財政金融委員会 会議録
平成11年5月18日
浅尾 慶一郎

同僚の伊藤委員の質問に関連して質問をさせていただきます。

きょうは時間も余りありませんので、先般来、当委員会において金融再生委員会の皆様方にお願いをいたしております長銀とゴールドマン・サックスとのアドバイザリー契約の開示の点についてだけお聞きをさせていただきたい、このように思っております。

まず、その質問に入らせていただくに当たりまして、ただいま柳沢国務大臣の方からお話がありましたけれども、日本の金融機関に何とか立ち直ってもらいたいという熱意は私も全くそのとおりだというふうに思っておりますし、また今までの護送船団方式を変えて透明なルールに基づいて行政を行っておるということだと理解をいたしております。

そういう中で、なぜゴールドマン・サックスと長銀とのアドバイザリー契約の開示を要求させていただいておるのかということをもう一度この場で述べさせていただいて、またきょうは金融機能再生緊急措置法、この法律に基づいて少し御議論もさせていただきたいと思いますので、委員長の御許可をいただきまして、一部その該当する箇所のコピーを配付させていただきたいと思います。

〔資料配付〕

さて、質問の方ですが、なぜ長銀のアドバイザリー契約を開示していただきたいかということなんですが、申すまでもありませんけれども、この契約は原資が税金から出ておるということだと思います。債務超過にある、破綻してしまった金融機関でございますので、当然そのお金を自費で払えるわけがございません。そうすると、一説には数億円とも数十億円とも言われておりますそのアドバイザリー契約が本当に必要なのかどうか、その点についてぜひとも国会の場において検証していくことが必要なのではないか、そういう観点から先般来質問、また資料請求をさせていただいておるわけでございます。

さて、今申し上げましたけれども、この金融機能再生緊急措置法、ちょっと長いので金融再生法と申し上げさせていただきますが、この第三条には「金融機関の破綻処理の原則」というものが定められております。金融機関の破綻処理の原則は一から六まであるわけでございます。該当するところのみ読み上げさせていただきますけれども、一の「破綻した金融機関の不良債権等の財務内容その他の経営の状況を開示すること。」、これはしたがってゴールドマン・サックスとアドバイザリー契約を結ばれたということであれば、その内容も含めて開示していただきたいんですけれども、さらに加えて、私は六の方が大事だと思いますが、「金融機関の破綻処理に係る費用が最小となるようにすること。」としっかりと原則の中で定められております。

そうすると、もともとの金融再生法の議論の中で、特別公的管理に入った銀行の処理、それは第五十二条で書いてあるわけでございますけれども、アドバイザーを雇うということは、先般御答弁いただいたと思いますが、もともとは想定をしておられなかったということでございます。いろいろなことを勘案して雇われた、私はその雇ったということがそもそも悪いということを申し上げておるわけではございませんけれども、ここに書いてありますように、「金融機関の破綻処理に係る費用が最小となるようにすること。」となっておりますので、果たして本当にそれによって最小になったかどうか、その検証が必要なのではないかな、こういうことを申し上げさせていただいております。その検証をするためには、契約の中身を見せていただかないことには検証をすることができないのではないか、こういうことで先般来、資料請求をさせていただいております。

ここで、まず第一の質問に入らせていただきますが、ではこの契約を開示しない場合に、再生委員会としてはアドバイザーを雇ったことが費用が最小になるんだよということを国会に対してどうやって証明されるつもりなのか、その点についてお答えいただきたいと思います。

森 昭治氏(政府委員)

お答え申し上げます。

金融再生委員会が昨年12月15日に立ち上がったわけでございますけれども、そこから種々資産判定等をやっておるわけでございます。

特別公的管理銀行についての一番の目標は何といっても早期処理、受け皿銀行を一刻も早く見つけて引き継ぐ、それが最大の目標であり、それが先生御指摘の3条6号にございます費用の最小化につながるものと、このように再生委員会は考えて、その際、グローバルな観点から見ると、現在MアンドAということで受け皿を探すにはやはりフィナンシャルアドバイザーというものを雇うことが世界の慣行となっておるということも考えまして、FA制度を活用して早期に特別公的管理銀行の受け皿を探すということを金融再生委員会としては判断したわけでございます。

現在、長期信用銀行につきましてはその最終段階にあるわけでございますけれども、我々としては、こういう世界のプラクティスにのっとったFAの活用というものが国民負担の最小化につながるものと確信している次第でございます。

浅尾 慶一郎

私は、どうやって証明するのかということで、FAを雇ったことを否定しているわけではありません。再度答弁を求めます。

柳沢 伯夫氏(国務大臣)

