- 浅尾 慶一郎
引き続きまして、神奈川対決ということを言われるのかもしれませんが、小泉総理が、民主党を私は敵と思っていないというふうに言われたことに対して、大変失礼ですけれども、私も小泉総理を敵と思っておりません。むしろ、小泉総理の示しておられます改革の姿勢に大いに期待をしたいと思っておりまして、きょうは具体的に改革の提言をさせていただきますので、それについてイエス、ノーとはっきりとお答えいただきたいと、こういうふうに思っております。
まず、政治面の構造改革ということもおっしゃっておられます。首相公選制ということも考えてみたいというふうに言っておられます。私も、同じ参議院の山本議員とともに、昨年、中央公論に首相公選制の手続について発表をさせていただきました。しかし、首相公選制というのはなかなか難しい。今の現行憲法の中ですぐにできることが、しかしあります。それは何かというと、1票の格差をなくすことです。総理、その点についてどうでしょうか。
今、1票の格差が大体衆議院で2.5倍だと思いますが、参議院に至りますと1対5ぐらいになってしまう。私は、日本全国どこに住んでいてもやはり1票は1票でないとこれは公平な社会じゃないと思いますが、その点の考え方について、どのように思われますか。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
選挙制度に関しては国々によって違うと思いますが、基準をはっきりすべきだと思うんです。アメリカみたいに下院は人口基準、上院はどんな小さな州、人口の多寡にかかわらず一州から2人、3年ごとに1人ずつという基準ならそれでいい。人口論。
しかし、日本の場合は、衆議院の場合は人口基準です。参議院の場合がこれまた非常にあいまいだと。地域性もあるし、なおかつ人口も加味しているというようなこうはっきりとした基準でない。そこで、参議院の人口の1票の格差の問題と衆議院の1票の格差の問題とは若干違ってくると思っております。
衆議院の場合においては、私は、人口基準ですから、少なくとも2倍以内におさめるべきだと思っております。
- 浅尾 慶一郎
確かに参議院については、予算については衆議院に先議権がありますし、首相は衆議院が選ぶという形になっていますから、これは1票が多少格差があってもいいという議論もあるかもしれません。しかしながら、予算関連法案についてはこれはやはり参議院で否決することもできるということを考えると、ここも憲法改正伴う議論かもしれないけれども、どちらかにするかという意味では基準をはっきりしていくべきだというふうに私は思っています。
そこで、衆議院については人口基準でやるべきだというふうにおっしゃいました。二倍以内というのは最高裁がそういうふうに言っているだけであって、本来は1対1にすべきだと思います。衆議院がなぜ1対1にならないかというと、47都道府県に1議席が自動的に配分されているその制度が私はおかしいんじゃないかなと思っていまして、実は、47都道府県に自動的に配分されるという条項をなくす法案を私ども民主党は用意しておりますが、その法案に賛成される意思はありますでしょうか。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
この現行制度に関しての格差の是正は審議会で今やっていられるんじゃないですか。私は、この制度改革の場合は、当初、この小選挙区比例代表制に変えるときに党内で議論したことがあります。中選挙区で1票の格差を是正すればいいじゃないかということを言っていました。
しかし、今回、小選挙区比例代表制になった、どこを改正すべきかと。私は、1票の格差を是正する意味において、むしろ各県に一人割り当てるというよりは全国的な観点から1票の格差を素直に是正していく方法の方が好ましいと思っております。
- 浅尾 慶一郎
今、総理が言われた区割り審議会ですか、そこは現行の47都道府県に一議席配分されるという前提でもって区割りを考えておりますから、現行の法律の47割り振るというところを削除すれば自動的に300の小選挙区が各県に人口比例で配分されるという形になりますので、私のお聞きしたのは削減するという一文ですから、その法案が出てきたら、今のお答えですと多分賛成していただけるんじゃないかなというふうに思いますが、そういう理解でよろしいですか。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
それはいろいろ党内の議論がありますし、自民党員として党内議論も見きわめながら判断しなきゃいかぬと思っております。
- 浅尾 慶一郎
総理の考え方としてはそういう理解、そういう1票の格差をなくすべきだというふうに私は理解いたします。
今、ちょうど席を外されているのであれなんですが、戻ってこられたら竹中大臣に実は同じ問題で、東京財団という彼が理事長をしていたところで同じようなことを発表しておりましたので、後ほど戻ってこられたらそのことは聞こうと思います。
そこで、郵政事業の民営化について伺っていきたいというふうに思いますが、総理は所信表明の中で、旧郵政省のわけのわからない理屈は、私の小泉内閣においては通じないというふうにおっしゃいました。そのことを実はきょうお越しの片山総務大臣に総務委員会で、実際に旧郵政省、そういうことはあったんですかと伺いましたところ、それに対して、これは片山総務大臣の発言でありますが、いや、これは総理一流の御表現だと思いますけれども、意図的に妨害したということは私はないと思っておりますというふうにおっしゃっておりました。
しかし、総理の所信表明を読むと、やはり何かそういうわけのわからない理屈をもって民間の参入を妨害したと今でも思っておられますか。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
本会議の答弁で、商品券は民間企業が配達してもいいが、地域振興券は民間企業が配達しちゃいかぬというわけのわからない論理は、私の内閣では通用しないと言ったはずであります。今でもそう思っております。
- 浅尾 慶一郎
そうすると、片山総務大臣おられますが、総務大臣の発言とは若干違うように思いますが、総務大臣いかがですか。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
この問題は衆議院の予算委員会でもお答えしましたし、過日の参議院の総務委員会でもお答えしましたが、信書というのは、これは郵便局しかやれないと。何が信書かというのは、これは法律にはっきり書いてないんですね。そこで、今までの解釈あるいは判例の援用では、信書というのは文書性と特定性がなきゃいかぬと。特定の人に対して自分の意思だとか情報の連絡をするのが信書だと。
そこで、地域振興券は特定性があるという判断だったと思うんです。だからこれは信書だ、だから郵便局だと。商品券は信書でないからどうぞと。こういうことだったんですが、そこの解釈については議論があるので、総理のお考えは、民間にできるものはできるだけ民間に、もっと国民にわかりやすくしろと、こういうことですから、この問題を含めていずれ郵便事業の民間参入の結論を出すんですから、早急に。その中でしっかり対応しますと、こういうふうに申し上げたので、いささかの相違もございません。
- 浅尾 慶一郎
非常に相違があるように私には聞こえました。
そこで、具体的に伺ってまいりますが、今まさに信書は郵便事業でなければいかぬというふうに言われましたが、これはどういう理由で信書の配達は郵便が独占しているんですか、経済的な理由ですか、それとも信書の自由を守るための理由ですか。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
それは経済的な理由もあるでしょうね。できるだけ安く、公平にあまねくと、こういうことですよね、旧郵政省の好きな、それと信書の秘密もあるでしょう。そういうことで、そういう解釈、判例もあるんですよ。
- 浅尾 慶一郎
まず、信書の自由について私はこれは見解を異にしまして、なぜかというと、今特定の人に送るものを信書だと言われましたが、電子メール、これは信書に該当しないわけであります。電子メールの配達を郵政省が独占しているわけでも何でもないわけでありまして、これはいろんな電話会社が電子メールを送っている。それが通るというのだったら別に信書の自由、民間が入っても構わないんじゃないかなと思いますが、総理いかがですか。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
その点のことについては私と意見は共通していますね。しかし、今までこういうことを言うと変人扱いされたんですよ。だからおかしいと、国会。全政党がこの問題を問題にしなかった方がおかしいと、私の内閣になったからこれは問題にすると。今まで変えなかったのを変えると言っているんです。だから、片山大臣も今まではこの問題はタブーで触れなかったけれども、これからは検討しようと言っているんだから、それでいいと思うんです。
- 浅尾 慶一郎
そうすると、片山大臣はこれからは信書の配達については別に自由という面に関しては検討できるという理解でよろしいですか。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
先ほど言いましたように、いずれにせよ、民間参入ということをこれから議論するわけですから、信書の範囲、あり方について検討いたしますし、しっかりした答えを出します。
- 浅尾 慶一郎
余り答弁かみ合っていないように思うんですけれども、もう少し具体的にじゃ聞いてまいりましょう。
