予算委員会 会議録
平成16年03月23日
片山 虎之助氏(委員長)

ただいまから予算委員会を再開いたします。休憩前に引き続き、平成16年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。関連質疑を許します。浅尾慶一郎君。

浅尾 慶一郎

民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。私は、政治家を志した最大の理由は、だれにでも何度でもチャンスがある社会を作っていきたいと、そういうことで政治家を志したわけでありますが、最近、少しずつでありますけれども、制度の方で失敗しても再起が図れるというものができてきたのはいいことだなというふうに思っておりますが、一方で、若い人たちと話をしていますと、なかなか将来に夢が持てない、希望が持てないというような話もございます。

実際にその国際的な比較調査をいたしますと、日本、アメリカ、タイの小学校の低学年では九割ぐらいの方が将来に希望があると。しかし、高校3年生になると、タイの方は9割、そしてアメリカの方は大体7割ぐらいが将来に希望があるということでありますが、残念ながら日本の高校生は3割ぐらいしか夢や希望があるという答えを出していただけないというのが今大変残念な状況なんではないかなと。理由はいろいろあると思いますが、一つの理由は、多分、政治がすべての人に対して少なくとも公平に接しているというふうに思えないというところにもあるんではないかなというふうに思います。

実は、昨日、仲間の人たちと話をしている中で笑い話にもならない話がありまして、これは何としても戒めていかなければいけないなという話がありました。総理はイギリスに留学をされておられますから、これはフランス語だそうでありますけれども、ノーブレスオブリージュという言葉があるのは御存じだと思います。しかし、今の若い人はなかなか仕事がないという中で年金の負担が上がっていくと、そのことを称してジョブレスオブリージュだということをその仲間の人間が言っていました。

こういうようなことを変えていかなければいけないということに関しまして、まず、今日、報道が幾つかされておりました。社会保険庁が年金の納付促進のために江角マキコさんという方を雇っておられたわけでありますが、私はこういった啓蒙活動よりも、むしろ、そういったお金を掛けてコマーシャルやるよりも、地道な努力、集めていただく努力が必要ではないかなというふうに思いますが、その点についてまず総理はどういうふうに思われますか。

小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)

広報については、私は専門家でありませんので、いろいろ工夫するようにということを指示しております。

同じお金を使うにしても、コマーシャルについて見てもらえるのと無視されるの、両方あると。なるほどなと、いいなと思うのと、そうでないのもあると。だから、そういう点はよく、役人で考えると余り見てもらえないから、もっと他の分野の専門家の知恵をかりていいものを作ってくれというふうに指示しておりますので、今回の国民年金のコマーシャルですか、私、残念ながら見たことないんですけれども、こういう点についても、今お話を聞きまして、もう一工夫あったなと、またよく注意すべき点もあったなと感じております。

浅尾 慶一郎

私は、コマーシャルをやるよりも先に、社会保険、特に年金についてはやるべきことが多いということで、具体的な質問に入らさしていただきますが、まず、現在までの国民年金の未納額、数字でお答えいただきたいと思います。

坂口 力氏(国務大臣)

現在までのというのはなかなか分かりにくいんですが、平成十四年度末、したがいましてこの二年間でございますが、それは約二・一兆円でございます。

浅尾 慶一郎

今日の報道にも少し出ておりましたけれども、その江角さんは2年分を追加で払われたと。しかし、2年よりさかのぼる部分については時効のため払わなかったということなんですが、国民年金は、これは国民すべてが、厚生年金とかその他に入っている人を除いて納める義務があるわけでありまして、納めていただいてない方に対しては当然時効の中断措置を取るべきだと思いますが、そうした措置は厚生労働省、取ってないんでしょうか。

坂口 力氏(国務大臣)

私も2年間という時効というのは少し短過ぎやしないかと。ほかの税制等に比較しても短いわけですので、もう2年過ぎてしまうと取れない、あるいはまた納められないというのは、少しこれは具合が悪いんではないかということを私も常々言っているところでございます。

浅尾 慶一郎

私の質問は、時効というのは督促をすれば中断がされるわけですから、そういう措置は取っているんですかという質問であります。

坂口 力氏(国務大臣)

