財政金融委員会 会議録
平成11年11月11日
浅尾 慶一郎
浅尾 慶一郎

民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。

本日は午後にいわゆる商工ローンの日栄の松田社長、商工ファンドの大島社長を当委員会に参考人としてお招きしておりますので、まずいわゆる商工ローン問題について担当の大蔵大臣及び金融再生委員長に御質問させていただきたいというふうに考えております。

まず最初に、この問題についてはいろいろな政策上の、法律上の問題もあろうかと思いますので、政策上の問題についてお話を伺っていきたいというふうに考えております。

実は私自身もこの問題を勉強する前、たしか今年の4月13日に参議院の財政・金融委員会で審議されましたノンバンク社債法のときにも若干この問題が議論されましたが、その前まではいわゆる自由経済社会の中で任意に払っておるというものであればそれはいたし方ないのかなというふうに考えておったわけです。その後いろいろと勉強させていただいたり、あるいは私自身も銀行におりまして、その銀行の大長老からもいろいろと御示唆をいただいたわけでありますが、そこで一つ考えられる考え方としては、商工ローンの借り手と貸し手というのは通常の商取引における売り手と買い手とは立場が違うのではないかということが大きな問題としてあろうかなというふうに思っております。

言い方をかえて言いますと、今規制緩和というのが世の中の流れでありますが、ただしそれは取引の当事者の両者が同じ程度の知識を持って初めて成り立つ話なのかなというふうに考えておりまして、今回の商工ローンの問題については取引当事者である借り手、貸し手、あるいはその第三当事者であります保証人を踏まえてもその知識のレベルが格段に違うのではないかな、こういうふうに考えるに至りました。だとするならば、若干修正資本主義的な考え方でしょうけれども、政治の介入があってしかるべきなのではないかなというふうに考えるに至ったわけであります。

そこで、御案内のとおり、金利については利息制限法と出資法との間に2つの金利の違いがあるわけでありますけれども、今議論の中では出資法の制限金利を下げるとか利息制限法に罰則規定を設けるとか、いろいろな議論が行われているのではないかなというふうに思いますが、政策当事者であります大蔵大臣がこの辺についていろいろな御所見をお持ちでしょうから、まず最初に、制限金利を下げるのがいいのか、あるいは利息制限法について罰則規定を設けていく方法がいいのか、今いろいろ御議論を省内でもされておるところだと思いますが、その途中経過でも結構ですから、御所見を伺えればと思います。

宮澤 喜一氏(国務大臣)

昭和58年ごろにこの問題につきまして、当時はサラ金といった問題であったんですが、両院におきまして、殊に当院の大蔵委員会、この委員会の前身と申しますか、大蔵委員会において大変な御議論がありまして、法務委員会とも御議論をいろいろ検討され、また衆議院の方にもその問題が波及と申しますか連携がございまして、結局そのときに貸金業規制法というものをおつくりになりました。

今の問題はそのときのサラ金の問題とは違いまして、浅尾委員の言われますように、商工ローンというのは企業間の問題でございますし、かなり異質の問題ですが、しかしいつかもちょっと申し上げましたが、人類第2の古い商売でございますので、やっぱり借りたい人がどうしてもいるということはなかなか避けられない。そういうことで、今回の問題も法律だけで一方的に処理できるというわけにはなかなかいかない。

しかし、いろいろこれから、本日も当院で、当委員会でヒアリングをなさるようでございますが、しかしそうはいいながら、社会的に見て許せない行為が行われているのではないか、そのことはもうこれ以上ほうっておけないのではないかということを金融監督庁でもお考えになり、注意もされ、また業界も自粛するというふうなことを承っておりますけれども、それでもなお法の問題として放置していいかということは私自身もあるのではないかと思っております。

他方でしかし、一般に個人の貸金業、これは3万ぐらい登録があるそうでございますが、それはこの法人の、こういう企業の何千万という大きな金の問題と同じ法のジャンルには入っておりますが、実態は違う問題でございますから、そういうものはそういうものとして生存しなければならない理由がある。そこへ余り法制や行政が入りますと思わない結果を生むことがそういう部分ではあるだろうということも考えられますから、結論として私が今思っておりますのは、十何年前も院でこの問題のお取り上げがありましたが、今回も国会でこの問題をお取り上げくださって、また法案を出しておられる党もおありでございますから、その中でこの辺のところではないかという御結論を、もちろん政府自身もお尋ねがありましたら資料なり所見なりを申し上げることはもちろんでございますが、そういう中から何かの規制が生まれてくれば、一番それが穏当な結論になるのではないかと思います。そういうことを感じております。

