財政金融委員会 会議録
平成11年8月3日
浅尾 慶一郎

きょうは日銀総裁にもお越しいただいておりまして、当初質問通告をさせていただいていなかったんですが、林委員の質問の中で私が関心を持ちました点がございましたので、一点だけお許しをいただきまして伺わせていただきたいというふうに思います。  それは何かといいますと、先般の当委員会の席においても、まだまだデフレ懸念が残っている中において、ゼロ金利政策を続けていくというふうにおっしゃっておったわけでございますが、先ほど一方で、国債の増発が補正予算等の関係であり得るかもしれない、国債増発が起きた場合には、いわゆるイールドカーブというか、長期の金利は少し高くなる、そして短期の金利は0%のまま維持されるということで、長いものの金利が高くなって短いものが低くなっていくということが起きる可能性があるんですが、果たして本当にその場合に、0%で金利を維持することがインフレその他を考えた場合でも可能かどうか、その点だけお答えいただければと思います。

速水 優氏(参考人)

長期金利につきましては、私どもも非常に神経を使って見ておるわけでございますが、やや長い期間をとってみますと、基本的には先行きの景気とか物価について市場がどういうふうに見ているかという見方を反映してつくられていくものではなかろうかというふうに思います。

これまでの長期金利の推移を振り返ってみますと、短期的には国債の需給懸念といったことを材料にして一時的に上昇したことがございましたが、結局は景気の低迷が長引くという中で金利の低下傾向が続いてきたと申してよかろうかと思います。

今後、補正予算とか国債の追加的発行というようなことが行われていきますときに、今ここで具体的なコメントを申し述べることは差し控えたいと思いますが、一般論として申し述べますならば、仮に補正予算論議をきっかけにして市場参加者の景気に対する見方がさらに強まっていくということであれば、長期金利が上がっていくのは、それは経済活動に悪影響を与える危険というものは小さいのではないか、その程度のことであれば受け入れていくべきものではないかというふうに思います。一方、人々の景気や物価に対する見方が変わらなければ、長期金利は短期的には振れることがあっても結局もとに戻るものというふうに考えられます。

いずれにしましても、長期金利の動向と経済活動との関係につきましては今後とも注意深くウオッチしてまいりたいというふうに思っております。

浅尾 慶一郎

ありがとうございました。

さて、少し観点を変えた質問をさせていただきたいと思いますが、昨日の衆議院の予算委員会でも若干議論があったかと思いますが、いわゆる日債銀の問題に関してでございます。

きょうは法務政務次官にも、副大臣制の導入ということもあり得るかなということで、将来答弁されることもあろうかということでちょっとお願いをいたしまして御出席をいただいておりますので、若干法律論に関する部分も質問をさせていただきたいというふうに思います。

まず、法律論に関して申し上げますと、銀行法に関するところでございますけれども、日債銀に関しましてその日次のあるいは月次の資金の出入りというものは、日債銀の経営の状況がかなり危ないと言われておる、あるいはいわゆる奉加帳を回すようになる前後ぐらいから監督当局として徴求をしておったのかどうか、その点を伺いたいと思います。

乾 文男氏(政府委員)

個別の具体的な内容につきましては差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として申し上げますと、監督当局といたしましては、金融機関の財務状況を的確に把握いたしますために、例えば半期ごとの決算状況表でございますとか、毎月末の預金、貸出残高等に係る日計表等でございますとか、幾つかの必要な情報につきましては適時に報告を求めているところでございます。

浅尾 慶一郎

銀行法の24条には、「金融再生委員会は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、銀行に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。」と書いてあるわけでございまして、日債銀の場合には、非常に経営が厳しいという状況になっておるわけでございますから、報告を求めなかったということは、仮に求めていなかったとするならば、当然それは職務に対して遅怠があったのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

乾 文男氏(政府委員)