信書の自由についてはまあそういうことだと、じゃ次に、信書の秘密を守らなきゃいけないということに関しては、今のような理屈だと思いますので民間が入っても私は大丈夫だと思って、総理も多分同じ意見だというふうにおっしゃっていただきました。
経済的理由についても、これはそれが成り立つかどうか、しっかりと考えればいいというふうに思いますが、その点について総理の御意見を伺います。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
経済的に成り立つかともかく、私は民間ができることをなぜやらしちゃいけないのかという観点なんです。
信書の秘密を守らなきゃいかぬと言っているけれども、先ほど言ったように、ファクスだって特定の人に与えるんですよ。これは民間でやっているんですよ。クレジットカードだって、いつか旧郵政省はいちゃもんをつけてきましたよ、民間がやっちゃいかぬと。これは実におかしいと。民間にできることは民間にやらせていいと言っていながら、これだけはどうしていけないのかということから常に疑問を呈していたんだけれども、全然一顧だにしなかった。ようやく私が総理大臣になったから考え出したわけでしょう。これは大きな変化ですよ。
- 浅尾 慶一郎
どうも総理の考えと総務大臣の考え、違うんですが、総務大臣に聞くとまたいろいろとわけのわからない、理屈というと失礼ですけれども、御答弁になる可能性があるので聞きませんが、もう少し具体的にわかりやすい例で申し上げてまいりますが、もう一つ、これもかつて総務委員会の中でいろいろと御議論させていただきました。郵便貯金の地方公共団体に対する預け入れ限度額については、これは上限がありません。来年の四月からペイオフが解禁となりますと、例えば私がおります横浜市、大体預金を相当持っているというふうに聞いております。小学校のPTAの積立金などを全部名寄せして横浜市のお金だということになりまして、平時で多分100億円、あるいはもっと大きいお金があるかもしれない。これをどこかの銀行に預けておくと、仮にその銀行が破綻すると1,000万円しか戻ってこない、しかし郵便局に預ければ全額保護されてしまうという状況が現にあります。
しかし、郵便貯金の預け入れ限度額、普通の個人であれば1,000万円であります。あるいは法人もそうだと思いますが、なぜそうした地方公共団体だけ限度額を設けていないのかということが一つあると思いますが、もっと根本的に考えると、競争条件を一緒にするということであれば、今からでも法改正をして、すべての団体が郵便局に預け入れる場合には1,000万円しか預けられませんよと、あるいは1,000万円までしか保証しませんよというふうにしないと、国が保証するのにそごが出るんじゃないかなと思いますが、総理大臣、その点いかに思いますか。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
そういう問題も含めて検討していかなきゃいけないと思います。民間と郵便局とどういう問題点があるか、公平性の確保の観点からどういう問題があるかということは、今の御指摘も踏まえて検討していく課題だと思っております。
- 浅尾 慶一郎
検討して、やらない場合というのは、どういう場合がありますか。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
いや、私はむしろ郵政民営化論者ですから、そのときにはそういう議論が出てくるでしょう、私はそっちに賛成するでしょう。しかし、これから議論するんですから、これから郵政三事業のあり方に関する懇談会を設けますから、その中で議論してもらいたいと思います。
- 浅尾 慶一郎
しかし、民営化は公社化移行後の話でありまして、ペイオフはもう既に来年の話でありますから、それまでに競争のイコールフッティングということを整えておかなければいけないと思いますが、その点について、総理、いかがですか。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
地方団体等の公共法人については、限度額を設けていないんですよ。それは言われるとおりなんですね。いろんな考え方があると思いますが、現在の地方団体の資金運用状況を見ますと、指定金融機関というのがあるでしょう、指定金融機関。それは指定代理、収納代理。それで指定金融機関がほとんど扱っているんです。だから、郵便局に預金が滞留するとかなんということはほとんどないんで、そこの実態があるということは御承知いただきたい。
それから、今、総理が言われているのは、再来年中に公社化するわけですから、その公社の制度設計はことしじゅうにしなきゃいけません。その公社化のあり方の中で今のことはしっかりと検討して結論を出していきたい、こういうことですから、先の話じゃありませんね。
- 浅尾 慶一郎
来年の4月1日からはペイオフが発動されます。(発言する者あり)
- 岡野 裕氏(委員長)
質疑者以外は御発言を禁止します。
- 浅尾 慶一郎
来年の4月1日からペイオフ解禁になります。そのときに、今はもしかしたら預けていないかもしれない。しかし、自治体の中においては、やっぱり地方自治法において、住民請求によって仮に損害が出たらそれを請求できるような仕組みができておるわけでありますから、そうしたら、もうそれを郵便局に預けかえちゃうところが出てきてもおかしくないし、私が自治体の収入役なりなんなりそういう役であれば、そういうふうに考えて住民の預金を守るというのが多分正しい選択だと思うんです、今の制度のままだったら。それを今の制度は誘発するからおかしいということを言っているんで、来年の4月1日の前に変える意思はないかどうか、もう一度総理に確認します。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
それは、民間に不利にならないように、民間企業の活動を阻害しないように考えていかなきゃならない問題だと思っています。
- 浅尾 慶一郎
では、そういう方向で4月1日までにぜひ検討していただきたい、こういうふうに思っています。
そこで、今話が出ました民営化の懇談会というものを今度立ち上げられるというふうに聞いておりまして、田中直毅さんですか、が座長というふうにたしか新聞報道で読みましたが、そのことを伺うつもりはありませんが、民営化についての懇談会が出した結論には総理は当然従われるし、それでもって与党内を説得されるという理解でよろしいですか。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
これは郵政三事業のあり方に関する懇談会という形になると思いますが、これは議論して、今まで国営じゃなきゃいかぬという前提を取り払って自由に議論してもらう。もちろん民営化論、出てくると思います。その結論を見ながら、これから国会でどうなっていくか。今まで郵政三事業は国営じゃなきゃいかぬという雰囲気が、自民党でも民主党でも変わってきました。そうですね。これを見れば私はどっちになるかというのは、国民の動向を見なきゃなりませんけれども、民間にできるものは民間に任せるという視点で進めていきたい。それは結論を見なきゃわかりませんけれども、そういう形で持っていきたいなと思っております。
- 浅尾 慶一郎
私が伺っておりますのは、仮にその懇談会が民営化すべしという結論を出した場合には、いろんな抵抗があっても、総理はリーダーシップを発揮してその結論に従うという理解でいいかどうかと言うんですが。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
従うとかいう問題じゃなくて、私自身民営化論者なんですよ。できるだけ民営化に持っていきたい、総理大臣として努力するという気持ちは変わりないんです。
- 浅尾 慶一郎
時間の関係で、次の問題に進みますが、じゃ、今なぜそういうことを申し上げたかといいますと、片山総務大臣は、私が同じような質問をしたときに関して、いや、それは諮問機関ですから最大限に尊重しなければなりませんし、どういう結論が出るかまだわかっておりませんので、今からその結論がこうならこうとなかなか言えませんけれども、しかるべきしっかりした結論が出ることを私は期待しておりますというふうに言われて、必ずしも、私の質問は、その諮問機関のあるいは民営化懇談会の結論に従うのかと、あるいはそれに従ってリーダーシップを総務省内で発揮するのかということではお答えいただけなかったものですから、総理は内閣に対して、そういうことにほかの大臣にもリーダーシップを発揮されるのかどうかということを伺ったのであります。
今の御答弁では、自分は民営化論者だということはもう前々からわかっておりますが、ほかの大臣、その他内閣の方にもそういうことで考え方を伝播するというふうに考えて、次の質問に移ります。
そこで、不良債権の問題について伺います。先ほど、日米会談の中でも不良債権の問題を取り上げるというふうな御答弁をいただいたわけであります。この不良債権の問題、幾つか問題があるわけでありますけれども、一つは、今現に不良債権がどれくらいあるかよくわからない、これが一番大きな問題だと思います。
最近、銀行の決算が発表されましたが、三菱東京フィナンシャル・グループあるいは三井住友グループというのは、大幅に不良債権の額、自己査定をふやしております。そうだとすると、全体でもかなりふえているんじゃないかなというふうに思うわけでありますが、実は、小泉総理が総理になられた一つきっかけであります自民党総裁選において、橋本さんは、九月までにすべての銀行の不良債権の資産査定を金融庁においてやるというふうに言っておられます。