浅尾 慶一郎

今の議論をもう少し深めさせていただきたいと思います。

御案内のとおり、出資法では40.004%が貸し金を業とするものの制限金利であり、利息制限法では100円以上は15%というふうになっておるんですが、今の我が国の経済情勢を考えた場合に、果たして利息制限法並みの年率15%も収益を上げるような金融投資が本当にあるんだろうかなということが考えられるわけです。中にはもちろんそれぐらいの可能性のあるものもあろうかと思いますが、恐らく取っている金利というのが高過ぎるんではないかな。15%を超えて、商工ローン業者は大体30%前後金利を取っておられるようでございますが、30%の金利を取られて、最終的に貸し倒れになる率、いわゆる彼らが回収できない率というのは、恐らく貸した金額の2%前後なんではないかなというふうに思います。2%前後に事務手数料を加えても、それは小口融資ですから多少事務手数料がかかるというのはあろうかと思いますけれども、10%、15%、利息制限法の範囲内でも本来的にはやっていける商売なんではないかなというふうに思っていまして、だからこそそこに過剰利得、非常に大きな収益機会があって、いわゆる日栄とか商工ファンドという会社がROE、株主資本利益率で言うと今の上場企業の中ではトップクラスの収益を上げておるということなんではないかなというふうに思っております。

先ほども申し上げましたように、一方で、借りる方は本当にきょう、あすの資金が必要だというようなせっぱ詰まっている状況ですから、本当に一対一の、例えは悪いですけれども、車を買う場合には買い主と売り主である自動車メーカーさんとはイコールの立場なんではないかなと思います。ところが、貸金業者からお金を借りる人というのは、せっぱ詰まっている状況ということを考えると、本当に対等の関係なのかなというふうに思っておりまして、そこで議論を深めていかなければいけないというふうに考えております。

そこで、ひとつ伺いますが、利息制限法には、任意に払った場合はその限りではないけれども、要は15%を超える金利、これは元本が100円以上ですけれども、一五%を超える金利については払う必要がないということが利息制限法の第1条第1項にはっきりと書いてあるわけでございます。

私がここで申し上げたいのは、先ほど来申し上げておりますように、せっぱ詰まっている人にとってはこんな六法全書などを見る時間は恐らくないでしょうから、そこにせっかく払わなくてもいいですよと法律で決まっていても、その法律上の恩恵にあずかれないケースが多いのではないかな、こういうふうに考えております。

そこで、選択肢は、利息制限法に罰則規定を設けるということか、あるいは貸金業規制法にはいろいろな契約の内容について開示をしていかなければいけないということが書いてあるんですが、特に貸金業規制法の第14条のところに「貸付条件の掲示」というものがありますが、そこに、例えば利息制限法にはこう書いてあって、それ以上の金利は任意で払った場合には払わなくてもいいですよというようなことを加えられれば、かなり情報の格差がある人にとってその格差を是正することができるのではないかなと。それが私は本当の意味での公平な、今の利息制限法の金利の水準がどうかという議論は別として、公平な行政のあり方なんではないかなというふうに思う次第であります。

そこで、これは監督をされるのは監督庁、ついては金融再生委員長ということになるのかもしれませんが、貸金業協会に対して、今申し上げました、今できることとして利息制限法の第1条に決められております金利について、それ以上払う必要がありませんよということも、常に何か業者の中に張り出しておいてはというような通知を出されてはいかがかということをお聞きしたいと思います。

越智 通雄氏(国務大臣)

お答えする前に、ちょっと私どもの状況認識だけ申し上げさせていただきたいと思います。

貸金業者は30,290おると言われておるんです。本当はもうちょっと少ないんじゃないかと言われておりますが、そのうち実は500億以上の資金を扱っている大手はわずかに228社でございます。ただ、64兆というのは大変大きな金額でございますが、これは金融市場としては旧相互銀行、第二地銀並みぐらいの大きさのある金でございます。今申し上げた30,000の中の228社だけでそのうち64兆分の47兆円をやっておりますが、今問題になっている商工ローンというのは中小企業に貸金業者が物的担保をとらずに人的保証だけで貸している、これがいわば今言われている商工ローンの私なりの定義でございます。