ただいま一般論でお答えしたとおりでございまして、今引用になられました銀行法第24四条に基づきまして、適宜に必要な資料を徴求しているところでございます。

浅尾 慶一郎

そうすると、資料を月次の貸し出し、あるいは財産状況について徴求をしておられたということだと思います。そうだとすると、お金の動き等を当然見られて、ある程度あるいはかなりその財産の状況等がわかったのではないかな、こんなふうに思いますけれども、そうすると、ずっと専門家が見ることによって、もしそこに多少粉飾等のごまかしがあったとするならばわかったのではないか、あるいはわからないとすればそこに大きな過失があったのではないかなというふうに思います。要するに、徴求すべき資料はそこにあって、そしてそれを見ておられて、帳簿上おかしいというふうに気づかないというのは故意か過失があるのではないかと思いますが、その点はいかがでございましょうか。

乾 文男氏(政府委員)

今申しましたように、金融機関の資金繰り等につきまして、必要な資料を徴求いたしまして把握しております。資金繰りというのは非常に重要な要素でございますから、監督当局のみならず、日本銀行も日々の資金繰りを非常に注意深くウオッチしているところでございますけれども、そうした資金繰り等の問題と、今御指摘になりましたそこから何か粉飾であるとかそうしたことを発見するためということとはこれはちょっと違うのかなと。

金融機関のいわば健全性、日常の業務の観点からそうした資金繰りというものを日本銀行を中心に見ておりますけれども、この銀行法24条は、申し上げるまでもないんですけれども、特に犯罪を探るためとか、そういうことではございませんので、そこは御理解をいただきたいと思います。

浅尾 慶一郎

それでは、別の観点から質問をさせていただきます。

せっかく政務次官お越しでございますので、今度は少し刑法の方で、一般論でお話を伺いたいと思います。

申すまでもありませんけれども、刑法の第61条には、これはちょっと言葉が強いんですけれども、「人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。」と書いてあります。一般論で伺わせていただきますと、仮にいろいろな資料を徴求した上で、当時セーフティーネットがなかったとかいろんな事情があるわけでございまして、そこでそのとおりに出すと問題があるといったようなことを黙示、あるいは明らかに出した場合には教唆になるんでしょうけれども、どの程度までだと教唆に当たるか。どの程度までというのは、暗黙の了解ということも当然あるんでしょうけれども、どの程度までだと一般論では教唆になるのかということをちょっと伺わせていただければと思います。

北岡 秀二氏(政府委員)

一般論の仮定の話には大変お答えしづらいんですが、犯罪が成立するかどうかにつきましては、あくまで捜査機関におきまして法と証拠に基づいて厳格に判断すべき事柄でありますので、そのあたりの状況の設定というのが十分に掌握できない状況の中ではなかなかお答えしづらいと思う次第でございますので、よろしくお願い申し上げたいと思う次第でございます。

浅尾 慶一郎

一般論ではなかなかお答えしづらいということでございますので、もう少し具体的にお伺いさせていただきますけれども、いろいろな事情があったにせよ、明らかに数字を変えろと言った場合にはこれは犯罪になるという理解でよろしゅうございますね。

北岡 秀二氏(政府委員)

ちょっと子細にかかる部分でございますので、事務当局より答えさせていただきます。

池上 政幸氏(説明員)

ただいま政務次官からもお答え申し上げましたとおり、お尋ねは具体的な事実関係を一定の場合を想定してお尋ねになっているものでございまして、犯罪の成否というものは法と証拠に基づいて具体的な事案に応じて判断すべきものであるので、なかなかお答えしづらいところがあるのでございます。

もちろん、委員御指摘のとおり、刑法第61条第一項は、「人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。」ということで教唆犯の規定を設けておりますけれども、具体的にどのような事実があって教唆の罪が成立するかということは、個別具体的な事案において証拠に基づいて判断されるべき事柄であると考えております。

浅尾 慶一郎

なかなかお答えいただけない難しい部分もあろうかと思いますけれども、最後にその点に関してもう一点だけちょっと伺わせていただきたいんです。

私は、素直にその法律を読めば、明らかに教唆した場合には刑法違反になるんだろうというふうに思いますが、日本社会の中において暗黙の了解ということもあろうかというふうに思いますけれども、その暗黙の了解の場合に、果たしてそれが教唆に当たるかどうかということをお答えいただければと思います。

池上 政幸氏(説明員)

