理は、再生委員会の基準に従えば、引き継ぐべき資産ではないですね。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
先ほど申し上げたような基準で、引き継ぐものも引き継がないものもあると、こういうことだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
繰り返しになりますけれども、相当多くの要管理先を引き継いでいるということが明らかになった。でないと、計算上九千億円になるはずがないんだと思うんです。
さっき繰り返しになりますが、引き継いでいると言ったのは、引き継いでいるというのはそこを再建したいという思想に基づいてやっているんだと思うんです。にもかからわず、一つの再建の手だてである債権放棄を認めていないというのは、どう考えても論理矛盾じゃないですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
その点はまた先ほど申し上げたことの繰り返しになってしまうんですが、それはやはりいろんな場合があり得るんだろうと思います。委員のおっしゃるように、一概にこれで全部シャットアウトだというものではないんではないかと思っております。
- 浅尾 慶一郎
0.5、3.2というのが正常先と要注意先の引き当て基準。長銀が今積んでいる引き当て率というのが11.3%ということは、金額的にもかなり多くの引当金を要管理先で積んでいるということはまあ類推ができるわけでありまして、それはなぜそこに持っているかというと、そこに立ち直っていただかないと社会経済的に困るからという判断があったんだと思うんです。私は、その判断そのものは1つの判断だと思います。
だとすれば、社会経済的に立ち直るためのオプションはいろいろあると思いますが、そのオプションのうちの1つをとめておいて、使わせないようにしておいて、しかもそのオプションを使わないことが合理的だと思われるような契約書をつくったのはおかしいんじゃないですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
確かにいろんなオプションはあったんだと思いますが、委員のおっしゃるその解除権というものをふさぎましたのは、先ほど申し上げたように、無制限になかなか認めるわけにはいかないんではないかと、国民負担等の観点でもそうなのではないかという考え方があったわけでございます。
- 浅尾 慶一郎
だから、国民負担でいくんであれば、なぜそれではそんなに引当金が多くなっているんですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
そこのところも、先ほどから実は同じ御答弁になって恐縮でございますが、やはり生き物を相手にいろんな思想が入っているということであろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
私もいろいろとこの問題に限らず話をさせていただいておるんですが、1つ思いますのは、その透明性とか責任の場所を明確にするといったような観点と、それから、それは政治の世界ですから当然あるのかもしれませんが、何とか国会答弁は切り抜けようという観点と、両方あろうかと。それは御答弁求めません。求めませんが、あるんだと思います。
それで、それはそれでいいんですが、この問題については前の柳沢委員長の時代からも指摘をさせていただいておるにもかかわらず、そういう思想に従ってやっているということで採用されなかったと。それも1つの考え方だと思うんですが。
何を申し上げたいかというと、ほかにもそういった例が残念ながら再生委員会にはあるんじゃないかなと。国会の場で言うだけは言わせておこうと。だけれども、それを採用するとなると過去のいろんな過ちを認めることになってしまうからという例があるんじゃないかなという意味で、実は皆様にお配りさせていただきました資料に基づいて説明をさせてだきたいと思います。
実は以前、金融機関が破綻しそうになった、あるいは経営が危なくなったというときに、優先株を佐々波委員会でも取得をいたしました。あるいはその後の早期健全化法に基づいても優先株を取得するということになっておったわけであります。
その優先株の取得に関して、私は、その責任の所在の観点からいっても、減資をといったような事態になった場合には、まず普通株の出資者が責任をとるのが当然なんじゃないですかということを主張させていただきました。したがって、何らかの理由で減資をしなければいけないということになった場合には、普通株があって優先株という順番ではないでしょうかということを質問をさせていただきました。
それに対して、当時の柳沢委員長からの御答弁では、普通株も優先株も平等に扱うという考え方があるということで、我々はそれにくみしないというようなことをいただいたわけであります。
