財政金融委員会 会議録
平成11年4月13日
浅尾 慶一郎

民主党 新緑風会の浅尾慶一郎です。金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律案に関しまして、この法律案の対象には基本的にノンバンク等も含まれるということから、若干、先般特別公的管理になりました日本長期信用銀行の現在の業務体制についてまずお伺いをさせていただきたいと思います。

まず第一点目は、新しく取締役に何人か金融再生委員会の方で選任をされたわけでございますけれども、この新しく取締役になられた方ともともとの長期信用銀行の方、あるいは日債銀の取締役と日債銀の行員の方とは、これは円滑な人間関係で業務をやっておるという理解でよろしいんでしょうか、金融再生委員会の委員長にお伺いいたします。

柳沢 伯夫(国務大臣)

国有化になりましても、日常の金融業務は一定の条件のもとでこれを円滑に進めていかなければならない、こういう任務を負っているわけでありまして、その具体的な執行の任に当たる取締役というものがお互いに融和、協調、団結して事に当たるということは必須の条件であろう、このように考えております。

そこで、私どもは、実はこの長銀の取締役、経営陣につきましては、総理の代行機関において指名をし預金保険機構が選任をするという手続のもとでこの方々にお願いをしたという経緯がございます。その際、もちろんトップの方あるいは副頭取の方というような最高責任の方々は外部から適任者と思われる方々を選ばせていただいて指名をさせていただきましたが、同時にいわば最高経営陣を形成する経営陣の中のお一人は内部から登用して、内部との意思疎通というものが十分図られるように配慮をして選任させていただきました。

そのように、先生今御指摘の点については十分な配慮の上に選任をいたしましたので、その後の推移を見ましても我々の選任の趣旨を十分踏まえて事に当たっていただいておる、このように承知をいたしております。

浅尾 慶一郎

新しく選任をされた取締役の使命は、恐らく金融再生法の趣旨にのっとれば長期信用銀行なり日債銀の再生を図るということでございますから、通常の考え方でいえばむだなコストは削減していくといったようなことも含めてやっていかなければいけないんではないかなと。そうなってくると、ある面では当然行員の方と対立する部分も出てくるんではないかなというふうに考えますけれども、具体的に対立するような部分というのは余り聞こえてこないで、どちらかというと大臣が今言われたように円満な関係という点に重点が置かれているような気がいたしますが、その点について何かあれば。

柳沢 伯夫氏(国務大臣)

先生がどういう局面を念頭に置かれて御質疑をなさっているか、若干私の頭で整理し切れていない面もございますけれども。

経営に当たって経費の削減を心がけていくということは当然のことでありまして、その大きな枠組みにつきましては、実は経営合理化計画というものの中で、これは法律で定められた一定の手続によりまして再生委員会の承認を経て発効するというものでございますけれども、この計画にのっとった経費の節減努力というものが行われるということになっております。

したがいまして、個々の業務処理につきましてはその計画の定めたルールにのっとって行われておるということでございまして、個々の経費の支出について、使用人と経営陣の間で緊張関係があるということが非常に望ましいということではなくて、計画にのっとった適切な節減努力のもとでの支出が行われておればそれでよろしいのではないか、私としてはこのように考えるわけであります。

浅尾 慶一郎

それでは、具体的に少し質問させていただきます。最近の預金の調達コストに関して、通常の大手銀行と比べると大体1%ぐらい金利が高くなっているということも聞いておるんですが、それでいいかどうか、その点についてお答えいただきたいと思います。

森 昭治氏(政府委員)

お答え申し上げます。長銀が特別公的管理に入った際に、ただいま大臣が申し上げました経営合理化計画を当委員会で承認しますと同時に、業務運営基準なるものを策定いたしました。そして、ただいま先生御指摘の調達の際のコストというものをどの程度の範囲にすべきかということも業務運営基準の中にきちんと定めております。

ただ、現在、長銀自身が新経営陣のもとで活動して商取引を行っている銀行でございますので、具体的な許容の調達コストの数字については発言を控えさせていただきます。

浅尾 慶一郎

数字をお答えいただけないというのはちょっと納得できないんですが。一般の金融機関よりも1%高い。大変な低金利の中で1%高く払えば預金は集まるということですから、当然バランスシートの負債サイドが膨らんでいく。そうすると、資産サイドも膨らませていかなければいけないということになりますし、何よりも経費の節減ということを考えた場合に、今は国の信用でもっている銀行が1%高い金利を払う必要が本当にあるのか。あるいはまた、そういうことをして預金を余計に集めなければいけない理由というのはどこにあるのか。先ほどの経費節減ということも考えた場合には余り合理性がないんではないかなと思いますので、再度答弁を求めます。

