- 国井 正幸氏(委員長)
ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。委員の異動について御報告いたします。昨日までに、続訓弘君及び櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君及び柳田稔君が選任されました。
国民年金法等の一部を改正する法律案、年金積立金管理運用独立行政法人法案及び高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。
この際、森厚生労働副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森厚生労働副大臣。
- 森 英介氏(副大臣)
発言をお許しいただきまして、ありがとうございます。私は、担当副大臣として、自らの未納の事実が判明した4月半ば以降、その事実を公表すべきだと考えてまいりました。
折しも、5月13日午前の参議院厚生労働委員会理事会の場で、副大臣、政務官の年金保険料納入状況について明らかにすべきである旨の与野党合意がなされたのを受けまして、午後の委員会再開に先立って、他の副大臣、政務官とともに省内にて記者会見をさせていただきました。以上が正確な経緯でございます。
当日の会見における私のコメントに十分意を尽くさず、誤解を与える部分がありましたことについては、誠に申し訳なく、おわび申し上げます。
- 国井 正幸氏(委員長)
以上で発言は終了いたしました。これより、前回に引き続き、三案について質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
- 浅尾 慶一郎
民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。質問に先立ちまして、冒頭、大臣に一点、これは通告をいたしておりませんが、確認をさせていただきたいんですが、本日の新聞に日本歯科医師会から厚生労働省の幹部に現金が渡っているということが記事として出ております。この事実関係について何か御存じのことがあるのかないのか、もしないとするならば、全く事実無根だとするならば、その新聞に対してそれなりの措置を取るのかどうか、あるいは事実関係をしっかりと調査するのかどうか、その点を含めてお答えいただきたいと思います。
- 坂口 力氏(国務大臣)
私もまだ今朝の新聞を見た限りでございまして、全く存じ上げておりません。したがいまして、まだ、朝、聞くゆとりもなかったものでございますから、今日のこの委員会が終わりましたら詳細に聞き取りをしたいというふうに思っておりますし、事実関係を確認をいたしまして、もしもそれが事実であるというならば、厳正な処分をしたいと考えております。
- 浅尾 慶一郎
是非、事実であるとするならば、厳正な処理をしていただきたいということを再度申し上げさせていただきたいと思います。
そこで、年金の法案について質問をさせていただきたいと思いますが、私は、今回の政府が提案をいたしました法案、100年安心の法案だということを言われておりますが、とても100年もつものではないというふうに申し上げたいと思います。と申しますのは、この年金の問題が抱えております5つの問題点、5つの矛盾点について何らその解決を示していないということであります。
その5つというのは、申すまでもありませんが、一つは、働く場所、働き方によって加入する年金の制度が違う、厚生年金、共済年金、国民年金と様々制度が分かれているということであります。それから、共働きの世帯とか独身の人も増えているわけでありますが、そういう方々から見ると、いわゆる第三号被保険者の問題について、この中では解答がないんじゃないかな、解決がされていないんではないかなというふうに考えております。それから、世代間の給付と負担のバランスということについても今回の法案では解決が見えていないと。
この一から、今、一個、二個、三個、申し上げましたこの点については今までいろいろと言われてきたことでありますが、あわせて、国民年金の未納による時効が約8兆円ということも明らかになりました。それから、その8兆円の中には実は未加入というものが含まれていないということも明らかになったわけでありまして、そうした問題についても余り解決が見られていないんではないかなというふうに思います。
ここまでが四点でありますが、もう一点、実はこれからこの点について質問をさせていただきますが、5割を、現役世代の五割を保障するという法案の中身になっていますが、その法案を詳細に検討しますと、厚生年金の被保険者、いわゆる加入者が減ってしまうと五割が保障できないという実態が明らかになっております。
