厚生労働委員会 会議録
平成14年12月12日
金田 勝年氏(委員長)

ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。まず、委員の異動について御報告をいたします。

昨11日、鴻池祥肇君及び櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として椎名一保君及び今泉昭君が選任されました。

次に、独立行政法人国立病院機構法案を議題といたします。これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。

浅尾 慶一郎

ただいま議題となりました独立行政法人国立病院機構法案について質問をさせていただきます。

今回の法案は、平成10年6月の中央省庁等改革基本法に基づいて、医療政策を効率的、効果的に実施するという観点から提出されたもので、評価できる部分もあるんですが、その中でもう少し直していった方がいいんではないかということを中心に質疑をさせていただきたいと思います。

まず、平成15年度予算要求の中で、概算要求の中で国立病院に投入されることになる一般会計の金額を教えていただければと思います。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

国立病院特別会計への平成15年度一般会計繰入れ要求額は1,268億円でございます。

浅尾 慶一郎

この額はここ数年、一般会計から国立病院の方に投入されております額がずっと減っておるんですけれども、今年度の、概算要求の段階ではありますけれども、46億円ほど増えているということでありますが、なぜ今年は増えることになったんでしょうか。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

委員御指摘のとおり、15年度要求額は46億円の増額要求となっております。これは、医薬品購入等の経費ですとか、いろんな経費削減を昨年に引き続き行っているところでございますけれども、一方では、がん予防のための先端的検診手法の研究のために、がん予防・検診研究センターをナショナルセンターの中に設置するとか、そういう政策的医療のため、あるいは政策的経費も必要でございますので、結果として、委員御指摘のとおり、46億円の増額になっておるところでございます。

浅尾 慶一郎

そうすると、今の御答弁ですと、増えている部分は今度独立行政法人化されるところではなくて、ナショナルセンターに残る部分で増えているという理解でよろしいですか。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

おおむねそういうことでございます。

浅尾 慶一郎

国立病院は、現在、民間病院に比べて様々な優遇的な措置も受けていると。例えば、固定資産税等が掛からないといった優遇措置もあるわけですけれども、課税されないことになる税金の推定額というのを教えていただけますでしょうか。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

現在、国立病院・療養所は非課税であります。厚生労働省においても税務当局においても非課税でございますので、税制に基づく会計処理、資産評価は行っておりませんので、委員御質問のもしも納めることになればという計算はなかなかできないわけでございますが、まず法人税につきましては、現在収益を上げていないという状況では課税はない、納税し得る状況にはないということでございます。また、計算できる固定資産税について台帳価格等を基に試算をいたしますと、おおむね約150億円程度になろうかと試算をいたしております。

浅尾 慶一郎

今、先ほどお話しいただきました一般会計からの繰入れに加えて、1,268億円の一般会計からの投入に加えて、この158億円というものが、プラス、利益を上げればその税金ということもあるんでしょうけれども、が実質的な政策に掛かる経費というふうにも考えられるんだと思うんですね。そうだとすると、そのお金を有効に使っていただかないといけないんじゃないかなと、こういうふうに思っておるわけであります。

そこで、効率化ということもある程度考えていかなければいけないんではないかという観点からいたしますと、国立病院部の現在の定員と独法化された後にその数がどういうふうになるかということをまず伺わせていただきたいと思います。

木村 義雄氏(副大臣)

おはようございます。御質問の現在の本省国立病院部の定員は平成14年度で114名でございます。独立行政法人化に伴いまして本省は、ナショナルセンターとハンセン病療養所を引き続き管理する部門と、それから新たにできました独法を管理する機能、部門と2つを有することになるわけでありますけれども、本省に残る組織とその人数は平成16年度の予算編成の中で調整をされる話でございまして、ひとえにそこの予算攻防に懸かっているわけでございまして、いずれにしても、この業務をできるだけ少ない人数で行えるようにスリム化してまいりますけれども、あくまでもどういう人数にするかはその平成16年度の予算の話と、こういうことになるわけであります。

浅尾 慶一郎

具体的な人数等々は予算の話ということになるのかもしれませんが、先ほどの質疑でも明らかになりましたように、現在も、平成15年もかなりの額の国費が入っている、なおかつ固定資産税等は免除されているということを考えると、できる限り目標を持って、予算があるから人数を採っていいということではないんじゃないかなと、こういうふうに思いますが。