森 昭治氏(政府委員)

先生御指摘のとおり、調達コストは幾らでも高くていいというものではもちろんございません。したがいまして、この業務運営基準の中で合理的と認められる範囲内、いわば許容範囲というものを定めておるわけでございまして、調達コストが野方図に上昇していくということがないようにしてございます。

ただ、具体的な数字につきましては、商取引に影響が出ますものですから、この際、発言を控えさせていただきたいと思います。

浅尾 慶一郎

そんな商取引に影響が出るはずがないわけで、それは預けに行けばすぐわかる話なんです。再度お答え願います。

森 昭治氏(政府委員)

私の申し上げておりますのは、現在の数字がどれくらいかということではなくて、どこまでいわばプレミアムといいますかそういうものがつけ得るか、またつけなければ調達できないかという問題については上限を定めておりますということをお答え申し上げているわけでございます。

浅尾 慶一郎

では、現在の数字を明らかにしていただきたいんですが。

森 昭治氏(政府委員)

現時点において、例えば本日の割引金融債が他行に比してどうかという具体的な数字は今持ち合わせておりません。ただ、一年物で大体1%程度というふうに聞いております。

浅尾 慶一郎

一年物で1%ということは、一年物の定期預金はちなみに今幾らぐらいですか、都銀の平均。

森 昭治氏(政府委員)

先生御承知のとおり、今は自由金利でございますので、いろいろな金融機関によって違うと思います。確たる数字は、調べさせていただきますので少しお時間をいただきたいと思います。

浅尾 慶一郎

では、私の方で申し上げます。大体0.15ぐらいだと思いますけれども、その段階で1%払うというのは大変高いと思います。一年ということであれば当然その預金もすべて保護される。そういう中で1%払って集めているというのは、これはモラルハザードにつながるんじゃないかなと思いますが、その点、金融再生委員会委員長、いかがですか。

柳沢 伯夫(国務大臣)

国有化あるいは特別公的管理のもとに置かれた銀行の資金の調達をどうするか、あるいは今度金融整理管財人のもとに置かれた国民銀行のようなものの資金調達をどうするかという問題は非常に大きな問題であります。もちろん、当座、緊急のつなぎとしては日本銀行の特別融資をいただくということがございますけれども、基本的には今度のスキームというのは業務を継続していくということを旨としておりますので、私どもとしては、日本銀行の特融というようなものにできるだけ依存しない形で自力での調達を図らせるというようなことを原則的な考え方にしてございます。

そういうようなことの中で、それぞれの銀行が、例えばただいま先生御指摘の長銀におきましても市場金利での調達ということを業務運営基準の中でもうたっておりまして、そういう中で自力調達を心がける。その場合に、市場におきまして若干高目の資金調達になるということについても、あえてこれを認めていこうということでこの制度の運用に当たるべきではないか、このような考え方のもとで今運用をさせていただいておるという次第であります。

浅尾 慶一郎

あえて高い金利を払って多くのお金を集めているというふうに聞こえましたけれども、もしそうだとすれば、それに関連して少し質問をさせていただきたいんですが、最近、長銀並びに日債銀で特別公的管理になってからサービサーという子会社をつくっておられますか。

森 昭治氏(政府委員)

お答え申し上げます。私が聞いておりますのは、幾つかの子会社をいわば一つに集約してそういうサービサーの会社をつくったということは聞いております。

浅尾 慶一郎

御案内のとおり、サービサーは不動産つきの不良債権を底値で買って高く売るという会社だと思いますが、そのバックファイナンスというか資金は今おっしゃっておられた一%の高目の金利で集めた資金を使っているというふうに理解ができると思います。

そうだとすると、今の不動産市況が底値だというふうに理解して、そこで底値で買って高くなっているのであればそれは成功なんですが、仮に底値で買ったとしてさらに下がった場合は、それは底値とは言わないんでしょうけれども、さらに下がった場合は損をしてしまう。ですから、簡単な言葉で言えば、資金調達をたやすくさせて、ばくちを打たせているのかなと。それは本当に特別公的管理に入った銀行がやることとして認めていいものなのかどうか。

翻って考えてみますと、そういうことで成功すればもちろん債務超過の部分はなくなるからいいんでしょうけれども、失敗した場合にはさらに税金で負担する部分がふえるのではないかと思います。金融再生委員会としては、特別公的管理に入るまではしっかり管理するけれども入った後の管理が少し甘いのではないかなというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。

森 昭治氏(政府委員)

お答え申し上げます。私が聞いておる範囲では、サービサーといいましてもいろいろあるかと思うんですけれども、長銀の子会社であるサービサーにつきましては、自分がポジションをとって債権を買って回収するということよりも、むしろ回収事業そのものに当たっているというふうに聞いておりまして、長銀から融資を受けて債権を買い取っているというような話は聞いておりません。

