金融経済特別委員会 会議録
平成15年6月25日
佐藤 道夫氏(委員長)

ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会したいと思います。

最初に、委員の異動について御報告申し上げておきたいと思います。昨24日、池田幹幸君が委員を辞任されまして、その補欠として大門実紀史君が選任されました。御了解ください。

佐藤 道夫氏(委員長)

それでは、金融問題及び経済活性化に関する調査を議題として質疑を行いたいと思います。質疑のある方は順次御発言を願います。

浅尾 慶一郎

民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。質問に先立ちまして、今、私も浜田委員の議論を聞いていてなるほどなと思うところがあるものですから、今の大臣の答弁で、今まで大臣は消費税はこの小泉内閣でやらないと言っておられたんですが、承るということは、やることも含めて考えるという理解でよろしいですか。

塩川 正十郎氏(国務大臣)

ちょっと、えらい失礼ですが、在任中はやらないということの確定でよろしいかということですか。

私は、小泉総理の考え方はそうではないかと思っております。ただ、私は、先ほども申しましたように、目的税とかなんとかということであるとするならば、これはまたいろいろな考え方はあるだろうと思うのでございますけれども、しかし、先ほど申したように、消費税の増収額、税率を上げて増収額分が一般財源として使えるということであるならば、なかなか目的どおり使えない状況に現在の予算の構造がなっておるんじゃないかというところが一つ問題点があるということ。

それからもう一つは、私もこの16年度予算を見ておりまして、それは随分と改革するところがあります。私は、そういう予算の無駄というものは、これはやっぱり国会も協力していただいて、やっぱり相当なたを入れていかなきゃならぬのではないかなと思っておりまして、そういうふうなものの継承を一つの心得としてやっていく意味においても、やはり消費税の増税の前にやるべきものはやるべきだということを私は申し上げておるということです。

浅尾 慶一郎

それでは、通告した質問の方に入らさせていただきますが、先般、予算委員会でもいろいろと竹中大臣に質問をさせていただきました。幾つか明確になっていない部分がありますので伺っていきたいと思いますが。

まず、りそなの問題についてでありますけれども、既に1兆1,000億円、これは竹中大臣になられてからということではなくて、以前の柳澤さんが大臣のときに公的資金が投入されております。この投入されるときに、その理由として、りそな、当時は大和銀行とかあさひ銀行とかでありましたけれども、健全なものをより健全にするために1兆1,000億円入れるんだというふうにおっしゃって入れられたわけであります。

ところが、この間の予算委員会でいろいろ質問しましたら、結果として自己資本比率が4%を下回ったということは健全ではなかったということを大臣も認められたわけでありますから、そうすると、行政としては判断を誤ったということを認められるのかどうか、その点を端的にお答えいただきたいと思います。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

前回も申し上げましたけれども、過去に資本注入をしたところが再び資本注入をせざるを得ない状況になった、これは極めて遺憾なことであるというふうに思っております。

委員のお尋ねは、そのときの判断がどうだったのかというお尋ねでございますけれども、当時の早期健全化法が定めていますところの自己資本の状況の区分に応じて承認要件というのは決まっているわけですけれども、これは確定した決算に基づく自己資本比率によって判断をしなければならない。決算を確定してそのときの自己資本比率がどうだったのか、そういうことに尽きるわけでございます。

平成11年3月に資本増強を行っておりますけれども、これは平成10年9月期の決算に基づきまして、これは確定された決算に基づいて自己資本比率を算定してその時点で判断をしたということであります。その時点の判断では健全な自己資本の状況にあることを確認する。あわせて、これは平成10年の7月以降、一斉検査も行われておりますので、それの結果も踏まえて、早期健全化法が求める金融機関の存続可能性でありますとか投下資本の回収可能性等について審査を行ったわけでございます。

したがいまして、その時点での判断としては、確定した決算に基づいてきちっと判断してルールどおり行ったということは、これはやはりきちっと申し上げてよいのではないかと思います。

ただし、その後のやはり経営そのものが決して、やはり結果的には更なる自己資本を必要としたわけでありますから、そこは幾つかのガバナンス等々について、今から振り返るとやはり適切でない問題があった。

今回、我々が資本注入を決定するに当たって、やはり反省すべきところは反省する。その意味では、企業のガバナンスを本当にしっかりとさせて、幾ら自己資本を入れてもガバナンスが十分に機能しないとこれはやはり問題が更に続くわけでありますから、その点について我々としては最大の関心、注意を払ったということでございます。

浅尾 慶一郎

責任を問われなきゃいけないのは、当然、経営者、株主、そして行政ということなんですが、行政についても、今大臣おっしゃったように、不健全なものを健全にする、その時点でバランスシートを切ったら、バランスシート上は、それは粉飾とかいろいろあります、バランスシート上は健全に見えた。

しかし、同時に、経営健全化計画というものを出させているわけであります。大和銀行についてもあさひ銀行についても出させている。それが達成できなかった。達成できなかった責任はもちろん経営者にあるんだと思いますが、その経営健全化計画を承認した、そしてその後、フォローして見ていたわけでありますけれども、実現ができなかった。それは、今、正に、余りはっきりおっしゃらなかったんでしょうけれども、行政の責任だというふうに私は理解いたしますが、行政の責任だとおっしゃるからには何らかの責任の、行政としての責任の取り方というものがあろうかと思いますが、それは具体的にはどういう形で表れるんでしょうか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

当時、御指摘のように、経営健全化計画を出してもらって、我々としては、審査をしてこれに基づいてしっかりとやっていただきたいというふうに考えた。同時に、それに対してはフォローアップも行ってきた。しかしながら、その後の経済情勢、マクロの経済情勢もありますし、様々な要因があるわけでありますけれども、結果的にこのような形で資本の注入を再度しなければいけなくなったということに関しては、これは経営にも責任があると思いますし、行政の側にもやはり反省すべき点があるというふうに思っております。

そもそも、やはり反省すべきところを反省しようということで金融再生プログラムを作っているわけでございますので、そうした点を踏まえて、今、新たに不良債権問題の終息に向けて体制を立て直して、我々なりに新たな政策の強化の体制の下で今回の資本注入も行ったし、その後のガバナンスの強化も行っているということでございます。