お尋ねは、人を教唆した場合にその教唆の方法が具体的に明示的に行われた場合に限らず、意思を通じたような場合もあり得るか、あるいは黙示的に教唆の意思を示したような場合もあり得るかということだと理解させていただきますが、一般論として申し上げますならば、明示的にはっきり言葉で教え唆すということだけには限らないとは解釈されておりますが、それはいずれにせよ具体的な事実関係いかんによるものと考えております。

浅尾 慶一郎

ありがとうございます。さて、もう一点、日債銀絡みで伺わせていただきたいと思います。

銀行法上は、監督当局に関して、特に明示の義務規定ということではなくて権利規定というんですか、何々をすることができるという書き方になっておるんです。できると書いてあった場合に、かつ国民経済の観点から必要がある場合には、私はむしろこれを義務規定的にすべきであるというふうに読むのが正しいのかなと思うんですが、仮にそうだという前提で質問をさせていただきます。

一方で、国家公務員法の82条には公務員の懲戒規定が書かれておりまして、その第二号に「職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合」という規定がありまして、その場合は懲戒に当たるということなんだと思います。

ここで伺いたいのは、義務に違反したかどうかというのは非常に難しいところでしょうけれども、義務を怠ったということはあり得るのかなという観点から、一般論で結構でございますが、先ほど来伺わさせていただいております報告または資料は提出を求めていなかったとするならば、私はこれは職務義務を怠ったということになるんだと思います。どうも御答弁は明確には答えておられませんが、日債銀に関しては少なくとも奉加帳の前ぐらいからは報告は徴していたということだと思いますが、徴した上で例えば26条の業務停止その他の適切な措置をとらなかったということは職務を怠ったことになり得るのかどうか、その点についてどなたでも結構でございますから、お答えいただければと思います。

宮澤 喜一氏(国務大臣)

質問の趣旨は極めて明らかでありますけれども、公務員法の解釈に属しますので、ここにおります者だれも有権的な解釈を下す立場にないように思います。

浅尾 慶一郎

わかりました。それはぜひ別途お答えいただくようにお願いを申し上げたいというふうに思いますが、有権解釈でなくても結構でございますので、もし御所見を大蔵大臣、いただければと思います。

宮澤 喜一氏(国務大臣)

お言葉ではございますけれども、これは厳格にこれこそ法の解釈に属します。しかも、それいかんによっては懲戒をすべきかすべきでないかということになりますので、ここはお答えをできる立場にある者からひとつお答えを申し上げる機会をお与えいただきたいと思います。

浅尾 慶一郎

わかりました。

では、次の質問の方に移らせていただきたいというふうに思いますが、時間の関係で少し急ぎながらやらせていただきたいと思います。

次の質問というのは、きょう柳沢委員長もお越しでございますけれども、最近、金融再生委員会が初めて外資系の金融機関、クレディ・スイス・グループに検査に入られて、結果としていろいろ大変厳しい検査結果、不正があったということでございましょうけれども、大変厳しい措置を下されたということでございます。その免許取り消しに該当するのは、銀行法27条の公益を害する罪ということで免許を取り消されたということだと思います。

そこで、公益を害するということは果たしてクレディ・スイス単体で公益を害することができたのだろうかと。言い方をかえますと、公益を害したのはクレディ・スイスが損失先送り商品を販売いたしまして損失先送りの手助けをしたということでありますから、販売をしたということは当然購入した金融機関もあるわけでございまして、そういったところも公益を害しているのではないかな、こういうふうに思いますが、その点はいかがでございましょうか。

柳沢 伯夫氏(国務大臣)

CSグループは五社でございましたが、それとのかかわりの御商売をなさった日系の金融機関が1社ということで6社に対して検査が行われ、これに基づきまして、先般、今御指摘のような処分をいたしたということでございます。

その中で、クレディ・スイス・ファイナンシャル・プロダクツ銀行というものに対して免許の取り消しということを行いまして、その根拠として引用いたしたものは、法令違反の行為ももちろん、検査の妨害であるとか忌避であるとかということ、さらには証取法等における兼業禁止を破ったというようなことで、大きく分けて2つの固まりにおいて法令違反の事実もありましたけれども、加えまして、ただいま先生御指摘のように、公益侵害行為ということをもって根拠にし、これら法令違反と法令侵害行為のすべてを根拠として免許の停止に結びつけた、こういうのが今回の処分の概要でございます。

