金融経済特別委員会 会議録
平成13年4月2日
浅尾 慶一郎

民主党・新緑風会の浅尾です。きょうは、不良債権の処理の問題、あるいは過去の金融政策、再生政策について、そしてペイオフ等の問題について質問をさせていただきたいと思います。

まず最初に不良債権の問題につきまして、先般、UFJグループが引当金をほぼ倍増するという報道がなされました。そのことは株式マーケットにおいて非常に評価をされておるわけでありますが、しかし、よくよく考えてみますと、その中身は一般貸倒引当金と言われているものと個別貸倒引当金と言われているものを積み増ししたと。積み増ししたことがマーケットで評価されているということなんですが、期の途中で倍にふやさなければいけないということは、そもそもの自己査定がおかしかったんではないか、すなわち損失の先送り、あるいは損失、傷んでいるものを先送りしていた可能性があるんではないかなというふうに思うわけでありまして、同じように三井住友グループも大幅な赤字決算ということを発表しております。

そこでまず金融担当大臣にお伺いしたいと思いますけれども、その自己査定がおかしかったんではないか。とすればそもそも監督行政としてそのことについて何か言うべきではないか。あるいはUFJは途中で自分たちの自己査定がおかしかったから大幅な引当金の積み増しをしたわけでありますが、残りの3グループについてはどのように考えているのか。あるいはその他の一般の金融機関についてもまだまだ自己査定が甘いんではないかという思いが恐らくマーケットの中にあって、そのことが今の低い株価につながっているんではないかと思いますが、監督行政の立場からいってどのように評価されるか、伺いたいと思います。

柳澤 伯夫氏(国務大臣)

今、浅尾委員が御指摘になられたように、最近の決算予想というような形で不良債権の処理額を増加させると、こういうことを表明いたしております。それはそれで私ども聞いておりますけれども、私どもといたしましては、いずれ決算が正式にくみ上げられて確定をした暁には、既定のものでございますけれども、フォローアップ作業の手続に入るわけでございまして、そのときによく事情をお聞きするということになろうかと思います。

浅尾 慶一郎

そのときにということでありますけれども、国際的に見ても、我が国のマーケットに対して多くの投資家がそういった疑義を持っていたと、持っていたところに最初にUFJグループが正直にというか自己査定を修正して、あるいは多くの引当金を積んだ結果、普通であれば損失がふえれば株価は落ちるというのが普通の見方なんですが、株価が落ちずにむしろ上がっているという経緯があります。それは、マーケットの評価としてはもう既にそんなことはわかっているよということなんじゃないかなというふうに思うわけでありますが、本来は当然金融監督行政というものがあるわけでありますから、だとすればそれは一UFJグループだけじゃなくて、ほかのところにもそういうものがあるんではないかというふうに思うのが筋なんではないかなというふうに思います。

そこで、それじゃ今までの検査の中でそういった問題というのは見つからなかったという理解でよろしいんですか。UFJについてで結構です。

柳澤 伯夫氏(国務大臣)

検査の結果についてはその都度可能な範囲でその状況を明らかにしておるかと思いますけれども、自己査定と検査との間には、どこの銀行というわけではありませんし、またこのときだけというわけでもありませんけれども、見解の相違に基づく乖離があってそのことが指摘をされると、こういうことはあり得ることであるわけです。

今回のことについて、損失がふえて株価が上がるということで市場の評価が通常考えられるのと逆になったのではないかということでございますけれども、何と申しますか、先生が今おっしゃっておられることがどういうことか私も必ずしも完全につかめているとは思いませんけれども、いずれにせよ、不良債権の処理が進むということは、今の銀行が置かれている状況からいって、これは今までやや、何と申しますか、低目に見ていたものを正直に出したというようなことではなくて、不良債権の処理が進むことによって本当の意味の体質が改善されるという意味で私は評価することもあり得ようと、こう思います。

実際の市場の評価がどうであったかということは、私はここで言うべきことではなかろうと、こう思います。

浅尾 慶一郎

それでは、今まで低く見積もっていたんじゃないけれども、不良債権の処理が実際に進んだ結果損失が出たということは、逆に言えば、今まで不良債権の処理をしてこなかったと、してこなくても大丈夫な評価ができたということなんではないかなと思いますが、その点はいかがでしょうか。

柳澤 伯夫氏(国務大臣)

要するに、今度のUFJ、余り個別の銀行にかかわって物を言うのはいかがかと思うんですけれども、あの場合には、ひとつは3行が統合したということに伴う評価がえというものも、査定がえというものもあったようでございます。それから、今の経済状況、これが影響しているということもあったと。それからまたさらに、先ほどどなたかの御質問でしたかにございましたように、直接償却に備えるというか、そういうことも気持ちの上にあったというようなことも仄聞しておるところでございます。

浅尾 慶一郎

今、3行が統合したことによる評価がえというものがあったというふうに御答弁をいただいたわけでありますが、例えばAという会社が3行の中でそれぞれ評価が違うという場合に、当然それを合わせて引当金をそのレベルに積み増すということなんだと思うんですが、そもそも金融庁の検査のときに、Aという会社、これは大手であれば、中小までということになるとなかなか大変かもしれませんが、Aという会社に対して、それが果たして破綻懸念先なのか要管理先なのか要注意先なのかということは統一して見ないと本来の検査ではないと思うわけですね。