私は、まず第一にするべきことは、各銀行が幾ら不良債権を持っているかということを明らかにして、そしてそれに必要な体制をそれこそ来年の4月1日までとらないと、ペイオフが解禁されてしまうから大変なことになってしまうというふうに思うわけでありますが、まず第一の質問は、総理は、その不良債権の額についてしっかりと検査をする、あるいはそれを幾らあるか国として把握する意思があるかどうか、その点を伺いたいと思います。
- 柳澤 伯夫氏(国務大臣)
不良債権が幾らあるかわからないと、こういうお話ですけれども、不良債権をどう定義するかということです。
いろいろ物の本によって、金融の問題ですからそれなりの専門家ですけれども、やっぱり原契約どおり利息なりあるいは元本の償還ができていない債権を不良債権と考える、これは極めて常識的な考え方だと、こういうことを言われておりまして、その観念でできているのがリスク管理債権ということで、これは明確に計数を挙げて発表しているところでございます。
- 岡野 裕氏(委員長)
総理はいいですか。
- 浅尾 慶一郎
今、柳澤大臣お答えいただきましたけれども、リスク管理債権、言葉は聞こえはいいんですけれども、各銀行によって違うんです。
Aという会社を、ある銀行がこれは破綻懸念先だと思う場合もあるし、違う銀行は、いやここは要管理先だと思う場合もある。これはでこぼこがあっても私は一義的には構わないと思いますが、しかし検査をすれば、金融庁はそのAという会社がどういう評価であるべきなのかということはすぐわかるはずであります。だからこそ一斉に検査をして、今でこぼこがあるものをならして、各行ともAという会社を見た場合には、やはりこれは危ない、破綻懸念先だということであれば、それをならしていかなければいけない。
以前、別の委員会で質問したら、それは情報の格差があるというようなお話もありました。情報の格差があるからこそ、金融庁という預金者の立場に立って検査をする官庁からすれば、検査をしっかりとして、そして査定が甘ければ厳しく糾弾をしていくことが必要ではないかな。そうすることによって日本が持っている不良債権というものの額がわかるわけであります。
そこで、総理に改めて伺いますが、日米会談で不良債権の問題をされるに当たって、アメリカ側も果たして日本の不良債権の総額が幾らかわからない、日本側も今申し上げたように各銀行のそれぞれの自己申告ではわかるけれどもその自己申告が正しいかどうかわからないのであれば、やはり一斉に検査をして、絶対額、それを調べておくべきだと思いますが、その考えについて総理に伺います。
- 柳澤 伯夫氏(国務大臣)
不良債権…。
- 岡野 裕氏(委員長)
柳澤君は指名しておりません。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
何を協議するか、これから調整します。
- 浅尾 慶一郎
いや、何を協議するかという質問ではなくて、不良債権ということが問題だと言われている中で、じゃ、不良債権の額が幾らなのかわからない、それでは協議にもならないんじゃないですかと。したがって、不良債権の額が幾らあるかということを金融庁がそれぞれの銀行に入って検査をすればわかるんではないか、そういう考え方に立たないんですかという質問であります。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
日米関係の議題とは別ですね。
- 浅尾 慶一郎
先ほど、日米会談の中で不良債権のことも大きな議題になるというふうにおっしゃったので、私は質問したんですが。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
それは、これから6月中下旬をめどに日本の方針というものをまとめます。その経済問題の中でどういう点を取り上げていくかということは今後日米首脳会談に対して臨む中で議論しますが、今言ったように、不良債権がどこまであるかというのは、これから何を協議するかということで、どういう問題を具体的に取り上げるかということはまだ決めておりません。
- 浅尾 慶一郎
不良債権のことが議題になるというふうに先ほどおっしゃいました。そして、不良債権のことが議題になったときに、じゃ日本の不良債権はどれぐらいあるんですかということが向こうから聞かれるかもしれない。それに対して正確な答えを言わなければいけないと思いますし、そもそも、自分として、日本の国として、日本の不良債権が幾らあるかと知っておかなければ会談に臨めないんじゃないですか。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
今後、柳澤担当大臣の意見を聞いて、十分検討したいと思います。
- 浅尾 慶一郎
それは柳澤大臣の意見ということではなくて、交渉に臨まれる総理が手元に資料がなくて交渉に臨まれるんですかという質問です。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
何を議題にするかというのは、担当大臣のよく意見を聞いて、それから私は判断します。(発言する者あり)
- 岡野 裕氏(委員長)
御静粛に願います。
- 浅尾 慶一郎
何を議題にするかというか、先ほど御自身が不良債権の問題が議題になるとおっしゃったから私は聞いているんです。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
柳澤大臣の意見をよく聞いて判断します。
- 浅尾 慶一郎
柳澤大臣の意見を聞いて判断しますというふうにおっしゃいましたが、じゃ、その柳澤大臣が今の不良債権の問題についてはっきりと全額を把握しているというふうに理解をされておられるわけですか。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
この問題については私よりはるかに勉強されていると思います。
- 浅尾 慶一郎
それじゃ、把握しておられるかどうかこれから柳澤さんに聞かせていただきますが、先ほど申し上げましたが、銀行によってAという会社の査定が破綻懸念先である、そして要管理先であるという場合があるというふうに申し上げたことがありまして、それに対して、本来は横ぐしを入れるということで、柳澤大臣は、私も以前はそういうふうに考えておったと、しかしその立場に立ったら横ぐしを入れるということがなかなかできないという御答弁をいただきました。横ぐしを入れないということは、不良債権の額、ないしはそれに対する引き当てが十分かどうかということがわからないわけであります。
今でも横ぐしを入れないという立場に立っておられるかどうか、伺わせていただきます。
- 柳澤 伯夫氏(国務大臣)
不良債権の額についてどう考えるかということは、SECの基準と我々同じ基準のリスク管理債権というもので把握している、これは一つの問題なんです。これはもうこれで終わりなんです。それと、金融機関が引当金等のことをやるというのは、これは基本的に自己責任、自己査定なんです。それはもう浅尾先生御存じでしょう。基本的に自己責任のもとの自己査定でやっている内部手続なんです。アメリカでもこんなもの公表していません。
ただ、私は今、日本の金融が危機的な状態にあった。それで、何とかすべての情報をやっぱり開示した方が信頼が得られるだろうということで、例外的な期間、これを一体いつやめるかということは、私考えているんです。こういう銀行内部の作業を表に出すということを一体いつまで続けるかということは、これは問題なんです。日本だけなんです、こんなことをやっているのは。
そこで、この自己査定について、今、浅尾先生が横ぐしを入れるというか、行政当局の目で一斉に調べたらどうかとか、あるいは同じ基準で考えたらどうかというお話なんですが、そんなことはできないんですね、自己査定ですから。情報も違う。それから、返済の状況も違う。
私が言ったのは、私もこの前の最初の就任のときにも大議論しまして、私も素人で入りましたから、この問題はなぜ違うんだということを議論しました。そうしたら、いろんなもう議論の中でエピソードとして担当官が言ったことは、A銀行、B銀行、C銀行と例えば甲社という会社がつき合っているときに、やっぱりB銀行が自分が一番大事にしたい銀行なんだったら、そこはやっぱり返済の状況がどうしてもいいようなことも起こると言うんですよ。そうすると、ABCの銀行が見る、その企業が見る目は、おのずと自己査定において若干の差異が出てくるということはこれはやむを得ないんだと、こういう議論でした。
我々は、これからはできるだけ、そういうことがあった場合に、検査官は今どうかというと、やっぱりB社に対しても、A社、C社はこういう査定をしていると言えば、担当官、問題意識が非常にあるわけですよ。ですから、そういうことで、実際の検査に行ったときは、そういう立場からの議論を大いに吹っかけて、議論で決まってくるんです、検査の結果というのは…。
- 岡野 裕氏(委員長)
大臣、手短に願います。
- 柳澤 伯夫氏(国務大臣)
それは、浅尾先生、もう実務をやっていらっしゃるから御存じのとおりでしょう。
- 浅尾 慶一郎
具体的にわかりやすく、なぜ横ぐしが必要かということを説明させていただきます。
今、柳澤大臣は、破綻懸念先以下の債権については2年以内にこれは直接償却するということを発表されています。ところが、例えばある銀行がある会社を破綻懸念先というふうに自己査定をしたと。ところが、ほかの銀行はこれは要注意先あるいは正常先かもしれない。どうするんですか、そうすると。