浅尾 慶一郎

それは日債銀の子会社についても同じですか、日債銀についてはそうでない話も聞いていますが。

森 昭治(政府委員)

日債銀についても、そうでないという話は私は聞いておりません。確認をいたします。

浅尾 慶一郎

多少買っているという情報は聞いておるんですが、それは確認をしていただいてぜひ教えていただきたいと思います。

大変重要な問題ですし、税金も絡む問題でございますので、当委員会に月次で長銀のバランスシート及びPLを出していただきたいということですけれども。

森 昭治氏(政府委員)

ただいま先生の御要望されたものにつきましては、果たして出せるものなのかどうか検討させていただきたいと思います。

浅尾 慶一郎

特別公的管理になる前の長銀は、上場企業として多分、月次ないしは四半期ごとに報告をしていた。今度は特別公的管理になったわけですから、なおさら税金の絡む問題ですので、出して問題があることは全くあり得ないと思うんですが。

森 昭治氏(政府委員)

再度申し上げますが、ぜひ検討の時間をいただきたいと思います。

浅尾 慶一郎

検討するほどのこともないと思うんですが、それではなぜ出していただかなければいけないのかということで、もう少しいろいろな具体例を申し上げさせていただきます。

ちなみに、特別公的管理になってからの人件費の推移というのはお手元に資料はございますでしょうか。なければ、今探している間に、もう少しそれに加えてお話をさせていただきます。

具体的なお話で、転職をされた方のお話でありますけれども、長銀から三和銀行に転職された方がいらして、それは個別の例なのですべてがそうなっているかどうかわかりませんが、給料が下がったというふうに言っておられたと。ということは、都銀の中で大変経営状態がいいと言われている銀行よりも今の給料が高いということになるんじゃないかなと思いますので、ぜひ人件費の推移についてもあわせて出していただければと思います。

森 昭治氏(政府委員)

お答え申し上げます。先ほど申し上げました経営健全化計画のもとで、経費は業務遂行上必要不可欠のものに限定するということで経費総額の圧縮に努めてまいっております。

具体的には、経営健全化計画におきまして、ピーク時に比して従業員は四割削減、すなわち最終的には2,500人体制へ持っていく。人件費につきましても、ピーク時の平成7年度に比しまして五割削減するということで、約460億円下げるということでやっております。また、営業経費につきましても四割削減ということで、ピーク時の1,080億円程度からことしの11年3月末におきましては770億円程度に下げるというふうに鋭意努力しているところでございます。

浅尾 慶一郎

今のお話で1,080億円から770億円まで下げられるということですが、人員についてはその間どれぐらい減っておられるんですか。やはり4割ぐらい減っておられるんですか。

森 昭治氏(政府委員)

平成5年4月にはピーク時ということで4,060人でございました。それが平成11年3月期、つまりこの3月末で2,790人程度まで下がっております。これをさらに今年度下期には2,500人まで減らす、こういうことでございます。

浅尾 慶一郎

そういたしますと、固定費の部分もあるので一概には比較できないかもしれませんが、人員が大体8分の5になって経費の方は4分の3ということですから、1人当たりの営業経費は逆にふえているというようなことがあるんじゃないかなというふうに思いますが、その計算で正しいかどうかということです。

それを補足する意味で、余り細かい話をしてもあれなんですが、例えば海外に勤務されている方の住まい等の具体例で幾つか聞いていますのは、ある米系のコンサルティング会社の、パートナーというとなかなか立場の高い人ですけれども、パートナーと同じアパート、まあマンションの隣に住んでいると。そうすると、大体月額で4,000ドルぐらいの家賃のところに住んでおられるというようなことが今も続いているということなんです。

私は何が指摘したいかというと、経費というのは、固定費の部分もあるんでしょうけれども、人員が減っていると1人当たりで使える額が逆にふえるんじゃないかなと。今申し上げましたように、人員が8分の5に減って、片方で経費が4分の3ということはふえているんではないかなと思いますが、その点はいかがでしょうか。

森 昭治氏(政府委員);

人員の方につきましては、総合職がやめていくのか業務職がやめていくのかあるいは一般職がやめていくのか、各層のやめる割合によって総人件費の低減ぐあいというのは違ってくるものだと理解しております。

また、先生が御指摘になった海外の例でございますが、海外拠点数はピーク時で44店舗あったわけでございますけれども、これを九年度末に41まで減らしまして、去る3月、すなわち11年3月末で23まで減らしたところでございます。これも今後海外から全面撤退という方向で努力していると聞いております。