資本注入の効果をしっかりと出してりそなを再生させて、りそなだけではありませんけれども、不良債権問題を2年で終結させるということが我々の重大な責任であるというふうに思っております。

浅尾 慶一郎

やはりそれぞれの時点時点で責任を、間違ったことについてははっきりさせなければいけないということですが、今の御答弁ですと、それは間違えたんだと、しかし今後を見てくれという答弁にしか聞こえないわけでありまして、それだとなかなか国民の理解は得られないんではないかなと。ですから、誤ったことについてはしっかりとそれは誤ったんだと、それについてはこういう形で責任を取るんだということを、それは別に大臣が辞任しろということをそのことで申し上げているわけでは、まだそういう段階ではないわけでありますが、しかしそのときから、大臣が大臣に就任される前から継続して担当されている要するに行政の事務当局はいるわけでありますから、そうした方々の責任ということを一切形上問うつもりがないのかどうか、その点を確認させていただきます。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

この間の日本経済の運営全体に関しては、例えば予想された、期待された成長率が実現できなかった、期待されたような物価上昇率にならなかった。これはもちろん内外の様々な要因が絡まってそういう結果が出てきたわけでありますから、これはいろんな要因を我々はつぶさに検討して反省すべきところは反省していかなければいけないのだというふうに思っております。

しかし、今回のそのりそなの問題、やはり非常に大きく日本の経済、世界の経済の状況が変化する中で、やはり今回のような問題が生じてきた。我々としましては、これはもう総理自身がよくおっしゃいますが、反省すべきところは反省して、それで構造改革を進めていくんだということでありますから、繰り返しになりますが、金融再生プログラムはそのような観点に立って正にその八か月前に作成したわけであります。我々としてはこの金融再生プログラムをしっかりと実行して、是非ともこの2年で不良債権問題を終結させるというこの内閣の目標をしっかりと達成したいというふうに思っております。

浅尾 慶一郎

大臣、答弁長いので、ちょっと短くしていただきたいと思いますが、まずそのどこが反省されているのか、どういうふうに反省したのか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

この点は金融再生プログラムを作るときにはっきりと申し上げたつもりでございます。三つの点をきちっと反省して強化していかなければいけない。

第一の点は、資産査定の厳格化であります。資産査定の厳格化を行うために、これもいろんな指標がありますが、ディスカウント・キャッシュ・フローの問題でありますとか、自己査定と金融庁の査定を公表することによって、その開差を公表することによって、自己資本、自己資産の査定そのものをしっかりとしていただく、これもそうした意味での政策の強化であります。

二番目が自己資本の充実であります。自己資本の充実、これはまずはやはりその銀行それぞれが努力をして、これは増資も行いました。しかし、自己資本が足りない場合は、これはその危機を回避するために等々、政府が必要であれば果敢に資本注入も行うということを我々は宣言したつもりでございます。

第三番目が、先ほど浅尾議員にお答えをさせていただきましたけれども、正にガバナンスの強化です。資本だけが増えてもガバナンスが強化されなければ、やはり収益力を向上させなければ、この問題は解決していかなければいけないわけで、この三つの点がやはり反省すべき点、それで政策を強化する、すべき点、そのように八か月前に判断をして金融再生プログラムを提示したわけでございます。

浅尾 慶一郎

今、大臣おっしゃったのは、政策を変更したという話であって、反省をしたということにならないんです。政策を変更するには理由があって、その理由を反省したんですかしないんですかと。反省したと言うのであれば、その継続性の事務当局の人に対してはそういう注意をしたんですかしないんですかという、特に注意をしたのかしていないのか、その点を伺いたいと思います。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

これは、今までの点は、反省すべき点は反省して変える点は変えようというふうに私が提示したわけであります。それに合わせて金融庁としても再生プログラムを作って、そのための工程表も作ったわけでありますから、その意味では変えるべき点は変えようと私も副大臣も金融庁の諸君にはしっかりと申し上げて、金融庁の職務をそれに合わせて今行政を行っているということです。

浅尾 慶一郎

ですから、私の質問をもう一回繰り返しますが、その政策を変更したというのはおっしゃるように変更したんでしょう。しかし、その前の政策を作って、あるいはそれに携わってきた金融庁の職員に、前のところは間違っていたんだからそこは改めなさいと、あるいはその結果に対して責任を問うたのか問うていないのか、その点であります。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

日本における不良債権の政策の問題というのは、実はかなり新しい問題であるというふうに私は思います。例えば、不良債権の公表、不良債権の公表を義務付けたのもこれ1999年か2000年か、3,4年前なわけですね。実は11年ですか、99年の3月期決算からなわけですね。考えてみると、実は4年前ですから、驚くほど新しい政策であると。

そのときに、それまでの政策はじゃ間違っていたから何か責任問題というのを議論する、したのかと。私はやはり政策というのはそういうことではないと思います。例えば非常に大きな判断のミスがあったとかそういうことに関しては御指摘のような問題も私は議論されるべきだと思いますが、残念だけれども、私たちの社会全体について、不良債権問題をどのように解決したらよいかについて、ディスカウント・キャッシュ・フローを採用すべきかどうか等について、残念だけれども、やはり私たち社会全体に十分な知恵が蓄積されていなかったということだと思います。

それを専門家の意見も取り入れながら徐々にここ4年、5年の間にその政策が強化されてきた。我々は今後もこれは不断に強化をしなければいけないと思います。今のままで本当に十分かということになると、政策を強化しなければいけない面が出てくると思う。こういう努力は私たちとしてはしっかりと続けたいと思っております。

浅尾 慶一郎

判断のミスを問うているわけであります。もっと具体的に言いますと、りそなのケースで言います。1兆1,000億円お金を入れたと、これがどぶに捨てられたことになってしまう可能性が強いわけです、後ほどやりますけれども。その点について責任はないということなのかどうか、具体的にお答えいただきたいと思います。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