現にどういうことが起きるかというと、その破綻懸念先で持っている銀行のところにいろいろな証券会社、インベストメントバンクというところが行って、この債権を買いましょうと。それで、買ってくる。買ってどうするかというと、正常先ないしは要注意先というふうに自己査定しているところに持っていって、これを売りますよ、おたくに売りますよ、そうでないとうちが法的整理をしますよというようなことが起きています。
それから、もう一点言いますと、仮に直接償却、破綻懸念先ということを直接償却するということになると、法的整理に持ち込むことも一つの選択肢であります。昨年破綻しましたそごうの場合も、興銀、長銀はこれはもう破綻懸念先並みの引当金を積んでいました。しかし、ほかの銀行はそれを知らない、寝耳に水だと。だから、特別の損失が出てしまう。来年からペイオフが解禁されてしまうと、そういうことで横ぐしが入っていないと不測の事態が起きるから、だからこそ横ぐしを入れるべきだというふうに申し上げているんです。
柳澤大臣の説明、最初にそれぞれの銀行にそれを統一にしろというのは情報の違いがあるからできないというのは、それはわかります。わかりますが、しかし金融庁は全部の情報を持っているし、やはりこれを見ておかしいんじゃないかというふうに思ったら、そこをしっかりと横ぐしを入れないと大変な問題になるんじゃないですか。
- 柳澤 伯夫氏(国務大臣)
ですから、先ほどもちょっと最後のところで言わせていただいたように、そういうように債務者の区分でしょう、債務者の区分が見解が分かれているようなときには、見解が分かれるところに行ったときには、検査官は必死にいろいろ議論をそこで濃密に行うことになるでしょうということです。
しかし、それでも検査官が議論に打ち負かされて、それで基準に照らして、これは相手の言い分を認めざるを得ないということだってそれはあり得るので、その場合には区々に分かれたままそれはもう査定の結果と検査の結果と、こういうことになるということ。そこまでは官僚統制、自己責任のもとにおける自己査定という以上、そんな官僚統制はできないし、すべきでない、こういうように思います。
それから、今、先生がおっしゃった今度のいわゆる最終処理に当たってどう考えるかということについては、そういったことを含めて、一体どこでだれがイニシアチブをとるんだ、発案をしていくかというようなこと、それでそれを中心にどうやって前に進めて最終処理の方式をつくり出すかと、これは複数の債権者の間での話がなかなか難しいのでできればルール化した方がいいんじゃないかということで、そのルール化のためのガイドラインを今つくっている、こういうことでございます。
- 浅尾 慶一郎
竹中経済担当大臣は不良債権の問題についても造詣が深いというふうに思っておりますが、竹中大臣は、やはりこれは一斉検査をして、まず第一には日本の不良債権の額、そしてそれに対する引き当ての額が十分であれば金融不安というものは起きないわけでありますから、そういう検査をして十分な引き当てを積むということを行うべきだというふうにかつて主張されておると思いますが、今でもその考え方は変わっておりませんか。
- 竹中 平蔵氏(国務大臣)
まずもって、先ほどちょっと一瞬席を外しておりまして大変失礼いたしました。反省いたします。
基本的に一斉検査の議論というのは、私は、ちょっといつした議論かということによるんですが、それは基本的には現状認識の問題だと思います。やはり非常に状況が、クライシスと言ったらちょっとオーバーかもしれませんけれども、危険な状態にあるというときにはそういう行動はとるべきだというふうに当然のことながら思います。
しかし、今どういう状況かというと、新たに2、3年できちっとした結果を出すんだという目標設定をして、さらにガイドラインの作成等々、柳澤大臣が新しい不良債権処理に向けての動きを進めている中で、さらに一応検査も1巡して2巡目に入っているという時点を考えますと、今やるべきだというふうには私は思いません。
- 浅尾 慶一郎
来年ペイオフを解禁するわけでありますから、それまでに私は一斉検査をして、金融不安がないんであればそれでいいわけでありますから、やるべきだというふうに思っております。
たしか石原行革担当大臣も以前そのような主張をされておったと思いますが、今の考えをちょっとお伺いいたします。
- 石原 伸晃氏(国務大臣)
先日もこの問題で御質問があったのでございますが、所管外でございますけれどもお話をさせていただきますと、やはりコンフィデンスだと思います。柳澤担当大臣のもとに集まっている情報を信用するか信用しないかということだと思いますけれども、リスク管理債権ということにおいて私が知り得る情報は、不良債権の額を的確に表示しているものと承知しております。
- 浅尾 慶一郎
先ほど来申し上げておりますが、この間みずほグループの自己査定について発表がいろんなところに出ましたけれども、グループ内においてもかなり自己査定にばらつきがあると。だとすれば、金融界全体を見れば相当ばらつきがあるというのが普通の理解であります。そのばらつきをそのままに置いておくと引き当て不足ということが起きるから、私は検査をやってばらつきがないようにしたらどうかということを申し上げておるわけであります。
この議論をずっとしても多分押し問答の答弁になりますので、時間もありませんので次の質問に移らさせていただきます。
まず、きょうは坂口厚生大臣にもお越しいただいておりますけれども、総理はこの間ハンセン氏病について控訴しないということを発表されました。多少、厚生分野という意味では関連する質問でありますが、そしゃく嚥下障害という障害を持っておられる方々がいらっしゃいます。こういう方々には障害者福祉手帳が支給をされますが、そしゃくの問題でありますから基本的な治療は歯科医師の方々が行っておられます。
しかしながら、この法律は、障害者福祉法は医師の診断書を求めておりまして、歯医者さんに治療に通っても、実際のその障害者福祉手帳をもらうための診断書は医師からもらわなければいけないという事実があるわけでありまして、そうだとすると、患者の利便をいろいろ考えると、障害者福祉法を改正して歯科医師にもその診断書を書けるようにした方が患者の利便向上につながるんじゃないかと思いますが、その点について総理。
- 坂口 力氏(国務大臣)
先日も櫻井委員から御質問がございまして、そのときにもお答えをさせていただいたわけでございます。
そしゃくというのは、なかなか、一口に言いますけれども、内容がいろいろございまして、そして、なるほど歯科の先生が受け持たれる部分もございますし、あわせて、それだけではなくて医療の分野も関係をしている。双方が関係をしているものですから双方の診断が必要になるということに今なっているんだろうというふうに思います。
ですから、歯科の範囲内だけのそしゃく異常というのがあるのであれば、私は歯科の先生だけでいいというふうに思うんですが、そうではなくて、医療の側に両方にまたがっているものですから両方ともいただかざるを得ないというのが現状だというふうに思います。
先日も、この問題はなかなかそしゃくできていないのでしばらくお待ちくださいということを申し上げたわけでございますが、実際、全体といたしましてはそういうことでございます。
- 浅尾 慶一郎
総理に伺っても多分同じような御答弁になると思いますので次の質問に移りますが、一点だけ外交の話を伺わせていただきたいと思います。
先般、台湾の陳水扁総統が中南米に行かれる途中でアメリカに寄られました。そのときにいろいろな米国の議員さんと会っておられます。
翻って、我が国に李登輝前総統あるいはチベットのダライ・ラマさんが来られたときには、政治活動について制限をするビザがおろされたというふうに報道されております。
私が伺いたいのは、言論の自由を保障する我が国において、外国の方がいかなる考え方を持っていようと、その方が我が国でいろんな方と会って話をすることがすなわち日本国政府の意見ということにはならないのではないかなと。したがって、アメリカは、陳水扁さんがニューヨークに泊まられたときにいろんな米国の上下両院の議員に会うことを別にとめませんでした。
総理はその点について、外国のいろんな方が日本に来られたときに、政治活動という言葉がいいのかどうかは別として、いろんな人に会うことを制限するというのは私はおかしいんじゃないかと。別に、その来られた方の意見と日本国の意見が一致するわけではないんですが、そういう人はこういう意見を持っているということを保障するのは私は、あるいはそういういろんな人と会うのを認めるのは構わないと思うんですが、いかがでしょうか。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
原則としてそうだと思いますが、その国々によって事情があると思います。その点も判断しなきゃいけないのではないかと思います。
- 浅尾 慶一郎
済みません、国々によって事情というのがちょっとよくわからないんですが。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
各国との友好関係とか、そういうことも考慮に入れて判断しなきゃならない場合もあると思います。
- 浅尾 慶一郎
ということは、例えば李登輝さんが日本に来られていろんな方と会うと。その李登輝さんが言っておられることが別に総理の意見とは違うんならば違うというふうに言われればいいんではないか、筋の問題でいえば。にもかかわらず、中国との関係を考慮してそういうことを制限するのは私は問題ではないかなと思うんですが、改めて伺います。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