したがいまして、2年間はやっているわけでございます。だから、2年を経過してしまえばそれはできないことになっているということでございます。

浅尾 慶一郎

どうも御理解いただいてないようなんですが、普通の債務がある場合に、払ってくださいといった段階でそれは時効が中断するということでありますから、そういう措置を取ってられるんでしょうか。

坂口 力氏(国務大臣)

今御指摘のように、督促状を出しました場合には時効が中断されます。それはそういうふうにいたしております。

浅尾 慶一郎

ですから、そういった措置は取っておられないということですね。

坂口 力氏(国務大臣)

ですから、措置を取っていないかどうかとおっしゃるんですか。

浅尾 慶一郎

そうそう。

坂口 力氏(国務大臣)

はい、取っておりません。

浅尾 慶一郎

総理、コマーシャルよりも私はそういう時効で、今時効に掛かってないものが2兆円だということですから、もっと多くの金額がもう既に失われてしまっていると。そっちの方がはるかに大事な問題だというふうに思いまして、したがって、江角さんを使うコマーシャルよりはそっちの方がいいんではないか、大事ではないかという趣旨の質問なんですが、その点についてどういうふうに思われますか。

小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)

そういう今まで払っていない人に対してどうやって払ってもらうか、時効も含めて再検討する余地があるなと思っております。

浅尾 慶一郎

多分、時効になってしまったものは、これは法律を、特例かなんか作らない限りは再検討というのはできないということになっておりますんで、そういう特例法、法改正も含めて、過去債務についてそういう法改正を考えられるという御趣旨の答弁ですか。

小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)

どうしたらば払っていない人に払っていただけるか、こういうことを考えるのに法律的な処置が必要だったら再検討すべきだと。それはよく専門家の皆さんの意見を聞いて、できることならできるだけ多くの人に保険料を払ってもらうような工夫をすべきだと私は思います。

浅尾 慶一郎

繰り返しになりますけれども、国民年金は義務でありますから、そういう措置を是非取っていただきたいというふうに思います。

次に、厚生年金。これは、5人以上の従業員を抱える事業所は加入の義務があるということでありますが、現在、厚生年金に加入している事業所は幾つであるかということと、実際に加入の義務がある事業所というのはどれぐらいあるんでしょうか。

坂口 力氏(国務大臣)

厚生年金に加入、いわゆる加入をしているのは、例えば平成14年度末でありますと163万か所でございます。しかし、加入手続をしていないところというのは、なかなか分かりにくいわけでございます。

浅尾 慶一郎

義務を負わせていて分からないというのは、大変言葉は悪いですけれども、無責任ではないかなというふうに思います。

私、類推ですけれども、国税庁が調べました全国の法人調査、これを調べますと大体280万ぐらい事業所があると。したがって、半分近い事業所が厚生年金においても、国民年金が4割未納であると、それも、しかも時効で、中断して、時効でなくなっちゃったものを除いて4割という数字に加えて、今申し上げましたように、厚生年金については半分近いものが入っていないと。

ですから、国民年金の問題、厚生年金の問題、コマーシャルをやるよりは、そういうものにしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思います。

そこで、年金について、年金の間にある不公平というものも、私は国民が持っている一つの大きな問題ではないかなというふうに思います。これは、合理的に制度の違いが説明できれば国民も理解をしていただけるのではないかなというふうに思いますが、まず、そのために一つパネルを使わせて説明をさせていただきたいと思いますが。(資料提示)

ここに、民間の企業の方が加入される厚生年金と、それから国家公務員、地方公務員の場合はまた別の数字が出てきますが、地方公務員の方が加入される公務員共済との比較をしております。

この赤でくくってある部分が民間と公務員との間の違いでありまして、どこが違うかといいますと、保険料収入というのは労使折半であります。ですから、ここは21兆787億円と1兆479億円で一緒、労使折半で一緒でありますが、しかしながら、追加で、民間の場合は5,000、ごめんなさい、国の場合は追加で5,187億円の国庫負担がある。これは同じような形で、比率は一緒ですが、負担が地方公務員においてもあります。