そういう観点から、もう一つ伺わせていただきますが、地方厚生局というのが全国7局と1支局あるというふうに思いますが、その中で様々な業務をやっておられると思いますが、いわゆる国立病院を管理している病院管理部の職員というのは何人でしょうか。また、その病院管理部というのは、これ完全に今のナショナルセンターに残る部分というのはないはずですから、対応する部分が、そうするとこれはすべて独立行政法人に移行するのかどうか、またその人数はどうなるのかということをお答えいただきたいと思います。

木村 義雄氏(副大臣)

現在の地方厚生局で国立病院・療養所を担当している職員の定員は平成14年度で281名でございます。独法化後は、御指摘のとおり、担当する国の職員数としてはゼロになるわけです。病院管理部の業務がなくなるわけでございますので、そこを担当する国の職員数としてはゼロでございます。

浅尾 慶一郎

そうすると、ゼロになるということは、その人たちは全員独立行政法人に行くのか、あるいはその他、厚生労働省の中で他で人が足りない部署に移るのか、その点についてはどういうふうに考えておられますか。

木村 義雄氏(副大臣)

独立行政法人の組織や職員は新しく任命される法人の理事長がその経営とか何かを考慮して決めるのでございまして、現時点でそこはどうするかということは、まだこれはその法人の理事長の経営判断になるわけであります。いずれにしましても、できるだけ効率化が図られておりますのでスリムにしてまいりたいと、こういうふうに思っております。

なお、本部の職員は基本的に厚生労働省の本省の職員が出向することになる予定でございます。

浅尾 慶一郎

今のお答えは次の質問に対する答えなんだと思うんですけれども。伺っているのは、281人が地方厚生局の職員で、現在の職員で、その人たちは独法化すると担当するものがなくなると。そうした人たちはそのまま独立行政法人の中で同じ業務に従事するのか、あるいは少し減らしてということで御質問させていただいたわけであります。

木村 義雄氏(副大臣)

地方厚生局の職員は、基本的には厚生労働省と独法本部の職員とブロックの職員と3つの中でどこへ行くかということになるわけでございますが、基本的には独法本部の職員とブロックの職員とに吸収されるということになると思います。

浅尾 慶一郎

本部の職員は先ほど新しく独法の理事長になる人が決めるというふうにおっしゃっておられましたが、ある程度厚生労働省としても目標というのは当然立てられるんだと思います。

ちなみに、職員数で、今度できる独立行政法人の国立病院機構と、ある面比較ができるのが日本赤十字社だと思います。日赤は、施設にいる職員が45,438人に、それに対していわゆる管理部門の本社にいる職員が201人ということだと思いますので、独立行政法人になる国立病院機構もその程度の本社、本部機能でいいんではないかなと思いますが、そういった考え方に対してはどのように思われますでしょうか。

木村 義雄氏(副大臣)

日赤はどちらかというと本部中心よりも各病院ごとに言ってみればその自主性が任されておりますので、一概に本部の職員が多いからとか少ないからといってそこと比較するのは単純にはできないんじゃないかと思われます。

浅尾 慶一郎

日赤との比較はできないということであれば、何らかの本部職員というものの数というものに対して比較する対象というのがあってしかるべきだと思うんですが、そういうものは全くなしでどうやって職員の数等の目標を立てられるおつもりですか。

木村 義雄氏(副大臣)

それはやっぱり業務の中身をしっかりと見なきゃいけないわけでありますから、正にそこは今度の新しい理事長がどういう経営戦略を描くかということにひとえに懸かっていると思うわけでございまして、当然効率化を図っていかなきゃいけませんからスリム化は前提とされるわけでありますけれども、そこは大臣が任命されます新しい理事長の経営手腕ということに懸かってくるんではないかと思われます。

浅尾 慶一郎

確かに新しい理事長が、独立行政法人化された後、機構を経営するということでしょうけれども、そもそもの独立行政法人の目標といったようなことは当然現段階で考えていかなければいけない、考え始めなければいけないことですから、それを新しい理事長がいるからその人に任せればいいんだということには私はならないと、現段階からもう考え始めなきゃいけないことだというふうに思います。現段階では全く考えていないのかどうか、その点について大臣に伺いたいと思います。