昨日、当委員会へ参考人でお越しいただきました東大の神田先生、商法の大変な権威であることはお認めになられるでしょうし、しかも金融審議会の部会長もされておられるということで、その面の権威であることはまずお認めになられると思いますが、その神田先生からペーパーをいただきました。
神田先生のペーパーは、ポイントは1ページの2のところに書いてあります。これはインターネットでいただいたものですからちょっと読みづらいんですが、原文のままということで御容赦いただきたいと思います。
「ご提案をロジカルに極端な形にして考えてみますと、「資本減少の際は、普通株のみを強制消却または併合する」と定款で規定できるかという問題になるように思われます」。それに対して、「私は、そのような定款の規定を設けることも、定款変更の株主総会の特別決議を経れば、できると考えます。」と書いております。
それから、そういった議論に対して、多分再生委員会の御答弁というのが、株主平等原則というのがあって、それは普通株も優先株も一緒にしなきゃいけないというふうに言っておられたわけです。
これに対して、2ページ目の冒頭に書いてありますが、「「株主平等原則」というのも、形式論としては、種類ごとに適用があると考えるべきでありますし(これはたぶん通説です)」。
商法の権威が多分通説だと言っておられるわけです。実質論としてもそういうふうに考えて少しも不公平ではないとおっしゃっておるわけでございます。
その指摘というのは前にしておるわけでございますが、その後も何度も何度も再生委員会において優先株を取得されておりますが、一度もこれを採用していただいていない。これを採用すれば国民の税金が守られることは明らか、少なくともより守られるということは明らかなのにもかかわらず採用していないということなんですが、まずこの見解について、昨日再生委員会にもこのペーパーをお渡ししておりますが、何か御所見ございますでしょうか。
〔委員長退席、理事 溝手顕正氏着席〕
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
商法の権威の神田教授に向かっていくようなドン・キホーテ的なことは考えておりませんが、確かにこういう解釈というのも私は一つの解釈としてあり得るんだろうと思います。すべて論理的にこうでない、株主平等というのは全然違うんだという解釈ばかりではないんだろうと思います。
しかし、株主平等という観点からいうと、本当に神田先生のおっしゃるように、種類ごとに平等というのが本来の趣旨なのかどうかについては別の考え方というのも有力に存在するように理解をいたしておりますので、ここはいろんな考え方があろうかと思います。
私どもは、もちろんそういう法律上の学理的なことももちろんあります。もし最後、訴訟の場合に、債権者平等に反するとか反しないとかいうような争いはできるだけしたくないというような実務上の要請もございますけれども、それと同時に、多分委員の御提案も、普通株式から減資をするというのもあらかじめ定款でそういうことを決めておけという御趣旨だと思うんですが、なかなかこれが引き受け銀行、普通株式だけ減資をするということを定款で決めるということが実際に可能かどうかというと、かなりこれは実務上難しいことではないかなというようなことも考えます。
それからもう1つ、こういう普通株式から減資をしていくということを考えましたときに、当該機関の普通株の株価というものはどういうものなのか、どうなっていくだろうかというようなことも私どもとしては考えまして、そういうことを考えると、たしかに理論的にはこういう考え方もあり得るのであろうというふうには思うんですけれども、なかなか採用しがたいなというふうに思っております。
- 浅尾 慶一郎
まず2点ありますが、1点目、学理的な観点の方から伺いますが、神田先生は恐らく株主平等原則は通説だとおっしゃっております。そうすると、政府の立場は通説に乗らないのか、そうでなくて別の考え方があるというならば、それをどなたがそういうふうに言っておるのかということも含めて言っていただきたいと思います。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
何が通説かというような議論になりますと、学理上の議論を国会のここでやるのは大変あれなので私が答えるのが適切かどうかわかりませんが、この点に関しましては、私どももいろいろ法務省の特に商法関係の実務に携わっている方あるいは法律事務所等にもいろいろ相談をして、ほかの考えも十分にあり得る、必ずしも債権者平等というのは神田先生のおっしゃるようなことばかりではないんではないかというふうに感じております。
- 浅尾 慶一郎
委員長にお願いしたいと思いますが、口頭で言ってもあれですから、このペーパーに対する、法務省と相談されておるなら、法務省なりの見解をペーパーで出していただきたいと思います。
- 溝手 顕正氏(理事)
ただいまの浅尾慶一郎君の申し出については、後刻理事会において協議をしたいと思います。
- 浅尾 慶一郎
では、学理的な話ではなくて実態的な話でさせていただきたいと思います。