そういう点でいいますと、47兆の中でも今の商工ローンは何ぼやっているかというと、私どもの推計では2兆でございます。多いと言う方はもう少し多いんじゃないかという話をしますが、2兆の推計の根拠は、一番大きい日栄さんが4,000億、次の商工ファンドさんが3,000億、シンキさんというのが3番目にございまして、これは2,000億でございます。全部足して約1兆。なぜそれがわかっているかというと、これは全部、一部上場が上2つと二部上場だから、我々はそっちの関係の証券取引法上の資料から認識しております。

そういたしますと、この2兆を含めて64兆全体に法律がかぶっているものですから、法律をいじくったときには、他の業界、例えば信販会社、リース会社、それからカード会社、これらは皆数兆円ずつやっておりますが、こういうのをどうするか。今言われている商工ローンのもともとの出だしは手形の割引業者でございましたものですから、そういう意味で、この方々の、むしろその二兆の業界の実態をまず把握したい。

率直に申しまして、トップ2社または3社以外は急速に小さくなっております。トップ2社の資本金は500億ずつです。500億、500億、3位がいきなり50億でございます。あとはもう急速に小さくなっておりまして、今私どもの苦情処理のところへいろいろ入ってくるのもほとんどトップだけでございまして、したがいまして極めてある特定のところから発生している混乱じゃないかなと。それを頭に置きながら体制を組んでいかなきゃいけないかなと。

それには何よりも今の実態を知りたい、こういうことでございまして、今、浅尾委員のおっしゃいましたような、もっと条件がよくわかるように、借りる人にわからせる、大変大事なことで、検討させていただきたいと思います。

ただ、張り出すというより、一番大事なところは、今問題になっているのは根保証というほかでは余り聞かない言葉で、おいっ子が借りるからおじさんその判こを押してよというとき、100万円と書いてあったと思ったらどこかの方で1,000万円という根保証が書いてあったと。この用紙を別にして、この用紙に対するサイン、それから判こを別々にかっちり押させて、あんた、1,000万円とはもう別なんだということをはっきりさせなきゃいかぬ。

それを、これは大したことないんですみたいな勧誘をしているとすれば大変、違法なと申しますか、よくない行為でございますものですから、私どもの方の貸金業規制法は行為規制でございますので、そこら辺はもう浅尾先生の御指摘のように厳重に今後やっていかなきゃならない、こう思っておりますが、法律全体に関しましてはそういう金融状態の中の法律であるということをお願いしたいと思います。

なお、58年の改正は、改正というか新法の格好をとっていたんだと思いますが、その直前までは109%が上限でございまして、日歩30銭の計算でございましたが、それを日歩10銭の計算で40%を、004とついているのは日歩計算の換算なものですからそういう格好になっていますので、確かに全体として高いあれはわかりますが、極めて短い融資をしているところにとっては、町の質屋もここに係りますが、町の質屋さんでいうと、貸金業者ですが、10万円を借りるのに月に3,000円でまず貸すわけです。12月のボーナスまでおじさん10万円貸してよと。そうすると、ハンドバッグ1個置いてきてそれで頼むよと。10万円貸して3,000円とか3,500円ですね。

そういう金利をつけているところもあるものですから、季節性の業者、それからそういう非常に短期の資金、これをどうさばいていくかも念頭に置きながら、私どもまたいろいろ御下問に応じて状況の御報告をさせていただきたい、こう思っております。

浅尾 慶一郎

もちろん、今商工ローンの問題というのは、冒頭申し上げましたけれども、法律は利息制限法も出資法も何も商工ローンのみを規定しているわけではないということは重々承知しております。したがって、一方でいえば、割賦販売であっても消費者金融であっても利息制限法の任意に弁済した場合はその限りではないけれども、基本的にはその条文を、15%を超えるものは違法ですよ、返す必要ありませんよというのはすべての取引に当てはまるということはそのとおりでありますから、にもかかわらず制限が2つあるということ自体が国の法体系としては、グレーゾーンと言われていますけれども、おかしいのではないかということであります。

もし現状で2つあるということを認めるのであるとするならば、少なくとも知っている人は得をして知らない人は黙って払ってしまうというような現状を改めた方がいいんではないかということで、商工ローンに限らず、そういう規制が行為規制ということでできるわけですから、あるいはその業界を通してもそういう通知を徹底させるということをお願いしたわけであります。

ぜひその点をお願いしたいということを申し上げさせていただいて次の質問に移りますが、業界団体の長に監督庁からそういった通達を出すという方向で検討いただけるということでよろしいですか。

越智 通雄氏(国務大臣)