その点に関して、まず、経済産業副大臣、お越しでいらっしゃいますが、経済産業省としては、前に保険料、厚生年金の保険料が20%になると相当な失業者が増えるということでありましたが、今度18.3%になることによってどの程度失業者が増えるというふうに判断をされておられるか、御答弁をいただきたいと思います。
- 坂本 剛二氏(副大臣)
経済財政諮問会議での雇用への影響試算は、これは通商産業研究所の研究者が実施した実証研究をベースといたしております。この試算は、政府内部で年金制度改革を検討するに際して、保険料引上げが雇用に与える大まかな影響のイメージをつかむために、限られたデータの中で、一つの試みとして全くの機械的試算として実施したものであります。
具体的には、一気に厚生年金保険料を20%に引き上げたと想定しております。引上げ期間の経済動向の変化については考慮しない、こういう前提を置いております。保険料引上げの実際に雇用に与える影響については、種々の要因を考慮する必要があり、このような単純化した試算で示すことは極めて困難であります。
今回の年金改正法案においては、今後14年間掛けて段階的に厚生年金保険料を18.3%まで引き上げることとしております。このような保険料の段階的引上げの雇用への影響について検討する場合、一つ、引上げ期間中の経済動向の変化を考慮せずに試算を行うことは適当ではなく、また、引上げ期間中にどのような経済動向になるかについても正確な予測は極めて困難であります。このため、経済財政諮問会議での試算の手法を今回の改正法案による保険料引上げの影響にそのまま適用することは誤解を招くことにもなりますので、私どもとしては差し控えさせていただきたいと考えております。
- 浅尾 慶一郎
影響があるということを言いたくないということなんだと思いますが、それじゃ厚生労働省にお伺いいたしますが、仮に被保険者が、失業者ということは多分厚生労働省では数字がないということでしょうから、厚生年金の加入者、被保険者が百万人減少した場合にどういった影響があるのか。2023年までは何とか5割を維持できるということであるでしょうけれども、それ以降はいわゆる積立金がなくなってしまうので5割が維持できなくなるというふうに聞いておりますが、その点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
- 森 英介氏(副大臣)
マクロ経済スライドの調整率は、公的年金全体の被保険者数の増減と寿命の延び等を勘案したものを用いて計算されます。このため、失業率が増加することによって厚生年金の被保険者が国民年金へと移動したとしても、公的年金全体の被保険者数の総数はほとんど変わらないため、毎年のマクロ経済スライドの調整率自体は基準的なケースと比べてほとんど変わらず、所得代替率が五〇%へ到達する時期が早まることはないというふうに考えております。
- 浅尾 慶一郎
私の質問をもう一度よく聞いていただきたいんですが、50%に下がる時期が早まるということではなくて、それ以降50%を維持できないんではないですかという質問です。
なぜ、50%に下がる時期が早まらないというのは、今ある積立金を使っていくから、取り崩していくから早まらないんであって、その積立金を使い尽くしてしまったら、厚生年金の財源がなくなってしまうんじゃないですかと。被保険者の数が減ってしまうんではないですかと。ですから、その計算をしてくださいという質問通告を先週の段階でしてあるわけですから、是非お答えいただきたいと思います。
- 森 英介氏(副大臣)
仮に厚生年金の被保険者数の減少の程度ということで粗い推計を行いますと、平成16年度に約40万人以上が国民年金の第一号被保険者に移動し、平成17年度以降、将来にわたってその雇用環境が続くとすれば、下限の50%まで給付水準調整しても、長期的な給付と負担が均衡しない場合が出てくることもあると推測されます。
- 浅尾 慶一郎
つまり、長期的には給付と負担が均衡しないということですね。それはいつごろから均衡しなくなるんでしょうか。
- 森 英介氏(副大臣)
そういう場合もあるということで、それは雇用環境ですとか経済状況ですとか、様々なファクターによってのことでございます。
- 浅尾 慶一郎
私が質問通告で出させていただいたのは、例えば70万人被保険者が減少した場合で、ほかの経済動向は変わらない前提で数字をお答えくださいと、それでもってコンピューターを動かしてくださいという通告を出していたわけですから、その数字をお答えいただきたい。
- 森 英介氏(副大臣)
恐縮でございますけれども、ちょっと今即答できかねますので、ちょっと時間をいただきまして、他の質問の後でお答えをさせていただきたいと存じます。申し訳ありません。
- 森 英介氏(副大臣)