つまりは、民間の場合は一対一の負担であるにもかかわらず、公務員の場合は使用者側が一に対して、ごめんなさい、雇われている側が一に対して雇用者側が二負担していると。一対二の負担になっていると。これは大変な、見れば不公平だと思いますが、これが存在する何らかの合理的な説明はできるんでしょうか。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

今委員が御指摘ありましたのは、共済年金のその他の国庫負担金と言われる中の追加費用、これは恩給期間に係る国庫等の負担額の数字をお示しになったんだと思うんですが、これは平成15年度で5,187億円、お示しになったとおりであります。

こういうことがありますのは、元々昔の官吏制度の下では、恩給という形でこれは全額国庫負担で退職した後お払いするという形になっておりましたのを、要するに、共済年金システムと統合しますときに、従来の恩給、そういう経緯を引き継いで国庫で負担をしたということでございます。ちょうど昭和34年、ですから昭和34年におられた分はそのような国庫負担をしていると。同じ勤めている方でも、34年過ぎた分は共済年金の普通のシステムでやっているということになるわけですが、そういう経過システムとしてこのような制度が作られているということだと思います。

浅尾 慶一郎

財務大臣、御答弁いただきましたが、昭和34年の前の人のための制度だということでありますが、昭和34年というのは1959年ですから、45年前になるんですか、45年前の制度だと。そうすると、45年間掛かっていまだに民間は一対一、そして公務員の方は一対二の負担というのは、余りに時間が掛かり過ぎているんじゃないかと思いますが、その点について、総理はどういうふうに思われますでしょうか。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

これは、丸々恩給制度の下におられた方というのはもうほとんど残っておられないと思いますが、まだ、例えば昭和33年に公務員になられたような方は1年間適用されて、もう退職されている方がほとんどだと思いますが、そういう形で、現在では、いわゆる恩給部分というのはそういう形で非常に少なくなっているのが現実ではないかと思いますので、過渡期の制度としてもだんだん、何というんでしょうか、役割を果たしつつあるというふうに私は思います。

浅尾 慶一郎

今、非常に少なくなっているということで、繰り返しで恐縮ですが、しかし一対二であると。つまりは、自分が負担する額の倍になるぐらい国や地方自治体が負担していただいているというのは、言葉として非常に少ないという言葉は、私はその言葉は、多分民間で働いている人からすれば大変な憤りを覚える言葉ではないかなと。ですから、非常に少ないと、しかし、例えば今、昭和33年ということをおっしゃいました。1年間いられた方、そのための、ためだけに一対二あるというのは余りに金額が多いんではないかなというふうに思います。

こういったものをそのままにしておいて、そして厚生年金の保険料を今年の10月から毎年毎年14回にわたって引き上げていくというのは、私は国民の理解は得られないというふうに思いますが、その点について総理はどういうふうに思われますでしょうか。

小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)

今回の案は負担と給付の数字をはっきりと打ち出したわけでありますが、制度間の問題、いろいろいきさつもあります。それから既得権もあります。期待権もあります。そういう点で、制度を全部一元化しようという努力も必要だと思いますが、これについては今回の法案を通した後でも十分協議、検討する価値はあると思っております。

浅尾 慶一郎

制度間の問題ということをおっしゃいました。制度間の問題であるということもあるかもしれませんが、しかし合計で1兆8,000億円、国と地方を合わせますと1兆8,000億円ですから、消費税の0.7%分ぐらいですか、のお金が使われているということは大変大きな金額ではないかなというふうに思います。そのことを、民間の人も含めてみんなで負担するというのは少し、冒頭申し上げた公平性ということからいうと、不公平ではないかと私は少なくとも思います。

しかし、ここでそのことを議論しても多分深まりませんので、もう一点、不公平だと私が考えるものについて申し上げさせていただきたいと思います。

公務員の退職金というものについて調べさせていただきました。退職金は民間企業の退職金と比較をするということでありまして、数字だけを申し上げますと、民間の退職金が2,790万円と、これはかなり高く出ているんだと思いますが、2,790万円。それに対して、公務員の退職金が2,948万円であると。したがって余り違いがないというのが事前に質問をした際の国の御答弁でありました。

