あさお慶一郎の活動日記 〜関連記事〜

戦没者給付410億円時効


政府が戦没者の妻に対し10年に1度支給している「特別給付金」をめぐり、93年と03年の支給で延べ約2万1千人分、約410億円が、対象者に支払われないまま時効を迎えていたことが分かった。給付金は年金同様、遺族側からの申請を原則としている。厚生省(現厚生労働省)は85年以降、本人の申請に基づいて支給対象者をコンピューター入力した。このため電算化後は、申請しなかったことから入力されずに、支給の機会を通知されなかった対象者が多く生じたとみられる。

民主党は、過去の未払いを救済するため、早ければ週明けにも、3年の時効を撤廃し、過去の対象者に支払いを可能にする議員立法を今国会に提出する予定だという。

厚生労働省などによると、支給対象者への通知は当初、各都道府県で保存されている紙の台帳をもとに行っていた。85年、対象者の氏名、住所などをコンピューター入力し、そのリストをもとに郵送で通知する方法に変更。実際の入力作業は各都道府県で行うため、人手不足などを考慮し、基本的にデータ入力は85年以降に申請に訪れた人を対象とした。このため、85年までに申請した人でも同年以降に申請しなかった場合はリストから漏れ、未払いの主な原因になったとみられる。

厚労省が、総務省が持っている恩給受給者のデータなどをもとに調べた結果、03年の支給では、本来の対象者である約16万5千人に対し、約15万5千人しか支給を申請していなかったことが分かった。厚労省の推計によると、9659人分、約193億円が時効を迎えて未払いになった。93年の支給時でも、約1万2千人分、約216億円が未払いとなった。

特別給付金だけでなく、戦後の節目の年に、戦没者の遺族に支給されている「特別弔慰金」についても、厚労省は本来の支給対象者の全体像を把握しきれていないという。対象者の自宅への郵送による通知制度はなく、市町村広報などで支給の機会を知った対象者の申請に基づき、05年には40万円を出しており、多くの支給漏れが発生しているとみられる。

今国会に出された年金時効特例法案は5年の時効を撤廃すると定めており、対象者は25万人、未払い総額は950億円にのぼると試算されているこの問題を調査している民主党の浅尾慶一郎参議院議員は「戦没者遺族への給付金の支給漏れは年金問題と同じ。申請主義をいいことに放置されてきた人はたくさんいる。総務省のデータをもとに電算化することは、やろうと思えば、すぐできる」と主張する。

厚生労働省社会・援護局は「対策については検討中」としている。



朝日新聞 朝刊
2007年06月18日

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