ちょっと私どものその御通告の受け止め方が若干間違ったのかもしれませんけれども、私ども、先ほど御答弁した御通告の内容だというふうに思っておりました。ということで、大変手間取りまして恐縮でございますけれども、委員がおっしゃられました75万人が国民年金の第一号保険者に移動したという、そういう仮定を置きますと、ずっとそういう雇用環境が続くと、2025年で49.7%という計算にはなります。
しかしながら、私ども、財政再計算上の前提条件としては、そこまでの数になるということは予想しておりませんので、こういう結果になる可能性というのは極めて少ないというふうに思っております。
- 浅尾 慶一郎
まず、質問通告はちゃんとしていましたから、そこはちゃんと徹底してください。
それから、今75万人に厚生年金から国民年金に移動していたとした場合には、要するに5割を割ると。今まで絶対5割は守れると言っていたのが、そこで崩れるわけじゃないですか。その崩れることを言いたくないがためにそういうことは起きないという話をしましたが、具体的な例で申し上げますが、これは何も失業に限らないんですよ。
具体的に言いますと、私の知り合いが厚生年金保険料もう払えないということで社会保険事務所に行ったら、一応5人以上の従業員を抱えているところは厚生年金に入らなければいけないと、そういうふうに社会保険事務所が言いました。しかし、そんなことを言ったって、今いろいろ報道されているじゃないかといってさんざん言ったら、何と、じゃ、政治家になって変えてくださいと、あなたの脱退を認めますと言われて脱退を認められているわけですよ。つまり、失業者が増えなくても、厚生年金から脱退する人が増えればすぐ五割を割るということじゃないですか。
その点についても併せて、どういう根拠で75万人は厚生年金から国民年金に行かないんだと断言ができるか、お答えいただきたいと思います。
- 坂口 力氏(国務大臣)
我々も、これから先の年金につきましては、被保険者の数がどういうふうに推移をしていくのかということは計算をしているわけであります。その中で、もう2015年には、現在の人口動態から見ますと、390万人ぐらい労働力人口が減ってしまうという計算になります、2015年。そうした問題を起こさないように、できるだけ徐々に、雇用者が減っていかないようにしていくかという、これは政策的な手段を取らなければいけないというふうに思っております。
今、委員が御指摘になりましたのは、それに更にプラスをして75万人減るというふうに、機械的に計算をすると先ほど申しましたような結果が出るということでございまして、これは様々な政策と重なり合っていくことでございますから、そうしたことにならないようにどう政策を立案をしていくかという問題とセットの話だと思います。
したがいまして、先ほど御議論ございましたように、地域地域によりまして、あるいはまた企業によりまして、そういうことが起こるときというのは、これはこれからも起こり得ると思うんですね。景気の変動が非常に激しくて、悪くてといったときに起こり得ることはあるというふうに思いますが、そういう状況がずっと続くということはこれまた考えにくいわけでありまして、そうしたことも、そのときそのときの経済動向も勘案をしていくということは大事でございますが、平均して見ましたときに、そうしたことを我々も念頭に置いて計算をしていることは事実でございます。
- 浅尾 慶一郎
75万人で49%、いわゆる5割を割ってしまうということなんですが、先ほどお話が出ました経済財政諮問会議の数値は、20%まで保険料を上げた場合には100万人失業者が増えるということを同じ政府が言っているわけであります。100万人失業者が増えるかどうか、そこは分かりませんが、しかし、段階的に引き上げていく方が、実は一気に引き上げるよりかは、加入者が減るということは私はむしろ促進するんではないかなというふうに考えております。
なぜならば、加入者、つまり事業主ですね、事業主にとってみれば負担が増えるということが予測ができるわけであります。負担が増えるということが予測できる中で、先ほど申し上げましたように、現状では脱退ということも事実上可能になっていると。更に言うと、じゃ、質問としてこれは通告をいたしておりませんが、もしそういうことで把握できるんなら教えていただきたいと思いますが、厚生労働省は、法律上、5人以上従業員がいるところ、事業所は厚生年金に加入しなければいけないということになっておりますけれども、じゃ、実際、五人以上従業員がいる事業所がすべて加入しているということは断言できますか。これは絶対できないはずです。じゃ、その段階で何割ぐらいが加入していないかという数字を持っていますか。持っているか持っていないかだけお答えいただければと思います。
- 坂口 力氏(国務大臣)