1兆1,000億円、1.2兆円、1.1兆円か1.2兆円のお金を入れまして、それによって経営が一時安定したというのも事実だと思います。しかし、その後の変化に対して、経営が十分にそれに対して適応できなかった。その意味では、先ほどから申し上げておりますように、更にガバナンスを強化して政策の枠組みを強化する必要があったんだというふうに考えています。

浅尾 慶一郎

それでは、もう一度別の観点から聞きますが、行政の監督責任は認められるわけですね。監督責任の当事者はこれは人ですから、その担当されている役人に注意をしたのかしていないのか、それを伺います。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

我々行政は与えられた枠組みの中でその検査、監督をしていきます。その枠組みに対する重大な違反とか重大な落ち度というものがあったというふうには考えておりません。しかし、その経済全体の流れの中で枠組み全体をやはり強化する必要があったと、それは反省すべき点としてあると思っております。その枠組みを強化をいたしましたし、更に強化をしていく必要があると考えております。

浅尾 慶一郎

分かりました。そうすると、注意等々はしていないと。したがって、これは失敗をしてしまったけれども、具体的にだれそれさんの責任という問題ではないというふうに竹中大臣は認識をされているという理解で次の質問に移らさせていただきます。

そういたしますと、そうは言いながらも、私は、この問題というのはやはりその行政の責任というのは明確にしていかなければいけないと思いますが、次の質問は、その行政の責任を明確にしていく中で、一義的な責任はその経営者であると、そして経営者を選んだ普通株主にあるという観点から次の質問の方に入らさせていただきますが。

まず確認ですが、優先株、政府が持っておりますのは今のところ優先株しかないはずですけれども、優先株と普通株との間では経営に対する責任は当然違いますね。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

優先株、今の優先株は議決権を持たないものでありまして、経営に対しての議決権、人事権等持たないという意味では、普通株とは経営に関する関与の仕方という意味で当然のことながら異なると思います。

浅尾 慶一郎

ところで、政府が保有しております優先株は、無配になった瞬間に、あるいは無配になった次の株主総会において議決権が復活するという理解でよろしゅうございますね。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

旧商法の第241条第1項がございます。優先権に対して配当がなされないときに議決権が発生する旨を定めている。この規定は経過措置によって現在も有効であるということになりますので、優先株に配当がない場合には優先株主は議決権を有することになるということであります。

浅尾 慶一郎

質疑を分かりやすくするために通告の順番をちょっと変えていきますが、竹中先生、教授に少し株式理論の教えを請いたいなと思いまして。

会社の株というものは、これは何というんですかね、エクイティーはいわゆるレジデュアルバリューであるという考え方があるようでありますが、その点について、ファイナンスも研究されておられると思いますから、聞かれたことがあるかどうか、伺いたいと思います。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

私、コーポレートファイナンスの専門家ではございませんで、浅尾委員の方がはるかにこの分野お詳しいとは思いますが。

バランスシートを考えて、借方と貸方があって、借方に資産があって、貸方に一方で他人資本としての負債があると。ただ、その資産から他人資本としての負債を引いた残りが株主の持分であると、エクイティーであるという意味では、そのレジデュアル、正にその残り分がバランスシート上こう表示される。これは、複式簿記は恒等式でありますから、そのようなことを意味しているのだと思います。

浅尾 慶一郎

次に、株というものは残り、残り部分であるというふうに今おっしゃいました。会社というのはゴーイングコンサーンとも言われますし、ずっと続いていくものでありますから、もうかればその残り部分というのは大きくなるし、損をすれば残り部分というのは少なくなるし、場合によってはマイナスになってしまうと。したがって、その形は、株というのはコールオプションに近いという説もありますが、そういう理解を竹中大臣も取られますでしょうか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

これも非常にテクニカルな質問で、この質問を初めて読んだとき、その奥に浅尾議員は一体何を考えておられるのかなと思ったのでありますが、コールオプションというのは、その文字どおりいきますと、ある定められた資産をある特定の時期に特定の価格で買う権利ということになります。類似、アナロジーとしてはやはりそういう言い方はしたがって持分に関してはできるんだと思います。

これは、いわゆるファイナンス理論にあります条件付請求権分析の枠組みの中での議論というふうに聞いておりますけれども、ある企業の株主、資本全体のコールオプションと観念して、それで、ブラック・ショールズ・モデル等のオプション・プライシング手法によってその現在価値を計算するという手法があると、そういった議論に基づく御指摘であろうかと思います。

浅尾 慶一郎

そこで、このりそなについて考えてみますと、りそなの株は御存じのように政府が持っております優先株と一般の投資家が持っております普通株があると。政府が持っている優先株というのは、つまり国民の権利を政府が代替して持っているということだと思います。

先ほど大臣がおっしゃったように、一方においてその政府が持っている優先株は今度の株主総会において議決権が発生をしております。単純にこの優先株の立場に立つと、一方で普通株主というのが存在すると、これは存在しない方が優先株主としては残りの取り分が増えるということになるわけですから、今度のその株主総会において、株主として議決権も発生していますから、政府として、特に今、そのりそなの状況を考えてみますと、資本の、資本勘定が大体3,000億円、しかし、政府が投入した優先株だけで8,000億円あるわけでありますから、政府が投入した優先株は既に5,000億円今の段階でいうとマイナスになっていると。

そういうことを考えると、そこに更に普通株主がいるということは、優先株主の立場からいうと、まずその人たちには責任を取ってもらって、100%減資をしてもらって、いなくなっていただいた方がいいんではないかという考え方に当然なるわけでありますから、それを株主総会において提案をしないんですか。しないとすれば、どういう理由で提案をされないのか、その点を伺いたいと思います。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

以前も浅尾委員から同様の御趣旨の質問をいただいたと記憶をしております。これは考え方の整理の問題といたしまして、まず、この企業、りそなは清算するわけではありません。清算するのではなくてゴーイングコンサーンであって、我々も資本を提供して、このりそなという経営資源の塊に是非その能力を発揮していただいて、これは先ほどからも御指摘のように、将来にわたっての収益を最大化していただきたいというふうに思っています。したがって、まずその清算価値を前提とした、先方がいなくなればこちらの方が有利になるというような議論は少し仮定が重なり過ぎているのではないのかなというふうに思います。