しかし、その退職金の中身を調べてみましたら、民間の方は実は企業年金と言われるものも含めて先ほど申し上げました2,790万円であると。そして、公務員の方は、今申し上げた共済年金というところには職域加算というものも含まれていますから、それが別に出ていると。別に出ているけれども企業年金を含めた民間の分と比較をしているというのはおかしいのではないかと思いますが、まず実態について、大臣、御答弁いただけますでしょうか。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

今のは給付水準の実態…。

浅尾 慶一郎

調査の実態ですね。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

あっ、調査の実態……

浅尾 慶一郎

総務大臣ですね。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

あっ、総務大臣、済みません。

麻生 太郎氏(国務大臣)

給付水準の話ですね、済みません。民間企業の企業年金というものに関しましては、御存じのようにこれは退職金の一時金というのの代替部分ということになっておるんだと思いますが、退職金制度の一環として作動しているということなんだと思いますが、実態調査におきまして、退職金に当たる、退職金に相当する企業年金のいわゆる企業負担分の対象も含めて計算しないといかぬところだと思いますが、国家公務員の退職手当の基準に入れておりますので、今の言われた額になってきているのだと思っております。

そこで、基本的にはこれは、国家公務員共済年金のいわゆる職域加算分というものにつきましては、いろいろ身分上の制約というのは、労働基本権なんというものがいろいろ制約されている等々がありますので、そういった意味では、なに、ほかにも守秘義務やらいろいろあるんですが、そういった意味で、こういったことから労使折半の負担による公的年金制度の一部として受けられたものであり、退職手当とは別の性格のものというそもそもの位置付けになっているというのだと思っております。

したがいまして、共済年金の職域加算分につきましては、退職金の官民比較の対象には余りなじまないのではないかというのが見解です。

浅尾 慶一郎

麻生大臣は御自分でもかつて企業を経営されておられました。御自身で経営されたときにその企業年金というものも御自身の会社にあったかもしれません。しかし、それはもし一時金で払われた場合に、年金は更に付加して払っておられましたか。

麻生 太郎氏(国務大臣)

労務を担当しておりませんので、直接全部労務担当常務がやっておりましたんで、私はちょっとそこまで、細目詳しくありません。

浅尾 慶一郎

今テレビ見ておられる方もいらっしゃるので、少し分かりやすく説明をさせていただきますと、民間の場合は、いわゆる退職金と、そして退職後に年金として受け取ることが選択できる制度としての企業年金、これを希望すれば一時金としてもらえるものというものを合算して、先ほど申し上げました2,790万円というのが民間の数字であります。大体これは4割ぐらいがいわゆる企業年金ですから、毎年、あるいは毎月毎月いただける年金としてもらうか、あるいは一時金として受け取る。そして残りが、6割ぐらいが退職の一時金というのが民間の制度であります。

そして、それに対しまして、先ほど申し上げました2,948万円という公務員の退職金は、これはすべて一時金であります。先ほどの麻生大臣の御答弁ですと、公務員の場合は、守秘義務とかあるいは様々な労働三権の制約とかそういうものがあるから、その分民間よりも高くてもいいんではないかと。

ですから、単純比較いたしますと、民間分が大体1,500万だといたしますと、1,500万円分ぐらい民間より高くてもいいんだという、その対価が、守秘義務とか労働三権の制約に対する対価が1,500百万円だという、多分趣旨の御答弁だと思いますが、そういう理解でよろしゅうございますか。

麻生 太郎氏(国務大臣)

その1,500万という額が適切かどうかは別にして、基本的な考え方としてはそういう考え方だと存じます。

浅尾 慶一郎

私は、後ほど申し上げますが、労働三権というものについてもしっかりとむしろ公務員に付与した上で、民間とイコールフッティングの条件にした方が、先ほど来申し上げていますように、だれかが得をしていると思われない、そういう社会になるんじゃないかなというふうに思います。

ちなみに、具体的な数字をそれぞれお答えいただきたいんですが、今申し上げましたように、約4割、支給された退職金の総額の4割が民間でいうところの企業年金だということになりますと、具体的な金額は国で幾ら、地方で幾らでございましょうか。

麻生 太郎氏(国務大臣)

地方公務員の退職手当の支給総額及び退職職員数につきましては、平成13年度中に支給されました一般職の全地方公務員の退職手当金の支給状況につきましては、手当総額2兆3,734億1,258万3,000千円、職員数につきましては14万4,442名ということになっております。