御指摘のように、5人以上が全部入っておるということはないと思います。その数字は後で、持っておると思いますから、報告をいたします。
- 浅尾 慶一郎
私、これ、3月23日の予算委員会でも質問をさせていただきましたが、その数字はないはずなんですね。ないというのは、要するに5人以上の従業員がいる事業所を把握していないはずなんです。把握しているかどうかだけお答えいただきたいと思います。
- 坂口 力氏(国務大臣)
申し訳ありません。数字としては持っていないというふうに言っております。
- 浅尾 慶一郎
要するに、数字として持っていない、なおかつ、加入している事業所は持っておりますけれども、そこから出るものについても余り把握をしていないと。先ほどのような具体的な例もあるわけであります。つまりは、失業者が仮に増えなかったとしても、脱退していく事業所が増えれば同じことなんですね。脱退する事業所が増えた結果、加入される方が75万人減れば、結果として五割は維持できないということですから、ですから、冒頭申し上げました5つの問題の5番目、いわゆる失業者が増える、あるいは被保険者が減った場合には維持ができない、そういう問題を抱えているんではないかというふうに思いますが、その点についてどう思いますかと言ったら、そうならないように努力するというふうにはお答えになるでしょうが、努力する以外に何か具体的な方案、手だてがあるかどうか伺いたいと思います。
- 坂口 力氏(国務大臣)
先に答弁言っていただきましたから言いにくいわけでございますが、ならないようにしなきゃいけないわけでございますが、しかし、厚生年金なら厚生年金の中に入っている人たちの数が減る。長期的に見れば、その人たちが今度は、そういたしますと、いわゆる年金としている、年金として受ける人たちの数も減っていくわけでありますから、長い目で見ればそれはその中で均衡されていくということだというふうに思います。
しかし、初めに申しましたように、経済動向等に非常に影響を受けますけれども、そうした経済状況をどう作り上げていくかということが一つは最大の課題、先ほどから申し上げておりますように、実質賃金が上がっていくような数字を前提にしておるわけでありますから、そういう社会をどう構築をしていくかということに尽きるというふうに思っております。
- 浅尾 慶一郎
いろんな欠陥が抱えているんであれば、最初から百年安心ということは言わない方がいいんじゃないかなと、こういうふうに思います。
次の質問に入らさせていただきたいと思いますが、厚生年金と共済年金、これ様々違いがあることが明らかになってきております。100年安心ということを言っておられるわけでありますが、今日は国土交通省にもお越しいただいておりますが、かつて国鉄共済というものがありました。これが、国鉄が民営化されるに従ってJRになって、そして厚生年金に移行されました。その中で、かなりの額の年金債務を厚生年金が結果として引き受けたということでありますが、その経緯について、国土交通省、お答えいただけますでしょうか。
- 鶴保 庸介氏(大臣政務官)
鉄道共済組合は平成9年4月1日に厚生年金に統合されました。その際、移換金として当時の厚生省に対し総額約1.2兆円を支払うこととなりました。また、移換金とは別に、厚生年金に統合されなかった昭和31年6月以前の国鉄での在職期間に対する給付に要する費用として、統合時の現在価格で総額約3.5兆円の追加費用の負担が必要と見込まれておりました。
なお、追加費用及び移換金については、現鉄道建設・運輸施設整備支援機構が旧国鉄から承継した土地及びJR株式の売却収入と国からの補助金などを原資として支払を行っておるというところでございます。
- 浅尾 慶一郎
旧国鉄の債務は、結局、JR株の売却とか様々な形で返しているんですが、それでも足りなくて、たばこを一箱20円、一本1円上げる形で返していると。お金に色は付いていませんから、その3.5兆円というのは、これは共済年金ができる前の恩給のときの話だというふうに思いますが、それと、1.2兆円というのは積み立てた額。
更に言うと、積み立てた額に対して、物価スライドがありませんから、もっと追加の費用は実は発生しているはずでありまして、手元の資料ですと、年間で厚生年金から、これは共済ではありません、厚生年金から旧の国鉄共済、あるいはJTの共済、そしてNTTの共済に対して、移換を受けたので大体1,000億円ぐらいずっと払っているということになっていますが、この数字は間違いありませんか。今の3.5兆、1.2兆に加えて、年間、毎年毎年、いわゆる物価スライド分が1,000億円ぐらい厚生年金から発生しているということで間違いないと思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