しからば、この公益侵害行為というのは、単にCSファイナンシャル・プロダクツ銀行だけにあったのではなく、その他の関連するところにもそれぞれにあったのではないか、こういう御質疑でございますけれども、そこは私ども金融検査の結果をいろいろと報告を受け、また金融監督庁側の意見というようなものも参酌いたしまして、総合的な判断として、最もある意味で重い責任を追及すべきなのはファイナンシャル・プロダクツ銀行である、このように結論を出したというのが概要でございます。

浅尾 慶一郎

私は、決してクレディ・スイスに対する処罰が重いとか軽いとか、そういうことではなくて、ちょっと明らかにさせていただきたかったのは、公益を害するという罪で簡単に言えば免許停止、取り消しということになるわけでございますが、公益を害した共犯金融機関というのがあるんではないか。共犯金融機関というのは、クレディ・スイス・ファイナンシャル・プロダクツが売った製品によって損失を先送りした幾つかの中には、某雑誌等のあれによりますと日債銀等も含まれておるということでございますけれども、そうした共犯の、日債銀に限らず、幾つか現存する金融機関も、特別公的管理に入っていない金融機関、経営形態が変わっていない金融機関もあるわけでございます。そうしたところに関しては、いわゆる公益を害することの共犯になるのではないかという質問なんですが、その点についてはいかがでございましょうか。

乾 文男氏(政府委員)

銀行法27条に関連してのお尋ねでございますので、監督庁からお答えいたします。

まず、このクレディ・スイス・ファイナンシャル・プロダクツの免許取り消しの直接の理由の1つとなりました公益侵害でございますが、これは顧客というのはいるわけでございますけれども、その顧客との間の取引が、これは個々の実態を見てみなければ一概に違法かどうかということは決めつけられない問題でございます。

ただ、このファイナンシャル・プロダクツについて申しますと、顧客である金融機関あるいは事業会社等の財務内容の適切な開示の観点から、著しく不適切な商品を大量に反復継続して組成、提供して販売していたということでございまして、これは我が国の金融市場及び金融機関の健全性を著しく損なわせるということから、このファイナンシャル・プロダクツ銀行の行為が27条の公益を害する行為というふうに認定し、取り消しの処分を行ったわけでございます。

これに対しまして、顧客たる金融機関の方につきましては、ただいま申し上げましたように、その1つ1つの実態あるいは意図というものを見てみないとわからないわけでございますけれども、一般論で申し上げますと、顧客である金融機関がこうしたスキームを活用いたしまして、損失の先送りにつながるようなスキームを活用いたしまして自己資本比率の意図的なかさ上げを図っていたといたしますと、これは金融監督庁の事務ガイドラインにも抵触することになるわけでございます。

そうしたことから、金融監督庁といたしましては、CSFP銀行東京支店等が行っておりました不適切な取引の顧客のうち金融機関につきましては、今後その取引実態を把握いたしまして、法令に照らして適切な対処をしていくこととしたいと考えているところでございます。

浅尾 慶一郎

多分、私の質問は大体お答えいただいているんですが、恐らく今回のクレディ・スイス・グループのいろいろな処罰に関して、これはどちらかというと外国当局はルール違反ではないかなと私は思います。例えばスイスの当局も、スイスの当局かあるいはクレディ・スイス・グループなのかちょっとわかりませんけれども、いろいろな申し入れをされておるということだと思いますが、今申し上げたように、片方、公益を害するという、ここは非常に裁量の部分も強いかなという気もいたします。

そうした中で、繰り返しになりますが、公益を害するということは決して共同してその商品を買ってくれる、あるいはそうすることによって公益は害しながらも損失を先送りして決算書を粉飾する、利益のある客があって初めて成立するわけでございますので、ぜひそこの点を慎重に、購入された側についても公平な観点から対処していただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。