優先株を取得するのは政府であります。取得するための条件を設けることは当然できるわけであります。私は別に普通株を先に減資しますよという条件が合理性に反するとは思わないんです。なぜかというと、議決権がない優先株は経営に対してそれだけ距離があるわけでありますから、経営に対して距離の近い人の方が責任をとるという考え方が多分合理的なんだと思いますが、その考え方についてどういうふうに思われますか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
多分、神田先生のあのペーパーの中で、むしろその方が実質的公平だとおっしゃっているのは、今の浅尾委員のようなお考えが背景にあるのかなと。ちょっとあそこのところは十分に書いてございませんが、多分そんなふうに私は考えながら読ませていただいたわけでございます。
しかし、私どもはそういう学理的あるいは実務的といいますか、むしろそういうことよりも実際上、株主総会、定款等変更というものは特別決議でございますから、そういうことを要求し、あるいは株価等を考えた場合に本当にできるんだろうか、こういう解釈論の問題よりも、そういう気持ちが強うございます。
- 浅尾 慶一郎
今、また重要な御答弁をいただいたわけでございますが、それは優先株のお金をもらってくださいと言っているのに近いんだと思うんです。
〔理事 溝手顕正氏退席、委員長着席〕
もらってくださいというか、受け入れてくださいと言っているのに近いと思うんです。こういう条件なら我々は取得しますよということで出すという姿勢も1つ考えられると思うんですね。それは実質的公平に近いと思うんです。でも、それだと、当該金融機関から、それじゃ困るよ、じゃうちは要りませんよということでそこを緩めちゃったんじゃないかなと思うんですが、なぜそこを本来の実質的公平に従ってやられなかったんでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
こういう手法が議論されましたときのことを考えますと、やはり日本の金融システムの問題点、不良債権もたくさんあったわけでございますが、やはり自己資本比率が非常に低くなっているということがあって、何とか緊急、応急に乗り切っていかなきゃいかぬという考え方が振り返ってみてあったろうと思います。そういうときに、やっぱり実行可能な資本注入策といいますか、そういうものを考えていきたいということがこのような立法の背景にあったのではないかというふうに私は理解しております。
- 浅尾 慶一郎
実行可能ということは、すなわちそういう条件であれば金融界が受け入れるということだと思いますが、間違いありませんか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
いろんな表現が可能だと思いますが、道具はつくったけれども使えないというものは避けたいという気持ちが恐らく当時あったというふうに私は理解しております。
- 浅尾 慶一郎
また冒頭の話に戻りますが、責任の所在を明確にすることのためには、私は普通株と優先株のあれを分けた方がいいと思いますし、これは多分それに反対できる人というのは余りいないと思うんですね。しかも、優先株というのは財源は税金あるいは公的資金ということであります。じゃ、銀行の経営者がそれだったら困る、困るということが果たして本当に言えるのか。それなら要りませんという判断をしていただいた方が、むしろその金融機関が積極的に自分たちの努力でやるということになったんじゃないんでしょうか。そうじゃなくて、今はこういうふうに何でもいいから横並びで受け入れてくださいという一番緩い基準になったんじゃないか。だから、そこを厳しくすると、断れるところとやっぱり経営上大変だから断れないところと出てきちゃうから、だからそれは護送船団につながる考え方なんじゃないんでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
これは資本注入のときにどういう条件をつけてやるかということは、もう委員御承知のように、基準を発表しておりますけれども、これもその程度によって違っているということは御承知のとおりでございますから、決して一番緩やかな基準をつくったというふうには理解しておりません。
それから、ちょっと私先ほど舌足らずだったかなと思いますのは、なぜ普通株から減資をしていくというのをとらなかったかというのに対して、気持ちとしてなかなか使えないと困るという気持ちが強かったという趣旨のことを申し上げたのですが、もう一つそれと同時にやはり、神田先生は通説とおっしゃり、神田先生のような権威がおっしゃいますけれども、それで割り切れるのかなというのももう1つあったことはやっぱり申し上げておかなきゃいかぬと思っております。
- 浅尾 慶一郎
ですから、学説的なものについては文書でぜひ出していただきたいと思いますし、それから経営の責任という今度は経営学的な観点から考えると、私はこれは分けた方がいいと思います。