既存の通達の強化その他でどうできるか、行政手続的なことはよく検討させていただきますが、先生の御趣旨がよくあらわれるようにしたいと思っております。

浅尾 慶一郎

そこで、本年の4月13日、当委員会において金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律、いわゆるノンバンク社債法についての附帯決議の中で、このノンバンク社債法の結果、日栄も商工ファンドも、あるいはその他のノンバンクさんもすべて社債を出せるようになったわけですが、その附帯決議の中で、「多重債務問題が深刻化している現状にかんがみ、金融業者に対し、与信審査の一層の厳格化、過剰貸付の禁止、貸出金利の引下げ等について適切な指導・監督・要請を行うとともに、暴力的取立てなどの悪質な行為は厳重に取り締まること。また、借手に対する消費者信用教育、カウンセリング機能の充実等を図るほか、統一的な消費者信用保護に関する法整備について検討すること。」というのが附帯決議でついておるわけでございます。

したがって、今の話も、例えば払わなくていいんですよというのは消費者信用教育ということになるわけですから、いろいろな手だてを使ってそういうことをやっていけばいいんではないかなということを申し上げさせていただきたいというふうに思う次第でございます。

当委員会における審議におきましても、最近、深夜においていろいろな、これは商工ローンさんではないんですが、サラ金、サラリーマン金融と言われる消費者金融の宣伝が数多く見られますが、例えばたばこの宣伝の場合は、これは当委員会でもその際にも申し上げたんですが、健康のために吸い過ぎに注意しましょうというような文言を入れるわけですから、それはなかなか監督庁としてそこまで言えないということであれば、業界団体を通して、今の利息制限法を超える金利は払わなくてもいいんですよというようなことを指導いただくということぐらいは、この附帯決議に基づいても、消費者信用教育ということにもつながりますからできるんではないかなということを申し上げさせていただきたいというふうに思います。

そこで、質問はちょっと変わりまして、貸金業規制法の中で、今申し上げました与信審査の一層の厳格化という、もともと商工ローンに限らずですけれども、借り手の信用をしっかりと審査しなければいけないということが入っておるわけでございますので、にもかかわらず問題になっているというのは、多分余り審査をしないで、保証人の方だけを審査しているんじゃないかなと。さっきおっしゃいましたように、保証人に累が及ぶ前に、原契約者に対して過剰な貸し付けがないように、そこの指導徹底もお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

村井 仁氏(政務次官)

ただいまの御指摘の過剰貸し付けの問題でございますけれども、これにつきましては、私ども既に事務ガイドラインというものを示しておりまして、これによりまして、過剰貸し付けをしないようにということをやっておるわけでございます。

ただ、一つの問題を申し上げますと、特に商工ローンなどの場合は、何が一体過剰貸し付けかというところがなかなかこれは判断が難しいわけでございまして、いわゆる消費者ローンでございましたら、例えば年収、収入の10%に限定しようとか一社幾ら以下というような基準を示すことができるわけでございますけれども、事業を行っている場合には、一体どれだけの資金需要があるのかということは申し上げるまでもなくそう簡単に判断できることではない。個々個別のそれぞれの事情があるということでございまして、一義的に決まるものではない。

ただ、そういう形で、私どもとしましては事務ガイドラインということで示しているということを申し上げておきたいと存じます。

浅尾 慶一郎

本日は利息制限法ないしは出資法絡みの、先ほど来るる申し上げておりました金利の話について、それは契約当事者の話ということで、いわゆる民法の部分にも入ってくるのかなということで、今国会から基本的に大臣ないしは政務次官に御答弁をいただくということで、法務政務次官にもお越しをいただいておりますので、ここでひとつお伺いしたいんです。

利息制限法で、任意に弁済をした場合にはその限りではないということと、民法の95条に錯誤ということがあるんですが、その任意が実は知らなかったと。知らないというのはこれは錯誤にならないんでしょうけれども、そういうふうに思わされていたというようなこともあろうかと思いますが、その辺の観点について、法務省として行政的にできるということはないんでしょうけれども、解釈として、あるいは今までのかつての判例についてお話しいただければと思います。

山本 有二氏(政務次官)

委員御指摘のとおり、利息制限法第1条第2項は、制限超過部分の利息を任意に支払ったときはその返還を請求することができない旨を定めております。

しかし、判例によれば、元本で未払いのものがあるときは債務者が任意に支払った制限超過利息は当然に残存元本に充当されることになり、続いて、計算上、元本を完済した後に支払った金額を不当利得として返還請求することができることとされておりますので、公序良俗または錯誤の問題を考慮するまでもなく、利息制限法の解釈上は債務者は過払い分の利息の返還を求めることができることになります。

