国家公務員の給与及び昇給に関する質問主意書
平成16年4月2日

政府は、いわゆる「聖域なき構造改革」を実際にはいくつかの聖域を残したままで進めている。その結果、国民には痛みばかり押し付け、将来への展望は開けないという、構造改革本来の趣旨とは明らかに違った方向へと進みつつある。

政府の「構造改革」の聖域となっている代表的な例が公務員制度である。公務員制度には、国民の目には触れにくい形で様々な民間との不均衡が存在する。公務員に労働基本権を付与した上で、これら公務員制度に隠された「歪み」を正し、民間部門との公平性を確保してこそ初めて真の構造改革が実現し、また、憲法第15条第2項にいう「全体の奉仕者」との趣旨が達成されるものと考える。

このような観点から、標記について以下質問する。


1. 国家公務員の給与については、国家公務員法第62条第1項に「職員の給与は、その官職の職務と責任に応じてこれをなす。」と定められている。
  1. 行政職俸給表(一)が適用される職員のうち、職務の級が上位の職員より俸給月額が高くなっている職員はどのくらいいるのか。
  2. 職務の級が上位の職員よりも俸給月額が高い職員が存在する状態は、国家公務員法の規定に反しないのか。さらに、そのような状態を改めるつもりはないのか、政府の見解を示されたい。

1.-1についての回答
「平成15年国家公務員給与等実態調査」によれば、一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号。以下「給与法」という。)別表第-イの行政職俸給表(一)の適用を受ける職員であって、その者の属する職務の級の一級上位の職務の級に属する職員のうち最も低い号俸を受ける職員の俸給月額を超える俸給月額を受けるものの数は、平成15年4月1日現在で、17万8,875人である。

1.-2についての回答
国家公務員法(昭和22年法律第120号)では、職員の給与は、その官職の職務と責任に応じたものとする(同法第62条第1項)といういわゆる職務給の原則によることとされている。
職員の給与の具体的な仕組みについて、同法では、基本的給与である俸給の額を定める俸給表は、生計費、民間における賃金等を考慮して定められ、かつ、等級ごとに明確な俸給額の幅を定めていなければならないとされており(同法第64条第2項)、また、同一の等級内における昇給の基準が定められなければならないとされているところである(同法第65条第1項第1号)。
このように、同法では、俸給については、職務給の原則の下で、職責が上位である者の方が職責が下位である者よりも高く設定されることが基本とされているが、一方で等級ごとに俸給額の幅を設け、同一の等級内における一定の基準に基づく昇給制度を設けることにより、経験や熟練度の増加が適切に評価されるとともに、生計費等も考慮されるようになっているところである。
このようにして設定される俸給表では、上位の職務の級の俸給月額と下位の職務の級の俸給月額との間に一定の幅で金額の重なりが生じることがあり得るものであり、その者の属する職務の級より上位の職務の級に属する職員の俸給月額を超える俸給月額を受ける職員が存在することが同法の規定に反するものではない。
なお、俸給表については、職員の勤務条件に関する事項であるため、今後とも、社会一般の情勢に適応するように、人事院の勧告を受けて、適切に対応してまいりたい。

|| 上へ戻る ||

2. 国家公務員の昇給については、一般職の職員の給与に関する法律(以下「給与法」という。)第8条第6項前段に定められているが、一方、人事院規則918により、昇給期間のうち1/6を勤務しない職員及び懲戒処分を受けた職員は昇給を延伸されることとされている。
  1. 平成14年度において、勤務成績が良くないとして昇給できなかった職員の総数及び勤務成績が良いとして昇給できた職員の総数は何名か。また、昇給できなかった職員のうち、昇給期間の六分の一を勤務しないため昇給できなかった職員数及び懲戒処分を受けたため昇給できなかった職員数は何名か。
  2. 人事院規則918に基づくこのような運用は、「良好な成績で勤務したときは」昇給するという給与法に反するものと考えるが、政府の見解はどうか。

2.-1についての回答
平成15年1月1日において給与法の適用を受ける常勤職員(平成14年度のすべての昇給期(人事院規則918(初任給、昇格、昇給等の基準)第36条に規定する昇給の時期をいう。以下同じ。)において、昇給停止年齢を超えていた職員その他の普通昇給(給与法第8条第6項、人事院規則918第35条等の規定により良好な成績で勤務した職員について行われる昇給をいう。以下同じ。)の対象から除外されていた職員を除く。)について調査したところ、当該職員の普通昇給に必要とされる最短の期間(給与法第8条第6項本文又は第8項ただし書に規定する期間のうちそれぞれ最短の期間(当該期間を短縮されている職員にあっては、当該短縮後の期間)をいう。)を経過した後に到来した平成14年度における昇給期(以下「可能昇給期」という。)において普通昇給をしなかったことのある職員(以下「昇給延伸職員」という。)の数は6,840人であり、可能昇給期において普通昇給をした職員(昇給延伸職員を除く。)の数は41万2,715人である。
また、昇給延伸職員のうち、人事院規則918第34条第2項の「昇給期間(人事院の定める職員にあつては、人事院の定める期間)の1/6に相当する期間の日数」を勤務しなかったため普通昇給をしなかったことのあるもの(以下「1/6延伸職員」という。)の数は5,289人であり、懲戒処分を受けたため普通昇給をしなかったことのあるものの数は300百人(うち14人は、1/6延伸職員にも該当している。)である。

2.-2についての回答
給与法第8条第6項又は人事院規則918第35条の「良好な成績で勤務した」場合とは、職員が与えられた職責を通常程度に満足に果たした場合と解しており、2.-1についてで述べたような運用の状況が給与法の規定に反するものではない。

|| 上へ戻る ||