中国の航空母艦建造計画と米国の対応に関する質問主意書
平成16年8月5日

米国の通信社「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」は本年5月12日付けのニュースとして、米海軍太平洋艦隊の司令官が中国海軍幹部に対して、米国は中国海軍の航空母艦建造を支援する用意がある旨の発言をしたという報道が、同社のホームページに掲載されている。

この報道については、去る6月19日の参議院外交防衛委員会において政府側の見解を質したところであるが、全く危機感に欠ける答弁が繰り返された。

中国海軍に航空母艦が配備されるとなれば我が国の安全保障に大きな脅威となるのであり、米国がそれを支援しようとするのであればその真意を含めた事実関係を充分に調査すべきである。

このような観点から、以下質問する。


1. 政府は、中国海軍の兵力をどのように把握しているか。また、今後どのように推移すると見ているか、明らかにされたい。

1.についての回答
中国海軍は、北海、東海及び南海の三個艦隊からなり、艦艇約780隻(うち潜水艦約60隻)、約107万トンを保有していると承知している。現在中国海軍の近代化が進められており、近年の国防費の増加傾向を踏まえると、その近代化は継続されるものと考えている。

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2. 政府は、中国海軍が航空母艦を持つとすると我が国の防衛にどのような影響があると考えるか。
また、それに対してどのような戦略的対応を行うのか、明らかにされたい。

2.についての回答
中国は、従来から、具体的な装備品の整備計画などについて明らかにしておらず、中国が実際に航空母艦を保有するかという点について確たることを申し上げることは困難であり、また、中国海軍が航空母艦を保有するという仮定の事実を前提とした質問にお答えすることは、無用の誤解を招くおそれがあるので、お答えは差し控えるが、中国は、核・ミサイル戦力や海・空軍力の近代化を推進するとともに、海洋における活動範囲の拡大等を図っており、このような動向には今後も注目していく必要があると考えている。

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3. 右報道の事実を政府は6月19日の外交防衛委員会より以前に把握していたか。
また、報道の事実関係については充分に調査すべきと考えるが、6月19日 の外交防衛委員会以降、米国政府への事実関係の照会等どのような対応を行ったか。米国政府に事実関係の照会を行っていないのであれば、その理由を明らかにされたい。

3.についての回答
御指摘の報道に係る事実については、本年6月19日より前から承知している。米国政府に対して、キーティング米国太平洋軍司令官の発言の趣旨について確認したところ、同発言は、航空母艦の開発に関し、中国を支援することを提案したものでは全くなく、仮に中国が航空母艦を開発することを選択した場合に生じる、開発することの複雑さや困難さ及び多額の費用並びにこのような計画が関係国に与える印象について強調することを意図したものである旨の回答を得ている。

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4. 政府は、中国と米国が軍事面で協力していくことは、我が国の安全保障にどのような影響を及ぼすと考えるか、政府の見解を明らかにされたい。

4.ついての回答
軍要人の相互訪問や海上共同捜索救難訓練の開催等の米中両国の軍事交流は、米中二国間の相互信頼の醸成等の観点から行われているものと承知しており、その意味においてアジア太平洋地域の安全保障環境の安定化のための努力の一環として行われていると考えている。

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