道路特定財源の使途の在り方に関する質問主意書
平成16年12月2日

自動車重量税をはじめとする、いわゆる道路特定財源については、国民に対して法律上又は事実上、道路整備のために課税される税目として位置付けられており、このような目的税は、受益と負担の明確化を図ることにより課税の公平性を担保する税目と考えられている。

しかし、道路特定財源については、その税収の全額が道路整備特別会計に繰り入れられるわけではないばかりか、道路整備特別会計の歳出自体、道路整備事業に要する経費とは思われないものにまで支出されている。

このような道路特定財源の使途は、国民の税制に対する信頼と税制の公平性を揺るがすおそれがある。

内閣は、憲法第73条により、法律を誠実に執行する義務を負うのであり、道路特定財源についてもその使途を国民の前に詳らかにし、必要な見直しを図るべきである。 このような観点から、標記について以下質問する。


一、自動車重量税の使途について
1. 自動車重量税については、政府はこれを道路特定財源と位置付け、国民に対しては、例えば国税庁タックスアンサーにおいて「道路などの社会資本を充実するための財源として課税される国税」として宣伝している。
しかし、自動車重量税は、国分の税収が年間約5,800億円のところ、「道路整備事業に関する政府の経理を明確にするため」(道路整備特別会計法第一条) 設置されている道路整備特別会計に繰り入れられる金額は約2,000億円に過ぎず、残余の金額は一般会計に留保され、一般財源として用いられている。
税収の半分以下の金額しか道路整備事業に用いられないのでは「道路などの社会資本を充実するための財源として課税される国税」とは言えないのではないか。政府は国民に対する説明を改めるべきと考えるが、どうか。
2. 自動車重量税については、少なくとも一般会計に留保されている約3,800億円については「道路などの社会資本を充実するための財源として課税される国税」といえないのであるから、この部分は減税すべきと考えるが、どうか。
3. 自動車重量税については、その使途に関する法令上の規定がなく、また、予算措置においても税収のうち一般財源として用いられている金額の方が道路整備事業に用いられる金額より多い。
このような状況は国民の税に対する信頼を揺るがすものであり、この際、自動車重量税の使途の明確化を図る必要があると考えるが、今後政府はどのような措置を講ずるつもりか。

一.についての回答
自動車重量税は、自動車の走行が、道路の建設、改良、維持を始め、道路混雑、交通安全、道路事故等に関連して社会的に多くの負担をもたらしていること、 かつ、道路その他の社会資本の充実に対する要請が強いことに着目して創設されたものであり、このような経緯にかんがみ、運用上主として道路整備財源に充て られてきているものである。
他方、御指摘のとおり、このように道路整備財源に充てられてきたもののうち、道路整備特別会計に繰り入れられず、一般会計に計上されている金額がある が、これは、厳しい財政状況の下、道路整備に密接に関連する事業の財源に充てるなど、納税者の理解を得られる範囲内で使途の多様化を行ったものであり、こ れにより自動車重量税の趣旨が変わるものではないと考える。

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二、道路整備特別会計の歳出について
1. 道路整備特別会計においては、平成16年度予算において国土交通省職員八一九七人分の職員俸給等の人件費約700億円の支出が計上されている。平成一五年度決算では、同特別会計の人件費の総額と人数はどうなっているか。
また、これらの人件費については、国土交通省出先機関の職員のものと聞くが、どのような職種・所属の職員か。例えば、地方整備局や河川国道事務所の管理部門の職員はどうか。

1.についての回答
道路整備特別会計における人件費の平成15年度決算の額は約710億円であり、平成15年度の予算定員は8,268人である。これらの人員は、主として国土交通省の地方支分部局である地方整備局の国道事務所の職員であり、お尋ねの「地方整備局や河川国道事務所の管理部門の職員」の一部も含まれてい る。

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2. 1で掲げた人件費は、道路整備特別会計法第三条第二項第一号に規定される「道路整備事業に要する費用」に当たるとして歳出されているものと聞く。道路 整備事業は民間の建設会社等に発注するのが常であり、国土交通省職員が実際に道路工事を自ら行うことは少ないと思われるが、「道路整備事業に要する費用」に国土交通省職員の人件費が含まれると解釈する理由は何か。