浅尾 慶一郎

その海外に関してなんですが、行員を新たに留学させる計画というのはあるんでしょうか。

森 昭治氏(政府委員)

お答え申し上げます。恐れ入りますが、そういう計画があるとは聞いておりません。

浅尾 慶一郎

私はあったんだけれどもつい最近やめたというふうに聞いています。

それで、いろいろお話をさせていただいているんですが、新しく取締役になられた方々も非常に努力はされていると思いますが、なかなかかじが急には切れないのかなという印象を受けております。

先般も質問させていただいた件でございますけれども、そういう中で税金を使ってゴールドマン・サックスというアドバイザーを雇われているということでございまして、そのゴールドマン・サックスに対してもかなりの金額の報酬を払われる。報酬を払ってもそれが最終的に国民の負担が減る方向で払っているということであればいいんでしょうけれども、そうではなくて、国民負担を減らさないにもかかわらず契約金が払われてしまうということであれば、金額も億か何十億かちょっとわかりませんが、大変な金額だというふうに聞いていますので、ぜひ再度ゴールドマン・サックスとのアドバイザリー契約の中身を当委員会に出していただきますように資料要求をさせていただきたいと思います。

柳沢 伯夫氏(国務大臣)

ただいま浅尾先生から、いろいろ具体的な事実に基づいて、長銀の経費の支出ぶりについてやや問題がありはしないか、特に人の処遇について問題がありはしないかという御指摘をいただきました。

私がこの特別公的管理下に置いた長銀について基本的にどういう考え方を持って臨んだかということをちょっとお話しさせていただきたいわけでありますが、私は、長期信用銀行というのは非常に優秀な人材を擁していた銀行である、そしてこの優秀な人材を抱えていることが恐らくいい譲渡先を見つけられる理由になるであろうというふうに考えまして、民間の銀行という立場から国有銀行という立場に変わるときに余りに人材の流出を招くような措置についてはやはり考えるべき要素がある、このように実は考えさせていただきました。そこのところは非常にバランスが難しいわけでありますが、その辺のことを安斎頭取以下に判断いただいて、その結論を尊重させていただいたというのが実態でございます。

具体的に、ある人がやめてほかの銀行へ行ったら給料が低くなったとか、あるいは海外にいる人がアパートを引っ越さないとかというようなことは、御指摘がありましたので安斎頭取にもそういう先生の御指摘をお伝えして、そういったところにも目を配るようにということは申し上げますけれども、今の私の受けた印象を言いますと、安斎頭取以下の経営陣も一つ一つの個々の点にまではまだなかなか注意というか目が届いていないために起こっている事象も多いだろう、このように思います。できるだけ細かく目を配るように経営陣に対して特に注意をしてまいりたいというふうに思います。

加えて、ゴールドマン・サックスとのフィナンシャルアドバイザリー契約の問題でございますが、これは別に隠し立てをするということは全く考えておらないわけであります。我々は次にすぐ日債銀のFA契約を控えておりますし、またあと2年あるということは想定したくないわけでございますけれども、さらに場合によってそんなことをしなければならない事態も発生するかと思うわけでございます。そういうことを考えるときに、このFA契約がいわば1つの指標になって、本来もうちょっと安くできるところを安くできなくなってしまうというようなことも防ぎたい、このように思います。

このFA契約自体の妥当性については、これは競争入札でやりましたので、この長銀のFA契約自体について何か市場価格と離れたような価格での契約が行われたかといえば、それは今言ったことでそうでないということが担保されておる、このように申し上げたいと思います。

浅尾 慶一郎

まず、前段の件でございますけれども、私も長期信用銀行の方は大変優秀な方が多いということはそのとおりだと思います。ただ、例え話で言えば、同じように例えば商社でも人材が集まっている商社というのは幾らでもあるわけで、では商社が経営危機になったら人材が流出しないように国がいろいろな補てんをするのかというと、そうではないんじゃないかなと。そうすると、長銀の場合だけ、銀行である、あるいは特別公的管理になったからということでその人材が流出しないようにして価値を高めておくというのは少しどうなのかなという気がいたします。

さらに言わせていただければ、仮に長銀に本当に優秀な人がいて、委員長は長銀を売却するということを当然考えておられるわけですから、恐らくその価値を高めるためにその人たちを残しておこうということなんだと思いますけれども、いろんな面で本当に優秀な方はいらっしゃると思うんですが、そのまま売られた場合に果たして本当に残っているのかなという点もやや疑問ではあると思います。

後段のアドバイザリー契約の部分については、重ねて申し上げさせていただきますが、その中身を見せるとこれからの日債銀のアドバイザーが選べないというのはよくわからなくて、むしろよりよいアドバイザーが選べるのじゃないかなというふうに思います。