例えば、名前を出しましたUFJグループではAという会社が破綻懸念先である、そして三井住友では要管理先であるというようなことも考えられるわけでありますし、場合によってはどこか違う銀行ではそこは普通の債権であるという可能性もあるわけであります。

そういうばらばらのものを統一して見るというのが検査の趣旨であり、そしてそれが統一して見られることによって本当の意味で不良債権に対する十分な引当金が積んでいかれる、あるいは積んでいない場合にはそれに対して是正措置をとっていくというのが金融庁の役割であると思いますが、現在、金融庁の検査の中でそのAという会社について銀行間の信用判定が違うということに対して指導はしていないんですか。

柳澤 伯夫氏(国務大臣)

これはいろいろ議論のあるところでございまして、今国会においても既に何がしかの議論が実は行われているわけでございます。

私も、実は、この仕事に携わったときに直面した問題は資産の査定の問題でございまして、これがいかにあるべきかということについて実はかなり議論をいたしたわけでございまして、そのときには私は浅尾委員と同じ見解で議論をした記憶がございます。

ところが、いろいろよく検査の担当者の話などを聞きまして、結局、銀行ごとに同じAという貸出先の企業についても見方が異なる、それから情報が異なる、もっと言うと、ここまで言うのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、債務者、借入人企業の側がA銀行とB銀行とC銀行に対する例えば返済態度なども違うことすらあるんだと、こういうようなことでありまして、これは実際の生活ではこういうことにめったやたら私は直面したことはないんですが、そのわずかの私の友人たちから聞いた話でも、なかなか事業がうまくいかないときには、本当に命綱のようなところは大事にして、そう言っては何ですが、必ずしも最後のところで、何と申しますか、頼らなければならないところはやや粗略にすると。そういうことがあると言っているわけじゃありません、そういう話もちらっと聞いたようなことを考えると、にべにそのような実務者の見解ということを否定できなかったというエピソードもございまして、そういうようなことを考えますと、今、先生がおっしゃられることも私、立場としてかつてとった立場なものですからよくわかるんですが、どうもそのように必ずしも画一的にやることを強いることが本当にいいことかということについて疑問なしとしないというあたりを、今私は自分の立場としてとっているということでございます。

浅尾 慶一郎

それでは、具体的になぜそういうふうに横ぐしでやった方がいいかということを御説明させていただきたいと思います。

なお、そのAという会社の信用がこうだということが唯一日本国内でわかる機関は金融庁でしかないわけですから、それは金融庁にやっていただくしかないわけであります。

昨年、そごうが破綻をいたしました。このそごうは破綻をするということに対して十分な引き当てを積んでいた銀行もありますが、そごうが破綻するまでこれは大丈夫だと思っていて引き当てを全く積んでいなかった。特に中小金融機関は余り積んでいなかったわけであります。結果としてそごうの破綻によって急遽損失がふえてしまったと。

したがって、検査・監督ということをしっかりやらないと、不測の事態が起きたときに、それもそごうのように大きな会社が破綻をするといったような事態になった場合には、特に地銀以下中小金融機関を中心に引当金が足りない、あるいは急遽積み増さなければいけないといったようなことになって、そして来年から解禁されてまいりますペイオフということを考えた場合にも、日本の金融に対する信認というものを毀損してしまうんではないかと、こういうふうに思うわけでありますから、ぜひ横でそれぞれ企業の信用評価を見ていただきたいというふうに思います。

また、もう一つ、今の御説明だと、ややそこに裁量性というか恣意性を企業側に認めることになってしまって、自分の資本の状況であるとか損益の状況に照らして本来は十分な引き当てを積まなければいけない先であってもそれを積まないで先送りしていくということが行われてしまうと、そのことが翻って日本全体の金融システムに対する信用を毀損することにつながってしまうんではないかなというふうに思うわけでありますから、その点も踏まえてぜひ御答弁をいただきたいと思います。

柳澤 伯夫氏(国務大臣)

横ぐし、同一という扱いがいいんではないか、それでまたそのメリットもいろいろお述べいただきました。

さらに、最近におけるそごうの破綻ということで、これも私も本当にいろいろ思い当たるというか、ある地方銀行の場合ですが、非常に繁盛しておる店が目の前にあるということで、そのことからすればどうしてもそれは信用されるということもこれは自然の成り行きだろうと思うようなところの話も私聞いておりまして、今の先生のお話も大変もっともな面があるということは認めます。

しかし、他面、それでは金融庁が横ぐしであるぞよということで一斉に各金融機関にその同じことを検査によって情報を知らしめていったら、完璧にその企業はとどめを刺されるということになる。これを一体どう考えるか。私は、やっぱりそれぞれが相対で、その企業とその銀行、金融機関という立場で評価していく。確かに、本当に破綻をした場合には、これはもうその覚悟をしていたところと情報のなかったところでは随分違う結果になることも、私はそこに大変な問題が包蔵しているということもわかりますが、同時に、金融検査で画一的なその企業に対する見方を横一線でやったときに、本当にそういうことがこの市場原理というか、マーケットメカニズムで動く経済として正しいことか、にわかになかなか判断できないところを感じます。