それともう一つ、この企業は資産超過の企業です。債務超過の企業ではございません。そこについても御議論あろうかと思いますが、資産超過の企業においてその普通株の100%減資を求める場合、私が知っております学説上、株主全員の同意が必要であるというふうになる。株主の全員の同意が必要であって、個人の財産権のことも考えると、これはそういうことを求めるのが果たして適切であるのかというやはり判断はあろうかと思います。その意味で、御指摘のようなことは今の時点では考えておりません。

浅尾 慶一郎

私も、ゴーイングコンサーンであると、清算を前提としないという点についてはそれはそのとおりだと思いますが、一方で、なぜゴーイングコンサーンであるか、なぜ資産超過であるかというと、政府が8,000億円株を取得しているから資産超過なんです。政府が8,000億円取得した、その8,000億円が現時点で見ると3,000億円しかないわけです。つまりは、政府が投入した8,000億のうちの5,000五千億はどこかになくなってしまった。

先ほど、どこかになくなってしまった責任についてはそれは仕方がないんだというようなお話をされておりました。そこは議論のあるところでしょう。行政の中でだれに対しても責任を問わないというふうにおっしゃいました。しかし、その8,000億円政府が入れた、そのものが現時点でいえば3,000億円しかないというのは厳然たる事実でありまして、さらに、じゃ、いや、これはまだまだこれから良くなってお金を返せる可能性があるんだとおっしゃいますが、しかし、本当に、じゃ、そうだとするならば、政府が入れた8,000億円、あるいは劣後ローンも入れれば1兆2,000億円入れております。それから、追加で入れる1兆8,000億とか1兆9,000億入れますと、3兆1,000億を先に普通株の持分の人たちには一切配当もしないで返すという観点に立つんですか。そういう考え方ではないんじゃないかと思いますが、一応確認のため、簡単簡潔で結構ですから、お答えを伺いたいと思います。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

最初の方のお答えは、今正に浅尾議員、浅尾委員御指摘くださったんですが、我々は回復可能性があるというふうに思っているわけであります。したがって、現時点で計ればこうだという意味での含み損の発生という議論は少し私は誤解を与えるというふうに思います。

繰り返し言いますが、回復可能性があると、しっかり回復させるようなしっかりとしたガバナンスの体制をしくんだというのが我々の政策に当たっての基本的な決意でございます。

もう一点、済みません、二点、もう一点、済みません、もう一度お願いします。

浅尾 慶一郎

質問もなるたけ簡潔に伺いますので、御答弁も簡潔にお願いしたいと思いますが。

つまり、これからトータルで3兆円近いお金がりそなに入りますと。3兆円のお金をすべて市場における売却かあるいは配当という形で政府に返してからしか普通株には配当を認めないという立場に立つんですか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

当面、配当を抑制して、これは株主にも責任を取っていただくという意味もありますし、内部留保を厚くしてほしいという意味もございます。しかし、これはどのぐらいのタイムホライズンで先ほど申し上げました回復の可能性を考えるかということでありますから、今の時点で、一義的に何とかするまでは配当しないとか、そういう問題では私はないというふうに思っております。これは経営の判断の問題がそこには入ってまいります。

いずれにしても、重要なのは、3兆ですから大変多額ではありますけれども、我々としては、十分に長い時間的な余裕、長いタイムホライズンの中で今申し上げたような回復可能性を発揮していっていただきたい、実現していっていただきたいと、そのように考えているわけです。

浅尾 慶一郎

先ほど来のその普通株と優先株の話を別な観点から伺わさせていただきますが、単純に、普通株が100%なくなった場合と現存する場合とで政府が入れた3兆円の回収、回収の仕方はいろいろあると思いますが、これに差が生じると思いますが、その点について、差が生じないという立場ですか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

回収の可能性が生じると。その回収の前提としては、自己でその剰余金を積んでいって、それで、その場合に配当もまあ流出しないということであって、それに対して、そのような場合に回収がより可能で、容易になるのではないかという御指摘かも、御指摘というふうに思いますが、一方で、その資本がそこに存在していることによって、委員の御指摘は、その普通株だけを、他人が今出している、政府ではないものだけをあきらめてもらえと、そういう御指摘だと思いますが、その場合、計算上明らかにそうなるかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、それは今の学説上、これは現実不可能だということを申し上げているわけです。

浅尾 慶一郎

学説上不可能ということではなくて、商法上、別に資産超過の会社であったら100%減資はできないかということでは私は必ずしもない。これは特別決議が必要であるということは商法で書いてありますが、資産超過の会社の場合に100%の減資ができないというふうには書いてはいないと思います。

それから、その二段目の前提は、資産超過の中身をもう少し詳しく分析してみると、何ゆえ資産超過かと。政府が入れた八千億あるから資産超過なんであって、その点をしっかりと分析すればこれは特別決議として私は通る話だと思いますが、その点について、大臣は違う考えだということですか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

法律の専門家ではありませんが、私の理解では法律上は違う解釈をしております。特別決議があれば、そういった場合、資産超過の場合に100%減資ができるというふうには理解はしておりません。これは学説ではございますけれども、やはり全員の同意が必要だというふうな学説が私は一般的であると考えております。

浅尾 慶一郎

では、その全員の同意が必要であるからそういう手続は取らないというふうに大臣は答弁されたと思いますけれども、一方で、理屈を今るる申し上げてまいりましたけれども、普通株主は単純に、先ほど来のお話を申し上げると、政府の入れた8,000億に現段階ではただ乗りをしているというふうに考えられるわけでありまして、そうだとすると、提案はして、その100%の同意を求めていくという、そういう行為をする価値はあるんではないかと。つまり、否決されることを前提でもいいけれども、政府として、株主の、特に普通株主の責任を株主総会の場において提案をすると。もしかしたら株主も、なるほどそうだな、自分たちに責任があったんだ、賛成しましょうということになるかもしれませんが、そういう行為自体を学説があるからということでやらないという理解でよろしいですか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

基本的に今の時点で私たちに提案権そのものがございません。提案権はございません。次の株主総会において我々はまだ提案権がないということですね。提案権を持つには六か月以上たしか株主でなければいけないということであろうかと思います。したがって、今回、我々は提案権を持っておりません。