具体的に申し上げますと、多分アドバイザリー契約を結ばれるときに、売却先の候補というのももう入札された方は出されていたと思いますが、その売却先の候補というのは想像の産物で幾らでも出そうと思えば出せるわけで、こういうところが買いそうですよということを書いておくことも可能なのじゃないかなというふうに思いまして、本当に想像の産物で何億円も払う、あるいは何十億円も払うと。結局、売れなかったのは、極端な話を言えば、財政・金融委員会でだれかが指摘してうまく進まなかったとか、そういう幾らでも理屈がつけられるようになっている契約だとすれば、そこは問題なのではないかなというふうに思います。

加えて、先般、実はFA契約の中身を見せていただきたいということで、別途、金融再生委員会の方から御説明に来ていただいたときには、言葉として申し上げますと、我々金融再生委員会が新たに選任をした取締役というものはもともとの長銀の経営陣とは違うんだからそういう人たちを信じてくださいというような御説明だったんです。信じてくださいということで本当に信じたいんですけれども、今るる申し上げたようなことが現実にあるということであれば、これはその人たちに本当にフリーハンドで任せておいていいものかなというふうに思います。

加えて、先般も申し上げましたけれども、そもそも金融再生委員会が本来は売却先を探すという行為をするべきなんではないかなと。ですから、アドバイザーを雇うのであれば、先般は予算がなかったから金融再生委員会ではアドバイザーを雇えなかったということなんですが、国民にかわってその売却先を探すという観点に立てば、長銀の経営陣にアドバイザーを雇わせるということよりも金融再生委員会で雇っていただいた方がいいのではないか。それに対しては予算がないからというお答えだったんですが、予算がないのはしようがないとして、だとすれば、実質上は金融再生委員会が雇っているというふうに考えれば、税金ということもありますから、ぜひアドバイザリー契約を提出していただきたいという資料要求を再度させていただきます。

柳沢 伯夫氏(国務大臣)

まず第一に、私が御答弁申し上げました企業価値をできるだけ維持して、これを望ましい譲渡先に売るということのために苦心をするところが必要だと自分は考えるという話に対して商社の例を先生はお出しになりましたけれども、やはりこの場合は私どもはそれを維持しておればいいということではなくて、できるだけいい譲渡先にできればいい値段でもって譲渡をするということが必要になっているわけでありまして、そのためには企業価値の維持ということにかなりの配慮をしていくことが必要である、この点は御理解を願いたい、このように考えるところであります。

それから、フィナンシャルアドバイザリー契約につきましては、ただいま先生がお話になりましたように、最初は何かそういったことについての技術的なアドバイスみたいなもの、あるいは情報の提供みたいなもののみのアドバイスサービスを受けるというようなことも検討いたしたわけでありますが、それよりもやはりしっかりと譲渡先を見つける、マージャーの先を見つけるというかアクウィジションの先を見つけるというか、そういったサービスまで含んだところのFA契約にすべきだというふうに考えました。したがいまして、その契約に当たっては、その譲渡先を見つけ得る能力と申しますか、そういったものを見通し得る程度がより高いところにお願いをしたということであろうと思います。

しかしながら、その契約の内容についてここで開示しろということについては、先生に御理解いただきたいわけでありますけれども、今後そういうことがないということであれば幾らでもそういうことが可能になると思いますし、また公的管理が終わった後、この法律が失効して、こういったことの制度がなくなった後についてはすべてのことを明らかにするわけでございまして、そのときにまた御批判を賜りたいと私は思いますけれども、今この途上においてそういったことをすべて開示することが今後の制度の運用上本当に適切かどうかということについては、私は責任を持たせていただいておる立場からやや疑問に思いまして、何とか先生の御理解を得たい、このように思います。

浅尾 慶一郎

契約は単純に言えば報酬と対価、サービスの提供ということなんだと思いますが、サービスの提供というのは善管注意義務をもって売却先を探しますよということなんだと思います。

問題なのは、売却先が見つからない場合でも当然幾らかお支払いになられるわけでしょうし、その金額の多寡の問題が1つあるのと、それからもっと言えば、それが結果として税金で賄われるということが一番問題なのではないかなというふうに思います。

翻って、ではその契約を見せたとして一体売却交渉にどういう影響があるのか。ポテンシャルバイヤーの名前を出すとその人たちが困るということはあるかもしれませんけれども、そこの部分はもし問題があれば隠していただいても結構ですが、ポテンシャルバイヤー以外の部分については全く実害はないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

森 昭治氏(政府委員)