浅尾 慶一郎

私は、銀行に一切預金保険というものがなかったり、あるいは改正預金保険法のもとでのシステミックリスクのための公的資金というものが全くない、そういう資本主義マーケット社会であれば、それはそれぞれの銀行が自由に選ぶということで十分それは問題ないというふうにも考えられると思うんですが、そうではなくて、ある面、銀行、金融システムを公的なものだというふうに判断をし、それに対する公的セクターの関与、あるいは公的資金の投入ということがある現在の金融システムのもとでは、やはりある面、強制的な横ぐしというものが必要なのではないかなというふうに思っております。

その質問の観点でいいますと、今まで金融再生委員会あるいは金融庁の資産判定というものが、私はかなり、こういうふうに申し上げると御反論あるかもしれませんが、恣意的に行われていたのではないかなというふうに思います。

具体的な例で申し上げます。破綻をいたしました新生銀行、あおぞら銀行に引き継ぐ、破綻したのは、済みません、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行でありますが、新生銀行、あおぞら銀行に引き継ぐ資産と、そしてそれは引き継ぐべきでない、適としない資産というものを資産判定ということで当時の金融再生委員会で分けたわけであります。  その中で、適としないということで、整理回収機構、かつて中坊さんが社長をやっておられた整理回収機構に行った会社の中にダイア建設という会社があります。ところが、ダイア建設という会社は整理回収機構に行ったんですが、20年という超長期でありますが、整理回収機構に移行した債権全額を返済するということを先般発表いたしました。それに対して、引き継ぐべきというふうに適とする資産、同じような業界の中で適とする資産があった中で、例えば、これはもう公知、既知の事実でありますから企業名申し上げますが、熊谷組、あるいはハザマといったようなところは債権放棄をいたしております、新生銀行、そしてあおぞら銀行が債権放棄をしております。

それはなぜ債権放棄ができたか。それは引き継ぐに当たって個別貸倒引当金を、税金ですよ、これは、税金を大幅に積み増しして、そしてその原資をつくったから新生銀行もあおぞら銀行も債権放棄に応じたわけであります。新生銀行を買ったところ、あるいはあおぞら銀行を買ったところがもともとの原資がなければ当然債権放棄には応じないわけでありまして、まず第一に私が問題としたいのは、じゃなぜダイア建設というしっかりと全部返せるものが不適となって、そして返せない、税金でもって債権放棄してもらうところがいい資産だという判定を下したんでしょうか。

柳澤 伯夫氏(国務大臣)

今、先生、個別の企業名をお挙げになりました。これは両方ともまだ活動をしておる企業でございまして、それを今私の立場でちょっと議論の俎上にのせるというのはやっぱり御遠慮申し上げないといけないと、このように思います。

そういう前提で一般論を申し上げて恐縮なんですが、後からいろいろ見ますと、金融再生委員会の判定というものが裁量的、恣意的だったんじゃないかというように見える面を私も全部否定できるかといったら、結果としてはそういうこととして見られることもあり得る例もあったかなという気はします。ただし、私どもの再生委員会の判定というのは極めて事務的に進められていまして、事務的にということは、何と申しますか、事務方がやったということじゃなくて、再生委員会の委員会の席上にのせられて審議をされるわけでございますけれども、あらかじめ発表した基準に基づいて適、不適が判定されておりました。

そして、今、先生ちょっと適、不適の判定のときに引当金がたくさん積まれるから適になったというようなことをちょっとおっしゃられましたが、それはありません。それは、適と判定されて、その後どれだけが引当金を積む必要があるかということが論じられるのでありまして、引当金いかんによって、これを適にしちゃおう、不適にしちゃおう、それは全くございませんので、その点だけはちょっと訂正をさせていただきます。

浅尾 慶一郎

大臣の方で御訂正いただきまして、私も意図はそういうところでありまして、きょう配らさせていただきました平成11年7月9日のかつて大臣に御答弁いただきましたのもまさにそのことを議論しておったわけでありますから、ちょうど大臣の方から言っていただいて大変ありがたいなと思うわけであります (「金融経済特別委員会 会議録 平成11年7月9日」)

確かに、最初に判定をされたときは引当金が少なかったわけであります。ところが、ここに資料がありますが、今おっしゃった最初に適とするということで判定をされたとき、個別貸倒引当金、これは旧長銀でありますけれども、旧長銀の中で個別貸倒引当金を積んでいた企業の先というのは1,223億円であります。ところが、これが譲渡直前になりますと五千八百九十九億円と、四千六百七十六億円ふえております。私は、そういうことがあるんじゃないかなと思って、平成11年譲渡の段階、平成11年の3月の段階では今申し上げましたように1,223億円でありました。ところが、平成12年2月、1年後、約4,676億円ふえております。