国家公務員の退職手当の予算に関しましては、各府省が要求を行い、財務省の査定を経て決定されるものでありまして、総務省の予算要求には全然関連をしていないんですが、国家公務員の退職手当の受給者数及び支給の総額につきましては、平成十二年度の実績しかありませんが、受給者数約8万3,600人、支給総額で8,159億円となっているところだそうです。

浅尾 慶一郎

先ほど共済年金について国庫負担が民間の厚生年金とは同じ条件になっていないという話を申し上げました。今の退職金についても、必ずしもリンゴとリンゴを比べているわけではなくて、リンゴとミカンを比べるような調査をした上で、そしてその退職金を算定しているということに問題があるんではないかなと私自身は思っております。

今の共済の国庫負担の追加部分と退職金の四割を仮に民間にないものとして計算いたしますと、大体2兆6,000億円弱になると。今、基礎年金の追加、1/3から1/2に追加しようというお金と大体それで合致するわけでありますから、そのすべてを使えと、過去のいろんな経緯もありますからすべてを使えということは言いませんけれども、そういったようなものについてもしっかりと踏み込んでいくということこそが聖域なき構造改革なんじゃないかなと私は思いますが、総理はどういうふうに思われますか。そういう、どういうふうに思うかということですから。

小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)

公務員なり民間なり、それぞれ給与というのは、まず国民が就職する際に大変関心のあるところだと思います。公務員の給与については、やっぱり人事院勧告等、民間に準拠する。また、職業の特徴柄、やっぱり公僕としての使命感、いろいろ制約もあると思います。

多い少ない、議論はあると思いますが、制度そのもの、また仕事柄いろいろ議論されて、こうした方がいい、ああした方がいいというのは私は結構だと思います。

浅尾 慶一郎

私は、今申し上げましたように、別に高い、合理的な説明が、多くの人が納得できたということであれば、それはいいと思いますが、しかし、先ほど申し上げましたように、年金制度については、民間では本人の負担が一、そしてそれに対して使用者側が一なのに対して、公務員の場合は一対二になっていると。あるいはまた、退職金についても、本来は年金で支給されるものも、民間では年金で支給されるものも含めてそれを退職金だといってその額を支給していると。そういうのを足すと2兆6,000億になりますという話をいたしましたが、それに対して、その全部とは言いませんということも申し上げたんですが、踏み込んでいくというのが私は本当の意味での聖域を作らない構造改革ではないかなというふうに思います。

次に、今給料という話がありました。いろいろ関連して調べたら、なかなかこれは民間ではあり得ないようなこともあったので、それも質問をさせていただきますが、国家公務員は給与法第八条第六項で、職員がある号俸を受けてから1年以上を良好な成績で勤務したとき、一号俸上位の号俸に昇給すると、この良好な成績というのはどういう成績でしょうか。

中島 忠能氏(政府特別補佐人)

簡潔に申し上げますと、通常程度に満足に勤務をした場合ということでございます。

浅尾 慶一郎

今、通常程度に満足に勤務した場合という御答弁でしたが、この通常程度というものを調べてみますと、有給休暇を除いてですよ、有給休暇を除いて年間で40日以上欠勤がない場合、それを評して通常程度に満足に勤務した場合というふうに定義されていると聞いていますが、そういうことでよろしいですか。

中島 忠能氏(政府特別補佐人)

40日以上休むと定期昇給する資格はない。したがって、それ以下の場合に定期昇給するということではないということです。必ずしもそうではない、やはり良好な成績でなければならないと。

浅尾 慶一郎

今は、40日以上休むと、その有給休暇を除いて40日以上休むと昇給はしないと、しかし40日は休んでいないけれども昇給をしないケースがあるという答弁ですか。

中島 忠能氏(政府特別補佐人)

そのように理解していただいて結構ですが、申し上げましたように、良好な成績でなければならないということです。

浅尾 慶一郎

良好な成績の具体的な定義を言っていただいていないんで、事前に、人事院の方の御説明では、40日以上休んだ場合には昇給しませんと、したがって良好な成績というのは40日以内の欠勤だという説明でありましたので、これ以上ここで時間掛けても時間の無駄ですから、後ほど、別途いただければと思います。