木村 義雄氏(副大臣)

本部の業務の内容は、今申し上げましたように、国立病院機構が中期目標による大臣の指示を受けるわけでございまして、それをまた各施設に実施させるということになってくるわけでありますので、それは何回も申し上げますけれども、そこが一つの大きなポイントになってくると思います。

いずれにいたしましても、管理業務を効率的に行う観点から、独立行政法人の管理組織は中央とブロック、それから現在の国立病院部及び地方厚生局病院管理部の職員数395人を下回るようにスリム化してまいりたいと、このように思っております。

浅尾 慶一郎

中期目標というものを立てるのであれば、現在を単に下回るということじゃなくて、具体的な目標があってしかるべきだというふうに思います。

その点について御答弁を求めても多分同じような形になると思いますから、次の質問に移りますが、じゃ今度、国立病院の中で、現在の国立病院の中で経営を移譲したものが幾つかあると思いますが、そうした場合の売却の値段を伺っていきたいと思います。例えば国立の横須賀病院、国立横浜東病院の場合でいかがでしょうか。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

経営移譲いたします国立病院は、61年にそのための特別措置法が適用されることになっておりまして、譲渡時期における鑑定評価額を基に、後医療を行う機関や移譲対象施設の職員の引継ぎがどうなるか、そういったことによって、無償譲渡するか、また売却額を減額することになっている、これが一般的な基準でございますが。

委員御質問の国立横須賀病院につきまして申し上げますと、譲渡先が地方公共団体でありまして、また職員も1/2以上引き継ぐということになっておりまして、無償譲渡に該当するケースでございます。しかし、土地について無償とする範囲は施設の建築面積の6倍というところを定めているものですから、それ以外のところについては時価で売却いたしました結果、61,800百万円が売却額でございました。

それから、国立横浜東病院については、来年の3月1日に移譲予定でございまして、今資産価値を鑑定作業中でございます。また、職員をどの程度引き継いでいただくかということも未定でございまして、今のところ売却額はそういうことでまだ確定していないということでございます。

浅尾 慶一郎

病院を経営移譲される場合に、その病院を例えば元々建てるとき、あるいは土地を買うときに、それなりに費用が掛かっている、それに伴って借金もあるんではないかなというふうに思いますが、その病院に係る負債というものはどのようにされるんでしょうか。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

売却しました収益は、特別会計の方に全部繰り入れておりまして、そのことによって全体の、国立病院全体の施設整備だとかそういうことに回しております。したがって、移譲する病院の売却額、売却益というのは、そのメリットは広く国立病院に生かされておりますので、そういう意味で借金も今度設立される機構の方に引き継いでいただくと、こういうふうに考えております。

浅尾 慶一郎

伺いたかったのは、例えば国立横須賀病院の場合、61,800百万円ということですけれども、それを造るに当たっての借金は多分6億円以上掛かっているんではないかなというふうに思います。それが全国でそういう形で移譲されていくと、それはそれで政策的な意味合い、地域医療という観点の政策的な意味合いはもちろん認めるんですが、借金だけが残っていく危険性があるんじゃないかな、そういうことで、国庫に入る金額が借金よりも少ないんじゃないかという観点で伺ったわけでありますが、その点について、もし何か御意見があれば。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

引き継ぐべき、経営移譲します病院にかかわる借金は全体で四百億ほどあるわけでございますが、売却益は、今申し上げたほかに、61年から売却をいたしておりまして、そういうものをひっくるめるとかなり相当額、61年からの分を全部足すと1,000億近くの売却益がありまして、これを全体、特会に全部繰り入れて、そのお金をもって国立病院全体の施設整備だとか医療機器の購入だとか、そういうことにも使っておりますので、メリットも享受しているので、借金も、400億ですけれども引き継いでいただくと。単純に売却額と借入額を比べても、今までに売却した益は1,000億近くありますので、それほど、委員御指摘のほど、何といいますか、デメリットを与えているというふうには考えていないんですけれども。