- 森 英介氏(副大臣)
間違いございません。
- 浅尾 慶一郎
つまり、今、鶴保政務官お答えいただいたのは、3.5兆円と1.2兆円は結果としてたばこを一本1円上げる形で、その中で返していると。なおかつ、厚生年金から毎年毎年1,000億円出していますよということなんですが、そこで、この質問をする前に一つ事実をお伺いしたいんですが、実は旧国鉄時代に辞められた方、国鉄のときに辞められた方の平均の年金受給額、いわゆる国家公務員、三公社ということなんでしょうけれども、その平均の、何というんですか、共済年金の受給額を教えていただけますでしょうか。月額で結構です。
- 森 英介氏(副大臣)
平均年金月額は、組合員期間が20年以上の受給権者につきましては19万605円、すべての受給権者については18万9,465円でございます。
- 浅尾 慶一郎
じゃ、厚生年金の平均の受給額は14万円ということで間違いないですね。
- 森 英介氏(副大臣)
間違いありません。
- 浅尾 慶一郎
つまり、何を申し上げたいかといいますと、要するに、高い年金、これは別にそのことが悪いと言うつもりはありませんが、しかし客観的に見れば、高い年金を守るためにたばこが上げられている、月5万円高い年金を守るためにたばこが上げられているということが客観的にそこから証明ができるわけであります。
そこで、次の質問に入らさせていただきますが、今、小泉内閣が掲げております一つの大きな方針として郵政事業民営化というのがあります。この郵政職員、国家公務員でありますから、平均の年金の受給額、月額18万とか19万ということになるでしょう、もう確定しているものについては。これをもし厚生年金に移行した場合、また厚生年金はその分を高いものも含めて負担するんでしょうか。
- 坂口 力氏(国務大臣)
ここは、共済年金と厚生年金とを合併をするということになりますと大きな問題点になるわけでございます。
先ほどお触れになりました、旧国鉄、旧専売公社、そうした共済年金と合併をいたしますときにも、その当時かなり大激論になりまして、いろいろの問題がございました。確かに旧国鉄あるいは旧専売公社等の方が保険料が高いわけでありまして、高いのに、それに負担を受けるとはどういうわけかというようなこともございまして、旧国鉄の場合には、一緒になっていただきますときに、負担率というものを、保険料の率をたしか上げてもらったというふうに私は記憶をいたしております。
したがいまして、現在の国家公務員の共済年金と合併をするということになりましたときにもそうした問題が発生しますので、そこは十分に均衡の取れた形というものを考えていかなければならないんだろうというふうに思います。
- 浅尾 慶一郎
ちなみに、先ほど旧国鉄の場合で3.5兆と1.2兆という数字をお答えいただき、累計で4.7兆円という、厚生年金が毎年毎年1,000億円負担しているものとは別にお金が掛かっているというお話をいただきました。
郵政公社で同じベース考えた場合に、金額としてどれぐらいの負担が、累計の4.7兆円というのは、つまりたばこ税、たばこを一本1円上げることで賄っていることでありますが、郵政公社の場合はどういう金額になるんでしょうか。
- 石井 啓一氏(副大臣)
お尋ねの趣旨が郵政公社を民営化した場合どうなるかということであれば、それは民営化の姿によって変わってまいりますので、現時点で確固たる数字を申し上げることはなかなか難しいのでございますが、ただ、現在の郵政公社のじゃ年金給付債務はどうなのかということであれば、これもざっとした計算でございますけれども、平成11年の財政再計算の結果によります粗い試算によりますと、平成11年以前の過去期間に対応した国共済全体の給付現価は37兆円と試算されております。
それで、国共済全体の年金受給権者数に対します郵政公社の共済組合の年金受給権者数の割合が約1/4であることから、仮にこれを基に機械的に試算をいたしますと9兆円から10兆円程度ではないかと、こういうふうに試算がされるところでございます。
- 浅尾 慶一郎
その9兆円から10兆円というものに対応する積立金がそれだけあれば問題はないわけでありますけれども、恐らくそういう積立金はないでしょうし、特に先ほどお話が出ております昭和34年以前の旧恩給時代のものについては積立金はそもそもないわけでありまして、そうすると、そこはまた結果としてたばこを上げて、たばこ税を上げて、今の機械計算でいきますと、一箱かつては1円だったんですが、今度、国鉄のときが1円で済んだんですが、一本1.5円ぐらい。禁煙運動が盛んになるからいいという顔をされている委員もいらっしゃいますが、しかしそのことと、喫煙者が負担すべき債務かどうかというのは私は相当疑義がある話じゃないかなというふうに思っておりまして、どういうふうに考えておられるんでしょうか。