これは銀行法でございますので、しかもここの部分は法務省の方に質問通告はしておりません。もしお答えが可能であればで結構でございますが、その公益を害する罪ということについて、共犯ということがあり得るのかどうか。質問通告をしていないので、もしお答えいただけなければ結構でございます。

池上 政幸氏(説明員)

突然のお尋ねでございまして準備がございませんが、報道等で、あるいは国会での御論議がなされていることは承知しておりますけれども、お尋ねの件が御指摘の法条に当たるかどうかについてはお答えする立場にないであろうと考えております。

乾 文男氏(政府委員)

一点補足させていただきますと、この銀行法第27条で免許の取り消しをいたしましたけれども、これはあくまでも行政処分でございまして、もう先生御承知かと思いますが、これは刑事罰とか犯罪ということではございませんので、共犯であるとか幇助であるとかそういうこととは直ちに結びつかない問題であるということを申し述べさせていただきたいと思います。

浅尾 慶一郎

今までいろいろるる申し上げましたけれども、今回の外資系の金融機関にも法に基づいてしっかりと検査に入られるということは、非常に私自身は評価しておるということをぜひ申し上げさせていただいて、次の質問に入らせていただきたいと思います。

それでは、ほかの例えば外資系の金融機関が多数日本にあって、これは今後の趨勢においてますますふえていくものだろうというふうに思いますが、そうした金融機関の中には外貨預金あるいは邦貨の預金を非常に多く集めておるところもあろうかと思います。

一般論に関して言えば、それが果たして預金保険上の、外貨預金についてはオフショア預金であれば預金保険の対象外なんでしょうけれども、預金保険の対象外だといっても、2001年3月までは仮にペイオフはやらないということになると、2001年3月までに外資系のそういう金融機関、日本で預金を集めているところが破綻をした場合には、それも含めて救済するという理解なのかどうか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。

福田 誠氏(政府委員)

預金保険制度の対象となる金融機関につきましては預金保険法第二条に列挙されておりまして、あくまで日本国内に本店のある金融機関に限定されておりますので、国内に本店の存在しない外資系金融機関は預金保険制度の対象となっておりません。

浅尾 慶一郎

いや、それは結構なんですが、そういった国内に本店がない金融機関が破綻をした場合に、2001年3月まではそれでも保護することが果たして可能なのかどうか。

なぜそういうことを質問させていただきますかというと、外資系の金融機関は国内に本店がないところでもかなり預金を集めておるのではないかなというふうに思いまして、そういう人はセミプロみたいな人だから保護する必要はないという理解であればそれは1つの考え方でしょうが、そうではなくて、やはり安定あるいは周知徹底というのが足りないということであれば、そうはいっても要はペイオフというか多少保護することを考えておられるのか。その点だけお伺いしたいと思います。

福田 誠氏(政府委員)

先ほど申し上げましたように、金融機関自体が対象外でございますし、外貨預金も預金保険の対象となっておりませんで、現在、2001年3月までの特例措置におきましても保護の対象となっていないということでございます。

また、その辺の誤解を招かないように、金融機関におきましては、顧客には預金保険の対象となるもの、ならないものについて周知徹底するようにということにはなっているわけでございます。

浅尾 慶一郎

それでは、質問を変えさせていただいて、外国という言い方がいいのかどうか、いわゆる金融機関の中で国内に本店は置いているけれども資本関係において日系の資本でないものについてお話を伺わせていただきたいと思います。

具体的に申し上げますが、これから少し破綻する可能性があると言われているものの一つとしていわゆる朝鮮系の金融機関、こういったようなものが破綻する可能性があるといろいろと報道がなされております。

まず第一点、そういったようなものは金融再生法の対象になるという理解でよろしゅうございますか。

乾 文男氏(政府委員)

今御指摘になりました朝銀系の金融機関でございましても日本の信用組合でございます。中小企業等協同組合法であったかと思いますけれども、その法律に基づきまして設立された金融機関ということでございますから、預金法でございますとか再生法でございますとか、そうした国内法の適用は当然にあるということでございます。