浅尾 慶一郎

確認ですけれども、そうすると、売却益の方が、当該幾つかの病院を売却して得た売却益というか、売却収入というふうに言った方がいいのかと思いますが、その収入の方が、幾つかの病院を建設あるいは運営するに当たって借り入れた金額よりも多いので問題ないという御答弁ですか。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

この400億に対して1,000億をそのまま充てることができるというふうには考えられないかもしれませんから、オーバーしているのでいいというふうには単純には考えられないけれども、売却益もかなり大きいし、その売却益のメリットも全体で享受しているので、この400億を新しい機構に引き継ぐことは妥当ではないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。

浅尾 慶一郎

それじゃ、全体のお話で伺っていきますが、現在の特別会計における借入れと、そして独法移行時の独法分の借入れの金額をお答えいただけますか。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

先ほど申し上げておりますように、移譲、廃止する施設の分の借金が400億で、そのほかの国立病院等の部分が、8,400百億ありまして、合計で、400億入れまして、合計で8,400百億でございます。

浅尾 慶一郎

8,400億が今度独法に移行したときに独法が引き継ぐ借金、負債という理解でよろしいですか。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

さようでございます。

浅尾 慶一郎

その8,400百億というものはどこからの借入れでしょうか。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

この負債額は国立病院・療養所の施設整備や医療機器に充てるためでございまして、財政融資資金からの借入れでございます。

浅尾 慶一郎

今後は、そうすると、独立行政法人化された後はどこから借りるおつもりでしょうか。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

今後は、移行した場合の長期資金の調達手段といたしましては、国立病院機構債を発行する方法、あるいはこの法律で、今回審議いただいております法律で決められているわけでございますが、政府保証債の発行、あるいは財政融資資金からの借入、そのほかに市中金融機関からの直接借入というのも制度的に準備されておりまして、こういったものを適切に組み合わせて市中から広く資金調達を図るということでございます。

浅尾 慶一郎

この法案の第17条において、政府は法人に対して、今御指摘のありましたように、債務保証を予算の範囲内で、国会の議決の範囲内でするというふうに書いてあるわけでありますが、国立病院機構の借入金あるいは債権に対しては債務保証が付くんですが、同じく厚生労働省管轄であります労働者健康福祉機構、この間可決いたしました独立行政法人については政府保証がないわけであります。

これ、国立病院機構と労働者健康福祉機構で、片っ方には政府保証が付いていて片っ方には政府保証が付いていないというのはどういった理由からでしょうか。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

政府保証につきましては、国立病院機構の業務の公共性だとか公益性を踏まえまして、長期資金を円滑に調達できるようにするために付与されたものでありまして、毎年の予算において厳格な審査を経た上で限定的に付与されるものであります。国立病院機構においては政策医療を確実に長期的に実施、着実にしていく必要がありますので、こういうことになっているわけでございます。

今、委員御指摘の、労災病院との比較を御指摘になったわけでございますが、労災病院は、これまで特殊法人としては独自の施設整備の財源を確保しておりまして、要するに保険料を持っておりまして、こういったものを充てて借入金や必要な資金を調達できる仕組みになっておりましたのでこういう差がある、こういうことでございます。

浅尾 慶一郎

いや、私の質問の趣旨は、今までのことじゃなくて、今度独立行政法人化すると同じ独立行政法人になるわけですから、その片っ方は、今の御説明ですと、国立病院機構の方は政策的な意味合いがあるんで政府保証を付けます、片っ方の労災病院については政策的意味合いが薄いんで付いていませんということ、そういう理解になると思いますが、そういう理解でよろしゅうございますか。

渡辺 具能氏(大臣政務官)

労災病院の方は先ほど申し上げましたように施設整備のための財源を持っておりますので、これは今後もその予定でございますので、国立病院の場合のような政府保証債というのは要らないんではないかと、こういうふうに考えております。

浅尾 慶一郎

財源を、労災保険があるんでいいということなんだと思いますが、そこは余り安易に労災保険に頼らない方がいいんではないかなと、こういうふうに私は思います。

次の質問に移らさせていただきますが、国立病院機構が対応するのは政策医療であるということで、そのために交付金をもらったり様々な面で非課税という優遇措置がある、あるいは政府の債務保証があるということなんだと思いますが、そうすると、政策医療の効果というものを考えていかなければいけないというふうに思います。