そういうことがあるんじゃないかなと思って、平成11年7月9日のときに、今おっしゃったように、「資産査定のときからもし悪化して多くの引当金を仮に積まなければならなくなったとすれば、その理由をその段階では個別のそのときは適とされた企業がなぜ悪くなったのかということを含めて明らかにしていただきたいと思いますので、その確約の御答弁をお願いしたいと思います。」というふうに、まさに柳澤大臣に、その当時の柳澤大臣、今も人がかわるわけじゃありませんが、そのとき大臣であられた柳澤大臣に伺ったら、「当然のことと心得ております。」というふうにお答えいただいたわけであります。  それはどういうことかというと、先ほど申し上げましたように、資産判定は機械的にやられたかもしれない。しかしながら、その後の交渉の過程でやはりこれは引き取れないよということになってきて、そしてしようがないから大幅にふやしたということなんだと思います。

今申し上げた中に、4,676億円の中に、そごうグループに対して1,012億円もその後に引当金を積み増ししたわけであります。そして、引当金を積み増しした先、先ほど申し上げた例えば熊谷組にしてもハザマにしても引当金を積み増ししているわけでありますが、そこが債権放棄をしてもらっていると。その原資は税金でもって積み増しした引当金であるというわけであります。

ですから、改めまして大臣に伺いますが、この当時、確約をいただいたわけでありますから、ぜひ、なぜ引当金を積み増さなければいけなくなったのか、個別の企業ごとにお答えいただきたいと思います。

柳澤 伯夫氏(国務大臣)

浅尾先生の周到な論議の運び方にはかねて敬意を表しておりますけれども、やや昔話で恐縮ですが、先生も御案内の平成11年7月9日の私とのやりとりをもうちょっとフォーカスを引いて、全体の議論の流れでぜひ思い返していただきたいのでございます(「金融経済特別委員会 会議録 平成11年7月9日」)

それは、浅尾先生が最初に提起された問題は、北海道新聞が、要するに特別公的管理に入った銀行を買っていただくために1兆円ぐらい公的資金を追加で使うというふうに書いておりますよということを御指摘になられたわけです。

これは私、引き取って、いわゆる持参金論ということをやっておるわけでございますが、私どもは引き当てについてもそのように恣意的な引き当てはいたしませんと。引き当ては引き当てとして、基準に基づいた引き当てしかするつもりはありませんということをそのとき答弁いたしておるわけでございます。

それで、私は、したがって、金額についてというような話に、金額にわたる議論をすることは差し控えるということを言いましたら、浅尾先生は、金額を聞いているわけじゃなくて、持参金をつけることはないでしょうねということの確認の答弁を求めているだけですと、こうおっしゃられたんです、先生は、議事録によりますと。

それで、私はそこで、じゃ、この金額について全然動かさないということを私がそのときにコミットしたというふうに思われてはこれは困りますので、私は、資産の状況というのが変化しますので、したがって、今わかっているこの債務超過の金額だけが引当金になるとかということではありませんよと。実際に譲渡するまでに資産の状況が変わっていきますから、その資産の状況に応じて今度は基準に基づいて引き当てをしかるべくいたしますと、こういうことを申して、断固根拠のない引当金を持参金のような意味で積むということはいたしませんということを申し上げたわけでございまして、それ以後の問答は、ここに先生がきょう、いみじくも大きな活字で配付をされたところにつながっていくわけですが、この点については本当に浅尾先生に私は、「資産査定のときからもし悪化して多くの引当金を仮に積まなければならなくなったとすれば、その理由を」御答弁をお願いするというふうに、私が年をとって少し耳が遠くなったかもしれませんが、先生が挿入された、「その段階では個別のそのときは適とされた企業がなぜ悪くなったのかということを含めて」というところをちょっと私が聞き漏らして、要するに話の本筋は持参金のような根拠のない引当金を積むか積まないかという議論だと思いまして、もし時間の経過に従って引当金がふえた場合には、それが持参金ではないということについてはちゃんとした御説明をしますよという意味で私は当然のことと考えますという、そういう答弁をさせていただいたわけでございますが、先生がいみじくも「含めて」というふうに周到にされました挿入句を見過ごしたことの答弁になっていることは、これはもうおわびを申し上げる次第です。

浅尾 慶一郎

私は、持参金というのはそのときは例えで申し上げたわけでありまして、当然その持参金というのは会計用語でないわけで、持参金ということが北海道新聞で使われていたので申し上げたわけでありまして、引当金がなぜふえてしまったのか。しかも、個別引当金というのは、もう申すまでもありませんが、個別企業ごとに線を引っ張ったらその企業に行き着く引当金でありまして、先ほど申し上げているような会社に対してもともとなかった、個別引当金の対象ではなかった企業が譲渡までの間に個別引当金が積まれるということであったわけであります。

その当時のやりとりをあるいは思い出していただければわかると思いますが、私が申し上げたのは、資産判定というものをしっかりとやっていれば、当然引き継ぐべきでない企業に対する貸出金というものは残っていないわけでありますから、そんなに引当金が急遽譲渡直前にふえるということはないでしょうねということで申し上げたわけでありまして、それが現に4,000億円も、これ税金ですから、4,000億円もふえているということであれば、これは当然明らかにしていただかなければいけない。