ただし、その例外として、制限超過利息の任意の支払いが貸金業法第43条に基づいて有効な利息の弁済とみなされる場合につきましては過払い分の利息の返還の請求は許されなくなります。

このような場合について申し上げますと、あくまで一般論としては、任意の利息支払いが公序良俗違反または錯誤を理由に無効とされることは困難であると考えられております。

以上でございます。

浅尾 慶一郎

そこで、繰り返しになりますけれども、これでこの件についての質問は最後にさせていただきますが、貸金業法の中には利息制限法の文言というのはないわけでございますから、ここに利息制限法をどこかに改正して入れる、要するに通知するというような形、あるいは貸金業法の中には貸し付けの利率とかを返済の方式とかを全部借り手に教えなきゃいけないということが第14条に入っておるわけですが、教えることのもう一項目として、実はもう一つ、残念ながらというかおかしい話なんでしょうけれども、我が国には法律があってそこでは任意のものについては返さなくてもいいですよということを入れさえすれば、かなりの部分知らないということによる被害は救われるんではないかなというふうに思いますし、今、法務政務次官が言われたような部分によって、不当にというか、とられてしまった部分を返還請求できるようになるんではないかなというふうに思いますので、私どもも当委員会でもちろん検討させていただきたいと思いますけれども、所管はこれは大蔵大臣になるんでしょうか、ぜひ御検討をお願い申し上げたいというふうに思います。

村井 仁氏(政務次官)

まずは立法府のいろいろな御議論を踏まえてということでございますけれども、なお私どもでよく検討させていただきたいと存じます。

浅尾 慶一郎

最後、残りわずかな時間でございますが、本来は財政金融ということで幅広い議論をしていかなきゃいけないんですが、今もう一つ国民的に関心が持たれておる話として、特別公的管理が決まりました長銀が米国のリップルウッド投資組合に売却が決まったという報道がなされております。報道によりますと、10億円で売られると。ただし、売った後、新しいニュー・LTCB・パートナーズに2,000億円リップルウッド側が出資をするというふうになっておりますけれども、細かい話で恐縮なんですが、その2,000億円というのは本当に何か担保をとって、今度は貸し手の立場から変わるんでしょうけれども、出資を本当にしていただけるのかどうか、担保をとっているのかどうか、そういったようなことについてお伺いをしたい。

具体的に言いますと、リップルウッドという会社が2,000億円払えるほどの資力を単体で持っているとはなかなか思えないわけですから、通常はそういう取引の場合はより信用を補完するという意味でバンクLGというようなものを入れるとかといったようなことがあろうかと思いますが、その点について伺いたいと思います。

越智 通雄氏(国務大臣)

やっぱり全体の眺めを申し上げなきゃ御理解がいただけないかと思いますので、ちょっとお時間がかかりますがお許しいただきたいと思います。

9月28日に金融再生委員会において、米国のリップルウッド社が中心となってつくりました投資コンソーシアム、ニュー・LTCB・パートナーズというのを最優先交渉先として、これから2カ月間、11月末まで交渉することとしました。1社ではございません。この方々が話しかけているのは12社でございます、ドイチェバンクとかメロンバンクとか。

現段階におけるこのパートナーズグループの長銀買収に係る提示条件の大要を申し上げますと、買収金額は、24億株今政府が持っておりますが、これを10億円で預金保険機構より買い取ります。そして、既存の長銀の優先株式一億株のうち954億円分は預金保険機構が引き続き、日本政府としてといいますか、持ち続けるということにしておりまして、そしてパートナーズ社は新規発行普通株式の3億株を1,200億円で引き受けるとともに、政府に対し早期健全化法に基づいて新規発行優先株式、日本政府の方も6億株を2,400億円で引き受ける、こういう持ち合いになることになっておりまして、現在は、2カ月の期間が経過すればさらに段階を踏みまして正式の契約までまだ何カ月かかかると思いますが進んでいく、こういう状態でございまして、向こう側にはお金は十分それなりの用意はできるものと認識しております。

浅尾 慶一郎

時間が参りましたので終わりますけれども、大変国民的な関心の高い問題でありますので、ぜひ契約締結の際にはタイムリーに委員会に御報告というか開示をいただきたいということを申し上げさせていただいて、終わりたいと思います。