そのときのさまざまな状況を勘案して判断すればいいのではないかと思います。
- 浅尾 慶一郎
いや、さまざまな状況ということではなくて、原理原則の話でありまして、別に何も日本政府が、繰り返しになりますけれども、来られた方の意見、肩を持つ必要はないわけでありまして、共有しているということじゃなくて、その人はたまたまそういうふうに言っておられたという立場をとればいいんではないですかということなので、だれかが来たらほかの国からいろいろ言われるから困るよということにはならないんじゃないかという質問なんですが。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
原則としてそうだと思います。
- 浅尾 慶一郎
原則としてそうだけれども、具体的な問題になるといろんな国々との関係に配慮せざるを得ないという理解でよろしいですか。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
それはそうです。
- 浅尾 慶一郎
だとすると、その原則というものが非常に融通無碍な原則になってしまうのではないかな、こういうふうに思うわけであります。
例えば、李登輝さんについては、今後ビザの問題についてはそのときそのときに考えるという話でありますが、今の話でいうと、そもそも、李登輝さんが日本に来られて治療をされる、あるいはさらに踏み込んでどういう発言をしようと、別にそのことが日本政府の考えと一致するわけではないのであれば、そのことを中国に説明すればいいんじゃないかなと思うわけでありますが、そうではないんですか、総理。
- 田中 眞紀子氏(国務大臣)
それぞれの国のそれぞれの時の事情というのがあって、どこの国にも世界じゅう、判断をいたしておりますから、あのときの李登輝さんの訪日のときは人道上、治療をするということですから、その目的に限って本人も来られたということです。
それから、ダライ・ラマにつきましては、平成12年4月のことをおっしゃっておられますんですか。それも御本人が環境問題とか仏教の講義をしたいと、それに限って来られるということでしたから、それで受け入れたわけですから、別に難しいことでも何でもありません。
- 浅尾 慶一郎
いや、難しいことでも何でもないというふうにおっしゃいましたが、私は、繰り返しになりますが、別にダライ・ラマさんの考え方、李登輝さんの考え方は、それはそれとしてあっていいものだと思うんですよ。そういう人がこういう考え方だから、例えば中国に遠慮をして制限をつけるビザを出す考え方の方がおかしいんではないかということを総理に伺っているんですが、もう一度伺います。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
その時々の事情を考えて判断すればいいことではないかと思います。
- 浅尾 慶一郎
議論が平行線なので、別に私は、繰り返しになりますけれども、その時々の事情ということは、その時々のいろいろな諸外国との関係を考えてということなんですが、諸外国との関係を考えること自体がそもそもその人、来られる方の考え方をある面、逆に言えば否定するということになるのかなということだと思いますので、これ以上この議論をしても平行線になりますからいたしません。
さて最後に、あと二点ほど質問をさせていただく通告をさせていただいておりますが、財政の再建について、約3兆円ほど歳出を削減しなければいけないという議論が出ております。その中で公共事業について1兆円強あるいは地方に行く金についても1兆円強という削減を目標として出しておられると思いますが、まず地方に行くお金というのはこれは地方交付税が大体年間20兆円ぐらいあるわけでありますが、その5%、1兆円強を削減しようというふうに理解をいたしておりますが、地方に行くお金を考えた場合には、それぞれの地域の自治体がそれを経常経費ないしは投資的経費とかいろんな形でお金を使っておられると思うんですが、その中で、国が持っております地方財政計画というのが当然あるわけでありますが、投資的経費の削減を考えておられるというふうな理解でよろしいでしょうか。
- 塩川 正十郎氏(国務大臣)
私たちはそんな細かいところまでまだ決定しておりませんで、3兆3,000億円の国債が増発される、それを考えまして、また現在本年度中にはやっぱり2兆近くのものが、そこがあいておりますから、合計して累計を見ますと5兆円からの国債の縮減になるということは、これはもう御存じでございますね。そうしますと、どこかでその配分を担当してもらわないかぬということから、地方では大体この1兆円ぐらいで、あとは国の方の財政の負担として2兆円ぐらいは削っていこうと。それによって、きっちり30兆ということは我々の目標でございますので、そこへ押しつけていって計画しておるということでございます。
でございますから、中身についてはまだ全然成案を得ておりません。大体の大枠をこういうぐあいにしたらどうだということが、私の発想として言ったということであります。
- 浅尾 慶一郎
私は、確かに財政再建ということを考えた場合に、大なたを振るって、大体今の大枠、地方から1兆円とかいろいろな切り方があると思いますが、当然、逆に積み上げていくということも考えられるわけでありますが、今のお話ですと、まず大なたをぱっと切ったという理解でよろしいですか。
- 塩川 正十郎氏(国務大臣)
財政の問題で考える場合は、浅尾さん自身も言っておられるように、まず増税の問題もあるだろうし歳出削減もあるだろうし、それから財産の処分もあるだろうし、いろんな手法があるとおっしゃっています。私たちはそれを総合的にやっていきたいと思うておりますが、しかしながら増税はここ1、2年できません。そうすると、結局重点はどこへ置くかといったら歳出の削減に置かざるを得ないということでございますので、そういう発想から申し上げております。
- 浅尾 慶一郎
今、大臣の方から触れていただきましたが、時間の関係で、財政再建について大急ぎで質問させていただきます。
インフレにするか、増税するか、歳出削減をするか、資産を売るか、経済成長をするかと。一番理想的なのは経済成長で増収すると。その次は、多分私は、これは考え方が違いあろうかと思いますが、国が持っている資産を聖域なく売れるものは売っていくということですが、最後に、もう時間がありませんが、総理に、国が持っているいろいろな資産について聖域なく、例えば道路公団にしても売却できるのであれば売るという理解でいいかどうか。簡潔にお答えいただきたいと思います。
- 小泉 純一郎氏(内閣総理大臣)
増税以外いかに収入を確保するか、これは大事な視点だと思います。
- 浅尾 慶一郎
時間が参りましたので、終わります。
【午後質疑】
- 浅尾 慶一郎
午前中に引き続きまして、午前中の質疑を深める形で関連質疑をさせていただきたい、このように思います。
午前中の議論の中で、まず第一に、小泉総理のあるいは小泉内閣の改革の一つの看板が郵政三事業であるということはよくわかったわけでありますが、そこできょう全大臣にお越しいただいておりますが、この郵政三事業の民営化について、小泉内閣ができる前に主張をされていたかどうか、まず塩川大臣から全大臣に伺っていきたいと思います。
- 塩川 正十郎氏(国務大臣)
私はずっと、何年前ということは忘れましたけれども、ATMが特定郵便局全部ネットワークすることになりましたですね。あのときから、やはりこれは郵便事業、三事業は変わるな、また変えなきゃならぬなという意識は持ちました。
- 岡野 裕氏(委員長)
浅尾君に伺います。全大臣ですか。
- 浅尾 慶一郎
はい。全大臣にお願いします。
- 岡野 裕氏(委員長)
じゃ、各閣僚の諸君にお願いいたします。極めて短時分でよろしくお願いいたします。
- 福田 康夫氏(国務大臣)
以前の話ですか。昨年の選挙ございましたね。あのときには、私は民営化をすべしというようなことは言っておりません。従来のことでよろしい、こういうふうに言っておりましたけれども、この内閣になりましてから、郵政三事業については与党三党合意を踏まえ、予定どおり平成15年の公社化を実現し、その後のあり方については、総理のもとに立ち上げられる懇談会において民営化問題も含めた具体的な検討を進めることとなるけれども、国民的議論がそこでなされることを期待いたしております、こういうことでございます。
恐らくほかの閣僚も似たようなことだと思いますが。
- 岡野 裕氏(委員長)
浅尾慶一郎君、どなたから聞くのですか。
- 浅尾 慶一郎
前列に座っておられる扇大臣からお願いいたします。
- 扇 千景氏(国務大臣)
私は三党の党首でもございます、連立を組んでおりますので、三党党首の合意事項、13年4月25日、これは三党合意で、郵政三事業については、予定どおり平成15年の公社化を実現する、そしてその後は、あり方について、総理の私的諮問機関を設けて民営化問題を含めて具体的な検討をすると合意事項がございますので、合意事項のとおりでございます。
- 坂口 力氏(国務大臣)
私は、新進党のときに郵政問題研究会というのをつくっておりまして、おたくの松沢さんと一緒にやっておった経緯がございますから、おわかりいただけると思います。
- 森山 眞弓氏(国務大臣)
私も、選挙区にたくさんの郵便局、それに関連するネットワークを持っておりまして、この郵政事業が非常に大切なものであるということはよくわかっております。
これからの対応につきましては、福田官房長官がおっしゃったことと全く同じでございます。
- 平沼 赳夫氏(国務大臣)
私も、福田官房長官と同じ、そういうことでございます。