もっと言えば、先ほど申し上げましたように、これはたまたまダイア建設さんは自助努力でもって大変な努力をされたわけでありますが、20年間という超長期でありますけれども、本来であれば、これはよく言われていることでありますけれども、整理回収機構送りになったらこれは死刑宣告ということも、言葉は悪いですけれども、言われております。言われておりますが、その努力をされて、そして国民に一切の迷惑をかけずに全額返していると。

片や、先ほど申し上げたようなところは、全く公の場で議論もされないままに個別引当金が積み増しされて、そしてそごうの場合は破綻をいたしましたから、それは明らかになりました。しかし、破綻をしていないところは、あたかも税金でもって救済されていないかのごとく、それはあたかも新生銀行やあおぞら銀行が自主判断によって債権放棄に応じられたかのごとく振る舞っておりますが、実際は出どころは税金であるわけでありますから、そこについてはやはりこれは納税者の観点からいっても、どういう理由でそれを積み増ししたのか、またなぜそこを助けようと思ったのかということも含めて議論をしなければいけない。

そのためには、まず第一点として、ここに書いてありますように、なぜそこに多くの引当金を積み増したのかということをやはり答えていただかなければいけないと思います。

柳澤 伯夫氏(国務大臣)

資産の判定については判定基準というものがあらかじめ公になっておりまして、金融再生委員会の仕事は、ある貸出先につきまして、債務者につきまして、この基準に照らしてこれは継続保有を適とするものかどうかというものを判断することに尽きるわけでございます。

それで、譲渡に至って、最終的に今度は資産査定が行われまして、それが必要な引当金がそこに計上されるということになっておるわけでございまして、この手続、枠組み自体は国会論議でつくられた法律と、それに基づいて金融再生委員会が方針として公表した基準に基づくわけでございまして、それを的確にやっているということに私の立場からは尽きるというように思います。

ただ、そのときに、譲渡に当たってあの当時いろいろな議論がありました。二次損失に対してどういうふうな条項が必要かという議論もあったし、その中で、あらかじめもう二次損失に対して何というかつかみ金的なものを積んでおいて、それで買ってもらったらどうかというような議論も現にあったわけで、それが報道機関等では盛んに取りざたされたというようなこともあったわけですが、この問答の私の趣旨はそういうことはしないんだということに尽きているということで御理解を賜りたいと思います。

浅尾 慶一郎

そこで議論しても平行線になるわけでありますけれども、まず、今、資産査定の基準があたかも客観的であるというような御答弁をいただきました。しかし、私はその資産査定をいろいろ見ましたが、先ほど来申し上げておりますダイア建設という会社がなぜ整理回収機構になったか、それはメーンが日債銀であったから整理回収機構送りになったわけでありまして、メーン行がこれは違う銀行であったらそうなっていなかった。それは確かに基準に書いてあります。メーン支援強固ということで、先ほど来申し上げているところは引き継ぐべきと、したがって税金も見えないところで使っているということになるんだと思います。

別の観点から質問をさせていただきたいと思いますが、私は、当時も、そして今も不良債権の処理をするということを考えた場合には、オープンに議論をしていくべきなのではないかなと思っております。ですから、その理由を明らかにしていただきたいというふうに思っておりますが、ここでもう少しマクロ的な観点から質問を変えさせていただきます。

きょう、もう一つグラフを配らせていただきました。1980年から今の日本というものと、1900年代から1940年代までの米国を比較させていただいております。これを見れば明らかなように、日本はバブル崩壊後株価はすとんと落ちております。アメリカも29年のブラックマンデー以降株価が落ちておりますが、日本とアメリカの一番の違いは何かというと、バブルが崩壊した後も日本のGDPは、やや伸びは緩まっておりますけれども、ずっと伸びている。しかも、マネーサプライもずっと伸びている。それに対して米国の方はマネーサプライもGNPも、米国は数字がGNPになっておりますが、落ちている。

これは何かというと、今お話が出ておりますいろいろな不良債権の処理ということは、ある面、神の見えざる手が働くようにしていくと。要するに、適正な競争がマーケットの中で行われるようにしていくということなのではないか、あるいはそう言うべきではないかなと思うわけでありますけれども、日本ではそれが損失先送り、あるいはそういった痛みの伴うことを先送りしてきたのではないかなというふうに思いまして、その証拠が今お配りした数字であります。

なぜ株価が落ちた後でもこれだけマネーサプライが伸びているか。それは単純に言えば、きょうは宮澤大臣にもお越しいただいておりますが、財政出動によって経済の下支えをしておったわけでありまして、そのことと、そして先ほど来申し上げております、本来はオープンに議論をしなければいけない金融再生委員会において、オープンな議論はあったのかもしれませんが、少なくとも国会の場においてどの企業、個別企業についてそういった議論がなされてこなかった、損失の先送りがその理由なのではないか、一つのあらわれではないかなというふうに思っております。

ここで、非常に大きな観点から質問させていただきますが、私は、もう日本の金融資産1,300兆円に対して日本の国ができる借金というのも限られているわけでありますから、そろそろ抜本的な、仮に痛みを伴っても、そういう最終処理というものに勇気を持って踏み込んでいくべきではないかなというふうに思います。