先生の御指摘の契約書の公表についてでございますけれども、これにつきましては、契約の一方の当事者でありますゴールドマン・サックス社が契約内容の公開は今後の営業に支障を来しかねないということから公表に同意できないとしています以上、当方がその契約書の内容を開示することは守秘義務の観点から困難であると言わざるを得ない点を御理解いただきたいと思います。

浅尾 慶一郎

ゴールドマン・サックス社は契約を開示されるといろいろ困ることがあるから、それを称して今後の営業に支障が出るということなんでしょうけれども、先般の御答弁では、今後の例えば日債銀のフィナンシャルアドバイザーにはゴールドマン・サックスは入れないというふうに御答弁いただいたと思いますから、彼らがフィナンシャルアドバイザーとして関与することはないんじゃないかなというふうに思います。したがって、それは理由にはならないんじゃないかというふうに思いますが。

森 昭治氏(政府委員)

なぜゴールドマン・サックス社が公開は困ると言っているかについては、私も想像の範囲を出ないのでございますけれども、ゴールドマン・サックス社は今世界のMアンドA部門である意味で最も強力な銀行とされているところかと思いますが、そういう銀行が世界のいろいろなところとMアンドA契約を結んでいるわけでありまして、その中のたった一つでも出てしまうということは、ゴールドマン・サックスの商取引からすればどうしてもそれは回避したい、そう考えているのではないかと思います。

浅尾 慶一郎

ゴールドマン・サックスの立場というのはそういうことなのかもしれませんけれども、税金を使って、そしてそれが果たして本当に妥当かどうかということを検証しないといけないという観点からいうと、それはちょっと納得ができないということなので、再度資料要求をさせていただきます。その理由というのは、もうきょうさんざん述べましたのでこれ以上申し上げませんけれども、ぜひその資料を出していただきますように再度要求させていただきます。

勝木 健司氏(委員長)

ただいまの浅尾君の資料要求の件につきましては、理事会で引き続き協議いたします。

浅尾 慶一郎

それでは、本日の法律案について質問をさせていただきたいと思います。

まず、多重債務者問題についてでございますけれども、取り立てが厳しいんじゃないかとか、いろいろあると思います。あるいは、利ざやが少し厚過ぎるんじゃないかと先ほど日出委員からもお話がありました。

取り立てについては、大手のいわゆるサラ金と言われている業者、それからリース会社、信販会社、いろいろあると思いますが、金融監督庁で把握されている範囲で結構ですけれども、それぞれの業態ごとにどれだけ厳しいかということを、厳しいのか厳しくないのかということについてちょっとお話をいただければと思います。

乾 文男氏(政府委員)

取り立てについての問題でございますけれども、まず貸金業規制法におきましては、貸金業者が債権の取り立てに当たりまして、人を威迫し、またはその私生活もしくは業務の平穏を害するような言動によりまして債務者を困惑させてはならないとされておりまして、この規定に違反いたしましたときには業務の停止を命ずることができることとされておるわけでございます。

また、貸金業者が貸金業規制法の規定に違反しまして、あるいは刑法等の罪を犯しまして罰せられた場合等におきましては、当該貸金業者の登録を取り消すこととされているわけでございます。

平成十年度におきまして51の貸金業者に対しまして登録の取り消し処分を行っておりますけれども、このうち取り立て行為違反によるものは4件となっておりまして、御指摘がありましたように貸金業者の中に違法な取り立てを行っているものがあることは事実でございます。

最近数カ年間の違法な取り立て行為でそういうふうな罰則ないし処分を受けましたものの例を見ますと、語気鋭く債務者を威迫したとか、債務者宅に不法侵入したとか、債務者宅に金を返せとの張り紙をしたとか、そういうふうな事例があるわけでございますけれども、そうしたことにつきまして、金融監督庁といたしましては、大手、中小を問わず、警察当局と連絡をしながらそうした暴力取り立て等の悪質な取り立ての排除に取り組んでいるところでございます。

浅尾 慶一郎

先ほど日出委員からもお話がありましたけれども、消費者金融会社の金利が利息制限法の上限よりもはるかに高い状況にあるということでございます。

先ほどの御答弁で、任意に支払いをした場合にはそれでも構わない、ただし書面で14%までですよというようなことを提示されるということでございますが、今テレビのコマーシャルとかで盛んにいろんな会社が、ひとりででき太とかなんとかという、具体名は余り出さない方がいいのかもしれないですけれども、要するにATM方式でお金が借りられるというような宣伝をされております。

たばこの場合は健康のため吸い過ぎに注意したらどうかというのがあるんですが、この際、利息制限法の上限金利以上は払う必要がありませんよというようなテロップでも流されたらいかがでしょうか。その御指導をされたらどうかということなんですけれども、その点についてはいかがですか。