一番分かりやすい例で言いますと、がんとか心筋梗塞、脳卒中については、治療成績の向上という観点で、国は国全体として、国立病院という観点ではなくて、国全体としてのどのような目標を掲げておられるのか、その点についてお伺いしていきたいと思います。

木村 義雄氏(副大臣)

がんや心筋梗塞、脳卒中について予防と治療の成績の向上を果たすために、平成13年度から開始されましたメディカル・フロンティア戦略におきまして、がん患者の5年生存率の20%の改善、心筋梗塞・脳卒中死亡率の25%低減を目標として掲げておりまして、国立病院・療養所においては、総合的に、今のようながんと心筋梗塞、脳卒中の死亡率の改善等を目標と掲げて総合的に研究や事業を推進しているところでございます。

浅尾 慶一郎

今の御答弁ですと、がんですと5年生存率を20%改善しましょう、心筋梗塞や脳卒中の死亡率を25%減らしましょうというのが国全体の目標ということなんだと思いますが、国立病院機構は当然政策医療をやるということですから、国立病院機構においての例えばがんの5年生存率は、当然国全体の目標を一つのメルクマールとしてそれを上回るようにしないと、一般会計からのお金の投入とか、あるいは非課税という形で政策医療を行っているという観点からするといけないんではないかなというふうに思いますが、そうした目標値と実績値との関係も踏まえて国立病院機構の政策医療の効果を検証すると考えてよろしいですか。

坂口 力氏(国務大臣)

副大臣の方から先ほど答弁ありましたとおり、国全体としても一つの、がんでありますとか心筋梗塞でありますとか、そうしたものにつきましては目標を立てているわけでございます。しかし、今度独立行政法人化されます病院の場合には19項目のいわゆる政策医療なるものを掲げておりますので、それぞれにつきましてのやはり目標値というものを設定をしていかなければならないというふうに思います。

今、御指摘いただきましたように、がんでありますと生存率20%と、当然それを守っていくと申しますか、それ以内でやはりやっていくという、やはりそれを更にどう伸ばしていくかというようなことをやっていかないといけないというふうに思います。

浅尾 慶一郎

そうすると、当然、がんや心筋梗塞や脳卒中という、メディカル・フロンティア戦略ですかで定められた計画を国立病院機構としては上回る実績を目指していくというふうに理解をさせていただいて、それを上回る実績と国立病院機構の目標あるいは国全体の目標との間に乖離があった場合には、そこは政策医療としてもう一回検証するというふうに理解をさせていただきますが、そういう理解でよろしゅうございますか。

坂口 力氏(国務大臣)

5年間で一応見直しを行うことになっておりますから、その五年を経過いたしましたところでそういう事態が起こりましたとき、目標がなかなか達成されていないということになりましたときには、そこでもう一度見直しを行わなければならない、あるいはまた、設備等の問題についても考え直さなければならないということだと思います。

浅尾 慶一郎

それでは、次の質問に移らさせていただきますが、がんや心筋梗塞や脳卒中以外で、先ほど19項目政策医療というようなお話もおっしゃっておられましたけれども、その政策医療の対象とされる疾患、例えば肝疾患や腎疾患、免疫異常などについて、治療成績の向上の観点から、できれば具体的な目標値を定めて取り組んでいただきたいと思いますが、そうした目標値を定めて取り組んでいる医療政策というのはあるんでしょうか。

坂口 力氏(国務大臣)

できる限り目標値を設定をして取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、現在のところも、これは病院の中というよりも国全体として取り組んでおりますのが、例えば老人性痴呆の場合には推計入院患者数が20%削減できるような体制を作っていきますとか、あるいはまた糖尿病の推計入院患者数を20%削減する、そして糖尿病の合併症であります失明でありますとか下肢の切断でありますとかというようなこと、あるいは人工透析の患者さんというのを50%削減をする、そのためにどうしていくかというようなことの大枠のことは国全体としてやっているところでございますが、この独立行政法人としての病院の場合にその中で何と何に目標値を設定できるか、なかなか設定できにくいものも中にはあると思うんです。例えば難病の場合など、まだ原因がはっきり究明されていないものにつきましては目標設定がなかなか難しいものもございますけれども、できる限り目標値を設定をして、そしてそれに近づけていく努力をしていくということだというふうに思います。