実はこの話というのはまだ終わっていなくて、恐らく今後日債銀の売却のときに優先株をまた政府が取得することにつながるんじゃないかなと、長銀の例をとればそういうことになると思います。そのときに、そういう条件をつけると相手が困ると言えるんでしょうか。困るということは自分たちが経営に失敗しますよということと同値なんだと思いますし、また今度買うと言っているところは、株式会社とはいえ株主が恐らく少ないでしょうから、株主総会で混乱が起きるということも想定できないと思いますが、ですから例えばそういった今後出てくるケースの場合に分けて考えられるかどうかということを1点。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
今、日債銀をお挙げになりました。これは優先交渉期間を1カ月延ばしまして、今月末まで1カ月延ばしたわけで、今いろいろ議論をしている最中でございますから、まだどういう形で仕上がってくるかというようなことをちょっと今申し上げるわけにはいかないわけでございますけれども、要するに資本注入の一般的なあり方としては委員のおっしゃったところまで求めると機能しなくなるのではないかと、こう思っております。
- 浅尾 慶一郎
一般論で言うとなかなかわかりにくいので、3兆円の公的資金を使う日債銀のケースに限定させていただきます。
ここに優先株を入れる、政府が取得するということになった場合に、その優先株は議決権がない優先株でありますから、経営は今優先交渉をされているところが主体的にやっておると。だとすると、それの経営による責任は主体的にそこが持つのが当然だと考えますが、いかがでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
先ほど株価のことも申し上げましたが、やっぱり新しい民間の金融機関として出発していただくときに、どういう株価が、株価というのはこれは上場してからの話でございましょうが、どういう株価になっていくかというようなことはやはり民間の金融機関としては極めて重要な要素だと思いますので、そういうあたりをどう考えたらいいのかというのも非常に重要な問題点だと思っております。
- 浅尾 慶一郎
そういうことを、お答えになってないと思うんです。まず、経営の責任は買収する主体が持つということで間違いないですね。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
もちろん買収して経営される方々が持つのは当然のことでございます。
- 浅尾 慶一郎
だとすると、なぜ買収される方の責任と政府あるいはそれを通して国民が入れる株の責任が同値でなきゃ、同じでなきゃいけないんですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
これは、ですから、資本注入をするときに、果たしてそれが使い得るものになるかどうかという観点だということは先ほどから繰り返して申し上げているとおりでございます。
- 浅尾 慶一郎
いえいえ、私が申し上げているのは、今株を再上場するといった場合の日債銀のケースでございます。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
今具体的な契約の詰めの交渉中でございますから、ここらはなかなかまだお答えのしにくいところでございます。
- 浅尾 慶一郎
契約の詰めの途中ということはそのとおりかもしれませんが、一方で公的資金を使っておるわけですから、またその優先株を入れるということになれば、このお金は国民としては保護したいと思うのが当然だと思うんです。だとすれば、保護できる方策はあるわけですから、なぜそれを使わないんですかと言っているんです。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
これは、ですから、個別の場合ではなく一般論で私としてはお答えせざるを得ないんですけれども、果たして、では資本注入をしてくれ、いたしましょうという場合に、今後の株価がどうなるかというようなことを経営する方は当然お考えになるだろうと、こういうことだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
3兆円の公的資金を使う、日債銀の場合は使うわけですから、それを個別のケースでは、別にそれによってどう変わる話ではないと思うんです。責任の所在を明らかにする姿勢をとるかどうかということを伺っていて、それは答えられないというのは、私はお答えになっていないんじゃないかと思います。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
委員の御質問は、だから、普通株から減資をするという規定をすればその責任の所在がはっきりするじゃないかとおっしゃっているんですね。