2.についての回答
二の1.についてでお答えした人員は、道路に関する工事の実施の調整に関する業務、道路の管理又は利用に関する業務、道路に関する工事の契約に関する業 務、道路の用地取得に関する業務等(以下「道路整備に関する業務」という。)に従事しており、これらの人員に係る人件費は、道路整備特別会計の歳出とする こととされている道路整備特別会計法(昭和33年法律第35号)第3条第2項第1号に掲げる道路整備事業に要する費用(以下単に「道路整備事業に要す る費用」という。)に含まれると考える。

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3. 道路整備特別会計において、購入され現在も使用される工事用車両ではない乗用自動車は何台あるか。
また、平成15年度に購入した工事用ではない乗用自動車の車種と価格をすべて示されたい。
更に、工事用車両ではない乗用自動車に関する経費が「道路整備事業に要する費用」に当たると考える理由を示されたい。

3.についての回答
お尋ねの「工事用車両ではない乗用自動車」を、自動車登録規則(昭和45年運輸省令第7号)に規定する「人の運送の用に供する乗車定員10人以下の普通 自動車」及び「人の運送の用に供する小型自動車」であると解してお答えすれば、道路整備特別会計の支出で取得され、現在使用されている「工事用車両ではな い乗用自動車」の台数は、922台である。
これらの車両のうち、平成15年度に取得されたものの台数は、144台であるが、個別の車両の車種及び価格については、これらを調査し、整理した資料がないため、お答えすることは困難である。 これらの車両は、道路整備に関する業務を実施する上で必要なものであり、その取得に要した費用は、道路整備事業に要する費用に含まれると考える。

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4. 道路整備特別会計平成15年度予算において2.539台分の自動車重量税が計上されているが、これは国土交通省が保有する工事用車両等に係るものと聞 く。前述のように自動車重量税は一般財源として用いられる部分が大きいのだから、自動車重量税を納付する国民は二重の負担をしていることになる。国有財産 の性格のある自動車なのに自動車重量税を支払う必要があるのか。免税すべきではないのか。

4.についての回答
自動車重量税は、自動車の走行が社会的に多くの負担をもたらしていること等に着目して、広く自動車の使用者に対して負担を求めるという趣旨で課税されるものであり、国の使用する自動車といえども、一般の自動車と何ら変わりはない。

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5. 道路整備特別会計の支出で平成15年度に建設された国家公務員宿舎全体の戸数と、そのために支出された金額を示されたい。また、過去に道路整備特別会計の支出により建設され、現在も使用される国家公務員宿舎の戸数とそれに支出された金額を示されたい。
更に、公務員宿舎の建設のための経費が「道路整備事業に要する費用」に含まれると解釈する理由は何か。

5.についての回答
道路整備特別会計の支出で平成15年度に建設された宿舎(北海道開発局及び沖縄総合事務局に係るものを除く。以下同じ。)の戸数は9戸であり、その建設 に要した費用は約1億5,800百万円である。また、平成15年9月1日現在、道路整備特別会計で管理されている宿舎の戸数は6,679戸であるが、これ らの宿舎の建設に要した費用の総額については、把握していない。
これらの宿舎は、道路整備に関する業務に従事する職員が居住するためのものであり、その建設に要した費用は、道路整備事業に要する費用に含まれると考える。

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6. 道路整備特別会計予算書「庁費」の積算内訳にいう「職員厚生経費」の使途は何か。また、平成15年度決算において、「職員厚生経費」で支出した職員のレクリエーションに係る経費(体育大会の開催経費、物品の購入等)にはどのようなものがあるか。
また、これらの経費も「道路整備事業に要する費用」に含まれるとすれば理由は何か。

6.についての回答
お尋ねの「職員厚生経費」は、道路整備に関する業務に従事する職員の健康診断、レクリエーションの会場借料等に要する経費であり、道路整備事業に要する費用に含まれると考える。

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7. 道路整備特別会計の歳出には、以上のように道路整備事業に要する費用とは考えられない経費も含まれているが、歳出構造を改めるか、又は道路整備特別会計法を改正して歳出の根拠を明確にすべきと考えるが、どうか。

7.についての回答
前述のとおり、道路整備特別会計の歳出に「道路整備事業に要する費用とは考えられない経費も含まれている」との御指摘は、当たらないと考える。

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