それともう一つ、この八千億なかりせばという議論そのものが本当に意味があるのかということもやはり考えなければいけないと思います。これは、もしこの8,000億円なかりせば、りそなは別の調達をしていたかもしれないし、別の事業展開をしていたかもしれない。したがって、ある条件だけを固定して議論を進めていくと、時として議論の方向を誤ることになるのではないかなというふうに思います。

浅尾 慶一郎

提案権がないというのは、優先株主としてないかもしれませんが、これは市場で普通株を事前に調達すればそれは出る話だと思いますので、そこは意見の分かれるところだというふうに思います。

次の議論に移りますが、じゃ、今後、新規で公的資金を入れるわけでありますけれども、この規模と投入形態はどういうものでしょうか。

伊藤 達也氏(副大臣)

お答えをさせていただきたいと思います。資本増強の規模につきましては、5月17日の金融危機対応会議の答申において、預金者、取引先、市場の不安を払拭する観点から10%を上回る十分の自己資本比率の確保が必要との意見が申し添えられたことを踏まえ、りそな銀行からの申込みのとおり1兆9,600百億円といたしました。この資本増強により、りそな銀行の連結自己資本比率は12.2%程度になる見込みでございます。

そして、その投入の形態でございますが、普通株式で株数が57億株、そして議決権付優先株式で株数が83.2億株、これにより国の議決権の割合は70%を超える見込みでございます。

浅尾 慶一郎

ごめんなさい、普通株式は取得価格は幾らになるんでしょうか。

伊藤 達也氏(副大臣)

普通株式の取得価格は2,964億円になります。それから、議決権付きの優先株式の方が金額で1兆6,636億円ということになります。

浅尾 慶一郎

ちょっと今、空で計算すればいいんですけれども、一株当たりの取得価格も教えていただけますか。

伊藤 達也氏(副大臣)

普通株式の方が52円、一株当たりですね。そして、優先株式の方が200円、一株当たり200円ということになります。

浅尾 慶一郎

それでは、今までの議論でも、普通株と優先株との間で様々、何というんですかね、権利義務関係が錯綜していると。今回は普通株も政府として入れるわけでありますけれども、今までの金融庁が入れてきたものは優先株で入れてきたと。

本来、こうした問題を事前に規定する株主間協定と、優先株主と普通株主との間で権利義務関係をはっきりさせた方が後々のためになるんではないかということは私は前の柳澤大臣のときにもさんざん申し上げておったんですが、やっていただけなかったと。今度、新規で優先株を入れるわけですから、それについてはせめて普通株主との間で株主間協定を結んだ方がいいと思いますけれども、所見はいかがでしょうか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

株主間協定、シェアホルダーズアグリーメントのことは、御指摘をいただきまして少し勉強はさせていただきました。我々の理解では、一般的には、これは非上場のベンチャー企業等ですね、取締役選任等に関して当事者間で合意を行って議決権を行使する旨を定めたり、つまり議決権の拘束の話であるとか、当事者の承認なしに株式を譲渡しない、つまり同意条項と、そういうようなものを定めるものであるというふうに承知をしております。

ただ、今委員御指摘のような問題に関しては、通常、減資を内容とする議決権行使契約は締結されていない。これはアメリカの例等々でもそういうのは慣行上ないんだそうであります。さらには、実はこれ、現実問題として、りそなホールディングス、これ上場企業でありますから普通株主が多数に上ります。個々の株主と、これは正にアグリーメントですから個々の株主と結ばなきゃいけないということを考えますと、これはやはり事実上、実現不可能ではないのかと思います。

浅尾議員の御指摘は、考え方として理解できるところあるんですが、やはり今の法律の枠組みとか現実可能性とかを考えますとなかなか難しいのではないかなと思います。

浅尾 慶一郎

例えばりそなの場合でいえば、やり方は幾らでもありまして、りそなホールディングスの下に幾つか金融機関がぶら下がっておりまして、そこの優先株を取得し、りそなホールディングスという単体の株主との間で株主間協定、つまりは、例えば埼玉りそな銀行とか、りそな銀行とか、りそな信託銀行の優先株を取得し、りそなホールディングスとの間で株主間協定を結ぶという形を組めば、これは、1兆9,600億円というのは国民の結果としてお金になるわけでありますから、公的資金ということは国民の財産を投入するということですから、それぐらいの公的資金保全のための慎重さ、考えがあってもいいんではないかと思いますが、そういう考えについてはどのように思われますか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

技術的な問題でありますのでにわかに100%のお答えしかねますが、今の話をちょっとお伺いしましても、例えば会社で、そのホールディングでぶら下がっている会社、法人組織でそういうことを、そうすると株主の数は少ないんじゃないかと。しかし、考えてみますと、その法人にはまた株主がいるわけで、この法人が、法人にはまた株主がいるわけですよね。

浅尾 慶一郎

りそなホールディングス。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

じゃ、ホールディングスという、ホールディングスの場合はそういう形も行えるかもしれませんが、これはしかしいかがでしょうか。

その他の株主のことを考えますと、その存在を考えますと、今おっしゃったような形だけで集約するということは、これは、現実に多くの株主が存在している中ではこれは難しいのではないかというふうに思います。全員と結ばないと、これはアグリーメントには私はならないと思いますので、おっしゃったようなことを踏まえましても、やはり現実には難しいのではないでしょうか。

浅尾 慶一郎

これは、なぜそういうことを申し上げておるかといいますと、前回も、前回というのは、柳澤大臣のときも優先株として8,000億円、劣後ローンを入れると1兆2,000億円ですか、9,000億円近く入れられて多分劣後ローンが3,000億円ぐらいなんだと思いますが、入れられておると。

しかし、これから質問に入らせていただきますけれども、なかなか回収が難しいと、だとすれば、せめて国民の財産を守るための精一杯の手だてをするべきではないかという観点から伺わせていただいた質問であります。そこで…

竹中 平蔵氏(国務大臣)