それは確かに1つの見解だろうと私も思いますが、先ほどから結局同じことの繰り返しになってしまって大変申しわけないんですが、1つは先ほど解釈論上の問題点があって、そこのところがやっぱりいろんな考え方がありますねということと、実際的な問題点という場合に、1つは株価の問題と、先ほどは株主総会のことを挙げたわけですが、株主総会は余りこの場合は数が少なくて問題ないじゃないかと多分おっしゃったんだろうと思います。しかし、じゃ買う側としていろいろな条件のときにどういうことがあるかというと、これはもうやはり契約をしていく場合のいろいろな交渉なんだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
委員長にお願いしますが、今まさにその契約締結のところでいろいろ御努力をされておるということなんで、締結前に早急に見解を書面で出していただくようにお願いしたいと思います。
- 真鍋 賢二氏(委員長)
理事会において検討させていただきます。
- 浅尾 慶一郎
今、いろいろと責任という話をさせていただいておりましたので、もう1点だけ責任という話をさせていただいて、次に移りたいと思います。
これはまた契約の方に戻って恐縮でございますけれども、優先株を取得した政府は、当然経営から一歩引いている形になっています。議決権がありませんから、経営から一歩引いている。ところが、再上場して株価が上がった場合に、その株の価値が5,000億円以上になったら自動的にこれは売ってくれと言われたら売らなきゃいけないようになっている。これはどういうことかというと、経営からは距離があるけれども、株が上がったときのアップサイドは享受できませんよという仕組みになっているんです。これはやっぱりおかしいんじゃないでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
今のような形で契約を結びましたのは、やはり買う側として、民間銀行として出発したときに、いつまでも政府の介入というと言葉は悪いかもしれませんが、もう少し自由な経営をしたいという気持ちがやはりあったんだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
今の御答弁、ちょっとよくわからない部分がありまして、優先株というのは議決権がない、したがって経営にはタッチできないわけですよね、直接的には。介入というのは、そういう観点からはどういう意味ですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
それは、もちろん委員のおっしゃるように議決権を持っているわけではないんですけれども、公的資金を受けて国が相当大きな、経営健全化計画もございますし、いろんなものがあるわけでございまして、できるだけ早く自立をしていきたいという気持ちは私はやはり経営される方としてはあるんだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
優先株を引き続き保持しておいて売却を適宜政府の独自の判断に基づいてやることによって、先方の経営の自主性というのはそれほど曲げられてしまうんでしょうか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
曲げられると言うと言葉は悪うございますが、もちろん資本注入をしているところには経営健全化計画を出していただいて、我々はやはり公的資金を入れているわけですから、フォローアップして見ていく責任があるのは当然でございますが、他方金融機関からすれば早くそういう状態を脱していきたいというのは、私はこれは十分理解できることではないかと思います。
- 浅尾 慶一郎
わかりました。
これで長銀の契約の問題は最後にしますけれども、非常に客観的に見ても私はいろいろと落ちのある契約だったんじゃないかなと思いまして、先ほどタッチしましたアドバイザーについてはちょっとその話を伺いたいということは申し上げさせていただきましたが、同時に、先般の質疑におきまして、ここの契約に関しては預金保険機構において弁護士事務所を雇われたということなんですが、それはどちらを雇われたんですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
これはきのう委員から御通告をいただきまして、けさになってから連絡をとろうとしているようですが、まだ向こうの弁護士と連絡がとれません。
これは、先ほど委員がおっしゃったFA、フィナンシャルアドバイザーと同じでございまして、向こうが発表してよいと言えばいつでも発表してよろしいわけでございまして、我々としては…。
- 浅尾 慶一郎
どこかということを聞いているんです。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
だから、どこということも向こうがオーケーと言えばいつでも言える。今連絡をとっているところでございます。
- 浅尾 慶一郎
別にどこかということが何か発表することによって先方に害を与える、現に仕事をしたことで国が、預金保険機構を通してですけれども、害を与えることになるんですか。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