浅尾 慶一郎

確かに、難病などなかなか目標の設定しにくいのがあるというのも分かりますが、例えば、原因も非常に幅広いというふうにおっしゃればそういうことかもしれませんが、肝疾患とか今おっしゃった糖尿病といったものについては死亡率の統計はあるわけでありますから、そうした大くくりの中でも、例えば肝疾患あるいは糖尿病といったものについて国全体の目標値を定めて、当然、先ほどおっしゃったようにがんや心筋梗塞と一緒のように国立病院機構においてはそれを上回るような目標を定めて、そして5年という期間の間で実績を評価するというふうにされたらいいんではないかと思いますが、実際に国の中で死亡率というものが統計があるものについてはそうしたことに取り組まれるかどうか、お伺いしたいと思います。

坂口 力氏(国務大臣)

それは御指摘をいただきましたとおり、そうしたことで努力をする決意でございます。

浅尾 慶一郎

それでは、その次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、今の疾患別の政策医療という観点とはまた変わって、例えば救急医療とか小児医療といった、なかなかその地域の中で是非とも必要であるけれども十分でないといったことが言われるようなものについて、国立病院において現状はどういうふうになっているかと、また今後の医療政策の中でどのように取り組んでいかれるのか、伺っていきたいと思います。

木村 義雄氏(副大臣)

まず、御指摘のあった小児医療でございますけれども、母性・父性医療を含めた成育医療を政策医療の一分野として位置付けまして、本年3月に開設いたしました成育医療センターを中心といたしましてネットワークを構築します。そして、その医療水準の向上を目指そうとしているわけでございます。

今後とも成育医療にかかわる民間病院等との連携を強めまして、政策医療ネットワーク機能の充実を図り、小児医療を含む成育医療を推進してまいりたいと、このように思っております。

また、救急医療の取組状況は、平成13年度におきまして国立病院で約9割、それから国立療養所で約三割の施設が病院輪番群への参加や救命救急センターの運営など救急医療に取り組んでいるところであります。ちなみに、救命救急センター、いわゆる三次救急でありますが、十三の病院で実施をしているところでございます。

今後とも地域の実情を十分に踏まえ、国立病院・療養所におきましても積極的に救急医療にも取り組んでまいりたいと、このように思っております。

浅尾 慶一郎

今、副大臣の御答弁の中でもありましたけれども、救急の輪番に参加しているのは大体3割ということでありましたけれども、特に、恐らく、救急で小児も大人も分けるというのもいかがかと思いますが、特に小児救急というものが全国的に整備が後れているというふうに言われておりますが、そうした中で小児救急の輪番に参加しているのは、国立の場合はわずか25%というふうな報道もあります。

申し上げたいのは、確かにその理由として、国立病院はより高度で専門的な医療に集中していて救急医療にまで手が回らないというような理由があるのかもしれませんが、実際の地域の患者さんの立場からしてみれば、それは高度なことももちろんやっていただきたいけれども、そこに小児科医もいて対応ができるというのであれば、すべからくすべて輪番に参加されたらいいんではないかと、そのことが本当の意味で国民の目から見ればよく分かる政策医療、そのために国費も投入しているんだなというふうに私も思います。なかなか専門的なことをやりたいということも、やらなければいけないということも分かりますが、その中で、できればその25%、小児救急に関する輪番参加25%というのを、独立行政法人化した以降はそれを引き上げていくというふうにされたらいいんではないかと思いますが、そうした考え方について、いついつまでにどの程度まで引き上げられるかという目標も含めて、可能かどうかということをお伺いしたいと思います。

木村 義雄氏(副大臣)

まず、25%ぐらいとこう言われましたけれども、療養所は、これはやっぱり性格が違うのでこれは数字が低いんですが、国立病院の方だけにとらえますと、小児も含む病院輪番の制度に入っておりますのは41%になるんです。ですから、25%、大分ニュアンスが違うなと、このように思っているような次第であります。