- 柳澤 伯夫氏(国務大臣)
私は、この問題については自由民主党の行革本部事務局長として、まさにこの外庁化と申しますか、そういうことを決めることにあずかったということでして、それを国会で発言しているとかいうことは全くございません。
- 田中 眞紀子氏(国務大臣)
私は、全国に1万9,000ヶ所ある特定郵便局ですけれども、この機能というものは今も大変重要だというふうに認識しておりまして、これをむしろ新しい時代にデジタルネットワークのキーステーションとして利用していくという方法もあるわけですから、これを2年後の公社化後に、もう少し郵政三事業の民営化を考えるときに、こうしてせっかくでき上がったものをつぶすことがないように、むしろプラスに使えるようにという話は、小泉候補でいらしたときに、選挙中お話ししたことがございます。
- 尾身 幸次氏(国務大臣)
福田官房長官の答弁と同じでございます。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
福田官房長官と同じであります。
- 川口 順子氏(国務大臣)
私は、民間人でございましたので、特に私が何を考えていたかということについては申し上げても意味がないと思います。
今後については、小泉内閣の一員として、総理が所信表明の中でおっしゃったことと同じで考えております。
- 村井 仁氏(国務大臣)
福田官房長官と同じ見解であります。
- 武部 勤氏(国務大臣)
福田官房長官と同じ見解です。
- 中谷 元氏(国務大臣)
民間では手の届かないような地方とか離島とか、新聞とか宅急便でさえ郵便局員が配達しているような地域に支障のないような形ができれば、福田官房長官と一緒でございます。
- 竹中 平蔵氏(国務大臣)
私は民間人でしたから、ひょっとして求められていないのかもしれないのですが、経済学者としては、郵政事業について余り積極的な発言をした記憶はありません。ただ、郵便貯金については、マーケットをディストートしないという意味で、やはり民営化が必要だというふうにずっと言ってまいりました。
- 石原 伸晃氏(国務大臣)
私も、福田長官と同じ見解でございますが、これまで郵便貯金、簡易保険のお金の流れについては、行政改革、特殊法人との関係についてさまざまな意見を申し述べてまいりましたし、また、この3月31日までは全額郵便貯金のお金が資金運用部に行きまして特殊法人の政策の財源になっていたということを多くの方々に理解していただきたいと思っております。
- 浅尾 慶一郎
私が今、全大臣に伺ったのは、国民は、小泉総理はこれは民営化するものだと思っているわけですよ。ところが、今の福田官房長官の答弁というのは、公社化移行後に議論をするということなので、かなり小泉総理の言っておられることと違うんじゃないかと。それで、あえて全大臣に伺わせていただきました。
そこで、今、竹中大臣の方から話がありましたけれども、郵便事業ではなくて、郵便貯金事業あるいは簡易保険、いわゆる金融の事業につきまして、そこに、リスクのないところにお金が集まっていることが日本の経済、リスク性資金の枯渇につながるというような発言もされておられたと思いますが、その点について確認と、あと御説明いただけますでしょうか。
- 竹中 平蔵氏(国務大臣)
基本的な考え方は、市場経済化が世界的な規模で進む中で、市場の力の中でまさにリスクとリターンの関係が大変重要になってきている、そのリスクとリターンのコインの両面のような関係が正常に機能しないと市場メカニズムはなかなか機能しないであろうと。そのリスクに関して、巨大な国営金融機関が存在し続けるということは、今、先生おっしゃったように、ゼロのリスクのものが、本当はゼロではないんですが、国民がそう感じるようなものがあるというのはマーケットをディストートする可能性があるということ、そういう趣旨であります。
- 浅尾 慶一郎
それでは、郵政事業を所管する総務大臣に伺いますが、今の竹中大臣の発言に関して、同じ意見なのか、やはり違うという考えなのか、伺いたいと思います。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
リスク資金、ノーリスク資金の動きというのはいろんな議論がありまして、委員の言われることも私はわからないでもないんですが、いずれにせよ、福田官房長官が答弁しましたように二年後に公社化をする、その中でもどういう公社がいいかということの中には今言いましたようなことも含めまして検討して結論を出そう、こう思っております。
- 浅尾 慶一郎
今の私の質問はそういうことではなくて、物事の考え方としてリスク性資金が日本の経済社会をある面ゆがめる可能性があるというような御発言だったので、それについて同じ考えかどうか伺っております。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
これは、それぞれの資金の選好の問題でございまして、あなたが言うようになるほど郵便貯金はノーリスクの資金選好でございますけれども、それじゃそれが減ったからといってリスク資金に流れるという保証はありませんので。これは私の意見です。
- 浅尾 慶一郎
私の意見ではなくて、私が申し上げているのは竹中大臣の発言に対しての御意見を伺っているんです。(「今言ったじゃない」と呼ぶ者あり)
いやいや、そういう答えになっていないと思います。(「ちゃんと私の意見と言いましたよ」と呼ぶ者あり)
いやいや、竹中発言に対してどう思われるかという質問です。
- 岡野 裕氏(委員長)
理事諸君、お願いいたします。理事諸君、お願いします。速記をとめてください。
〔速記中止〕
- 岡野 裕氏(委員長)
速記を起こしてください。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
私が先ほど答弁しましたのは、私、片山の意見でございますので、そうお受け取りください。
- 浅尾 慶一郎
では、私、もう一度質問させていただきますが、先ほど竹中大臣が御答弁されたのは竹中大臣の御意見でありますが、そのことについて同じ意見なのか違う意見なのか、それを伺っておるのであります。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
今答えたとおりですよ。それでわかってくださいよ。
- 岡野 裕氏(委員長)
速記をとめてください。
〔速記中止〕
- 岡野 裕氏(委員長)
速記を起こしてください。
- 浅尾 慶一郎
それでは、私の方からもう一度竹中先生の御意見を片山大臣にぶつけますので、それに同じ意見かどうか、お答えいただきたいと思います。
竹中大臣は、リスクのないところにお金が集まるということは、経済の仕組みの中においていろいろと不都合があるから、郵便貯金事業については民営化すべきだと考えていたし、今も考えているという発言です。同じ意見ですか。(発言する者あり)
- 岡野 裕氏(委員長) 御異議がありますならば、理事諸君、お越しを願いたい。速記をとめてください。
〔速記中止〕
- 岡野 裕氏(委員長)
速記を起こしてください。
- 浅尾 慶一郎
だって、質問しているのに答えていないじゃない。
- 岡野 裕氏(委員長)
速記をとめてください。
〔速記中止〕
- 岡野 裕氏(委員長)
速記を起こしてください。竹中経済財政政策担当大臣、どうぞ。
- 竹中 平蔵氏(国務大臣)
先ほど浅尾先生の質問は、経済学者としてその民営化を必要と論じていたときの論拠は何であったかというふうに聞かれました。それに対して、先ほど申し上げたように、そのリスクとリターンという関係はやっぱり非常に大事である、そのリスクとリターンの関係がディストートされている可能性があるから、巨大な国営金融機関が長期にわたってマーケットの中に存在し続けるのは問題があるんではないだろうかというふうに考えてきましたと、一応過去形で答えさせていただいたつもりであります。
- 浅尾 慶一郎
そうすると、今は考え方を変えられたということですか。
- 竹中 平蔵氏(国務大臣)
今のは新しい質問ですので、新しい質問としてお答えさせていただきます。今はどう思っているかという御質問だと思いますね。今は、基本的には小泉総理と同じ考え方をしております。基本的にはそういう方向に向かって動かなければいけないというふうに考えています。
- 浅尾 慶一郎
もう一度質問させていただきますが、現段階において、郵便貯金ないしは簡易保険事業はリスクとリターンとの関係でマーケットをディストートしていないというふうに考えておるんですか。
- 竹中 平蔵氏(国務大臣)
マーケットをディストートしている可能性があるというふうに思っております。だから、これを中長期的に民営化の方向に向けて改革していくことが必要だというふうに小泉総理がおっしゃっているように私も考えております。
- 浅尾 慶一郎
では、片山総務大臣に伺いますが、リスクとリターンとの関係において郵便貯金事業はマーケットをディストートしておるでしょうか。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
今、竹中大臣の答弁を聞きましたが、竹中大臣が前、民間の経済学者としての御発言だったようでございまして、私はそういう見方は確かにあると思いますよ。しかし、私は必ずしもそうは思っていない。
それはいろんな要素が絡んで資金選好というのはあるので、したがって今、竹中大臣が言うようなことを含めて、まず公社化をやると。どういう公社にするかというのはこれからの議論ですから。2年後には必ず公社にすると。その後に民営化問題を含めて、そのあり方について国民的合意の上で結論を出すと。そういう中で、今の御指摘の点も十分そしゃくして答えを出してまいります。