そこで、宮澤財務大臣にお伺いいたしますが、そうはいっても、やっぱり補正予算とかで下支えしなければいけないとか、いろいろな議論は出てくると思いますが、仮に下支えをする場合でも経済の乗数効果の高い方向に予算の配分をシフトすべきだと思うわけでありますけれども、そうすることによって見えざる手を一方で働かせておきながら新たな産業を創出していくべきではないかなと思うわけでありますけれども、その点について御所見を伺いたいと思います。

宮沢 喜一氏(国務大臣)

それは、ある意味で国の財政支出も経済原理に従うべきであるという意味においておっしゃるとおりだと思います。

浅尾 慶一郎

もう少し踏み込んで伺わせていただきますが、例えば今1,300兆円の金融資産に対して666兆円の借金、そして隠れた公的債務を含めれば恐らく800兆円ぐらいあるのではないかなと思うわけでありますけれども、国内で借りている限りにおいては大丈夫ですよという説もあります。ありますが、その余白というか、借りられる余地というのはもう五百兆円もというか、しかないというふうに考える。しかも、その500兆円のうちのかなりの部分は民間が投資で使っている、寝ているというか使われているお金だというふうに考えれば、予算のシーリングという議論もありますけれども、思い切った予算構造の変革をした上で残された、仮に国債を増発して、経済対策を今度補正で打つとしても、構造そのものを変えていかなければいけないのではないかなと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。

宮沢 喜一氏(国務大臣)

いわゆる財政改革というものがもう迫ってまいりますが、その中身はもちろん財政だけのおっしゃるように問題ではございませんので、従来、予算の中身を構成しておりますいろいろな部分、社会保障もそうですし、中央、地方の経済関係もそうでございますし、いろいろ一般歳出もそうですが、それらについて基本的にはやはりコストとベネフィットといいますか、負担と給付との関係というもので割り切っていかざるを得ない。今までそういうことはそのはずでありますけれども、比較的短い時間の間で何度も内容を変えたりしておりまして、その原則に忠実にいろいろなものが行われてきたとは言いがたい。

それは、予算に余裕のあるときはそういうことも公経済でございますからあり得るのでございましょうが、予算にそれだけの余裕がございませんので、やはり経済原則に立ち返っていかざるを得ないわけでございますから、今までやってきたこととかなり違ったことをせざるを得ない。そのことを、しかし国民がそれとして受け入れてもらわなければそういうことはできないという、そういう問題に進みつつあるだろうというふうに思っています。

浅尾 慶一郎

今、財政の方のお話は承ったところでありますが、一方で先ほど来お話が出ております金融政策についてでありますけれども、先ほど山口副総裁は、基本的には今の日本の物価の構造というのは、輸入の増大、あるいは流通の中抜きと言っていいんでしょうか、そういった構造の変革が理由であるけれども、しかしながらやや一面では、最近では需要面で米国の経済のスローダウン等が理由で少し物価も落ちている側面があるというふうに御答弁をいただいたわけであります。

では、例えば不良債権の処理をしていくということは、先ほど申し上げましたように、神の見えざる手が働く方向になるわけでありますけれども、そのことは一面デフレを促進する可能性もあるであろうというふうに思っているんですけれども、そこで、じゃ金融の量的緩和を進めれば、それがしかも金融機能が余り健全でない段階においてどの程度効果があるというふうに日銀としては考えておられますか。

山口 泰氏(参考人)

いわゆる金融の量的な緩和という考え方の中には、実は幾つかの異なったレベルでの緩和の議論が含まれているというふうに思っております。一番日本銀行に近いところでの緩和といえば、銀行システムに対して日銀が直接流動性を注入する、供給するという部分でございます。

この点につきましては、3月19日の先般の追加的な緩和措置をとる以前から、私どもは潤沢な資金の供給を継続しておりまして、それを3月19日以後さらに徹底しているという状態でございまして、現在は、法律によりまして金融機関が日本銀行に預けなければいけないというふうに定められております無利子の預金の金額、これを所要準備と称しているわけですが、そういう法定所要準備をかなり上回る資金の供給を行っております。

それに対しまして、企業あるいは家計にとりましてもっと密接な意味を持つ量的な緩和という概念もございます。これは、今度は金融機関と企業なり家計なりとの取引関係における金融の緩和でございまして、ここがなかなか伸びていかないというのが数年来の悩みであったわけでございます。現に、日本銀行が直接金融機関に供給している流動性はかなりの伸びを示しておりますけれども、金融機関からその先に向かって貸し出しあるいは信用供与一般が勢いよくふえていくという状態にはなっていないわけでございます。銀行貸し出しは、現にこのところ前年を下回るというような推移を示しております。

したがいまして、企業、家計に十分信用供与が行き届きますような量的な緩和という意味であれば、それはやはり金融システムの状態がかなり改善されるということが大事な前提になるのではないかと、こういうふうに考えております。

浅尾 慶一郎

銀行貸し出しが伸びていない、まさにそうだと思います。

しかしながら、マネーサプライは、おっしゃるように、量的緩和をする前からずっと日本はマネーサプライは上昇をたどっておりますが、これはそうしますと公的セクター、政府の財政支出によってマネーサプライが伸びたという側面もあるというふうな理解でよろしいですか。

山口 泰氏(参考人)