しかし、一言だけ申し上げさせていただきたいのは、有給休暇を除いて40日以下の休みだったら昇給するという民間の会社は多分ないんではないかなと、そのことだけは申し上げさせていただきたいと思います。

それから、次に勤務時間について御説明をさせていただきますが、勤務時間の中に、よく分かりにくいんですけれども、休憩時間というものと休息時間というものがありまして、休憩時間はいわゆる無給の時間と、労働基準法に定めるところの職務を命じてはいけない時間ということになっておりまして、そして休息時間は有給の時間でありますと、何か事があれば職務を命じてもいいという時間だそうでありますが、問題は、かなり多くの自治体で、まず国家公務員の場合はほぼすべての、すべての国家公務員がお昼休みに休息時間を取っています。つまりは、どこか外に出掛けてしまったら何かを命じようと思っても命じることができないと。

省庁によっては、この有給じゃなくて、無給の部分を15分にしていると。つまり、本来はお昼を15分で食べてなきゃいけないんですけれども、残り30分くっ付けて45分で昼休みを取っている省庁もあるということでありますが、休憩、ごめんなさい、休憩と休息が余りにも似ているので、休息というその有給の時間は勤務時間中の軽度の疲労から回復するためにということですから、昼休みに入れるということは、本当は勤務時間中の軽度の疲労を回復することにはつながらないんじゃないかなと。つまりは、お茶を飲んだり、最近は禁煙も増えていますが、たばこを勤務時間中に吸ったりする時間に休息時間を充てるのがふさわしいんではないかなというふうに思いますが、この点について、この運用について、どの大臣が答弁者として適切か分かりませんが、お答えいただけますでしょうか。

谷垣 禎一氏(国務大臣)

財務省の場合でお話をいたしますと、御指摘のように、財務省では12時半から12時45分まで15分間を無給のこの休憩時間の方に充てております。それから、休憩時間の前後15分ずつを有給の休息時間にしている、つまり12時15分から一時までがいわゆる昼休みということになっているわけです。

それで、委員が指摘されましたように、休息時間では、有給の方の休息時間では、つまり前後の15分ずつですけれども、職務専念義務というのは免除されているわけです。その間は、職務専念義務というのは、休憩時間ですから、休息、ちょっと待ってください、休息時間ですから免除されているわけですが、免除されているわけですが、その間は必要に応じて勤務を命じることもできるとなっておりまして、財務省では、それぞれの部署で、その休息時間を含む昼休みの時間帯にも、例えば必要に応じて外部からの照会に応ずるとか執務を遂行するというような形で運用しているわけです。

浅尾 慶一郎

もう一度このパネルを使わせていただきますが、一部の自治体においては、一番下のところを見ていただきたいんですが、昼休み12時から一時までになっていますと。しかしながら45分は、ちなみに、地方公務員の方々は労働基準法というものの適用を受けますから45分間の休憩時間を取らなければいけないということに法律が書いています。国家公務員の方は、なぜか労働基準法の適用を受けなくていいということなんで15分間の休憩時間でもいいということなんですけれども。一部の自治体では、休憩時間が45分でありながら、なおかつそのうちの15分は休息時間でもあると。これは、この時間はどっちの時間でしょうか。厚生労働大臣、基準法を所管するところでお答えいただきたいと思うんですけれども。

坂口 力氏(国務大臣)

地方自治体のことを私もちょっとよく分かりませんが、この休息ですね、休息時間といいますのは、これは一応待機をしていなきゃいけない、命令の届く範囲内のところにいなきゃならないということでございますので、いわゆる休憩時間45分ある、それに対してプラスして取っているということでございましょうけれども、本当は休息時間というのは、例えば3時から少し体操をするとか、そうしたことの方が休息時間だと私は思っておる。

浅尾 慶一郎

今の大臣が言われたのが正に多分休息時間を正しく理解することでありまして、10時なら10時、3時なら3時に15分間体操をするなり、体操できないときは仕事をすると、それが正しい休息時間の運用だと思います。