- 浅尾 慶一郎
竹中大臣は、リスクとリターンとの関係においてマーケットをディストートしている可能性があるから、小泉内閣の一員として小泉総理と同じ考えで民営化をしようというふうにおっしゃっております。
しかし、片山総務大臣は、2年後に民営化の議論を始めるという考えというふうに答弁を受け取りましたが、そういう理解でよろしいですか。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
その点は小泉総理も答弁されておりますが、今、私が言い、福田官房長官の答弁は、これは与党三党の合意なんですよ、小泉内閣発足のときの。それでやっていくということですよ。
だから、民営化問題を含めてそのやり方については方向を出す、その議論をこれから始めると、直ちに、こういうことであります。
- 浅尾 慶一郎
民営化が目的なのではなくて、マーケットをディストートしている可能性があるからそれを正すために民営化するというのが竹中大臣の意見だったと思うわけです。それに対してどういうふうに思われるかということです。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
いや、だから、竹中大臣の答弁は、これは大変有力なお考えだと思いますが、必ずしもその意見がそのとおりでないという異論もあるので、そういうことを全部含めて、公社化の検討、その後のあり方の検討の中で答えを出しますと、こう申し上げておるわけであります。
- 浅尾 慶一郎
要するに意見が違うということであります。(「違わない」と呼ぶ者あり)
何か質問をしていない方から御答弁をいただきましたが。(「何回でもやればいい」と呼ぶ者あり)何回でもやっていいというお言葉もいただいておりますけれども、意見が違うということがわかったところで、次の質問に移らさせていただきたいと思います。
次に、午前中、不良債権の問題についていろいろと御質疑をさせていただきました。
不良債権、最終処理をしていかなければいけないということは小泉内閣の全閣僚が多分同じ意見なんだと思いますけれども、そこで、午前中の議論でややわかりにくかった点があろうかと思いますので、もう一度横ぐしの話を柳澤金融大臣にさせていただきたいと思います。
直接償却ということを進めておられます。そして、ある銀行が破綻懸念先にしておる債権をほかの銀行がまだ破綻懸念先にしていない、すなわち引き当てを十分積んでいないと。ところが、その銀行が破綻懸念先にしているからこれを法的整理にした場合には、その他の銀行に不測な損失が発生する事態があるんではないでしょうか。どうですか。
- 柳澤 伯夫氏(国務大臣)
オフバランス化のことを最終処理というふうに言うことにしておるわけですが、その方法には、法的な処理、これにも清算型と再建型がある、それからもう一つは私的な処理、それからまたもう一つ売却というような、大別してこの3つないしは4つのパターンがあるということでございます。
我々は、その対象として、まずすべてオフバランス化というか、要注意先については健全化を図るという格好でオフバランス化するということもうたってあるわけですけれども、破綻懸念先以下の債権を対象として今言ったような方策でオフバランス化を考えると、こういうことでございます。
それで、そのイニシアチブをだれがとるか。こういうことはもう全くケース・バイ・ケースだろうと、このように思っておるわけでございまして、今、先生が御指摘になられたようなケースもあり得ると、こういうように思っております。
- 浅尾 慶一郎
ケースもあり得るということでありますが、午前中も申し上げました。例えば昨年のそごうのケースの場合でいえば、これは十分な引き当てを積んでいた銀行もあるけれども、そんな破綻することもないだろうと思って余り引き当てを積んでいなかった銀行もあった、結果として特別損失が発生してしまったケースもあるわけです。
これが、どんどんその直接償却ということを推し進められるといろいろなところで起きるかもしれない。だからこそ、一つの債務者に対して各銀行が同じ査定をした方がいいんじゃないですかということを再三再四申し上げておるわけであります。不測の事態が発生しないと言えますか。
- 柳澤 伯夫氏(国務大臣)
それをお尋ねになられますと原則の、原点の方からお話をしないといけないわけですけれども、私どもは、基本的に資産のいわゆる自己査定というものは名前のとおり自己責任においてそれぞれがやると、こういう考え方でございます。
これが基本でして、それを検査でどのようにしているかといえば、他の金融機関が同じ債務者に対する債権をもうちょっと低い債務者区分にしているという場合に、当然それは、そのことが頭にあれば、検査に行ったとき、あなたはこの債務者をこのように区分しているけれども、この債務者にはこういう面があるんじゃないですか、ああいう面があるんじゃないですかというようなことで検査の活動の一環としていろいろ議論が行われるでしょうと、こういうことを先ほども申しました。
しかし、その議論が、常に検査当局側が勝つというか、そういうことはないわけで、おっしゃるとおりの区分にすることは、あなたの持っている情報からするとこれはやむを得ないですねというようなことも十分あり得るわけでございます。それが自己責任のもとにおける自己査定ということでありまして、私どもとしては、検査を通じていろいろな議論の過程で、こっちがそういう情報を持っているわけですから、ほかの金融機関は別の区分をしていたということを持っているわけですから、それなりの議論が行われるでしょうけれども、ぴたり、どこどこ銀行さんが、あるいはほかの銀行さんと言ってもいいんですが、こういう区分だからあなたのところもこういう区分にすべきだと、こういうことはするべきではない、このように私、申し上げているわけであります。
その結果、それでは一定の法的処理が進んだときに、不測の事態とこうおっしゃられたんですけれども、その区分を少し上にしていたところ、それで、しかも自分で自己査定において確信を持っていた人、金融機関にとってはこれはまさに不測だろうと思うんですけれども、こういうことはあり得ることだということを申し上げたいと思います。
- 浅尾 慶一郎
そこは、私は、日本の銀行が、十分に国際的な金融不安がない、不良債権の問題というのが国際的な問題あるいは国際的な話題にならないということであれば、今、大臣が言われたことと同じ考えに立てると思います。
しかしながら、不良債権の問題が経済の再生に大きな足かせになっているという現実を考えた場合には、やはり十分な引き当てを積ませなければいけない。そのときに、積んでいなければその不測な事態が起こるわけです。今まさに認められた。不測の事態が起きて、来年四月からはペイオフが解禁されるということになったら、やはりそこは厳しく検査という形で、そして指摘をしていくべきじゃないかなと思いますが、そうではないということですか。
- 柳澤 伯夫氏(国務大臣)
これは事実問題でして、検査官が他の金融機関がこういう区分をしていると言えば、それは情報ですから、彼の頭の中には、現実に違う区分をしていれば、それはどうしてかという議論になると思いますね。
しかし、今、先生が、これは明確には言っていらっしゃらないんでしょうけれども、全部最低に合わせちゃうということで、これはもう他の金融機関はかくかくしかじかの区分であるから、あなたのところもそれに合わせてください、こういうわけにはまいらないということを申し上げているわけです。
- 浅尾 慶一郎
別の角度から質問をさせていただきますが、しかし、ある金融機関が破綻懸念先ということで、これはもう2年以内に処理しなければいけないということを、その債務者を、あるいはその債権を処理しなければいけないというふうな形で持っておるとします。その同じ債権を別の金融機関が正常先ないしは要注意先としていれば、突然そのある企業が会社更生法なりなんなりという申請をされて法的整理に、今の金融庁、政府の方針であれば、追い込まれる可能性もある。そのときに引当金不足が起きて、しかもこれが来年の4月1日以降であれば、場合によっては、規模が小さい金融機関であればペイオフということにもなりかねないのではないか、だからこそ今のうちにそこに横ぐしを入れておくということが私は金融監督当局の責任としてあるのではないかなと思いますが、そうではないということですか。
- 柳澤 伯夫氏(国務大臣)
これは、やっぱり我々は、自分の債務者区分あるいは分類というのをあくまでも金融機関の側の自己責任による自己査定ということで行っているというわけでありますから、もちろん先ほど来申しておるとおり、検査においてはそれなりの情報が入っていますから、それはやりますけれども、そういう議論の仕方ではなくて、これは最低に合わせるからここの銀行は、ここの銀行と言わなくても、他の銀行が最低こうなっているからあなたのところもこういう区分になるべきですよというのは、やはりいささか官僚統制ということになるのではないかということで、私はそれには賛同できないということを先ほど来申しているわけであります。
- 浅尾 慶一郎
官僚統制というふうにおっしゃいましたが、先ほど来申し上げておりますように、私は日本に不良債権の問題がなければ、自己責任そして自由原則でやられるのが一番いいと思います。しかし、不良債権の問題を早急に解決するためには、やはり今申し上げているような形にしていかざるを得ないんではないかなと思っておるわけでありますけれども、またお聞きしてもきっと同じような御答弁になると思いますので、次の問題に移らせていただきたいと思います。