御指摘のような面がございます。

私どもは、マネーサプライ統計の中身を分析いたしまして、それがどういうような要因によって裏づけられているかというような数字の対応関係をつけております。

これは局面によって変動要因が当然異なるわけでございますが、1990年代の前半をとってみますと、このときはどちらかといえばまだ民間の貸し出しがふえておった時期でございまして、民間の信用供与がマネーサプライ増加の主因でございましたが、90年代の後半に入ってまいりますと、民間の信用供与が伸び悩む、あるいは減少に転ずるというふうになってまいります。その中にありまして、財政要因といいますのは、これは具体的には国債の増発がなされ、その国債増発の一部を民間金融機関がマーケットにおいて取得するという、この結果としてマネーサプライがふえるというような傾向が割合はっきりと出てまいりました。

浅尾 慶一郎

マネーサプライを財政支出等によってふやしていただいているということでありますが、にもかかわらず、確かにGDPは少しずつ上がっているのかもしれませんが、なかなか景気が本質的な回復をしていないのは、私は、やはりあるセクターにおいて過当競争があるからではないか、あるいは参入している企業が多いからではないかなというふうに思っているわけでありまして、だとすると、本来は99年ぐらい、一昨年の段階でもう少し、いろんな事情はあったかもしれませんが、あるいはそうはいっても客観的だというふうにお答えになるかもしれませんが、資産判定というものを、やはり先ほど申し上げているように、ややそれは客観的に見れば、整理回収機構に送られたところはちゃんと返して、そうでないところは債権放棄に応じてもらっているということは、資産判定そのものがおかしかったのではないかなというふうに思うわけであります。

このことの議論をきょうこれ以上やる時間はありませんが、今後、直接償却ということを言われるときには今申し上げたようなマクロ的な観点に立ってそういうことを進めていただきたいと思いますが、ぜひその御決意の御答弁をいただきたいと思います。

柳澤 伯夫氏(国務大臣)

資産判定のときにもうちょっと企業の淘汰をすればよかったのではないかということだと、端的に言えばそういうふうに思うわけでございますけれども、私どもとしてはそういう機会にできないかということをちらとは考えました、正直言って。

考えましたし、若干の働きかけもしてみたのでございますけれども、しかし何しろそういう体制に必ずしも関係のところはそうでなかったし、それからまた今から考えてどうかと言われますが、フランチャイズバリューと当時言われましたけれども、優良な貸出先がだんだん引いているとか、あるいは優良な行員がだんだん退職しているというようなこととの競争みたいな気持ちにも率直に言って駆られまして、とにかくそういうことに時間を割いて作業をするといういとまは断念せざるを得なかったということでございますが、今後のことについてはまたいろいろ考えていきたいと、このように考えます。

浅尾 慶一郎

先ほど来申し上げておりますけれども、余り日本に残されている時間はないと思いますし、使える資金も限られているというふうに思っておりますので、ぜひそこは真剣に御検討いただきたいというふうに思います。

その限られている資金、もう一つだけ、インフレターゲットとかいろいろ言われておりますがという観点から伺わせていただきますが、私はインフレターゲットといってもなかなかこれはターゲットどおりには進まないだろうなと思っております。

ただし、一つだけ可能性があるであろうと思っておりますのは、日本の物価が今構造的な価格破壊というのが進んでおるということでありますが、仮に、いろいろな国際的に見て競争力の弱いセクターの中で強いものをつくっていく、そのかわり弱いところについては雇用のセーフティーネットを別途張りながら淘汰を進めていくということを考えた場合には、日本の経済のいわゆる二重構造が購買力平価とそして実際の為替レートとの間で乖離を生じさせている一番の理由ではないかなというふうに思いますが、構造改革を進めれば購買力平価程度までの円安ということが進んでも私はおかしくはないのではないかなというふうに思うわけでありまして、その点、為替の政策を、あるいは外為特会というものを預かっている財務省としては、当然なかなかストレートには答えられないとは思いますが、少なくともアジア諸国との関係において、彼らの輸出機会を奪うということがないということであれば購買力平価までの円安を認めてもいいのではないかな、こういうふうに思います。

まず、その質問をする前に、内閣府の経済担当に現在の購買力平価はどのぐらいかというのをお答えいただきたいと思います。

岩田 一政氏(政府参考人)

ただいまお尋ねのありました購買力平価でありますが、一国の通貨と他国の通貨の購買力の交換比率であります。購買力の比率をとるときにどのような商品、サービスをそのバスケットとするかということで値はかなり異なったものになります。

旧経済企画庁の物価レポートでは、東京とニューヨークの比較をいたしまして、生計費に当たる部分をバスケットとして用いますと、1999年の時点で一ドル137円ということになっております。以上であります。

浅尾 慶一郎

そうすると、その程度ぐらいまでの円安ということがあってもおかしくはないのではないかな、むしろそれが日本、東京で使う137円とアメリカで使う1ドルが同じであるというふうに考えるわけでありますが、その点について財務大臣の御見解を伺いたいと思います。

宮沢 喜一氏(国務大臣)