しかしながら、今自治体でも国でもその分を昼休みに入れることによって早く、実際に早く帰っているかどうかは別として、早く終わると、そういう仕組みを作っているわけでありまして、麻生総務大臣所管の地方自治体について伺いたいと思いますが、もっと分かりやすい自治体は始まりの時間とか終わりの時間にこの休息時間を付けていて、実際早く帰れちゃうと、そういう自治体がありますが、どれぐらい数があるかお答えいただけますか。

麻生 太郎氏(国務大臣)

知っていて聞いておられるのかどうかは知らない、神奈川県に物すごく多いんですよね。だから聞いておられるのだと思いますが、数をお知りになりたいようでございますのでお答えをさせていただければ、今、地方により種々運用の仕方に多々問題ありというのであれば、基本的には県で2団体、神奈川県はその一つです。それから、市で12団体のうち9市が神奈川県。そして、町村におきましては14団体、そのうち11が神奈川県ということになっております。

浅尾 慶一郎

今お答えいただいたのは、多分その真ん中、お昼休みに入れていると、これも先ほど大臣、坂口大臣お答えいただいたように、その本来の趣旨と外れていると。しかし、同じように本来と趣旨と外れているのは、始まりの時間に休息時間をくっ付けるか、終わりの時間に休息時間をくっ付けて、早く帰るか遅く来るか、それができる自治体はどれぐらいありますか。

麻生 太郎氏(国務大臣)

御指摘のように、今申し上げたのはちょうど真ん中の部分で、最初のところに付いております、休息時間を開始直後に置いてある団体は60団体、そして終了直前に置いておりますところが738団体あると承知しております。

浅尾 慶一郎

つまり、終了直前とか昼休みとか開始前に入れているというのは、実際は働いていないわけですよ。先に帰っちゃうとか遅く来るとか、そういうことでありまして、であれば、その休息時間というのは本来の趣旨から外れているんだから、やめるか、あるいは十時、三時に体操の時間を設けるかということだと思いますが、実際に民間企業を調べたら、こうした休息時間、有給の休み時間を持っている企業というのは、少なくとも自治体の事務職に相当する職種においてはほとんどない。国家公務員においてもほとんどない。

ですから、こういうものを、15分とか30分ってごくごく短い時間だというふうに思われますけれども、これ、総人件費の8時間以内の時間に掛けても1兆円ぐらいのお金になるわけですよ。ですから、こういうのをやめるだけでもかなりの、先ほど2兆6,000億というお話を申し上げましたが、これで1兆円ぐらいのお金になると。こういうところに切り込んでいくというのが本当の意味での聖域なき構造改革だと思いますが、どうですか、総理、総理。

小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)

いや、どしどし改善の余地ありそうですね。組合の皆さんは猛反発しそうだけれども、いい提案ですよ。

浅尾 慶一郎

今、組合の皆さん猛反発されるというお話をされました。私は、組合の皆さんはしっかりと組合の立場で主張をされるべきだと思います。それを、先ほど麻生総務大臣は労働三権が制限されていると。だから私は、これは労働三権をしっかりと与えた上で、政府が責任を持って交渉をすべき課題だと思いますが、労働三権を与える用意はありますか、総理。

麻生 太郎氏(国務大臣)

労働三権関係ない話だと思いますけれども、これは厚生労働省かなと思わないでもありませんけれども、今労働三権という、簡単に言われますけれども、これは団体締結権と交渉権と争議権といろいろありますので、三権と一概に言われますけれども、それちょっと定義を分けていただかないと、中はばらばらですから。

浅尾 慶一郎

私の質問の趣旨は、総理が、組合の皆さん猛反発されますと、しかしいい提案だからどしどしやってみたいと、しかし何か一方で、組合の皆さんが活動できる権利を制限しておいてどんどんやるというのはこれは不公平だと。冒頭申し上げましたように、公平なベースの上で交渉するというのが私は今この日本の社会において求められているんではないかと、求められているというふうに思います。

ですから、総理としてそういうふうにおっしゃるんであれば、一方の労働三権を付与される用意があるかどうか、そのことを伺って─総理です、総理、総理、総理、総理、総理です。総理、総理、総理です。

麻生 太郎氏(国務大臣)