浅尾 慶一郎

そこで、質問でございますけれども、そうしたところが破綻をした場合には当然金融整理管財人というものを再生委員長が任命されるということになると思いますが、あるいはこれは財務局になるのか、ちょっとそこは細かいところは見ておりませんが、その金融整理管財人は金融再生法に基づきますと第18条の第2項で犯罪があると思われるときには告発をしなければいけないというふうに記載がされておるわけでございます。そういう告発義務は当然一般的な金融機関と同じというふうに考えてよろしいわけでございますか。

柳沢 伯夫氏(国務大臣)

信用組合が一般的に破綻をした場合どのような破綻の処理が行われるかということにつきましては、これは国内の銀行ですし、預金保険の保険料も払っているということでございまして、預金保険法の適用もあるし、金融再生法の適用もあるし、金融機能健全化法の適用もある、こういう立場でございます。破綻の場合にどういうふうになっているかと申しますと、現実には、預金保険法に基づく救済金融機関に対する資金援助方式ということで行われているものが大宗でございます。

この関係で責任追及の規定が格別に設けられているかどうかはちょっと私つまびらかにいたしませんが、今の先生のお話で、仮に再生法に基づいて金融整理管財人が派遣される方式を採用された場合には、ただいま御引用になられたあの責任追及の規定が当然働く、このように制度が仕組まれているところでございます。

浅尾 慶一郎

私が実はこの質問をさせていただいておりますのは、これは事実かどうかというところはもちろん争いがあるところでございますが、幾つかの朝銀系の信用組合において横領があったということで訴訟も行われておると聞いております。それが本当に横領に当たるのかどうかわかりませんが、預金をした者が知らない間に送金をされていた、送金された先が北朝鮮であるというようなことも含めて訴訟が行われておると聞いております。

そうした中で、また8月にはテポドン・ミサイルが発射されるかもしれないといったようなことも新聞報道ではされておりますが、一般的な国民感情から申し上げさせていただきますと、仮にテポドン・ミサイルが発射された場合に、しかも、個別の金融機関がどうかということは別として、その金融機関の中に仮に不正を行って資金を送金していたというようなことがあった場合には、それは法律上は、当然救わなければいけないというのは、預金者は善意の預金者ですから救わなければいけないと思いますけれども、一方において、犯罪があったとするならばしっかりと告発をしていくべきではないかなというふうに考えております。だとすれば、金融再生法には十八条にしっかりと告発の義務が書かれておるわけでございまして、預金保険法での破綻処理よりかは、結果は、結果はというのは、預金者に対する結果は一緒なわけでございますから、より犯罪の可能性があるとすれば金融再生法での破綻処理を行われたらいかがですかということなのでございますが、その点についてお伺いさせていただきたいと思います。

柳沢 伯夫氏(国務大臣)

今、先生がおっしゃったとおり、信用組合の破綻において常識的に適用されるのは預金保険法上の救済金融機関に対する資金援助方式と再生法に基づく金融整理管財人による方式、こういうことなんだけれども、責任追及の規定のあるのは再生法の方なんだから、むしろ優先的に再生法の方を適用するように持っていくべきではないか、こういうお話のように承りました。

確かにそういう面もございますけれども、私が今事務当局を督励いたしておりますのは、どこであれ、この預金保険法に基づく資金援助に当たっても、これは第一義的には都道府県にその事務が移管されているわけでございますけれども、よく見て、吟味をして、やはりどんな理由であれ、穴があいたものを埋めるんだというような安直な対処の仕方をとるということは、大宗は保険料が入っているとしても、何がしか国民の税金の部分も加わらざるを得ないというのが現況であることを考えれば、当然そうでなきゃならないということで、現在、督励もいたしておるところでございます。

確かに、この援助のときに、犯罪と思料されるようなことがなくてもあっても、国家公務員は犯罪と思料される事実に直面したときには告発の義務を一般的にかぶっておりますから、もしそうしたことがあればこれで対処をするということになって、再生法に基づく金融整理管財人の場合とそんなに大きな差が出るとも法制上考えられないし、実効上は特に考えないようにしてまいりたい、このように思っております。

浅尾 慶一郎

ありがとうございました。

本来は政務次官にも同じ趣旨の質問をさせていただこうと思ったんですが、時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきたいと思います。



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