ちょっとその手の学問は少し難し過ぎまして、実際上の政策を担当しておりますものからいいますと何とも申し上げかねます。

浅尾 慶一郎

私が申し上げておりますのは、日本は申すまでもありませんが貿易立国でありますから、137円ぐらいになれば恐らく見えない部分で日本の経済にプラスになるのではないかなと。それにはもちろん日本としても構造改革に向けての覚悟を世界に表明しなければそれはなかなか受け入れられないでしょうけれども、そういったこともぜひ考慮をいただきたいという意味であります。

時間もありませんので、最後の質問に移らせていただきたいと思いますが、さてペイオフ解禁が間近に迫っております。まず現状について伺いたいと思いますが、地方の自治体は、ペイオフが解禁になった場合、まず銀行に預けた場合幾らまで保護されるか、そして郵便局に預けた場合に幾らまで保護されるかを伺いたいと思います。

遠藤 和良氏(副大臣)

銀行に預けた場合はペイオフになれば1,000万でございますが、郵便局の場合は全額保護でございます。

浅尾 慶一郎

全額ということは、例えば100億預けてあったら100億保護されるという理解でよろしゅうございますか。

遠藤 和良氏(副大臣)

法律上はさようでございますが、実態的にはそれぞれの公共団体は指定金融機関制をとっておりますから、その中で民間の金融機関を指定金融機関としております。

郵便局は指定金融機関になっておりませんから、具体的には郵便貯金で預かっている全体の資金、貯金の額の中で、公共法人ですね、地方公共団体等の預入金額は全体の0.4%でございますから、実態的にはほとんど預け入れがないという状況でございます。

浅尾 慶一郎

確かに実態的には預け入れが今のところないんだと思います。それは現段階では地方自治体の預金はまだ100%保護されていると。ところが、今度ペイオフ解禁になると1,000万円までしか保護されないと。

私も地元のいろいろな自治体の方から話を伺いました。例えば、一番大きな横浜市でありますが、横浜市の場合は市バス事業もやっております。あるいは、小学校のいろんな給食なんかも全部これ名寄せされて、横浜市ということで1,000万円までしか保護されないと。一日にその市バスに乗る人のお金とか全部数え上げると大変な金額になります。あるいは、発行しております地方債の返済のための基金というのも毎年毎年積んでいるわけでありますが、これが1,000万円までしか保護されないということで、市長さん初め非常に悩んでおられます。

それは一方で、仮に、何市でもいいんですが、市の担当者が間違えた銀行に預けてしまって、その銀行が破綻をして、そして1,000万円までしか保護されなかった場合には、自治体に対してその損害賠償請求を地域住民ができるというような制度も申すまでもありませんがあるわけでありまして、そうなってくるといろんなことが考えられるわけでありますけれども、一つの可能性としては、それなら全額保護してもらえる郵便局に預けかえをしちゃおうという可能性も当然あるわけであります。それから、そうでなければ現金で持っていようという可能性もあるわけでありますが、そもそも、しかしながら、現金で持つという行為自体がその指定金融機関が危ないということを地域の自治体が表明することになりますから、非常に苦労をされておるということで、総務省は当然自治体についても所管をされておられますから、自治体に対してはペイオフ解禁に向けて今どういう指導をされておるのかということを伺わせていただきたいと思います。

遠藤 和良氏(副大臣)

現在、地方公共団体の金融機関に対する預金の預入額ですけれども、大体3種類ございまして、歳計現金、それから各種基金、それから制度融資に係る預託金というのがあるんですが、平成12年度の調査によりますと、歳計現金の預入残高は、これは決済用資金ですから増減が年度内にあるわけですが、大体4兆円から7兆円の間です。それから、各種基金の預金残高は大体8兆円程度でございます。それから、制度融資に係る預託金の規模は5兆円程度でございますけれども、これをペイオフに備えてどのように自己防衛するかという話でございますが、昨年の11月に学識経験者の皆さんで地方公共団体におけるペイオフ解禁への対応方策研究会というものを設置いたしまして、先月末、3月30日ですけれども、研究会の検討結果の報告書をいただきました。

これによりますと、概略ですけれども、地方公共団体の第一の対策としては、金融機関の経営状況を把握するために、人材の育成とか情報データベースの構築等の体制整備をまず掲げていらっしゃいます。それから第二に、個別の具体的な対応といたしましては、預金債権と借入金債務の相殺、それから指定金融機関からの担保の充実、あるいは金融機関の貸付金債権への質権の設定、あるいは制度融資における預託金方式から利子補給方式への変更等、あるいは公金預金の類型に応じた対応策の検討をするということですから、預金と例えば国債とか債権の組み合わせによって適宜対応する、こういった形での対策を講じる必要があるということだと思います。

浅尾 慶一郎

もう時間が来ましたので終わりますけれども、ぜひ総務省において、あるいは金融担当大臣にも御見解があれば伺いますけれども、地方自治体、大変な預金を預けておるわけでありまして、今最後におっしゃった国債、公債に割り振っていくということも一つの考え方だと思いますけれども、対策を御検討いただきたいということと、それから銀行と郵便局との間で保護される額が地方自治体の預金に関しては違うということだけはちょっとやや、ややというかかなり平仄が違うし、いびつだと思いますので、そのことについてぜひ検討していただいて、イコールフッティングになるようにしていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。



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