ちょっとよろしいでしょうか。

浅尾 慶一郎

じゃ、どうぞ。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

浅尾委員の御懸念とか御心配というのは大変重要だと思います。

我々としては、非常に専門的な観点から御検討をいただいておりますが、我々としては、やっぱりこれは経営者だ、ガバナンスだということで、御承知のように、これは委員会等設置会社にしたと。日本で36社、この4月から委員会等設置会社になりますが、銀行としてはこのりそなだけであります、今の時点では。そういうことも踏まえて、やはりガバナンスだと、正に反省すべきところは反省するというふうに申し上げましたが、この点でしっかりとした経営の基盤を築いてもらって収益力を高める、やはりそこに我々としては重点を置いているつもりでございます。

浅尾 慶一郎

ガバナンスだとおっしゃったのであえて伺いますが、今までの経営者がそうすると問題であったというふうに、竹中大臣の御答弁ですと、そういうことになります。

そうだとすると、今までの経営者というのは、少なくとも政府が優先株を取得してからは経営健全化計画ということで、あるいは優先株主として、別に監督上ということではなくて優先株主としての指摘はできたわけでありますが、それは、経営者が問題であると認識をしておられながら何ゆえそういう指摘はしてこなかったんでしょうか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

様々な形で、これは業務改善の命令とかで経営体制の強化、いろんなことはこれまでも指導はしてきております。私は経営者が問題だということだけを申し上げるつもりはありません。

現実に、経営者には責任を取っていただいて、ほとんどの取締役は今度御退任をいただいているわけでありますし、しかも退職金はお払いをしておりません。むしろこれは、経営者ももちろん重要でありますが、経営体制、ガバナンスのそのシステムの問題だという認識でございます。

浅尾 慶一郎

そこで、先ほど来申し上げております、この3兆円を超える公的資金が投入されておるわけでありますが、これを回収する方法としては、単純に言えば市場で売却するか自己資金による買入れ消却しかないと思いますが、ほかに何か考えておられますでしょうか。

伊藤 達也氏(副大臣)

公的資金を回収する方法については、御指摘のとおり、市場への売却と、それから自己資金による買入れ消却、また、その他の方法としては、過去において相対の売却により回収した事例がございまして、これは、三菱信託銀行が13年の1月に優先株式2,000億円を三菱グループに転売したと、こうした事例がございます。

浅尾 慶一郎

そこで、自己資金による買入れ消却の場合、その基本的な原資は税引き後利益というふうに考えますが、そういう理解でよろしいですか。

伊藤 達也氏(副大臣)

今、委員御指摘のとおり、税引き後利益となると考えております。

浅尾 慶一郎

それでは、りそなの過去5年の年平均の利益というのは幾らでしょうか。税引き後利益は幾らですか。

伊藤 達也氏(副大臣)

りそな銀行の15年3月期及び14年3月期以前の旧大和銀行及びあさひ銀行の過去5年間の税引き後当期利益、これ単体でございますけれども、これを基に5年間の平均を試算をいたしますと、3,820億円のこれはマイナス、赤字になります。

浅尾 慶一郎

確認いたしますが、5年間でマイナス、毎年3,820億円の赤字ですか。

伊藤 達也氏(副大臣)

5年間の平均でございます。

浅尾 慶一郎

そうすると、3兆円、これ5年という長いスパンで見ましたけれども、3兆円回収できませんね。どうされるんですか。

伊藤 達也氏(副大臣)

これは、過去5年間のものが将来もそのままになるということではございませんので、今般りそなにおいて策定された経営健全化計画においては、今後の収益計画に基づき今後15年程度で公的資本増強額に見合う余剰金を確保できると見込んでいると承知をいたしております。

浅尾 慶一郎

過去5年間は間違いであったから今後15年間は年間2,000億円ぐらい税引き後利益が出るんだという御答弁なんだと思いますが、少なくとも過去5年間のうちの2年ぐらいは、経営健全化計画に基づいて、先ほど来申し上げております1兆2,000億円のお金は入っていたわけでありまして、その経営健全化計画は政府が承認をしたわけであります。

そうすると、2年間については何か承認までしているわけですよね。今後15年については、いや全然変わるんだと。その変わるという根拠はどこにあるんでしょうか。根拠があるとすれば、今までの2年間、経営健全化計画を認めてきたということに大きな誤りがあったんじゃないかと思いますが、併せて伺います。

伊藤 達也氏(副大臣)

過去5年間の場合には、これは資産査定を厳格をして、それに基づいて不良債権を積極的に処理をしていく、また有価証券の含み損についてもこれは積極的に処理をしていくということ、そしてそれがためにこうした状況になっている面もあるわけであります。

今回は、経営陣が新しく替わり、そしてガバナンスを強化をして、そして経営力を向上させていくという中で、今回の資本増強を活用して一日も早く再生をしていただきたいと、私どもとしてもそうした計画を厳正にフォローアップすることによってりそなの再生を実現をしていきたいというふうに考えております。

浅尾 慶一郎

ちょっと御答弁具体的にいただきたいんですが、過去5年間、繰延税金資産も今まで5年間という、だから5年というのは結構長い期間だと思います、経営の流れにおいては。においては、平均で、平均で-3,820億円という会社、ゴーイングコンサーン、ですから、そんなに営業形態が変わるわけじゃない、経営者は替わるかもしれませんが、そんなに変わるわけではないと。それが年平均2,000億円のプラスにずっと15年平均でいきますという根拠、どういう観点からそういうふうに考えられるんでしょうか。

伊藤 達也氏(副大臣)

これは、先ほどもお話をさせていただいたように、新しい経営陣の下で経営力を強化をして、そして、今回提出をされ策定をされた経営健全化計画において、今後の収益計画に基づいて今後15年程度で公的資本増強額に見合う余剰金を確保していく、そのことによってこの3兆円というものを償却をしていくということでございます。

浅尾 慶一郎

経営健全化計画、2年前にも優先株取得するときに出していただきました。今度の経営健全化計画と、2年前にりそなあるいは大和、あさひが出したのとどう違うんですか。

伊藤 達也氏(副大臣)