そこで、午前中、竹中大臣がちょっと席を外しておられるときに総理に質問させていただきました1票の格差の問題、これは竹中大臣が理事長をされておられたというのが正確な表現、あるいは今もされておられるかもしれません、東京財団の発表された政策提言集でその監修をされておられます。この中に、大田弘子先生が書かれておられますけれども、『「1票の格差」が、「経済政策」を「社会政策」にしてしまっている』ということを書かれておりまして、現存する1票の格差がいわゆる経済政策、本来しなければいけない経済政策を社会救済的な社会政策にしてしまっているというふうに書いておられますが、この意見について、監修をされておられます竹中大臣は同じ意見でありましょうか。だとすれば、1票の格差を是正すべきだというふうに考えるかどうか、伺いたいと思います。
- 竹中 平蔵氏(国務大臣)
大田さんは大変尊敬すべき経済学者でありまして、御承知のように、そういうものというのは、学者の責任において一人一人のキャパシティーで書いているものであります。
私は、大田さんが書いていることは基本的には正論だと思いますし、1票の格差を是正することが必要かというふうに聞かれれば必要だと思います。必要ないと多分だれも答えないような気もいたしますけれども、私はやはりそこは大変必要なこと、重要なことだというふうに思います。
- 浅尾 慶一郎
ありがとうございました。それでは、経済財政政策について、まずその財政再建という問題、午前中も少し最後議論をさせていただきましたが、塩川財務大臣に伺わせていただきます。
財政再建、今現状、大体80兆円年間で国が使っております。対して税収は50兆円と。家庭に例えれば、大体年収500万円の人が800万円使っている、あるいは800万円以上使っている。来年以降は30兆円以下に抑えるということは、税収が50兆円で変わらないという前提でいくと、引き続き500万円の年収の人が800万円使う生活を続けるということなんでしょうけれども、どれぐらいのタイミングで、どういう形でこの財政再建のグランドビジョンというのでしょうか、を考えておられるんでしょうか。
- 塩川 正十郎氏(国務大臣)
財政再建とおっしゃることは、結局はプライマリーバランスをとっていく、その過程に入れということでございますね。私は、それは2、3年後にはなると思っておりますが、それは現在の経済情勢ではなかなか、歳出を削減することに精いっぱいでございまして、プライマリーバランスをとっていくところまでは経済の成長力もございませんし、税収もそれに伸びてこない。したがって、歳出の抑制で精いっぱいのところだと、私はそう思っています。
- 浅尾 慶一郎
2、3年後にプライマリーバランスが達成できるという御答弁ですか。
- 塩川 正十郎氏(国務大臣)
いやいや、とんでもない。そうなりませんで、だから、そこから入るということを言っておるんです。ですから、それは誤解のないようにして。
- 浅尾 慶一郎
そうすると2、3年後から何年間でプライマリーバランスを達成されるか。
- 塩川 正十郎氏(国務大臣)
それはわかりませんが、学者とかいろんな方の意見で聞くと、まあ5年ぐらいとおっしゃっていますけれども、私はもう少し長くかかるのではないかと思うておりますが、定かではございませんので答弁できません。
- 浅尾 慶一郎
プライマリーバランス、大変重要な課題でありますが、一つ、一番国民経済にとって望ましいのは、経済成長によって自然に税収が伸びるということだと思います。
そのためには、やはり竹中大臣の持論であります競争政策ということを私は進めていかなければいけないと、こういうふうに思っておりますが、競争政策ということで考えますと、日本の経済、いろんな問題もあるんですけれども、例えば国が発注いたします事業について、経済産業大臣が担当されている官公需法というものがございまして、一定割合を中小企業に発注するという法律で書かれております。それはそれで社会政策的にはあるのかなと思いますが、先ほどの経済政策的見地からすると、むしろ効率性の高い日本経済をつくるためには、この官公需法ということも見直すということは競争政策上必要だと思いますが、その点について、竹中大臣、そして平沼大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
- 平沼 赳夫氏(国務大臣)
政府は、委員御承知のように、従来から官公需確保法に基づいて国などの契約の方針を毎年度閣議決定いたしまして、中小企業者向け契約目標及び講ずべき措置を定めまして中小企業者の受注の機会の確保に努めてきました。
それは背景として、やはりこの国の経済の基盤を支えているのが中小企業である。しかし中小企業はそれぞれ、そういうことで中小企業ですから営業力も非常に弱いわけですし、また情報等も不足をしている、また経営資源が脆弱である。こういうようなことから、やっぱり中小企業に公平な参入の機会を与えなければならない、こういう形でやってきたところでございまして、私といたしまして、また政府といたしましては、やはりこのような施策というのは中小企業の健全な成長、発展にとって必要不可欠だと、このように認識をしておりまして、私どもとしては、今中小企業、非常に厳しい立場に立っておりますから、やはりこの政策というものはしっかりとやっていかなければならない、こういう基本的な考えを持っております。
- 竹中 平蔵氏(国務大臣)
私は法律の直接の所管はしておりませんので、法律の細かい条文もそんなに詳しく知っているわけではありませんので、少し一般論的になりますけれども、やはり総じて社会経済の非常に広い分野において競争政策の徹底は必要だというふうに思います。
ただ、一方で、中小企業に対する例えば税制を含めた優遇措置というのは、実はアメリカのように非常に競争政策を大事にしている国でもとっているわけでありますね。そこら辺のバランスをどうとるかという、非常に広い議論の中で今のこの法律の問題も議論されるべきだと思っております。
- 浅尾 慶一郎
次に、地方交付税の話、先ほど日出委員からも質問が出ておりましたけれども、財源を私も地方自治体に移していくべきだろうと、そのためには国庫支出金を削減してそれを税源としてつくっていくという考え方には立つわけでありますが、一方で、翻って午前中の答弁で、約1兆円を地方財政計画の中から削減するべきだろうという塩川大臣の御発言がありました。
それで、地方交付税というものをよく見ていきますと、この中に普通交付税と特別交付税というものがあります。特別交付税というのは地方自治体の財源不足のときに使われるということなんですけれども、財源不足というものを毎年毎年予測して特別交付税ということで予算の中に最初から計上するのではなくて、これは別に補正予算なりにしておいた方がいいんではないかと思いますが、そういった考え方について塩川大臣の御意見を伺いたいと思います。
- 塩川 正十郎氏(国務大臣)
私よりも総務大臣が答えるのが適当だと思います。
- 片山 虎之助氏(国務大臣)
地方交付税の問題につきましては、日出委員の質問のときにかなり詳細に答えましたけれども、いずれにせよそれぞれの年度の地方財政計画を作成した上での財源不足額を補てんするわけですね。財源不足額を補てんする、地方交付税は。それはグロスとしての特別交付税的なものも入れて総額を決めるんですよ。
そこで、94%が普通交付税で6%が特別交付税ですけれども、これは災害その他、事前に予測せざる財政需要が出るだろうと、こういう想定で今までも配分してきておりまして、これはこれで私は経験則的に見ても正しいんではなかろうか、こういうように思っておりまして、そういうことで、年度当初の一律の機械計算で全部交付税を配分してしまうのではなくて、その後の年度の推移を見て、しかも災害はいつ起こるかわかりませんから、災害その他のいろんな需要を見て総合的に勘案して、最後はきちっとつじつまを合わせていくと、地方財政の。そういうことの方が私はベターだと思っております。
- 浅尾 慶一郎
地方自治体の財源不足対策である特別交付税が毎年、災害とかが毎年あるわけでもないんでしょうけれども、必ず消化されているということ自体が私はちょっとおかしいんではないかなと。だからこそ、これを補正予算の対策にするなりしたらいいんではないか、ちょうど6%ですから約1兆円以上あるわけでありますから。その点について財務大臣に御意見を伺いたいと思います。
- 塩川 正十郎氏(国務大臣)
これは先ほども総務大臣から答弁がございましたように、交付税は総額の中で見ておりまして、それで普通交付税はこれだけ、94%、特別交付税は6%と分けておりますけれども、しかしその6%というものが、地方における不測の事態と同時に、その均衡をとるためにも使われるべきものだと思っておりますので、これは自治省の方針が地方財政計画の中に織り込まれたものであると思っておりますので、こちらからとやかく干渉するものではないと思っております。
- 浅尾 慶一郎
既にその地方財政計画をつくる段階で、例えば給与改善費等、毎年5,100億円の予備費的なものが入っているわけです。それに加えて、何か6%の特別交付税があるのはおかしいんじゃないかなと思いますが、もう時間がなくなりましたから、その点について再度御答弁をお伺いしたいと思います。
- 塩川 正十郎氏(国務大臣)
私は、そういう点、いろんな問題がそれだけではなくてございますから、この際、地方財政計画そのもの全体の中でそういうものを検討していって、私、先ほども、私自身の目安でございますけれども、国と地方とこのぐらいずつ負担してもらえぬかということの相談をこれからやっていくということでございます。