どこと契約を結んでいるということに守秘義務がかかっているというふうに理解しております。
- 浅尾 慶一郎
契約の中身なら多少は守秘義務ということはあろうかと思いますが、大変大きな税金を使い、そしていろいろな問題がある契約を結んだところがどこかということを開示できないというのは私は納得ができないんです。
- 谷垣 禎一氏(国務大臣)
いや、相手側の法律事務所がオーケーと言えばいつでも開示いたします。
- 浅尾 慶一郎
何か非常に透明性ということからいうとそこの部分に非常に何か壁があるような気がいたしますが、時間の関係もありますので移らさせていただきます。
小池政務次官には大変お待たせをいたしました。
利息制限法と出資法との関係の議論を先般当委員会においてさせていただきました。その背景について、聡明な小池政務次官はよく御存じだと思いますが、若干説明をさせていただきますと、利息制限法は100万円以上の貸し出しについては15%が制限金利となっております。出資法は、先般引き上げられましたが、29.02%だったと思いますが制限金利と。今の裁判の判決の実例、あるいは例えば消費者金融会社に私が参りまして、お金を借りて15%を超える金額を請求されたときに、いやこれは利息制限法違反だから払いませんよと言われたら、それでもうそれ以上請求はされないといったような実例をかんがみますと、法律を知っているか知らないかによって大変大きな利益の差が出てくる。
私は、法律はその前提として全員が知っているという前提があるというのは理解いたしますが、その差があるということ自体が社会正義に照らしてどうなのだろうかということを村井政務次官あるいは委員長には御質問させていただきました。それに対して、これは所管が消費者教育ということなので経済企画庁でやっておることだという御答弁をいただいたわけでございますが、具体的にいつからこの問題についてどのように取り組んでおられるか、御答弁いただきたいと思います。
- 小池 百合子女史(政務次官)
今の御指摘の分野にとどまることなく、私ども経済企画庁では、消費者という観点から、いろいろな方法で、ホームページ、そしてきょうはこのハンドブックをお持ちいたしましたけれども、そういう形でできるだけ多くの方々に知らせる努力はこれまでもやってきているところでございます。
そして、先ほどの29.2%への引き下げ、これは貸金業の規制に関する分でございますけれども、これは施行が6月1日となっているわけでございますけれども、いずれにいたしましてもこのグレーゾーンの問題、そして利息制限法、出資法、貸金業規制法、それぞれの内容につきましては金融監督庁の間とも必要に応じて協議といいましょうか情報交換も行っておりますし、そして制度の仕組み、そして節度ある利用など情報提供のあり方についても現在も意見交換をしているところでございます。
ということで、既にそういった点についてはやっているということでございます。
- 浅尾 慶一郎
確認させていただきますが、そうすると、やっておるということは、利息制限法の制限金利を超える金利は払う必要がありませんという消費者教育をしておるという理解でよろしいですか。
- 小池 百合子女史(政務次官)
今の御質問の利息制限法と出資法との制限金利の差ですけれども、非常にわかりやすくイラストなども含めまして例年発行しております先ほどお見せした「ハンドブック 消費者」でも取り上げておりますし、学校教育でもこれは高等学校の商業法規という科目の中にそういったものがございまして、私も目を通しましたけれども、わかりやすくできていると思っております。
- 浅尾 慶一郎
わかりやすくできておるということでございますが、ではなぜ多重債務者がこれだけ問題になるんでしょうか。私は一般の方はやっぱり29.2なりなんなりで契約したらそれを払わなきゃいけないとまだ思っているんじゃないかと思うんです。ですから、そういう観点でいうと、大変言葉は厳しいかもしれませんが、一般の方にまだ利息制限法の制限金利というのが伝わっていないんじゃないかなと思います。
- 小池 百合子女史(政務次官)
私どもの方では消費者教育という観点で、先ほど申し上げましたように学校教育、そしてさらには今後やはりホームページなども活用すべきだとも考えておりますし、そのあたりは金融監督庁と一体となって連携をとりながら何ができるか進めてまいりたいと思っております。
- 浅尾 慶一郎
ロスタイムを少し使わせていただいて、最後にさせていただきますが、大変あれでございますが、まだ多重債務者の問題というのはいろいろな問題があるわけでございますから、引き続き実効性のある形で消費者にわかるような形で教育をしていただきたいということを申し上げさせていただきたいと思いますし、また定期的に当委員会ないし国会に対してこういう教育をやっておるんだ、実効性がこれだけ上がっているというような数字も出していただきたいと思います。
- 小池 百合子女史(政務次官)
承知いたしました。
- 浅尾 慶一郎
終わります。