いずれにいたしましても、都道府県等の意向を踏まえて可能な限り取り組んでまいりたいと、このように思っております。

浅尾 慶一郎

確かに、療養所はなかなか入れづらいという御答弁は分からなくもないんですけれども、少なくとも療養所は別にするとするならば、病院については全部入るのが私は国民に分かりやすい政策医療ではないかというふうに思いますが、その点について、すぐにできないということであれば、例えば五年見直しの中でそういう方向を目指してやっていくといったような決意を伺いたいと思いますが、その点についていかがでしょうか。

坂口 力氏(国務大臣)

それはそういうふうに検討させていただきたいというふうに思います。

本来ならば国立病院全部のところでやっていなきゃならないというふうに思うんですが、できていないのにはそれなりのいろいろな理由もあるわけでありまして、人の配置の問題ですとかいろいろな問題もございますので、それらのことも含めてこれはやっていかないと、返事はしたけれどもなかなかできないということも起こり得るわけでございますから、一つ一つそうしたことも片付けながら前進させたいと思っています。

浅尾 慶一郎

是非、今御指摘ありました人の配置には少し時間が掛かるというのは理解いたしますので、人の配置も含めてそういう体制が取れるようにしていただきますように改めてお願いを申し上げたいと思います。

次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、当委員会においても労災病院についても議論をさせていただきました。あるいはまた、社会保険病院といったようなものも厚生労働省所管の病院ということでありますが、国民の目からすると、国立病院があり労災病院があり社会保険病院があるということについて、それぞれその役割があるんだと思いますが、また一方でそれぞれ政策的な医療もやっているということなんだとすると、特にその管理をする部門については一元的にされた方がいいんではないかなと、こういうふうに思います。

まず、質問の第一点目は、国立病院、労災病院、社会保険病院について、一元的な視点から機能や役割の見直しを行ったらどうかというのをまず第一点として伺わさせていただきたいと思います。

坂口 力氏(国務大臣)

大変基本にかかわる御質問をいただいたというふうに思いますが、現在までのところは、それぞれ、国立病院それから労災病院、社会保険病院と、それぞれの目的意識を持ってスタートをしたという経緯があるものですから、それぞれの系列ごとにどうするかということを今やっているわけでございます。

しかし、国民の皆さん方から見ていただきますと、どの病院ももう同じようなことをやっておるではないかという御指摘のあることも事実でございます。その辺の仕分の問題をどうするんだという御指摘をいただいているというふうに思います。

確かに、労災病院を見てみますと、中毒のことをやっておりますとか、じん肺のことをやっておりますとか、非常に専門的なことを今もずっとやっているところもございますので、そうしたものは今後も残していかなきゃならないというふうに思っております。その労災病院の中で整理統合できるものはどこかといったことを今やっております。それから、社会保険病院の方も、これはいろいろまた各党ともおやりをいただいておりますし、我々もここをどう整理をするかということを今やっているわけでございます。

それはそれとして行いながらも、しかし将来その地域で見た場合にどうかと、地域によりますと国立病院もある、労災病院もある、あるいは社会保険病院もあるというようなところもあるいは、私もちょっと調べないと分かりませんが、あるかもしれませんし、全然ないというところもあるかもしれないという、そうしたことについてどう整理をしていくかということと、今御質問いただいたこととは非常に関連の深いことだというふうに思いますので、その点十分に考えながらこれからやらせていただきたいというふうに思います。

浅尾 慶一郎

実際のその現場の病院の統合というのはなかなか難しいのはよく理解いたします。しかし、せめて医療政策を企画立案する本省の部局については、これは一元化した方がいいんではないか。その方がかえって幅広く見れるんではないかというふうに思いますので、そういう観点から、例えば国立病院部の政策医療課というものは官房に移すとか、そうした体制の整備ができないのかどうか、その点について大臣のお考え方を伺いたいと思います。

坂口 力氏(国務大臣)

末端がそれぞれ分かれているものでございますから、中央もまた分かれているというのが現実でございまして、しかし今後のこの在り方をどうしていくかということと併せて、御指摘をいただきましたことを、大変大事なことでございますから、検討してまいりたいというふうに思います。

浅尾 慶一郎

時間が参りましたので、終わります。



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