先生に対する資料要求のお答えにつきましては、結論的に言いますと、私どもは今回もお断りをさせていただきたいということでございます。

それはどういうことかと申しますと、一つには、まだこの制度のもとでFAをほかに雇うようなケースもあるかもしれないと。私どもは、そういうような契約についてもまた費用最小の原則で、前がこうだったから今度はこのくらいでいいだろうというようなことのないようにしていきたいということを考えていること、それからまた商売の問題として、守秘義務というか、守秘を望んでおるという相手方の事情にも一定の配慮をすることによって、この段階でもなお先生の御要望には応じかねるということをぜひ御理解いただきたい、このように考えているわけでございます。

費用が最小のことをどうやって証明するんだということでございますが、これは私どもはFAを雇うに当たって世界に向けてその候補者を募集したということ、そしてそれを第一次的には書面審査でもって主として能力的な観点あるいはいろいろな知名度の観点から選別して七社に絞ったということ、それから今度はその七社からいろいろな費用の面等のことを具体的に御提案いただいて、その中で最も私どもに納得的であり、またその中身と費用との関係で最も安いところに落札をして決定させていただいたと、こういうような経過をたどっているところでございまして、この経過によって、FAを雇うとすれば一番最小の費用ということに結びついたということは先生方にも御理解いただけるところではないか、このように考えます。

なお、先生はここのところを、そこまで費用は最小であるべきだということでございますけれども、私どもこの条文を見るときには、もちろんこのような個々の具体的なケースにおいても費用をできるだけ節約する、最小にするということを私どもも法律によって命じられているという受けとめ方をしておりますが、なかんずくここで我々が受けとめているところは、社会的な費用の最小のところをむしろこの再生法においては健全化法と違って配慮しているということを最も強いメッセージとして受けとめている、このことを付け加えさせていただきます。

浅尾 慶一郎

今の御答弁ですと、契約を開示すると次の契約が高くなってしまうというふうに聞けたんですが、一方で入札をしているんだから一番安いと。多分そこに少し矛盾があるんではないかなというふうに思います。

それから、同再生法の第五条に、「政府は、おおむね6月に1回、又はその求めがあったときは直ちに、破綻した金融機関の処理のために講じた措置の内容その他金融機関の破綻の処理の状況を国会に報告しなければならない。」となっております。長銀が特別公的管理になりましたのは昨年の10月23日というふうに聞いておりまして、もう既に6カ月経過をいたしております。7カ月近くたっておるということでございますし、またその求めがあったということで、この第五条に基づいてもぜひ再度当委員会に資料請求を委員長にさせていただきたいというふうに思います。

時間の関係で最後にさせていただきますけれども、大変透明な行政が求められているということは明らかでございますし、また先般、長銀の安斎頭取がすべて終わったときには少なくとも公表するというふうに発言をしておるわけでございます。そして、先ほど、もうすぐ長銀の売却ができるということだったかもしれませんので、もし近々できるということであったら、終わってからでも結構でございますから、その歴史の検証ということも必要なのではないかなというふうに思いますので、ぜひ契約書の開示を要求したいと思います。

柳沢 伯夫氏(国務大臣)

この第5条でございますか、国会ができるだけ情報を共有する形でこの手続が進むようにというような趣旨から出た規定がなされておりますが、私どもは、そうかといって、6カ月たったら何か決算書のようにそこで締めてというふうには考えておりません。このおおむねというところは、半年に1回ぐらい1つのまとまりとして仕事が終わるんじゃないか、節目ができるんじゃないか、こういうように受けとめさせていただいておりまして、私どもは長銀の売却が済んだ段階でその経過等、たまたまこれが初めてのケースでもございますので、再生法の運用を我々再生委員会がどのように行ってきたかということを含めてこの際国会報告をいたしたい、そういうふうに考えて段取りをしておるところでございます。これはまたそういう段階になりましたらぜひ先生方に御報告させていただきます。

なお、長銀の安斎頭取が申したことは、安斎さんは御自身のことだけ考えておって、これが終われば自分としてはオープンにしていいんですよというようなことを申したわけでありますが、私どもは全体の流れというものを考えておりますので、その時期については、今言ったような諸般のことを考慮に入れてこの契約の開示──契約の開示をいたさないとは私も一度も申したことはないのでございます。ただ、そのタイミングを考えさせていただきたい、この点については理解をいただきたいということを申しているだけでありまして、安斎頭取のこの発言の趣旨も同様と思いますが、私どもは安斎頭取のように一行のことだけを考えるのではなくて、この制度全体の運用の流れを考えてしかるべきときに開示をさせていただきたい、このように御理解を賜りたいと思います。

浅尾 慶一郎

終わります。

勝木 健司(委員長)

ただいまの浅尾君要求の資料、新たな資料要求という形であれば理事会において協議をさせていただきたいと思います。



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