【午後質疑分】

浅尾 慶一郎

同僚の櫻井議員に続きまして質問をさせていただきます。

まず、今の櫻井議員の質疑の中で、松田社長は大変なリーダーシップを持って日栄という会社を率いておられるということがだんだん明らかになってきたわけでございますが、そこで平成9年10月3日に日栄さんの取締役を退任された新谷さんという方が大分地裁で宣誓をした上で証言をされております。

証言の内容というのは、いろいろあるんですが、簡単に言うと、保証人に本当のことを言ってしまうとだれも保証はしないから本当のことは言わないんだというのが一点。二点目は、日栄さんの中でいわゆる手形詐欺が数多くあるということを宣誓をした上で言っております。

これは真実かどうかという問題もありますが、もし真実でないとするならばこの人は偽証罪になるわけですけれども、偽証罪で告訴する予定があるかどうか、その点について伺いたいと思います。

松田 一男氏(参考人)
浅尾 慶一郎

私の方について、新谷君は確かにうちの役員でおりました。ちょうど2年ほど前にやめたと思いますけれども、非常によくやった役員だと思います。たしか大分が最後でやめましたけれども、私の方に手形詐欺の問題があったことは今初耳でございまして、そういうことは私も記憶がございません。

今ちょっと先生がおっしゃった保証人というのはどういうことでございますか。

浅尾 慶一郎

保証人に根保証の極度額を説明せずに、例えば400万が極度額であったとするならば200万の最初の融資の分しか説明しないというのが通例であると証言をしております。

松田 一男氏(参考人)

それは新谷君の誤解だと思います。私の方の保証契約書は非常に単純な保証契約書でございまして、保証極度の金額も期間も全部保証人さんに書いてもらうようになっております。私どもの方の場合はお客さんが全部事業家でございまして、子供じゃございませんので、しっかりといろいろ社員は相手方に丁重に説明申し上げているつもりでございます。

浅尾 慶一郎

私が伺いたいのは、彼が証言していること、これは裁判で宣誓をした上での証言ですから、うそであるとするならば偽証罪で訴えることはだれでもできるわけですが、そのつもりがあるかどうか、その一点だけ。

松田 一男氏(参考人)

その点はまた後日、判断に任せますが、私どもの方の場合は、社員の入社に際しましては、退職後も会社の秘密を漏らしてはならないということで、いろいろそういう誓約書もとってやめておりまして、よく最近テレビを見ていますと、元社員という名前でいろんな面で出ていますが、どうも私としては、新谷君の場合は知っておりますけれども、今彼に対してどうするこうするということはまた後の問題にいたしまして、そういうことはないと思います。

浅尾 慶一郎

別な観点から質問をさせていただきますと、先ほど同僚の平田委員の方からも投資家に対する責任ということを申されておったわけですけれども、もし宣誓をした上で虚偽のことを言ったとすると、会社の信用を傷つけるわけですから、会社の代表取締役としては、それがうそであるとするならばそれなりの処置をとるのが当然の務めなのではないかなと。もしそれが本当だとするならば、それは偽証ではないということなので、イエスかノーかで結構ですからお答えいただきたいと思います。

松田 一男氏(参考人)

それは私もわかりませんので、ちょっとまた調べた上で、もし偽証であればそれなりの処置をとりたいと思っています。

浅尾 慶一郎

裁判の上での発言ということなので、当然代表取締役としては知っておる、しかも訴えられておったのは御社ですから知っておるということだと思いますけれども、それをあえてしていないというのは、何かそこはうそでない部分があるのではないかなというふうに思われて仕方がありません。

そこで、今度は日栄の中での回収の業務について伺ってまいりたいと思いますが、回収は管理部というところで行われているんでしょうか。管理部は、大体日栄の中で回収を担当している人は何人ぐらいいるんでしょうか。

松田 一男氏(参考人)

現在、私の方は子会社の日本信用保証がすべて管理、回収をやっておりまして、日栄の社員には今管理、回収する者はおりません。もう全部日本信用保証の者がやっておる次第でございます。

浅尾 慶一郎

それでは、その日本信用保証は、いろいろ問題があるんですが、何人ぐらい従業員がいらっしゃいますか。

松田 一男氏(参考人)

現在、ざっと140、50人おるんじゃないかと思います。

浅尾 慶一郎

4、50人。別の資料によりますと百何人というのが…

松田 一男氏(参考人)

140、50人でございますよ。

浅尾 慶一郎

140、50。

松田 一男氏(参考人)