今回の計画に当たっては、これはもう徹底したリストラが行われているところでございまして、社員の給与もこれは三割カットということでございますし、また経営者の責任ということで、先ほど大臣がお話しになられたように代表取締役全員退任と。そして、ほとんどの取締役の方々が退任をされて、そしてグループの外から新しい経営者の方々がお見えになられているということでございます。

こうした中で、ガバナンスを強化をし、そして企業価値を高めることによって内部留保というものを蓄積をし、その余剰金を確保することによってりそなの健全性というものを確立をし、そしてりそな銀行の収益力の強化というものを図っていくということで、私どもとしてもそうした計画をしっかりフォローアップをしていきたいというふうに考えております。

浅尾 慶一郎

今回はリストラをし内部強化、内部留保を増やすというふうにおっしゃいました。先ほど質問させていただいたときに、内部留保を増やすということになれば、当然普通株に対する配当というのは普通考えればできませんけれども、当面の間というふうにおっしゃいましたが、そうすると十五年ぐらいはしないという理解でよろしいんでしょうか。それは、15年という計画を立てられ、十五年で三兆円を回収するんだと。しかしその間も、何というんですか、配当も続けていくとなると、一体どういうキャッシュフローで15年間を見ているのか、その辺を伺いたいと思いますが、まず第一点の質問は、15年間配当をしないという理解でよろしいですか。

伊藤 達也氏(副大臣)

これは、新経営陣の下で配当の問題については今後決定をされていくということになろうかと思います。

ただ、平成16年の3月期のりそなホールディングスの普通株の配当については見送ることになるということでございます。

浅尾 慶一郎

非常に、経営健全化計画でやるから、しっかりしているから大丈夫だとおっしゃいますが、何かその数字の裏付けがないような気がいたします。

そこで、委員長にお願いいたしますが、その経営健全化計画に基づいた15年分のキャッシュフロー、要するにキャッシュフロー分析というのはやっておられると思いますが、それを出していただきたいと思いますが、まず大臣、出せるかどうか伺って、その出せないという場合には…。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

私は自分のキャリアを銀行から始めまして、銀行でその五年を上回るような長期のものというのは、ある時点からは言わば定性的なといいますか、一定額のあれをやると。したがって、ダイナミックに15年の各年次のものというのを、各年次のキャッシュフロー等々をお示しするということは、これは難しいようでございます。

ただ、経営健全化計画の中で示されているものについてはある程度、これは15年でその後はどうなるかということはある程度は見ていただける、条件付でですけれども。そういうようなものについては、これは経営健全化計画の中で示されているものでございますので、お示しすることはできると思います。

ただ、いずれにしても、先ほどの副大臣等の答弁も含めて是非御理解をいただきたいのは、今まで、これは銀行だけではございません、再生計画というものを出してくる企業、これは企業が銀行に出してくる場合も同じでありますけれども、今までとはやはり違う、今まで赤字を出していたところを黒字出すということになるわけでありますから、過去の延長であっては困るわけで、過去の延長からは違うような姿の再生の計画というのが出てくるものだというふうに思います。

我々としては、今回、繰り返し申し上げますが、反省すべき点は反省しなければいけない。やはり、重要なのは二点であろうかと思います。

それは、今回経営陣が、新たな経営陣が着任されてからいろいろと新たなビジネスモデルに基づくそのプランを、まだお出し、修正してお出しいただくことになっております。更に加えて、これは一定の目標を、目標値を定めてその目標を実現していくという目標設定型の経営をしていただくということ。加えて、我々70%以上の株式を持つわけでありますから、その点ではガバナンスをしっかりと効かせて、今までとは数段違う体制でその利益を実現させたいと思っております。

浅尾 慶一郎

今、大臣大変重要なことを御答弁されたわけでありますが、つまりこれが、今回1兆9,600億円のお金を政府として投入します、これはまだ破綻していない銀行ですと。で、その銀行が経営を変える、しかし経営を変える方向性、中身については新たな経営陣が来ない限り分からないということでありますよね。それを確認します。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

これも私、以前別の委員会でお話をさせていただいていると思いますが、今の経営健全化計画というのは、新経営陣が着任する前で、現りそなとして行える最大限のものを出してきている。具体的にはコストカット、リストラを中心としたものでございます。

しかし、同時に、新たに経営陣が着任したら、これらを踏まえて更に新たなビジネスモデルを大胆に構築してもらわなければいけない。そのビジネスモデルをどのようにするかということに関しては、新たな経営陣が着任してから、そういう計画を新たに示していただく。これは別の委員会でもお答えしたとおりでございます。

浅尾 慶一郎

そうすると、確認ですが、既に入れたものも含めて、三兆円は新たな計画がない段階でもリストラのみで返せるお金だというふうに判断をして追加の一兆九千六百億円を投入することにしたということですか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

基本的にはそのとおりであります。

浅尾 慶一郎

それであれば、その計画表を是非出していただきたいというふうに思います。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

計画表とおっしゃいましたが、これは経営健全化計画に、公表された経営健全化計画に示されているとおりでございます。

浅尾 慶一郎

確認、それは出していただければいいんですが、その公表された経営健全化計画は、新たな経営陣がいなくても、繰り返しになりますが、年間二千億円の収益が上がると、それはリストラのみで上がるということが書いてあるという理解でよろしいですか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

経営健全化計画をお目通しいただいていると思いますが、リストラだけではございません。グループ全体としての一種のシナジー効果も併せて収益力も強化するということも入っております。

しかし、それに加えて、新たな経営陣の下では、新たな経営陣がこれにのっとってやっていくということで私はないと思います。これに加えて、新たな経営陣の下で更に大胆にビジネスモデルを構築していただく、そのように理解をしております。

浅尾 慶一郎

どうもちょっと、非常に丸投げ、新たな経営陣にある種丸投げして期待をしているんじゃないかというふうに思いますが、その観点から幾つか伺ってまいりますが、その新たな経営陣が来られたら、当然資産の再査定をすると。これは金融庁長官も、それは当然のことだというふうに言っておられますが、再査定をした結果、債務者区分が変更になり引当金が増えるというケースも想定できるわけでありますが、まず、そういう理解でよろしいですか。