- 坂口 力氏(国務大臣)
これは国家公務員全体として今度は考えなければならないんだろうというふうに思いますから、いわゆる郵政だけの話ではないというふうに思います。今回やりますときには、もう国家公務員、地方公務員全体として考えなきゃいけないんだろうと思います。
- 浅尾 慶一郎
私も国家公務員全体でやるべきだと思っています。それで、年金の一元化ということはこれは是非やるべきであるというふうに考えておりまして、国家公務員共済あるいは地方公務員共済を詳細に読んでみますと、先ほど国鉄の方の方が年金額が多いと。何でかなと思っていろいろ調べてみましたら、法案には文字どおりでは書いてありませんが、数式を換算いたしますと、二割増しということが法案に書いてあるんですね。ですから、そこから変えていかないといけないんではないかと。そこを変えるか、あるいは退職金の方で現在企業年金の一時金換算額というものを出しておりますから、どちらかをやめると。
私は、退職金の中にもし企業年金の一時金換算額を残すんであれば、年金の方は二割増しというのをやめて、厚生年金と同じ形にして、それで統合するというのが一番理想的な姿だというふうに思いますが、大臣が今言われた全体の中での話ということについては、その二割増しというものも改めるように政府部内で強く発言するという理解でよろしいですか。
- 坂口 力氏(国務大臣)
これはまた決まった話でも何でもございませんが、私も、今議員がおっしゃったように、そうした部分はもう持ち込まないと、こちらの方に。一緒になりますときに、厚生年金と一緒に、厚生年金の方にそうしたものは持ち込まないということだろうと思うんです。持ち込まなければ、それをどうするかという問題はもう一つ残るわけでございますが、それは共済、現在また共済の中で御議論をいただくことだろうというふうに思いますけれども、一元化をしましたときにはそうしたものは持ち込まないということだろうと思います。
ただ、一つ、恩給の問題がございまして、これは、これから年金に加入される方というのはこれはもう関係ない方だというふうに思いますが、過去になられて、現在70歳以上ぐらいの人の場合にごく一部入っている、あるいは80歳以上の方であればもっと入っているというようなことがございまして、これらの点をどうするかという問題も残るというふうに思います。
- 浅尾 慶一郎
時間が参りましたが、是非そういうことも含めて実現をしていただきたいと。
冒頭申し上げました5つの矛盾を解決して、いわゆる今の年金が抱えている5つの矛盾を解決するのが本当の100年の計だというふうに思っていますが、その点について、それが100年の計かどうか、大臣の所見を伺って質問を終えたいと思います。
- 坂口 力氏(国務大臣)
年金制度はどんな形にするにいたしましても負担と給付が付いて回ることだけは間違いのない事実でございますから、そこをトータルで見てどうかということを押さえていかなければならないというふうに思っております。
今までは5年ごとの再計算ということで見てまいりましたけれども、将来の問題として予測のできるもの、できにくいものも確かにあります。予測ができなければ数値が変わるということもそれは起こり得ることでございますから、そこは十分に気を付けていかなければなりませんけれども、長期展望の下に今回は作らせていただいたということでございます。
確かに、働いております場所が変わりますと年金が変わるということは現在あり得るわけです。それは共済と厚生年金との間であり、あるいは自営業者になれば国民年金になるということでございます。共働きの三号被保険者の問題も、これも個人単位で年金を考えるか、それとも世帯単位で考えるかということと関連するわけでございますから、これは今後の年金改革の問題として残した問題というふうに思っております。
それから、世代間の問題につきましては、これ今回もかなり若い世代の皆さん方にお願いを申し上げなければならない点があるわけでございます。しかし、過去の問題としてもう既に済んでいる部分もございますので、世代間の格差というものを完全にこれを解消するということはどんな制度を作りましてもなかなか難しい、できにくい問題だというふうに思っております。
それから、この未納問題につきましては、これも今後も起こり得ることでございますので、ここは運用の仕方としても起こらないようにどうしていくかということを徹底してやっていかなければいけないというふうに思っておりまして、運用面のまずさ、制度もさることながら運用面のまずさということがあったことも事実でございますので、そこをひとつ徹底的にやっていきたいというふうに思っているわけでございます。
以下、五割の問題につきましては、先ほど御質問いただきましたので割愛させていただきます。