はい、そうです。

浅尾 慶一郎

140、50人というふうに今おっしゃいましたけれども、日栄の連結財務諸表を見ますと、大体給与が3億3082万円になっているんですね、日本信用保証の。日栄の平均給与で割ると3億3082万円というのは72人分なんです。倍いるというのは給与を補てんしているんでしょうか、本社から。どういう形になっているんでしょうか。

松田 一男氏(参考人)

いや、いろいろ私の方は、昨年の夏から春にかけて日本信用保証の方の社員を随分ふやしまして、昨年の春ごろは多分100人を割っておったと思いますけれども、現在では140、50人になっていると思います。以前はそんなにいなかったんですが、最近随分ふえています。といいますのは、私の方も最近は長期の証書貸し付けという仕事もあっせんしてもらっておりますから、そういうことで相当増員をしたと思います。

浅尾 慶一郎

そうすると、当初100人ぐらいであったものが140、50人になったということですね。要するに、昨年1年間に100人から140、50人になったという計算になるんだと思います。

ここに今年の3月31日付の有価証券報告書があるんですが、これで計算をしますと、大体日本信用保証というのが給与が3億円と、先ほど申し上げましたように、そんな計算になる。3億円を、大体400万ぐらいですか、日栄本社の給与が、で割りますと72人ということなんで、どう考えても100人いたとなると、債権回収の方が恐らく仕事としては大変なんでしょうけれども、平均給与が安いということになってまいりまして、それであるいは兼務しているのかなというふうに伺っておったんですが、兼務という事実は全くありませんか。

松田 一男氏(参考人)

何の兼務でございますか、兼務といいますと。

浅尾 慶一郎

本社との兼務。

松田 一男氏(参考人)

いや、それはございません。

浅尾 慶一郎

それでは、日本信用保証についてもう少し伺ってまいりたいと思いますけれども、この会社は、日栄本体の利息の収入が大体823億円に対して、先ほど日本信用保証が保証をつけるのは大体貸し出しの六割という話だったと思いますが、保証料で360億円取っているわけですね。そうすると、受取利息が823億円ですから、全部につけるとなると600億円ぐらい保証料を取っているということで、大体貸付金利と同じぐらいの保証料を別会社で取っているという計算になるんだと思います。

そうすると、そこでかなり個別の融資については出資法ぎりぎり、あるいは超えているものも出てくるのではないかなというふうに思いますが、どうでしょう。

松田 一男氏(参考人)

ちょっと誤解がございましたけれども、日栄の融資の約4割は無保証でございます。6割は保証人がついていますけれども、日本信用保証は日栄の融資はすべて全部保証しているわけでございます。さっきの四割といいますのは第三者の保証人がついていないという意味でございまして、日本信用保証はすべて日栄の融資につきましては全部保証しているわけでございます。そういうことでございます。

浅尾 慶一郎

では、別の観点から伺いますが、日本信用保証というのは100%の子会社です。100%の子会社が親会社に対して保証を入れるというのは、保証という行為自体にはどういう経済効果があるのかなと。貸した人が倒れてしまったときに、それ自体に余り経済効果はない。自分で自分の、タコ配のような効果しかないのかなというふうに思いますが、そうするとまさに回収のためだけの機構と。しかも、そこに回収のプロを入れて利益をうまく配分しているというふうにとれるんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

松田 一男氏(参考人)

全然そうじゃないと思います。日本信用保証の設立の趣旨というものは、保証人がなくても日栄で借りる客をできるだけふやしたいということもございまして日本信用保証をつくりまして、保証人がとれない先に対しましても日本信用保証の保証がある場合は日栄でいろいろ検討いたしまして、日本信用保証の審査が通れば保証していただく、こういうふうになっております。回収のためにつくったということじゃなくて、できるだけ日本の中小企業の方々が保証人がなくても金が、借りるために日本信用保証をつくったわけでございまして、現に日栄の融資の約四割までは無保証で日本信用保証が保証しているわけでございます。

浅尾 慶一郎

先ほど松田社長は、ボランティアでやっておるわけではないから応分の利息は当然だというような発言があったわけですけれども、一方で、ボランティアでやっているわけではないとするならば、なぜ子会社に保証をさせ、それは今申し上げましたように全く、仮に無保証でその人が倒れた、日本信用保証しかかかっていなくて倒れた場合には自分で損失をかぶるということしかないわけですから、その機能はまさに今申し上げましたように回収のための機能しかないのではないかなというふうに思えるわけであります。