伊藤 達也氏(副大臣)

りそなホールディングの細谷新会長が、今後会長として責任を持って経営を行っていくに当たって資産内容をしっかり把握をしたい、そのための作業をしていきたいという御発言をされたことは私どもも承知をいたしております。

これは、金融庁として金融再生プログラムを踏まえて、りそな側に新勘定と再生勘定に管理会計上の分離を求めているところでございまして、当該勘定分離を実施するに当たって必要とされる資産内容の把握を行うものと理解をいたしているところでございます。

ただしその際に、どのような方法により資産内容を把握するかについては、これは経営者の判断でありますので、その作業の結果について予断を持ってお答えすることは適当ではないというふうに考えております。

浅尾 慶一郎

先ほど、経営健全化計画出されたと、過去の経営健全化計画と今回大分違うと言いますが、過去成した実績と健全化計画とは、当然計画は大幅なプラス、実績は大幅なマイナスということでありますから、今回仮に計画出してまたマイナスになったということであれば、今度は完全に行政の責任になるというふうに理解をいたしますが、そういう理解でよろしいですか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

経営の健全化というのは、やはり中長期的に見なければいけないと思います。これは、短期的には世界の資産市場の動向、景気の動向等によって影響を受ける、世界の景気が悪くなって赤字が出たらそれは経営者と金融庁の責任なのか、そんな議論ではないと思います。

ただしかし、しっかりとこれは中長期的に経営を健全化してもらって、それで公的な資金についてもやはり返していただけるような状況を作っていく、これはやはり長期的な責任は我々は負っていると思っております。

浅尾 慶一郎

公的資金を入れるということは、私は100%そのことに反対しているわけではないです、この間も予算委員会で申し上げました。ただ、前提がありまして、それは、責任を取るべき人がしっかりと責任を取ってからでなければ、これ行政も含めて、国民の理解は得られないということだと思います。

今の大臣の答弁だと、それは、計画はこう書いてあるけれども、世の中の状況は変わってしまうから、そこは短期的には分からないということだと、非常にそれは、じゃ、どこに責任があるんだと。だんだん時間が流れて、たってしまえば、極論すれば大臣だっていなくなってしまうから、次の大臣は、いや、それはよく分からないという答弁になってしまうわけでありますから、そこははっきりと、逆にこれは、経営健全化計画については行政としても責任を持つと言われた方が国民の理解が得られると思いますが、そういうふうに考えられませんか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

責任を持つということの意味だと思います。これは、そのとおりの数字にならなくてそれでどうかというような、やはりこれは、経営というのは、企業の経営というのは常にそういうリスクの中で行われているものでありますから、そういう数字で一対一の対応を求めるというものではないと思います。

ただし、そういった方向に向かって中期的に経営を健全化させていくということに関しては、我々は責任を負っていると思っております。

浅尾 慶一郎

数字100%合わせろということを申し上げるつもりはありません。しかし、前回の少なくとも経営健全化計画では、例えばりそなでいいますと三行合わして約1,800、900億円ぐらいの黒字のところがマイナスになっているわけですよ。そういう計画、黒字がマイナスになるような大幅な変更というのは、明らかにこれはずさんな計画だったか、それを認可した行政の責任ではないかということを申し上げたいと思います。

時間の関係で次の質問に移りますが、先ほど、自己査定による債務者区分は、それは経営者が考えることだというような話がありました。

仮に、債務者区分が変わって引当金が増えるというようなことがあった場合に、これは先ほど来、資本は一緒だから1兆9,600億入れてしまえばこっちのものという考え方もあると思いますが、現段階で見れば3,000億円しか資本金がないわけでありまして、そして債務者区分の変更というのは、今年の三月期の債務者区分でありますから、そうすると、三月期において仮に債務者区分を変更し引当金が3,000億円を超える場合には、事実上、事実上三月期においても債務超過であった、これは優先株を入れても債務超過であったという理解でありますが、まず、3,000億円を超えるような、引当金が増えるようなことはないというふうに金融担当大臣として考えておられるのかどうか伺いたいと思います。

伊藤 達也氏(副大臣)

これは、先ほどもお答えをさせていただいたように、りそなの新しい経営陣が資産内容を把握する際にどのような方法を取るかについては、これは経営者の判断の中で決まっていく問題でありますので、その作業結果を今の時点で私どもが予断を持ってお答えをすると、このことは適当ではないというふうに思います。

浅尾 慶一郎

しかし、そうすると、政府は現段階で債務超過でないと言っているわけであります。しかし、経営者が判断したら債務超過であったということもあり得るわけでありますが、それは経営者が違うんだから我々は関係ありませんという立場、そういう立場に立つという理解でよろしいですか。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

ちょっと、今のお話は余りに仮定の話で、これから経営者が就任をされまして、どの時点で資産の把握をされるかということも分かりません。どの範囲でやられるかということも分かりません。繰り返し言いますけれども、これは、ちょうど日産にゴーンさんが就任されたとき、これは経営を把握するという意味でしっかりと資産の認定をされました。そのようなことを細谷会長も行っていくんだろうというふうに思っております。

ちょっと、委員の御質問はちょっと仮定なものですから、お答えはちょっと差し控えさしていただきます。

浅尾 慶一郎

どの時点でということではなくて、私は別に新しい経営者が資産の再査定を行うことを否定するものではありません。むしろ、積極的にやった結果、3,000億円を超えるような引当金があってもそれは仕方がないと思いますが、しかし一方で、政府はこれは債務超過ではないと現段階では少なくとも言っていると。

ということは、政府の立場からすると、そういうような事態になるということは、資産は、二か月しかたっていないわけですから、この間で変わるということはなかなか考えられないわけでありますから、そういうふうなことは少なくとも想定はしていないわけですね、確認ですけれども。

佐藤 道夫氏(委員長)

なお、時間でございますので、答弁は簡潔にお願いしましょう。

竹中 平蔵氏(国務大臣)

我々は、確定した決算、公認会計士、監査法人が独立した立場でそれを監査している、その結果としての自己資本比率が出てきている、それに基づいて判断をしているということでございます。

浅尾 慶一郎

終わります。



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