乾 文男氏(政府委員)

まず最初に、自動契約受付機の問題につきまして言及がございましたけれども、自動契約受付機の問題については、それが過剰な借り入れを招いているのではないかという御批判があることから、私どもも、自動契約受付機が借り手の方に借りやすいとか、あるいはそういうことで過剰貸し付けを招かないように、自動契約受付機の広告に当たりましては、かつてありました簡単とか楽々とかそういう言葉を用いないこと、それから自動契約受付機も店頭と同様の審査を行っておりますということを明示するように、そういう御議論を伝えた結果、業界の方も今申しましたような自主規制を行っているところでございます。

それから、今の利息制限法とのかかわりにつきましては、これは先ほど申しましたように、利息制限法で一定の率を超えればそれは無効であるとされておる、それから貸金業規制法におきましては一定の要件のもとにそれが任意に払われた場合には有効な利息の弁済とみなすとされているわけでございますけれども、この両者のかかわりというのは非常に難しい問題があるわけでございます。

釈迦に説法でございますけれども、司法体系、すなわち民法、商法、そしてこの利息制限法というものがあるわけでございまして、一定のものを超えたら無効だとしているわけでありますが、そうした中でいろいろな事案が、裁判になるような事案もたくさんあったわけでございます。

そういう中で、昭和58年に議員立法でこの貸金業規制法がそうした司法体系の特例法として成立したわけでございまして、今申しましたように、一定の要件のもとであえて有効な利息の弁済とみなすことによりまして、契約上必要な書面の交付をしないような、言葉はあれですけれども、やみ的な金融というものをむしろ表に出してきちっとやっていくという当時の立法の御趣旨があったのかと思いますが、そうした観点から制定されましたこの両方の法律の調和という観点から、今の御指摘の問題につきましては、なかなか難しい問題と申しますか、慎重に検討を要する問題があるのかなということでございます。

したがいまして、現行の貸金業規制法の中では、店頭に貸付契約の内容を表示しなさいというふうに書いてあるわけでございますけれども、その内容というのは、貸付契約の内容でございますから、金利でございますとかそういうものを表示することになっているわけでありますけれども、今の法体系の中では、先ほど申しましたような考え方から、御指摘のような点について表示させることは貸金業規制法は想定していないのではないかというふうに考えているところでございます。

浅尾 慶一郎

最後の部分で、要するにそういうことは行政指導としてはなかなか難しいということだと思いますけれども、再度お尋ねをさせていただきます。

利息制限法と出資法上の貸出制限金利との間にずれがあると。片っ方は罰則規定があって、片っ方は任意の場合は構わないということなんですが、その周知徹底というのはなかなか難しいと思いますけれども、あれだけテレビコマーシャルということがあって、これは規制緩和の中ではいいのかなという部分もあるのでしょうけれども、一方で、今御指摘がありましたように、簡単とか便利とかそういうことではいけないけれども、ひとりででき太とか、むじんくんとか、いろいろあるわけでございまして、ほぼ類推ができることなのかなというふうに思います。

そういったようなものを盛んにテレビコマーシャルその他で宣伝されるということを考えた場合に、なかなか今の法律上は想定していないということなのかもしれませんが、一方でたばこの場合はそういったことが箱にも書いてありますし、テレビコマーシャルにも、小さくか大きくか議論が分かれるところでしょうけれども、出るわけでございますから、そういったようなことを御検討されてはいかがでしょうかということを申し上げさせていただいて、もし大臣の方で所見があればお伺いをさせていただきたいと思います。

乾 文男氏(政府委員)

私ども、法律に基づきましてそれを執行する立場から申しますと、法律に書いていないことあるいは私どもに権限のないことにつきまして業界を指導することはできないというのは、この問題に限らず金融監督庁発足のときからの1つのプリンシプルでございます。

先ほどの自動契約機の場合には、世の中の社会的な強い御批判の中で、業界の自主規制としてそういう簡単、楽々というふうなものは用いないとかということになっているわけでございまして、そのような自主規制として行われるのであれば格別でございますけれども、私どもの方からこの問題について行政指導をするというのは、現行の法体系の中ではやや難しいのかなというふうに考えておるところでございます。

浅尾 慶一郎

重ねて、将来の政策としてそういったようなことも含めて検討される可能性があるかどうか、大蔵大臣にお伺いさせていただきたいと思います。

宮澤 喜一氏(国務大臣)

先ほど日出委員の御質問があり、今また浅尾委員のお尋ねをずっと伺っておりまして、昭和58年に貸金業規制法を制定いたしますときに、本院でもいろいろ御議論がありました。また、私どもの党内でも大変長い経緯を経ましてここに至りましたことを私はよく記憶いたしております。