公務員の労働基本権というものにつきましては、これは御存じのように特殊性やら、先ほど申し上げた、いろいろありますんで、現行の制約というのはそういうのを前提にしてなされておりますんで、労働三権と言われる、いわゆる通常労働三権、三つをそのまま今完全に付与するというのは今の状況では困難ではないかと思っております。

浅尾 慶一郎

一方で、提案はどしどしやって、でも組合の人が反発するでしょうと、しかし一方で労働三権は与えないというのは、繰り返しになりますが、これは不公平だというふうに申し上げたいと思います。

そこで、次に、私何回かこうした問題について取上げをさしていただきました。その過程で、国家公務員法に照らして守秘義務というものもあるんではないかという事案にも遭遇をいたしました。

去年の六月の九日、このメールは6月6日付けになっていますが、6月の9日の日の参議院の本会議におきまして公務員の実態についての質問をさしていただきました。その中でも労働三権のことについては触れさしていただきましたが、こうしたメールをいただきました。

私は、私の主張に対して反対をされる方が多いということはよく承知をしております。しかしそれは、その反対というのは主張をしっかりと公の場でした後に反対をされるというのが正当な反対をする行為ではないかなというふうに思いますが、この質問、このメールは私が質問をする前、前の日の金曜日に私あてに送り付けられたメールであります。

そこで、このメールについて、そもそも質問をする前という段階ではその職員は職務上知り得た秘密に当たるんではないかと。この職務上知り得た秘密をもってこのメールを、これ私個人に来たわけではありませんで、私の事務所に来ました。事務所に来たということはだれが見るか分からない。事務所の職員は少なくとも全員見れる。そういうものを送り付けるということは、職務上の秘密に当たるんではないかなと思いますが、まず一般論として、国家公務員法上の守秘義務、秘密というものは何に、どういうものでしょうか、お伺いさせていただきます。

麻生 太郎氏(国務大臣)

今いただきました件でありますけれども、国家公務員法百条の第一項に規定する守秘義務という対象になる秘密につきましては、一般論として言えば、これは非公知の事項でありまして、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるものと解されております。

また、個別具体例の事実につきましては、守秘義務違反に当たるかどうかについては、これちょっと各府省でやっていただかねばいかぬところだと思いますんで、これまでの今調査につきまして、私も先ほど内容は伺ったんですが、去年でしたですかね、この話は。だそうですけれども、この調査では行為者の特定が今できないので、現時点では守秘義務違反であるか否かは直ちに即断はしかねないということになっておるというように理解をしております。

浅尾 慶一郎

行為者の特定ができないから守秘義務違反かどうかの断定ができないという答弁でありましたが、行為者の特定をするということがまず内閣として求められているんではないかというふうに思います。つまりは秘密、まだ公知になっていないものについて漏らしたというのは明らかに国家公務員法の守秘義務に反するということだと思いますが、その点についての御答弁をお願いします。

麻生 太郎氏(国務大臣)

この点につきましては、個人的な意見を基に、しかも匿名で国会議員に対して事前に質問の自粛を求めるといったような行動は、これはもう適切でないことははっきりしております。そういった意味では事実、事実でしょうから、これは甚だ遺憾な事態だと理解をいたしております。

浅尾 慶一郎

私が政府から本件について説明をいただいておりますのは、これを、メールを送ったその業者に問い合わせをしたところ、しっかりとした国家公務員法の守秘義務というような法律違反である、告発を受けた場合には調査をしますと。しかし、単なる問い合わせということに関しては個人情報保護の観点もありお答えできないという返答をその業者はしております。

私は、その業者の返答は正しいと思います。ですから、今問われているのは、政府として守秘義務違反で告発をする用意があるかどうか、その点でありますが、いかがですか。

麻生 太郎氏(国務大臣)

今ちょっと即答いたしかねますので、この問題、問題ちょっと、今正直なところ昨年の経緯も余り詳しくありませんのでちょっと即答いたしかねますが、今特定をできるということなんであれば、告発すべきか否かにつきまして改めて返答いたします。

片山 虎之助氏(委員長)

浅尾慶一郎君、手短にひとつ。

浅尾 慶一郎

時間が参りましたので、事案については質問通告もいたしておりますので、是非しっかりと対応していただきたいと、このことを申し上げて、終わります。



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