そこで、余り時間もありませんが、次の質問に移らせていただきます。

商工ファンドの大島社長にも来ていただいているわけでございますが、商工ファンドの方は別会社で信用保証とかいうことはやっておられずに、むしろ法律にのっとってやっておられるということで、先ほども個社の立場で適法に行っているだけではなくて社会全体にというような話があったわけです。

そこで伺いますが、本日付発売の雑誌に、警察庁のOBで鈴木邦芳さんという方に360万円ほど数度にわたって現金を渡されておると。上場会社として元警察庁のOBの方に360万円を渡すというのは果たして社会の通説の観点で考えてどうなのかなと。どういう理由で渡されたのか、その点をお聞きいたしたい。

大島 健伸氏(参考人)

鈴木邦芳さんにつきましては、その金額はお返しいただいております。

同時に、私どもにつきましては、これは鈴木邦芳さんにつきましては、ある会合でお会いしまして、非常にリスク管理等についていろいろ御教示いただいてということで、そのようなことでおつき合いをさせていただきましたということでございます。

浅尾 慶一郎

私が伺いたかったのは、金額を返したかどうかということではなくて、何に対する対価として360万円を払われたかということです。

大島 健伸氏(参考人

鈴木邦芳さんにつきましては、今申し上げましたように、リスク管理等危機管理等につきましていろいろな参考の御意見をちょうだいしました。それでございます。

浅尾 慶一郎

リスク管理というのは幅広い概念だと思いますし、この方は警察庁のキャリアの方というふうに承っております。同時に、その中では、元の警視総監に対しても、あるいは警察のOBである亀井自民党政調会長に対しても献金あるいは寄附がなされておるといったようなことがあるんですが、そういったようなことは何か、鈴木邦芳さんについてはリスク管理ということですけれども、その中身と、それから井上元警視総監、それから亀井さんに対してはどういうものを期待してなされたのかなということを教えていただきたい。

大島 健伸氏(参考人)

すべて私どもはコンプライアンスという件につきましては非常に重大に考えております。したがいまして、違法なことはこれは100%ございません。そして今現在、申し上げましたように、社会通念上、慣習上でおかしなことは、逸脱した行為は全くございませんので、御懸念の点はございません。

浅尾 慶一郎

360万円という金額は、恐らく社会通念上で言うならばコンサルタント契約か何かを結ばれてお支払いになっているということであればおかしくないということはあり得ると思いますが、どうも報道によりますと、新築祝いですとか出版記念のお祝いとか、そういうことでなされておるので、何かそこに目に見えない対価を期待したんではないかなというふうに思わざるを得ないんですが、その点と、それからそのほかに、先ほど政治家の話はさせていただきましたけれども、今手持ちにリストはないのかもしれませんが、あるいはコンプライアンス上問題ないという御発言なのかもしれませんが、そういったケースはあるかどうか、お答えいただきたい。

大島 健伸氏(参考人)

まず、後者の質問に対して先にお答えいたします。

政治家の先生方につきまして、例えば会費等々で2万円とか1万円とか、そういうようなことについてはあった可能性がございます。ただし、それ以外の何物でもございません。これがまず第一点の後者の御質問についての御回答でございます。

そして、第二番目の前者の御回答につきましては、例えば何を期待したのか、では危機管理とは何ぞやと。これは、企業において危機管理とは非常に広い意味がございますけれども、例えば総会の問題についていろいろと御指導を願うとか御意見をちょうだいする。私どもは総会関係の人間についても全く100%関係がございません。したがって、そのようなことについていろいろな危機管理の参考意見をちょうだいしたということでございます。

浅尾 慶一郎

時間の関係で最後にいたしますが、大島社長は個社の立場ではなく適法に今後行動していかなければいけないと先ほど発言をされました。利息制限法という法律がありまして、それは簡単に言えば15%以上100円以上のものは金利を取ったらいかぬ、ただし任意に払ったものはその限りでないということなんですが、上場会社としてどうでしょう。任意の定義はいろいろあるでしょうから、今後、商工ファンドとしては利息制限法以上の金利は取らないということをこの場で約束されるとかなり社会的な立場も上がるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

大島 健伸氏(参考人)

ただいまの御質問につきましては、先ほども御回答を申し上げましたとおり、金利につきましてはマーケットメカニズムで決まると思います。私どもが企業努力で利息を下げていくということだけはお約束いたします。

以上、御回答申し上げました。



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