そのときになされました議論が大体きょうまでそのとおりやっぱりいろんな問題として起こっております。先ほど政府委員が言われましたように、この貸金業規制法というものを思い切って制定することによって、ある程度好ましくない現実でもしかしそれを認めていって、その上に規制をしようという決断があったわけでございます。つまり、高い利子を取っているではないかといえば、それは払う人がいるから取れるという単純な事実がありますし、何しろ人類の中で一番古い商売の一つでございますので、この問題にはどうしてもそこのところがうまくいかない部分があります。

したがって、この40%という金利は確かに高いわけですから、だんだん下げていかなきゃいけないという問題が片一方にあるとともに、他方でそういうものが現実に存在しているということであるならば、できるだけそれについてのディスクロージャーであるとかというようなことをやって、消費者にそれをわかってもらいたい。しかし、これをけしからぬといって根絶するということは政策の方向ではなくて、金をどうしても借りなければならないという人を保護しながら、しかしそういう機関はなるべく自由に活動させたい、こういうようなジレンマを持っている問題だと私は思います。

浅尾委員のおっしゃることはよくわかりますが、時間とともにこれはやはりそういう気持ちの中から規制をしていくということではなかろうかと思います。

浅尾 慶一郎

今の点と関連いたしまして、消費者金融機関の金利が高い、それで非常に高収益を上げているという現状を考えた場合に、なぜそれが可能かというと、恐らく消費者信用情報といったようなものを、先ほど延滞の場合は共有というお話がありましたけれども、基本的にはその業態ごとに持っておられるということだと思います。これを延滞でない場合も共有できるようにしていくことによって、非常に収益機会が高いわけですから、外部から新しく参入する機会を設けられてはいかがかなというふうに思います。

具体的に申し上げますと、例えばATMなどというものは各金融機関が持っておるわけでございまして、キャッシュカードも皆さん持っておられるわけですから、これに簡単な融資機能も付加すれば参入できるのでしょうけれども、参入できない大きなポイントというのは、多分消費者信用情報というのがなかなかわかりづらい部分にあるのではないかなと。延滞という形では今交流が行われているという御答弁でございましたけれども、だとすれば延滞前から共有されるように御指導する可能性があるのかどうか、その点だけ伺わせていただきたいと思います。

乾 文男氏(政府委員)

まず、事実関係を先に申し上げますと、貸金業の新規の登録件数を見ますと、近年におきましては毎年度4,000業者が参入しておりまして、一方では消えていく方も相当ありますので総数はそんなに変わらないんですけれども、数字としては新規参入が活発ではないという認識は持っておらないわけでございます。

それで、お尋ねの延滞のいわゆるブラック情報でない情報、ホワイト情報とかポジティブ情報とか申しますけれども、それについての信用情報機関間の共有ないし交流についての検討状況はどうかということでございますが、この問題につきましては、例えばある銀行からお金を借りているということが業態を越えております消費者ローン会社でわかる、あるいは消費者ローン会社で借りているということが銀行でわかる、延滞をしておりませんで順調に返済していても、いろいろなところで自分の借り入れ状況、残高等がわかってしまうというプライバシーの大きな問題があるわけでございます。

そうした観点から、このホワイト情報の交流につきましては、個人信用情報保護・利用のあり方という観点から、現在、大蔵省の金融審議会の中に作業部会を設けまして、金融審議会、それから通産省の産業構造審議会、割賦販売審議会の合同作業部会を設けまして、そこで幅広い観点から検討が進められているところでございます。金融監督庁といたしましても、そこでの議論に積極的に参加をして適切に対応してまいりたいと思っております。

ただ、先ほど申しましたような観点から、非常に慎重な検討を要する問題であるということはぜひ御理解をいただきたいと思います。

浅尾 慶一郎

もう時間が参りましたので、最後の質問とさせていただきたいと思います。最後に、せっかく公正取引委員会に来ていただいておりますので、先ほど日出委員から金利がほぼ同じレベルで並んでいるというお話がありましたけれども、これは談合というかカルテルの可能性というのがあるかどうかだけ簡単にお答えいただいて、私の質問を終わります。

山田 昭雄氏(政府委員)

お答えいたします。貸金業者の金利が横並びで推移しているかどうかにつきましては、私どもとしてすべてのものについてつまびらかに承知していないわけでございますが、少なくとも大手貸金業者の貸付上限金利がここ数年横並びで推移しているとは承知していないわけでございます。

なお、これは仮定の問題でございますが、貸金業者間におきまして貸付金利を決定し、当該金利で貸し付けを行っているとすれば、これはもちろん独占禁止法上の問題になってくるということでございます。



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